AI生成 FGO SS 鍋焼きうどん食べたい 作:日毎に特定の条件を達成
◆FGO短編SS
『野営パンと、静かな午後の匂い』
任務の合間にぽっかり生まれた休憩時間。
カルデアの簡易キャンプスペースには、薪のやわらかい匂いが漂っていた。
その中心でエミヤが焚き火台の前にしゃがみ込み、
何やら石を並べている。
ぐだ子はマグを抱えたまま近づき、首を傾げた。
「エミヤ、何してるの? 火の組み方……そんなに複雑なんだっけ?」
エミヤは手を止め、こちらへ視線だけ向けた。
その眼差しには、どこか“教える気満々”の気配がにじむ。
「……今日はパンを焼く。ついでだ、簡易オーブンの組み方も教えよう」
「パン!? キャンプで!?」
「驚くほど難しくはないさ」
そう言って、再び石と鉄板を調整し始める。
手際が気持ちいいほど迷いなく、
ぐだ子はマグを抱えたまま見入ってしまった。
「えっと……これ、もうオーブンなの?」
「そうだ。熱の通り道さえ分かれば、形は自由だ」
エミヤは荷物からボウルを取り出し、
小麦粉、水、塩、砂糖を淡々と混ぜ始める。
そこで、ぐだ子の袖を軽く引いた。
「お前もやってみろ。教えても、触らねば覚えない」
「えっ……! わ、わたしが……?」
「心配するな。まずは水を少しずつ、だ」
彼の手ほどきを受けながら、ぐだ子は生地に水を加え、
ぎゅっ……むにっ……と、初めての感触に指を沈ませた。
「わ、わ……これ、思ったより冷たい……!」
「最初はそうだ。だが、手の温度と動きで馴染んでいく。ほら――」
エミヤがぐだ子の手の上から軽く添え、
円を描くように生地をまとめていく。
「……あ、なんかまとまってきた……!」
「それが“生地が機嫌を掴みはじめた”という状態だ。続けてみろ」
自分の手でこねるたび、
もちもちとした抵抗が変化し、
粉の匂いがほんのり甘く広がっていく。
ぐだ子は思わず笑った。
「なんか、かわいい……! この生地、育ってる感じがする……!」
「悪くない感性だ。料理に向いている」
生地を成形して簡易オーブンに入れると、
焚き火の熱がふわりと包み、
室内とは違う“野外の焼き上がり”の時間が流れ始めた。
「……いい匂いがしてきた……!」
「そろそろだな。取り出してみろ」
ぐだ子はしゃがみ込み、
慎重に焼きたてのパンを持ち上げる。
「か、かわいい……! こんがりしてる……!」
「お前がこねた成果だ。割ってみるといい」
ぐだ子がそっと割ると、
ふわっと湯気が上がり、やわらかな香りがあふれた。
「……んん、おいしい……! 自分で触ったから余計においしい……!」
「手間をかけた料理は、必ず応えてくれる」
焚き火がぱちぱちと弾け、
風がふたりの髪を揺らした。
「もっと作りたい……! 次は丸じゃなくて、細長いのとか……!」
「形を変えたいなら、生地質を見て調整も必要だな。
次の工程も教えるとしよう」
エミヤはふっと微笑み、もうひとつパンを渡した。
「焦らず覚えればいい。
外で作るパンは、料理の基礎に最も向いている」
ぐだ子は大切そうに受け取り、小さく笑った。
「……うん。今日だけで、ちょっと得意になった気がするよ」
焼き立てパンの甘い香りと、
焚き火のやさしい音。
外なのに、どこよりも安心できる午後だった。