彡(゚)(゚)「となりのトトロ」   作:名無ナナシ

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第19話 始動

4月28日

 

絵コンテ作業が開始された

 

(´・ω・`)「映画の始まりは特に重要だ」

どこからどんな風に始めるかで以降の物語の展開や時間残量に大きな影響を与える

 

宮崎さんの最初の案では

街中に1ヶ所だけ木におおわれた屋敷がポツンと立っていた

そこから時間が巻き戻る

住宅は田んぼや畑に、マンションが林に、アスファルトの道は砂利道に

屋敷の周りの木は小さくなり、そこにサツキやメイたちが住む家がポコッと現れる

そこにトコトコトコとオート三輪が走ってくる

要はトトロの物語は過去の話だと観客に想起させるものだった

 

(´・ω・`)「でも宮崎さんはすぐにこの案を廃棄した」

 

彡(゚)(゚)「せっかく楽しい主題歌で始まるのに……」

彡(゚)(゚)「このままやと子供の心が素直に映画に入りにくい……没や」

 

(´・ω・`)「宮崎さんはすぐに別の案を描いた」

土手の上に電車が走っていて、そのガード下をくぐり抜けて来るオート三輪の絵

このガード下を抜けるというのが、物語はこれから都会から農村部へと入るという

メタファー的役割を果たしている

 

彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、どう思う?」

(´・ω・`)「うーん、すぐにガード下を通らずに田舎道から始めたらどうです?」

 

(´・ω・`)「このままだとすぐにトトロのいる塚森の前を通って………」

(´・ω・`)「引っ越し先の家に着いてしまいます」

 

(´・ω・`)「それだと自然を感じる間隔が短すぎると思うんです」

 

(´・ω・`)「だから距離を長くして、トトロが棲んでいそうな………」

(´・ω・`)「田舎を感じる田園風景をもっと表現したほうがいいかなと……」

 

彡(゚)(゚)「そうか……」

彡(゚)(゚)「ならこうやな」カキカキカキ

 

宮崎さんが再び見せてきたのは

麦畑の中をオート三輪が走ってきて、その後にガード下を抜けるものだった

 

(´・ω・`)「いいと思います」

彡(゚)(゚)つ「その後も少し描いてみたんや」

 

(´・ω・`)「ふむふむ…………ん?」

宮崎さんが渡してきたラフコンテには

川に架かっている橋にオート三輪が近づいていくシーンが描かれていた

その橋の名前が“木原はし”となっていた

 

(´・ω・`) .。oO(どう考えてもこの名前はボクの苗字から取ってきてるよな……)

物語開始早々にボクの名前がでるなんてたまったもんじゃない

こんなの断然抗議だ!

 

(`・ω・´)「宮崎さん!橋の名前にコレはないでしょう!」

彡(^)(^)「そうか?ほな、わかった」

 

(´・ω・`) .。oO(まったく……)

こんなイタズラをするなんて、これまでの宮崎駿なら考えられなかった

きっと心の中でクスクスと笑いながらボクの名前を書いたのだろう

 

(´・ω・`) .。oO(まあ、楽しく描いているならそれでいいけど……)

 

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