第57話 試写会
1984年4月1日
調布にある東京現像所で静かに
“となりのトトロ“完成初号試写が行われた
公開が4月16日だから15日前の完成ということになる
ホッとすべきところだが
実は同時公開する“火垂るの墓”はまだ完成していなかった
公開に間に合うかの瀬戸際の状態であった………
だからこそ、完成に沸くことのない静かな初号試写だった
この日から遡ること、1年前の同じ4月1日
ジブリ第2スタジオで宮崎さんとボクとで始まったトトロ制作
そこに好春さんが、男鹿さんが加わって、さらにどんどんと制作陣が加わっていき
この日の試写場には50人近くいる
映写室が暗くなると、光り輝く“東宝”のカンパニーロゴが
スクリーンの上に現れた
世界の運命を背負うこともない
郊外で不思議と出会う姉妹の小さな冒険劇が始まった
第58話 打ち上げ
夕方
ジブリ第2スタジオの面々は忘年会でもお世話になった
“いせや”で打ち上げを行った
( •灬•)「みなさん、長い間どうもご苦労様でした………」
(´・ω・`) .。oO(いつもの原社長じゃないな……)
まあ、それもそうだ
だってトトロと同時上映する火垂るの墓がまだ出来上がっていないんだもん
公開まであと15日………
責任者として複雑な気分だろう
なんて考えてたら原さんの挨拶が終わった
そして次に宮崎さんがコップを持って立ち上がる
彡(゚)(゚)「第2スタジオのみなさん」
彡(゚)(゚)「本当によくやってくれました」
彡(゚)(゚)「長話もなんなんでさっそく乾杯といきましょう」
彡(゚)(゚)「それではトトロ完成を祝して………」
彡(゚)(゚)つ「カンパーイ!
『カンパーーーーイ!!』
ξ゚⊿゚)つ「木原くん、お疲れさま」カーン
(´・ω・`)つ「田中さん、本当にお世話になりました」カーン
( •灬•)「おお、木原くん」
(´・ω・`)「原さん」
( ^灬^)「あんたがここまで来るとは思わんかったよ」
(´・ω・`)「当のボクがそう思ってます」
( ^灬^)「ハハハ、ようやった、ようやった」
(´・ω・`)「ありがとうございます」
彡(゚)(゚)………
(´・ω・`)「あ!宮崎さん」
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん………あのやな!」
(´・ω・`)「はい」
彡(゚)(゚)「………ヒロカツくんはヒロカツくんなんや……俗物の……」
(´・ω・`) .。oO(なにを言いたいのかよく分からない)
そんなボクの手を宮崎さんは固く固く握りしめた
(´・ω・`)つ⊂(゚)(゚)ミ
(´・ω・`)「宮崎さん………完成おめでとうございます」
彡(゚)(゚)「おおきに」
宮崎さんはしばらくの間、ボクの手を放してくれなかった
ガヤガヤガヤガヤ
(´・ω・`)「みんなスキヤキに喰らいついてら」
次の日を心配しなくていいから皆ハメを外してる
「もう明日の仕事なんて考えなくていいんだ!!」
「終わったんだから飲むぞぉ!!!」
『おおおおおおおおおおおおおおお!!』
(´・ω・`)「すごい盛り上がりだ」
(´・ω・`)「まあ、楽しかったとはいえ大変であったことには変わりない」
(´・ω・`)「開放的にもなるってもんさ」
(´・ω・`)………
(´・ω・`)「みなさん、本当にありがとうございました」
(´・ω・`)「お疲れさまです………」