第53話 オールラッシュ
2月25日
(´・ω・`)「念願のオールラッシュの映写の日」
全てに色が付けられたわけではないが
とにかく全カットが揃ってつなげられたフィルムが上がる
とはいえ70%に色がついて
完ぺきとは言えないが“かなり良い仕事”をしたといえる
オールラッシュが終われば
さあ!ここからがラストスパートだ
しかし、ラストスパートに入るこの前後で
仕事を終えたスタッフも出てくる
アニメーターは一つの所に定住しない流れ流れの渡り鳥のような存在
仕事を終えた人から、次の仕事へと旅立つ
(´0`)´0`)「お世話になりました」
(´・ω・`)「こちらこそお世話になりました」
(´0`)´0`)「トトロ、完成させてくださいね」
(´・ω・`)「はい!頑張ります!」
(´0`)´0`)「ではそろそろ………」
(´・ω・`)「また縁があったら一緒に働きましょう」
(´・ω・`)「試写会には絶対に呼びますから楽しみにしていてくださいね」
(´0`)´0`)「もちろん!絶対にきます!」
(´0`)´0`)「それでは、ありがとうございました」
(´・ω・`)「こちらこそ、次の仕事、頑張ってください」
(´・ω・`)「………よし、仕事に戻ろう」
残された大きな作業はセルの色塗りと背景
そして出来上がったセルと背景を揃えて撮影用の準備だけだ
ξ゚⊿゚)ξ「去っていった人たちの机が余ってるわね」
(´・ω・`)「そうですね」
ξ゚⊿゚)ξ「その机に乾燥棚を載せて簡易仕上げ机にしましょう」
ξ゚⊿゚)ξ「名付けてスタジオ・ネコの手よ」
(´・ω・`) .。oO(田中さんの頭の中はアイディアの宝庫だな)
第54話 宮崎駿
ある日
(´・ω・`)「オールラッシュを終えたあたりから………」
宮崎さんはスタジオを不在にすることが多くなった
声優さんによるアフレコ収録といった録音関係の仕事はジブリでは出来ないからだ
(´・ω・`)「宮崎さんがスタジオにいないなんて変な感じだ………」
アニメ制作中の宮崎さんはスタジオに入ったが最後、まず外出はしない
外に仕事があっても、それを終えれば必ずスタジオに帰って来る
稀にタバコや本を買いに出たりすることがあるが
行先や戻って来る時間を伝えて出ていく
例外があるとすればトイレくらい
(´・ω・`)「打ち合わせも全てスタジオでやる」
打ち合わせの姿をスタッフに見せるため
料亭政治的に見られるのを嫌うため
といった理由があるが、一番の理由は
自分が行方不明になる時間を許さない人だからだ
彡(゚)(゚)「監督は作品を監督するだけでない」
彡(゚)(゚)「常に作品を作る現場を監督しているから監督なんや」
とは宮崎さんの言葉だ
(´・ω・`)「これだけ真面目に………」
愚直なまでに仕事に徹底する人を
宮崎駿以外にボクは知らない
(´・ω・`)「でもその代償もあった」
宮崎さんの体はいつも悲鳴を上げていた
作業をし続ける腕はその先まで大量のエレキバンを貼りまくっていて
肌の部分はブツブツだらけ
肩から背中にかけては肩こりが尋常でないほどひどく
まるで鉄板が入ってるみたいにカチカチ
(´・ω・`)「それでも宮崎さんは………」
朝から日付が変わる時間の後まで
まるでお地蔵さんのような背中を見せながら机にへばりついていた
(´・ω・`)「その背中にジブリのスタッフは………」
緊張を感じ、やる気が湧き、覚悟を決め、後に連なる
その姿はまるでそう………
大量の貨車を「これでもかっ!!」と牽引する巨大な機関車を思わせた
そして、この機関車がようやく終着駅に到着しようとしていた………