AI生成 FGO SS 鍋焼きうどん食べたい 作:日毎に特定の条件を達成
◆FGO短編SS
『スープは静かに効く』
夜は体の芯が冷えることがある。
ぐだ子は毛布を肩にかけたまま、
ソファで小さくくしゃみをした。
「……なんかさ、寒いってほどじゃないんだけど」
「ほう」
「じわっと冷えてる感じ。こういう時、あるよね」
キッチンに立っていたエミヤが、手を止めずに答える。
「あるな。
それは疲労と自律神経の問題だ。
表面は平気でも、内側が冷えている」
「さらっと怖いこと言わないで……」
だがエミヤは、すでに鍋を取り出していた。
「スープにしよう。
量は少なめ、温度は高すぎないものがいい」
鍋に入るのは、水と鶏の骨、少量の生姜。
そこに長ねぎの青い部分と、玉ねぎを半分。
「生姜は体を温める、ってやつ?」
「正確には血流を促す。
ネギ類は硫化アリルで代謝を助ける。
派手さはないが、効き目は確かだ」
火は弱め。
ぐらぐら沸かさず、静かに温度を上げていく。
「スープは急がない。
沸騰させると雑味が出る」
「……なんか、今の言い方落ち着く」
「急ぐ料理もあるが、これは違う」
しばらくして、
鶏の旨味が水に溶け、香りが立ち始める。
エミヤは灰汁を丁寧にすくい、
最後に塩をほんのひとつまみ。
「味付け、これだけ?」
「今夜はこれでいい。
胃を刺激しすぎないことが重要だ」
器に注がれたスープは、澄んでいて、
湯気がゆっくりと立ちのぼっている。
「はい」
「……ありがとう」
ぐだ子は両手で器を包み、
一口、そっとすすった。
「あ……」
声にならない息が漏れる。
「熱いってほどじゃないのに、
飲んだ瞬間から、体の奥があったまる……」
「それでいい。
喉を通る温度より、腹に落ちる感覚を重視している」
「なんか……眠くなってきた」
「副交感神経が優位になっている証拠だ」
「理屈がちゃんとしてるのに、
やってることが優しい……」
エミヤは何も言わず、
次の器に少しだけ追加を注いだ。
「飲み切らなくていい。
体が『足りた』と思ったところで止めろ」
「うん……」
二口目を飲んだ頃には、
肩の力が抜けているのが自分でも分かった。
「スープってさ、
食事っていうより、休憩だね」
「そういう位置づけの料理だ。
空腹を満たすためではない」
ぐだ子は、空になった器を見下ろして、
小さく息を吐いた。
「……来てよかった」
「最初から来るつもりだっただろう」
「ばれてたか」
エミヤは鍋の火を落とし、
静かに片づけを始める。
その背中を見ながら、
ぐだ子はもう一度、深く息を吸った。
体の奥に残る、やさしい温もり。
言葉は、スープより先に効いていた。
温もりをおくれ