AI生成 FGO SS 鍋焼きうどん食べたい   作:日毎に特定の条件を達成

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『目覚めの整え方』

◆FGO短編SS

『目覚めの整え方』

 

 ゆっくりと、意識が浮上する。

 音が戻り、匂いが戻り、体の重さが自分のものとして感じられる。

 

「……あ」

 

 ぐだ子は小さく声を漏らし、目を開けた。

 医務室の天井。さっきまでよりも、少しだけ明るく見える。

 

「……寝てた?」

 

「正確には、休めていた、だな」

 

 少し離れた場所で、エミヤが腕を組んでいた。

 

「おはよう、というには短いが……気分はどうだ」

 

 ぐだ子は手を握ったり開いたりしてから、首を回す。

 

「……うん。なんか、さっきより頭が軽い」

 

「それなら成功だ」

 

「成功って言い切るんだ」

 

「仮眠後に“軽い”と感じられるなら、十分だ」

 

 エミヤは歩み寄り、時計をちらりと確認する。

 

「さて。ここからが重要だ」

 

「まだ続きあるの?」

 

「仮眠は、起き方で効果が変わる」

 

 ぐだ子はソファに座り直した。

 

「どうすればいいの?」

 

「まず、いきなり立ち上がらない」

 

「え」

 

「急に体を動かすと、血圧が追いつかない。立ちくらみの原因になる」

 

「確かに、たまにクラッてなる」

 

「まずは指先を動かす」

 

 エミヤは自分の手で示す。

 

「手を握って、開く。足首を回す。体の末端から徐々に戻すんだ」

 

「ウォームアップみたい」

 

「それに近い」

 

 ぐだ子は言われた通り、指を動かす。

 

「……なんか、ちゃんと起きてきた感じする」

 

「次に、視覚だ」

 

「見る?」

 

「遠くを見る」

 

 エミヤは医務室の窓を指さした。

 

「一点ではなく、少し距離のある場所を見ると、脳が“起床”を認識しやすい」

 

「へえ……」

 

「スマホを最初に見るのは勧めない」

 

「えっ、ダメなの?」

 

「強い光と情報量で、脳が一気に働き始める。疲労感が戻りやすい」

 

「……心当たりありすぎる」

 

 エミヤは頷く。

 

「どうしても触るなら、数分後だ」

 

「はい……」

 

「次は、呼吸」

 

「また?」

 

「起きた直後は、呼吸が浅くなりがちだ」

 

 エミヤは短く息を吸い、長く吐く動作を見せる。

 

「深呼吸を三回。特に吐く方を意識する」

 

「ふー……」

 

「それでいい」

 

 ぐだ子は背筋を伸ばし、深く息を吐いた。

 

「なんか、シャキッとする」

 

「酸素が行き渡るからな」

 

 エミヤは少し間を置いてから続けた。

 

「それから、水分を取れ」

 

「水?」

 

「常温の水か、白湯がいい」

 

「冷たいのは?」

 

「胃腸を刺激する。目覚め直後には向かない」

 

「細かい……」

 

「積み重ねだ」

 

 エミヤは医務室の簡易給水機からコップに水を注ぎ、差し出した。

 

「飲め」

 

「はい」

 

 ぐだ子は一口飲み、喉を鳴らす。

 

「……染みる」

 

「体が目覚めている証拠だ」

 

 エミヤは腕を組み直す。

 

「最後に、軽く体を動かす」

 

「運動?」

 

「大げさなものではない。肩を回す、背伸びをする、それで十分だ」

 

 ぐだ子は両腕を上げて伸びをした。

 

「んー……!」

 

「声は出さなくていい」

 

「つい」

 

「まあ、悪くはない」

 

 エミヤは小さく視線を逸らした。

 

「仮眠後にだるさが残る人間は、起きた後を雑に扱いすぎだ」

 

「寝るまでが大事なんじゃなくて?」

 

「どちらもだ」

 

 エミヤは淡々と言う。

 

「休むことと、戻ることは別の工程だ。戻し方を誤ると、せっかくの仮眠が無駄になる」

 

「料理みたいだね」

 

「似ている」

 

 即答だった。

 

「火を止めたあとも、余熱がある。扱いを誤れば、仕上がりは崩れる」

 

「……たとえが分かりやすいのが悔しい」

 

「事実だからな」

 

 ぐだ子は立ち上がり、ふらつかないことを確認する。

 

「……よし。完全に起きた」

 

「それでいい」

 

「これで午後もいけそう」

 

「無理はするな」

 

「分かってる」

 

 少し間を置いて、ぐだ子は言った。

 

「さっきさ……」

 

「何だ」

 

「ちゃんと眠れなくてもいいって言ってくれたの、助かった」

 

 エミヤは一瞬だけ目を細めた。

 

「結果ばかり気にすると、休めるものも休めなくなる」

 

「エミヤって、たまに優しいよね」

 

「たまに、は余計だ」

 

 そう言いながらも、否定はしなかった。

 

 ぐだ子は一歩踏み出す。

 

「じゃ、戻ろっか」

 

「ああ」

 

 医務室を出ると、カルデアの廊下はいつもの音を取り戻していた。

 

 短い仮眠。

 だが、正しく目覚めれば、それは確かな“再起動”になる。

 

 エミヤは歩きながら、ぐだ子の足取りが軽いことを確認し、

 それ以上は何も言わなかった。

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