AI生成 FGO SS 鍋焼きうどん食べたい   作:日毎に特定の条件を達成

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『帰り道の注意事項』

◆FGO短編SS

『帰り道の注意事項』

 

 カルデアの廊下は、夜になると少しだけ静かになる。

 夕食の片付けを終え、照明が落ち始めた時間帯。

 

「じゃ、戻ろっか」

 

 ぐだ子がそう言うと、エミヤは当然のように歩調を合わせた。

 

「送る。

 この時間帯は、眠気と油断が重なる」

 

「え、カルデア内だよ?」

 

「それでもだ」

 

 言い切る声に、ぐだ子は小さく笑う。

 

「過保護」

 

「合理的配慮だ」

 

 並んで歩きながら、さっきまでの洗い物の話題がふっと戻る。

 

「そういえばさ、

 洗剤って全部同じだと思ってたけど、

 混ぜちゃダメなのあるんだね」

 

「ある。

 むしろ、混ぜていいものの方が少ない」

 

「そんなに?」

 

 エミヤは歩きながら、淡々と説明を始める。

 

「代表的なのは、

 塩素系漂白剤と酸性洗剤だ」

 

「……あ、聞いたことある。

 混ぜると危ないやつ」

 

「正確には、

 塩素ガスが発生する。

 少量でも呼吸器に影響が出る」

 

「うわ……」

 

「だから、

 用途が違う洗剤を同時に使うな。

 順番を空けるか、水で十分に流す」

 

「エミヤ、

 その知識どこから……?」

 

「生活の知恵だ」

 

「生活って言葉の重みが違う……」

 

 廊下の角を曲がり、

 少しだけ外気に近い通路に出る。

 

「あと、漂白剤を使う時は、

 素材も確認することだ」

 

「色柄ものに使うとダメ、とか?」

 

「それもある。

 金属製の器具や装飾があるものも注意だ。

 腐食や変色を起こす」

 

「……まさか」

 

 ぐだ子は思い当たる節があった。

 

「うん?」

 

「……聖杯、とか?」

 

 一瞬の沈黙。

 

 エミヤは足を止めず、

 しかしはっきりと言った。

 

「当然だ。

 漂白剤を入れるのに、聖杯を使うのもダメだ」

 

「即答!!」

 

「器としての格以前に、

 魔力反応と化学薬品の相性が最悪だ」

 

「そこまで具体的なの!?」

 

「過去に、

 “綺麗になりそうだから”という理由で

 試そうとした者がいた」

 

「誰!?」

 

「名は伏せる」

 

 ぐだ子は想像して、

 思わず肩をすくめた。

 

「……やりそうな人、

 数人浮かんだ……」

 

「だろうな」

 

 エミヤは小さく息を吐く。

 

「洗い物は、

 ただ汚れを落とす作業ではない。

 安全と管理の積み重ねだ」

 

「そんな真顔で言われると、

 洗い物が修行みたい」

 

「実際、似たようなものだ」

 

「否定しないんだ……」

 

 ぐだ子は歩きながら、

 自分の手を見る。

 

「でもさ、

 こうやって話してると、

 次に洗うとき、ちょっと気をつけようって思える」

 

「それでいい」

 

「エミヤ、

 教えるの上手いよね」

 

「無駄な事故を防ぐためだ」

 

「それを“優しい”って言うんだよ」

 

 エミヤは返事をせず、

 ただ歩調を合わせる。

 

 やがて、ぐだ子の部屋の前に着く。

 

「じゃあ、おやすみ」

 

「おやすみ。

 今日は、もう洗い物を増やすな」

 

「え、夜食もダメ?」

 

「どうしてもなら、

 器は一つで済ませろ」

 

「厳しい……けど、分かった」

 

 扉を開ける前に、

 ぐだ子は振り返る。

 

「ねえ」

 

「何だ」

 

「今日のうんちく、

 ちょっと楽しかった」

 

「そうか」

 

 それだけ答えて、

 エミヤは踵を返す。

 

 廊下に残る足音と、

 洗剤の注意事項と、

 聖杯に漂白剤を入れてはいけない、という

 妙に忘れられない教訓。

 

 夜は静かに更けていった。

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