第7話 俗物
ある日
テゥルルルル
(´・ω・`)「珍しい電話だ」
(´・ω・`)「はい、こちらジブリ第2スタジオです」
「私どもは東京ドームの者です」
「東京ドームは来年(1988年)3月18日にオープンを予定しております」
「つきましては是非とも宮崎駿先生にマスコットキャラをデザインして欲しいのですが」
(´・ω・`)「なるほど……」
正直暇だし、受けてもいいんじゃないか?
日本初のドームスタジオに宮崎駿のデザインが飾ってあったら面白いし
おまけにオープンしたての東京ドームのボックスシートが貰えるかもしれない
(´・ω・`)「ということなんですが宮崎さん、どうします?」
彡(゚)(゚)「お断りや」
(;´・ω・` )「でも先方は、ぜひとも宮崎さんにお願いしたいと……」
(キャラデザが見たい……ボックスシートが欲しい)
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、ワイらは今、何をやっとるんや?」
彡(゚)(゚)「そんなヒマがあるんか?」
(´・ω・`) .。oO(十分ヒマだと思うけど……)
彡(゚)(゚)「なにかよからぬ事を考えとるんやろ」
彡(゚)(゚)「ともかくこの話は、多忙やと丁重にお断りせい」
(´・ω・`)「はい……」
(´・ω・`)「すみません、多忙なので無理です」ガチャ
(´・ω・`) .。oO(あーあ、もったいない)
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、もったいないことをしたと思っとるやろ」
(´・ω・`)ギクッ
彡(^)(^)「君は本当に俗物やな」
(`・ω・´)「ええ、俗物ですとも」
このやり取りのどこが面白かったのか
この日からボクの二つ名は“俗物”となった
第8話 二人の5月
ある日
彡(゚)(゚)「俗物のヒロカツくん!ちょっと!」
(´・ω・`)「はい」
彡(゚)(゚)「メイを二人にしようと思うんや」
(´・ω・`) .。oO(どういうことだ?メイが分裂でもするのか?)
(´・ω・`)「メイを二人ってなんですか?」
彡(゚)(゚)「お姉さんが必要なんや。サツキや」
(´・ω・`) .。oO(なるほど……)
メイは5月の英語読み、サツキは5月の旧暦の異名
ということは1人のキャラを姉妹に分けるってことだな
ピッタリのネーミングだ
(´・ω・`)「二人の5月ですね」
彡(^)(^)「せや!これならトトロが動くんや!!」
第9話 佐藤好春
ある日
(´_ゝ`)「佐藤好春です。お世話になります」
彡(゚)(゚)「よろしゅう」
(´・ω・`)「よろしくおねがいします」
(´_ゝ`)←は佐藤好春さん
日本アニメーションで“世界名作劇場シリーズ”の原画担当を務め
今回、となりのトトロの作画監督を担当することになった
明るく温和で優しく静かな人物
まるで、サツキとメイのお父さんのような人だとボクは思った
(´・ω・`)「佐藤って苗字が多いんで、好春さんって呼んでいいですか?」
(´_ゝ`)「いいですよ」
ボクと好春さんは少し世間話をしていた
すると……
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、佐藤さん」
彡(゚)(゚)「ちょっと来てくれや」
(´・ω・`)「はい」
(´_ゝ`)「なんですか?」
彡(゚)(゚)「二人に見て貰いたいんやが……」
彡(゚)(゚)「姉のサツキの髪型は長髪、短髪どっちがいいと思う?」
(´・ω・`)「短髪です」
(´_ゝ`)「長髪です」
好春さんとボクの意見が分かれた
この瞬間、宮崎さんがニヤッと笑った
どうやら思うツボにハメられたようだ
彡(^)(^)「二人ともその理由は?」
(´_ゝ`)「僕は髪の長い方がお姉ちゃんらしくて女の子らしいと思いますし……」
(´_ゝ`)「メイの髪は短いからその逆がいいかな……長い髪の方が僕の好みですし」
彡(^)(^)「なるほど」
彡(^)(^)「ヒロカツくんは?」
(´・ω・`)「短いサツキに決まってます!」
彡(゚)(゚)「なんでや?」
(´・ω・`)「動きやすいからです。動きやすさ最優先」
(´・ω・`)「きっと元々サツキの髪は長かったんです」
(´・ω・`)「でも、お母さんがいませんから家事をしてメイの世話を焼く立場です」
(´・ω・`)「朝は早起きして食事の準備ですから、髪をセットする時間はありません」
(´・ω・`)「それに長いままだと髪が前に垂れて仕事の邪魔になります」
(´・ω・`)「だから自分でバッサリ切ってショートヘア」
(´・ω・`)「妹の髪は梳いて結んであげても、自分にはそんな時間は使わない」
(´・ω・`)「それがサツキです」
(´・ω・`)「どうですか?」
彡(゚)(゚)……
ラピュタの時と同じく、相変わらず宮崎さんはボクには何も答えてくれない
彡(゚)(゚)「ところで佐藤さんは……」
(´・ω・`) .。oO(好春さんと話し始めちゃった……)
宮崎さんのその背中は暗に
「ヒロカツくん、もう帰っていいです」と言っているようなもんだ
(´・ω・`) .。oO(まったく、聞いてきてこれだもんな……)
まあ、こういう時は長居は無用だ
さっさと自分の席に戻ろう
「佐藤さんはまだまだ女の子のことが分かっとらんな……」
後ろから、そんな宮崎さんの一言が聞こえた