魅了っていいよね! 作:男の娘もいいよね!
突然だが、ボクは魅了が好きだ。
魅了って、つまり人を感動させるのが好きなのかって?
確かに正しい意味での使い方はそうだけれど、それは違う。
ここで言う魅了とはいわゆるゲーム・アニメなどで出てくるやつだ。男性読者諸君もあるんじゃないかい、色っぽいキャラや可愛いキャラがハートを飛ばしたりとかしてきて、味方キャラがメロメロにされて攻撃できなくなったり裏切ったり…それでドキドキしてしまうことが。
ボクはそれにいわゆる性癖というやつを歪められた。きっかけはなんだったか、確かポケットなモンスターのアニメの、分類がむすびつきなモンスターが出てくる回だったか。主人公の主力がメロメロにされて手も足も出ず敗北したのを見て、とてもゾクゾクしたのを覚えている。
そしてそれから1年ほど経ったある日、ボクは出会ってしまった。イナズマイレブンに。
そこでは女子選手が相手を魅了して一緒に踊らせて抜き去ったり、フェロモンで相手を眠らせてボールを奪ったりといったまあボクの好みに突き刺さるものがあった。
それがきっかけでやったイナズマイレブンに、ボクはとてものめり込んだ。魅了云々ではなく普通にゲームやアニメの良さに。
新作の発売日を待ちわびたものだ、8年ほどかかったけれど。
そしてそんなボクも大人になり、最新作、「英雄たちのヴィクトリーロード」をクリアした。とても楽しいゲームだったよ。
ウッキウキでボクは二次創作を漁ろうとして、そんな時……
ボクは自然災害に巻き込まれ死んだ。
え?何の自然災害だったか?それは秘密としておく。そしてそんなボクは今……
「何故か南雲原に居るんだよな…」
そう。英雄たちのヴィクトリーロードのストーリーモードの舞台、南雲原中の生徒として過ごしているのだ。これが所謂転生と言うやつなのか。なんか見た目も可愛い女の子みたいになってるし。男の娘は好きだから別にいいけどさ。ちなみにスタート地点は小学校入学の辺りだったりする。
そうしてボクは南雲原で退屈な日々を過ごしていた。当たり前でしょ、中学生の内容なんて覚えてるものもあるんだから。流石に多少は学び直しだけど、得意な国語とかはマジで毎授業寝ている。
そしてそんなこんなで入学してから数日経ったある日だった。
「笹波くんはご両親の都合で、数日遅れての入学になりました。」
ついに来てしまった。主人公
……と言っても、ボクにあの毒舌レスバモンスターと初っ端から話す気はない。話す日は決めている。
その日までボクが何をするか?それは簡単だ。
「というわけで、今日もよろしくお願いします!」
「あら、
「…いや一応大人相手なんで」
「あらお堅い、根っこが真面目よねぇ君。」
「俺にそもそもタメ口で話す勇気がないだけなんで…」
そう。この浜辺のサッカーコートで、小学生のサッカークラブチーム海カモメサッカークラブの練習に混ぜてもらう。これしかない。ちなみにここはボクの古巣でもある。
路地裏バックキックスの人に話しかける勇気は流石にないので、今俺が相手できる中で一番強いのは彼らだろう。
ちなみに全く関係ない話だが一人称の「ボク」はビジネス一人称的なものだったりする。本当は「俺」だよ。ここだけの話ね。
「必殺技もそろそろ完成させたいんですけどね…」
「だいぶスジは良いから時間の問題な気はするけどねぇ、中学に入ってからさらに良くなってきてるし」
ちなみにボクが完成させようとしている必殺技は「ラブ・アロー」だ。…え?何かって?アレだよ、
「
「はい。…じゃあ、またいつもみたいに田之村くんと一紗くんの相手をしてあげて。」
「はい。」
そうしてボクは飛び上がり、色の薄いハートのオーラを纏ったボールを蹴る…をひたすら繰り返す。繰り返す度に少しずつ、少しずつ色は濃くなっていく。しかし空が緋色に染まり、夕方を告げる時間になっても結局完成することはなかった。
「はぁ……」
「あら残念だったわね、でもこの調子ならもうすぐ完成するんじゃないかしら?」
「この調子で間に合うかちょっと不安ですけどね……」
「…前から思ってたけど、その間に合わせないといけない日っていつなの?アナタがチームに入ってるって話は聞いたことないし、そもそも練習試合の話すら最近は聞かないわよ?」
「あー…」
痛いところを突かれてしまった。流石に原作知識なんて他の人に言うわけにもいかない。となると……
