AI生成 FGO SS 鍋焼きうどん食べたい 作:日毎に特定の条件を達成
◆FGO短編SS
『エミヤ、江戸前寿司に挑む』
「……さて。次は寿司、だったな」
深夜のカルデア・厨房。
鍋焼きうどん事件で名を馳せた料理人――エミヤは、腕まくりをしながら小さく息をついた。
「握り……久しくやっていなかったが、問題ないだろう。江戸前の心は覚えている」
そんなことを真顔で言うから、後ろから見ていたぐだ子は思わず吹き出した。
「エミヤ、江戸前って言うのは雰囲気が大事じゃない? ほら、もっとこう……『へい、お待ち!』って」
「……む。それを軽々しく言うものではないぞ、マスター。寿司職人の魂だからな」
彼は真面目だ。真面目すぎて面白い。
エミヤはまな板の前に立ち、指先を軽く湿らせる。
その姿勢は、いつもより明らかに厳格で――どこか粋だった。
「シャリは小さめ、握りは二手。過ぎた力は邪道、足りぬ力は未熟。……この世界の言葉なら“粋ってやつ”だ」
「え、急に江戸っ子モードに……」
「料理に合わせて最適化するだけだ」
サッ、と空気が変わった。
切れ味の良い動きでネタを切り分け、シャリを仕込み、軽く握る。
コン、と指が鳴る音が心地よい。
そのたびに、白い米が小さな舟のように形を整えていった。
「……よし。マスター、お前さんのための一貫だ」
差し出されたのは、きれいなサーモンの握り。
「へい、お待ち……と言うべきか?」
「言ってほしい!」
「……へい、お待ち」
照れたように目をそらして言うエミヤ。
それを聞いただけで、ぐだ子は笑顔になる。
「いただきます……! ん、美味しい……! なんでこんな本格的なの……!」
「当然だろう。私はどの時代、どの文化でも、最善を尽くす」
少し誇らしげに言いながらも、どこか柔らかい声。
すると、後ろからヒュッ……と気配がした。
「……ほう。寿司の香りとは、また珍しい!」
アサシンエミヤが、霧のような気配をまとって姿を見せる。
「夜の静寂に漂う米酢の匂い……悪くない。やるな」
「勝手に食べるなよ。……だが、一貫くらいなら用意しよう」
「ふふ、ならば“へい、お待ち”とやらを聞いてみたいものだ」
「……お前まで言うのか」
ふたりのエミヤが向き合い、どこか江戸の職人同士のような空気になる。
ぐだ子はその光景を見ながら、少し笑って言った。
「ねえエミヤ。
次はさ、カルデアみんなの分も握ってくれる?」
エミヤは寿司を握りながら、ほんの少し口元を緩めた。
「……まったく。君は本当に、私を休ませる気がないな」
でもその声は、どこか嬉しそうだった。
◆『言峰、禁断のマーボー寿司を所望する』
深夜のカルデア厨房。
エミヤが握った寿司の余韻がまだ漂う頃――ぐだ子は台拭きを片手に片づけをしていた。
「ふぅ……お寿司、美味しかった……」
そこへ、静かに「すっ」と影が差す。
「……良い香りだ」
唐突に背後に現れる存在。
ぐだ子の心臓が一瞬止まる。
「ひっ……!? ラ、ラスプーチン……っていうか言峰神父っ!」
「そんなに怯えなくともよい。私はただ――」
言峰は手を合わせるように微笑む。
「寿司を所望してきた、ただそれだけだ」
「いや、深夜にいきなり背後に立つのはホラーなんだよ!」
そこにタイミングよく、エミヤが厨房の奥から現れた。
「……今夜は寿司はもうおしまいだ。材料も片づけてしまったしな」
「ほう……それは残念だ。しかし」
言峰は一歩進み、静かに、しかし確実に地雷を踏みに行った。
「もし可能なら――マーボー寿司というものを握ってみてはくれまいか?」
エミヤは、包丁を落としそうになった。
「………………は?」
ぐだ子も固まる。
「いやいやいやいやいや!? マーボー“寿司”って何!? 概念事故だよそれ!」
しかし言峰は崩れない。
「辛味と熱、そして油。そこに清らかな白きシャリが加わることで、味わいは昇華される。そう思わないか?」
「思わないよ!!!」
「そもそも寿司は素材の味を活かすものだ。
麻婆豆腐は……その……その圧が……強すぎる」
「ならばよいではないか。強者が弱者を征する構図。私は嫌いではない」
言峰はふっと笑った。
「エミヤ。お前の料理は実に丁寧で、美しい。だがな――料理の道とは、挑戦と冒険でもあるのだ。
……試してみたくはないか? “禁断の領域”を」
エミヤの眉がぴくりと跳ねた。
プロの料理人を刺激する、禁断の言葉。
「……禁断、だと?」
「そうだ。誰も踏み入れたことのない絶望の海。
マーボー寿司は、そこにある」
「絶望の海にするなよ!? 食べ物なんだよ!?」
しかし、すでにエミヤの目に火がついていた。
「……いいだろう。マーボー寿司――俺が“可能な形”にしてみせる」
「ちょっと!? 行くの!? その未知の領域に行っちゃうの!?」
◆試作、そして――
香辛料が混ざったマーボーの香りと、寿司の酢の香り。
どう考えても交わるはずのない二つが、エミヤの技術で少しずつ形になっていく。
「……完成だ」
差し出されたのは――
見た目は完全に寿司、しかし上には麻婆豆腐が上品にまとわりついた一貫。
「おお……これは……」
言峰の目が細くなる。
「食べるの……?」
ぐだ子が小声で聞く。
「もちろんだ」
言峰は迷いなく箸を伸ばし、一口で食べた。
――静寂。
「…………」
「ど、どう……?」
言峰はゆっくり目を閉じ、そして言った。
「エミヤ。実に……罪深いな」
エミヤがふっと微笑む。
「褒め言葉として受け取っておこう」
言峰はゆっくり頷いた。
「だが、これは……“聖杯よりも危険”だ。
もう二度と食べてはならぬ味だろう」
「やめて!? そんな物騒な評価しないで!?」
◆そして言峰は静かに去っていく
「今日のことは“深夜の夢”として忘れるといい」
「いや忘れられないよ!?」
「私は満足した。ではな」
いつもの不穏な笑みを残し、言峰は去っていった。
ぐだ子はため息をつく。
「……ねえエミヤ。
もう作らないよね、アレ」
「…………気が向いたら、また改良してみるかもしれんな」
「改良しないで!?!?」
カルデアの夜は、今日も平和……なのかどうかは、わからない
今日はひとりでパック寿司を食べたよ