ゴルシちゃん道五十三次──feat. 入法界品──   作:おうちしってぅ?

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ちなみに本作は某所で投稿したものの再掲ですが、微妙に対応していなさそうな書式の部分だけ修正してあります。


第二話 えっ、この作品サブタイトルなんて要るんですか!?

 前回のあらすじ! 栄光と腐敗の都、コンスタンディヌーポリ。伝統ある製本業は、新興勢力ボールペン教団によって犯されつつあった。事態を重く見たノーベル財団は、空の色は黒を基本とすべきことを明らかにするため、絶世の美少女ゴルシちゃんを派遣。従来の没薬に代わって黄金と乳香を用いたインクの開発を進めるのであった。無茶振りでは?

 

「ノウモ・バギャバテイ・バイセイジャ・クロ……コナン! 出力が足りねー! ラムダ値にゃ気ぃ使ってくれよっ!」

「簡単に言いやがるなあ! クソッ、やってやるぜ!」

「!? コナン、なんだその術式は!? やめろ、そんな高出力術式を展開したら、おめーの精神が燃え尽きちまう!!」

「構わねえ! 俺らにはやるべきことがあるんだ! ここが命の賭け時だってんなら……ドイルの命なんて惜しくねえ!」

「それもそうか。オラッ、ドアストッパー」

 果たしてドアはいい感じにとまった。夕あり朝あり、第一の日である。

 

 廊下に従って進む。最奥の部屋だ。……あそこにライスが囚われてるに違いねえ。

 ぬめった肉を叩き付け、擦り合わせる音がする。アタシは嫌な予感がして、そっと忍び寄り、聞き耳を立てる。耳ピトには需要があるからな。

「おごぉ❤️ ライスのおなかあ❤️ なかから潰されてるう❤️❤️」

 なるほどまずい状態だ。これじゃあケツの穴の小せえ人種がゴルシちゃん放送倫理保護協会に大量クレームを入れかねない。アタシは鍵穴から様子を伺った。

「いやぁ❤️ ソーセージいやなのっ❤️ せめてもっとコショウの効いたのがいいのっ❤️❤️」

「ぐへへへへ、プレーンソーセージ強制食べ放題は辛いだろう? 分かったらとっとと1.21ジゴワットの秘密を吐くんだな! ……おい、生の豚肩肉にはもっとキッチリ牛タン叩き付けねえか! 寄生虫は怖いからな、ぐへへ」

「知らないっ❤️ ライス知らないよおっ❤️ お腹にお肉詰め込まないでえっ❤️❤️」

「やめようってのか? このオグリキャップ(クローン)が同じ目に遭うんだぜえ?」

「あっ、お願いします。ライスそろそろ休憩したいから」

「かしこまりましたー、ソーセージ10人前入りまーす」

 

 くっ、なんて残虐な拷問なんだ……クローンとはいえオグリに10人前で足りるわけねえだろ……! アタシは心底震え上がった。豚に限らず肉類と生水はちゃんと火を通すのがゴルシちゃんのオススメだゾ。

 しかしなすべきことはわかった。アタシはアイテム欄から火薬壺を取り出すと、火遁・マッチ棒の術で導火線に火を着けた。アイテム増殖バグで増やしてあるから惜しくはない。

「これは大変だ。導火線をどうかせんとな……フフッ」

 通りすがりのシンボリルドルフのタイムストップ。こいつは運がいい。アタシは脱兎の如く駆け出し、事前に発見していたダクトに潜入。ライスのいる部屋へと向かった。

 到着時、無事に火薬壺が爆発し、爆音を立てる。湿気ってるからアレで精一杯だが、注意を引き付けるには十分だ。

 爆音に紛れ、アタシは音もなくヒラリと降り立った。

「ライス……助けに来たぜ!」

「ゴルシさん……! でも……オグリクローンさんが……!」

 

 何だって。アタシはすぐに脈を確かめる。ダメだ。残念だけどもうホトケだ。安らかな表情で結跏趺坐を組み、法界定印を結んでいる。滅尽定。阿羅漢果を得た者だけに可能な究極の三昧の一つだ。完全に有余依涅槃に入ってる。アタシはライスの食べ残しの山盛りソーセージを供養して先へ進むことにした。

 ライスをお姫様抱っこし、裏口まで一目散に駆け抜ける。しかし屋敷の入り口までやってきたところで、アタシのぷりちーなお耳が、何かぺたぺたという足音を聞き取った。

 勘付かれた。直感したアタシは、隠し芸の早脱ぎでライスに自分の服を押し付ける。

「いいかライス、裏口に鉤縄を仕掛けてある。この服で変装して、そこから逃げろ。追っ手はゴルシちゃんが食い止めるから」

「でも……ゴルシさん……!」

「大丈夫だ、心配すんな。ゴルシちゃんにはOVAでも取れない謎の光があるんだぜ? それに」

 アタシはライスに白い背を向ける。

「──別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」

「……! 必ず、無事で帰ってきてね……!!」

 ライスは振り返らなかった。それでいい。

「うつくしい友情だねっ」

 来た。ゴッドファーザー愛のテーマをBGMに、ついに親玉が姿を現した。

「おめー……ハルウララ……!」

 どっとはらい。

 

 次回予告! 魔王ベルゼバブは真なる魔王の器として、ヤマトの妹の身体を乗っ取っていた。苦悩するヤマト。

 そこに現れたのは、なんと妹の魂を盗み出していたかつての女幹部、サイアークだったのだ。

 サイアークの告げる作戦とは、ベルゼバブを弱らせ、ヤマトと妹の血の絆を利用してマインドダイブ。精神世界でベルゼバブを完全消滅させるというものだった。

 取り戻した妹の身体に魂を再度込め、秘術を使い肉体を再生させれば妹を取り戻せる。しかしサイアークの語る秘術は、サイアークの最後の命を引き換えにしなければならないものだった……。

 次回「打ち切り」希望の未来へレディ・ゴーッ!!

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