第4話 始まり
4月1日
スタジオジブリ第2スタジオ
この時はまだボクと宮崎さんの二人っきりだった
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん」
(´・ω・`)「はい」
彡(゚)(゚)「ええか?最初にハッキリ言っとくで……」
彡(゚)(゚)「トトロは楽しい作品や。だから楽しく作らなアカン」
彡(゚)(゚)「制作ディスクの君に言うことはこれだけや」
(´・ω・`) .。oO(楽しい作品を楽しく作る)
この言葉にボクの心の中に小さく残っていた天空の城ラピュタの制作が
たった今終わったのだと思った
天空の城ラピュタの制作自体はとっくのとうに終わっている
でもボクはまだラピュタを引きづっていた
ラピュタの制作は本当に大変だった
宮崎さんなんて制作中に頭のテッペンからどんどん白くなっていき
最後には完全に白髪化した姿をボクは傍でずっと見ていた
(´・ω・`) .。oO(ボクは思う)
あんなに働く人を見ていたからこそ
あんなに制作が大変だったからこそ
あんなにひたすら頑張ったからこそ
ラピュタを終えることが惜しかったんだと
でも「楽しく作ってください」という言葉を聞き
不思議と素直に次の作品トトロへと気持ちが移った気がした
こうして“ふたりのトトロ”が始まった
第5話 トトロ
スタジオジブリ第2スタジオ
この頃はこれといって特にすることはなかった
宮崎さんもキャラクターボードを描き始めた程度
(´・ω・`)「宮崎さん、ところでトトロってなんなんですか?」
彡(゚)(゚)つ「ん?これを見れば分かるで」
(´・ω・`)「ふむふむ……」
宮崎さんから古いイメージボードを渡された
日付からして10年以上たっている
なるほど、トトロはそんな昔から構成が練られていたのか……
(´・ω・`) .。oO(1枚目には……)
傘を手にしてバス停で待っているメイという名のキャラクター
その横には、フキの葉を頭に乗せたトトロと思われるでっかい動物が描かれていた
(´・ω・`) .。oO(2枚目には……)
ネコバスというバス型の化け猫が描かれている
(´・ω・`) .。oO(お!登場人物の簡単な説明があるぞ)
お父さん(30歳)メイ(5歳)坊主頭の少年(?歳)
ススワタリ(マックロクロスケ)という黒いマリモみたいな変な生き物
トトロ(おおとうさん/ミミンズク(1302歳))
中トトロ(おとうさん/ズク(679歳))
小トトロ(ミン(109歳))となっている
(´・ω・`) .。oO(なるほど当初はトトロの名前はミミンズクだったんだ)
この案が採用されていたら映画の名前は“となりのミミンズク”になっていたわけだ
それにミミンズクの名前から察するに
トトロのモチーフになった動物はフクロウ(ミミズク)かな?
ある日
彡(゚)(゚)カキカキカキ
(´・ω・`) .。oO(宮崎さんがトトロのポスターを描いている)
お化け屋敷の様な古い家の屋根にネコバスが両足を揃えて丸くなっている
そしてネコバスの運転席にはトトロのシルエットがある
うーん……悪くはないけどこのポスターだと……
彡(゚)(゚)「よし、完成」
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、どう思う?」
(´・ω・`)「大丈夫ですか?これにタイトルが載るんですから……」
(´・ω・`)「このままだと初めて見た人がネコバスをトトロだと思いますよ」
(´・ω・`)「そうなるとネコバスが主役にしか見えません」
彡(^)(^)「ほんでええねん!」
(´・ω・`) .。oO(いいのか?)