勝利の女神:NIKKE 〜Nobody can take your place〜   作:乾エルト

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ここからオウル編です。


第13話:No hope,No dream

 私には夢や希望が無い。

 ううん...失ったと言えばいいのかもしれない。

 私には、もう───。

 

 

 

 地上任務にて、私は偵察兵として付近の警戒に当たる。

 今回の任務は資源回収...この部隊に配属される前から資源回収部隊に居たからか、斥候としての仕事は慣れっこだった。

 

「こちらソルジャーO.W.(オウル)...目標の物資近くにラプチャーの姿はありません、どうぞ」

 

『───了解だオウル、こちらも今そちらに向かう』

 

「了解です! 

オウル、アウト」

 

 

 ───それから少し経ち、指揮官達が合流した。

 

 指揮官は頻繁にくしゃみをしていて、フラワーは何故か気まずそうにしている。

 そしてオーシャンは「無理しちゃ駄目って言ったのに」と彼に対して怒っていた。

 

 ...指揮官がフラワーと一緒に雨に濡れて早朝に帰って来た挙句、ちゃんとした睡眠を取ってないせいで風邪を引いてしまったらしい。

 指揮官は大丈夫だと言って聞かず、オーシャンもニケという立場もあってか深くは言及しなかった。

 

 

「23、大丈夫ですか?」

 

「───えっ?

あっ...大丈夫よ」

 

「さっきからぼんやりしてましたが」

 

「大丈夫よ08、いつもの事だわ」

 

「そう...ですか。

不調を感じたら無理せず言ってください」

 

「ええ、ありがとう」

 

 23は最近ずっとあんな調子だ。

 最初は指揮官とフラワーが帰ってこない事に嫉妬(ヤキモチ)を焼いていたのかと思ったけど、そういう感じでもなさそうだ。

 

 揶揄いたかったけど、そんな事をすると08が睨みを効かせる時があるから中々揶揄い難かった。

 

 

 お目当ての物資を確認し、それを持ち帰る。    

 地上奪還よりもアークの維持に注力しているのか...私達の任務はこういうのが多かった。

 

 ...地上奪還なんて、アブソルートやメティスみたいな量産型じゃない(特化型の)ニケ達が進めてるだろうし。

 私達なんて、最初に"中央政府の偉い人"が部隊編成の挨拶に来たぐらいでそれ以外は便利屋みたいな任務や依頼ばかりだ。

 

 

 エレベーターに向かう途中でラプチャーと交戦し、撃退した。

 

 ニケであっても嫌な気持ちは勿論ある。

 でも1時間以内に100%の確率で遭遇すると言われてるから、これも仕方ないのかもしれない...こんな事になるなら人間のままでいたかったな〜って。

 

 

 アークに戻り、宿舎へと帰る。

 シャワーは指揮官を最初に、私達は順番に入って行った。

 

 指揮官が最初なのは上下関係的に当たり前なのかもしれないけど...これにはもう一つ理由がある。

 私達の方が風呂に入る時間が長いから、10分以内に終わる指揮官が先に入った方が良いと決まったからだ。

 

 

 私の番になり、シャワーを浴びる。

 ───今思えば、この部隊に配属されるまでシャワーを浴びる事は無かった。

 

 私が今いる部隊が金銭的に余裕があるからというのもあるかもしれないけど...そもそもの話、ニケに入浴は必要ないとされている。

 ...ただ、もう物扱いに飽き飽きしている事もあってか、シャワーを浴びれると聞いた時は、感情の乏しい08や気怠げな12を除けばみんな嬉しそうにしていたし、私もそうだった。

 

 

 シャワーを浴び終えたら歯を磨き、そして眠る。

 ───そして、ある夢を見た。

 

 

 

 ───大業を成し遂げ、アークで有名になった父。

 大金持ちとなり、私は贅沢が出来る。

 そして、母も───。

 

 

 

 母の幻を見ながら目覚める。

 何故か涙が溢れ出していた。

 

 会いたい───。

 

 ───そんな感情を抱くが、もう何処にいるかなんて分からない。

 でも、父の所在なら分かるかもしれない...私は父に会おうと思った。

 

 あの時の真実を聞く為に───。

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