勝利の女神:NIKKE 〜Nobody can take your place〜   作:乾エルト

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ソルジャーF.A.ことファルコンこと"ファル"編です。


第7話:あの時見た車窓から

 ───ニケになってから、よく夢を見る。

 戦場とは違う、日常的な夢。

 

 それは、暖かく。

 懐かしくて。

 悲しい記憶だった。

 

 

 

 早朝───私は微かに残った記憶を頼りに、ある所へ向かう。

 そこは喧騒から離れた共同墓地で、私はよくここに訪れていた。

 

 仲間のI-DOLL(アイドール)・フラワーから貰ったワンピースと帽子で外を出歩いているが、中々恥ずかしい。

 そもそも、この格好は私に合っているのか...。

 

 

 墓地の近くにある丘から墓地を眺める。

 ...そこには時折誰かがいた。

 

 20から30代位の男...彼はスーツを着ていて、指揮官に少しだけ似ている。

 私は墓石と一緒にその男の人をぼんやりと眺めていた。

 

 男が墓石を後に振り向くと、私達は偶然目が合ってしまう。

 いつもの私なら彼から身を隠すが...今回はもう遅く、そのまま目を合わせてしまった。

 

 

 そんな時に少し強い風が吹いてしまい、帽子が飛ばされる。

 私は帽子を取り戻そうとするが...彼の方が一足先に帽子に向かって走り、遠くに飛ばされる前に掴み取った。

 

 帽子を取ってきた彼は、私に近付いて帽子を渡した。

 

「あ、ありがとうございます...」

 

「大丈夫だよお嬢さん。

あぁっ、僕は悪い人じゃないよ」

 

 男は警察手帳を見せる。

 彼はA.C.P.U.のようで、階級は警部補...恐らく刑事なのだろうと思った。

 

 

「僕は手帳にも書いてある通り、"イレンツォ・カーマイン"。

───あれっ...君はもしかして、ニケかい?」

 

「あっ...あの...」

 

 私がソルジャーF.A.だという事に気付いたのか、カーマイン刑事はニケか訊いた。

 

 この人はニケフォビアかもしれない...そう思った私は帽子を受け取った後、彼に頭を下げてすぐにその場から離れた。

 

 

 その後、宿舎に帰るとオーシャンが私を出迎えた。

 

「おかえりなさい」

 

「ただいま...」

 

「朝ごはんは出来てるわ」

 

「いつもありがとう...今食べる」

 

 オーシャンは私の事を察しているのか、それとも興味がないのか、あまり詮索しない。

 ...どちらにせよ、詮索しないのはこちらにとっても安心だった。

 

 

 朝食を食べた後、いつも通り任務をこなし、宿舎に戻る。

 ...やっぱりあの人が気がかりだ。

 

「ファル、どうしたの〜?」

 

「───あっ。

いえ、何でもありません...」

 

「へぇ〜そんな風には見えなかったけどな〜。

もしかして好きな人でも出来たの?」

 

「ち、違いますっ!!」

 

 ...オウルに揶揄われてしまい他の仲間を巻き込みかけるが、あの日以来...私はカーマイン刑事の事が気になって仕方なかった。

 

 

 

 ただ───恋とは違う、この気持ち。

 何処か繋がってるような感覚。

 

 私にとって、あの人が何者なのか再び確かめないといけなかった。

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