AI生成 FGO SS 鍋焼きうどん食べたい 作:日毎に特定の条件を達成
◆FGO短編SS
『たっぷりのはちみつ入りティータイム』
キャンプ区画の空気は、昼と夜の境目みたいに少しだけ冷えていた。
焚き火の火力も落ち着き、周囲ではそれぞれが思い思いの時間を過ごしている。
「……エミヤ」
ぐだ子は丸太の椅子に腰掛けたまま、ぼんやりと空を見上げていた。
「次の行動まで、三十分くらいしかないんだけど」
「十分だな」
エミヤは即答し、焚き火のそばにケトルを置く。
「料理を始めるには短いが、休むにはちょうどいい」
「キャンプ中なのに?」
「キャンプ中だから、だ」
火を足しながら、彼は続ける。
「外で過ごす時間は、思っている以上に神経を使う。
意識して緩めないと、疲れは溜まる一方だ」
「……確かに」
湯が温まるまでの間、エミヤは荷物袋から小さな布包みを取り出した。
「それ、なに?」
「ドライフルーツだ」
布を開くと、中には薄く輪切りにされた柑橘――乾燥したオレンジとレモン、それに少量のグレープフルーツ。
「キャンプ向きだろう。軽いし、保存も効く」
「わ、いい色」
「柑橘系は香りが立つ。
甘いだけのものより、気分転換に向いている」
湯気が立ち始め、エミヤは茶葉をポットに入れ、静かに湯を注ぐ。
そこに、たっぷりの蜂蜜。
「……今日も容赦ない量だね」
「短時間で落ち着かせるには、これくらいがいい」
カップに注がれた蜂蜜茶をぐだ子に渡し、同時に小皿にドライフルーツを数枚。
「まずは茶を一口。
フルーツは、そのあとだ」
「はいはい……」
一口飲んだ瞬間、ぐだ子の表情が緩む。
「……あったかい……」
「外気で冷えた状態だと、内臓も動きが鈍る。
温かい飲み物で戻してやるのが基本だ」
続いて、ドライオレンジを一枚。
「……甘いけど、さっぱりしてる」
「乾燥で糖分は凝縮されているが、柑橘の酸味が後味を切る」
レモン、グレープフルーツと順に口に運びながら、ぐだ子は小さく息をつく。
「なんか……頭の奥が明るくなる感じする」
「香り成分の影響だな。
柑橘系は覚醒とリラックスの中間に作用する」
「キャンプで理にかなってるんだ……」
「だから用意してある」
焚き火の音と、カップから立つ湯気。
周囲のざわめきが遠くなり、時間の流れだけが穏やかになる。
「……あ、もう半分過ぎてる」
「残り十分は、何も考えなくていい」
「それが一番難しいんだけど……」
「だから、噛む」
エミヤは短く言った。
「ドライフルーツは自然と咀嚼が増える。
考え事を止めるには、案外効果的だ」
「……なるほど……」
最後の一枚を食べ終えた頃、カップの中も空になっていた。
「……よし。行けそう」
「それでいい」
エミヤは道具を手早く片付ける。
「キャンプ中は、こういう小休止を挟め。
動き続けるだけが正解じゃない」
「覚えとく……」
三十分の蜂蜜茶と柑橘の時間。
焚き火のそばで過ごした短い休憩は、次の行動に向かうには十分すぎるほどだった。