………うん、少し無理があるけれど、こうしよう
「………夢で見るんです。近いうちに、俺は、南雲原で…サッカーをする。その為に備えないといけないんです。」
「南雲原で?でもあそこは……いや、これ以上は聞かないほうがいいかしら。それじゃあ、それまでに完成させられるよう頑張りなさいね!」
背中をばしっ、と叩かれる。ちょっと痛いけど、あんまり悪い気はしない。ちなみにこんな事を言っているが人数の都合確実にボクがベンチになるのは気にしない方向で行く。サッカーをすると言っただけで野球部との試合に出るとは言ってないから………
そして、翌日。ボクは朝に主人公、雲明のクラスメートで、初期メンバーの一人でもある
「木曽路クン、ちょーっとお話いいかな?」
「え、惑魅…?どうしたんだよ急に?」
「いやね、昨日の放課後…中々ボクらにとっては興味深い発言をした彼が居るじゃあないか。」
「…もしかして?」
「うん。ボクも知っての通り南雲原では珍しいサッカー経験者だからね、売り込みに行くつもりさ。どうせキミもそうなんだろう?」
「マジかよ!お前もサッカーやったことあるのかよ〜!……で、いつぐらいに行く?」
「まあ彼らがサッカー部を作る!ってなったところらへんで良いでしょ、それまでバレないようにストーキングしておこうかい」
ちなみにボクと木曽路は友達…くらいにはなれていると思う。彼の諸々を加味するに真の意味では違うかもしれないけど、少ないともボクは一方的に友達だと思ってる。…そのほうが寂しくないし。
そうしてバレないように彼らに付きまとうこと暫く、ついに彼からその発言が飛び出した。
「…こうなったら、サッカー部を作るんですよ。」
「お二人さん。」
「面白そうな話、ボク達も混ぜてくれないかい?」
「…なんだお前ら?」
ちなみに雲明くんの横にいるこの明らかステレオタイプな不良は
「雲明と同じクラスの木曽路平太と」
「同じく惑魅誘だよ。」
「消えろ…」
「いいのかい?ボクら、サッカー経験者ですぜ?」
「サッカーできない奴らに用は…何?」
「今は仲間が欲しいところですし、木曽路と惑魅さんも入れましょう。」
うん、まあほぼ話したことないしそりゃ距離ある呼び方になるよね。知ってた。
「あ、呼び捨てでいいよ。ボクこんなんだけど男だし。」
「マジか…その見た目で?」
「あ、ボクは全くもって気にしないけど今の時代その発言いろいろとメンドーなので気をつけといたほうがいいですよ。うん。」
「お、おう…?」
今の時代メンドーな人々が沢山いるのでね…ねえ?
「…っつーか、いいのかよ。ちょっとくらいサッカーやってたからってこんなよく知らねえ奴らを入れて。」
「桜崎先輩のことだって、そこまで知ってるわけじゃないですし。」
「それは…そうだけどよ…」
「では、明日からサッカー部再建のために動きます。3人とも協力してください。」
「面白くなってきた!」
「任せてくれよ。ボクも全力で手伝うとしよう。」
そんな訳で、契約は成立となった。
【
【
そんなこんなで、ボクらはサッカー部再建のために奔走することになった。
「というわけで、野球部との試合ですが…」
まあ流石にボクは出ずに端折った間に加入した来夏センパイと亀雄クンが出るだろうから、ボクは正式な試合までに「ラブ・アロー」の習得を…
「スタメンは桜崎先輩、忍原先輩、木曽路、四川堂先輩、惑魅の5人で行こうと思います。亀雄はベンチで待機していてほしい。」
「………はい!?」
なんで、なんで!?なんでボクが!?普通そこは亀雄クンでしょ!?
「わかった…!応援してるね!」
「えっ…なんでボク!?」
「お前な…そりゃサッカー経験者を優先的に入れるに決まってんだろ。」
「え…あっ…そ、そうか………」
そうだった。失念していた。ボク視点で見ればボクなどという異分子よりも原作通り亀雄を投入するのが安定択だが、雲明クン視点で見ればディフェンダーが居ないのを加味しても、必殺技が未完成なのも加味しても、経験者のボクを入れたほうがいい。
……大丈夫だろうか。ボクが入ることでなんかバタフライエフェクト起きたりしない?
そんな不安を抱えたまま…
【11 野球部チーム】
VS
【雲明チーム 13】
「ついに、試合が始まってしまう……」
続く確率はプレイヤーズユニバースでHEROが当たる確率と同じくらいです。