勝利の女神:NIKKE 〜Nobody can take your place〜 作:乾エルト
オウルと一緒に宿舎へ戻り、指揮官達から心配される。私は頭を深々と下げて謝るが、あまりにも過剰過ぎたのか、指揮官命令としてすぐに休ませられた。
ベッドの上で泣きながらも眠り───私は夢を見た。
懐かしい夢...そこは病室で、私はベッドの上に座りながらテレビを見ていた。
「"セレーニャ"ってアイドル好きだよね〜私は吸血鬼の方が好きだけど」
私の隣には、
「アイドル良いでしょ?
"ミナ"だってアイドルなれるかもよ?」
「私はパス...だって吸血鬼の方が良いんだもん」
「えぇ〜退治されちゃうよ?」
「大丈夫大丈夫、私は善い吸血鬼になる!」
「人の血吸うのに?」
「悪い人の血だけ!
ダークヒーローってやつ?」
「ふふっ...それなら仕方ないかぁ。
頑張ってね、善い吸血鬼さん───」
───それから目覚めた後、落ち着きを取り戻した私は、あの病院跡で聞いた物音が気になっていた。
指揮官や仲間には何も言わず、ただ護身用に拳銃だけは持っていく事にした。
もし、襲ってくる相手が人間だったら攻撃する事は出来なくても、発砲して周囲に知らせたり驚かせたりする事はできると思った。
病院跡に再び戻ってきた私は、左手に持ったライトで周囲を照らしながら行動した。
人気の無い渡り廊下の中を歩く。
朝に来たよりも不気味さを感じるものの、ここで引き返す訳にはいかない───私は命取りになる事を構わず先に進んだ。
探索していると、再び物音が聞こえ始める。
それは、今朝に聞いたあの音と同じだった。
音を追いかけるように私はその場所へ向かう。そして、その場所で見たものは───。
「───袋?」
物音を追って着いた先には一つの袋があり、それはモゾモゾと動いていた。
まるで中にいる何かを抑えるように袋は縛られていて、私は恐る恐る袋の口を開いた。
「───ん、んんっ...ん!?」
顔を出したのは私達とは違う量産型ニケで、彼女はバイザーの代わりに目隠しを、口は猿轡で塞がれていた。
私は驚きと同時に、何故この子が縛られた状態になっているか理解出来ず頭が真っ白になっていた。
とにかく目隠しと猿轡を外し、顔を見る。
彼女は怯える様に声を出した。
「た、助けて!! 殺される!!」
「殺される...? とにかく、あなたを今解放するから───」
私が拘束を外そうとしたその時───その子は黙って更に青ざめた表情を浮かべる。
それと同時に私の後ろには、"誰かが"いた。
全身に気持ち悪い程の寒気を感じる。
ラプチャーとは違う、恐ろしい感覚...引き金に指を掛けるが、後ろを振り向くのが怖かった。
「───やぁやぁ、キミはどうしてここに来たんだい?」
男性とも女性とも似てる様で異なる中性的な声で、私の耳元で囁く。
五感全てを何とか遮断したかったが、そんな事をしても根本的な解決にならないのは明確だった。
「───あ、あなたは誰...?」
「やぁやぁお嬢さん...君は
その言葉に恐怖を感じ、私は拳銃を構えながら振り向く。しかし、そこに居たのは───
...私はその姿を見て意識を失う。
その姿はまるで、ツギハギだらけの───。