『なぁ、知っていたのか?』
私はロキからエニュオの事で尋問されていた。
「確かに知っていたが言った所で信じてもらえる訳がないから言わなかった。」
エニュオの正体はディオニュソス、自身を酒でわざと酔い正義の神として振る舞っている。
そうデメテルから聞かされていた。
デメテルは偶然ディオニュソスの本性を知ってしまい自身の眷族がエニュオによって捕らえられてしまった。
その囚われていた眷族は今ラキアにて保護をしている。
『確かになぁ、あんたはオラリオから離れていてディオニュソスとあまり関わりのないからうちらに知らせてもうちらの信頼などを崩す策だと思われちゃうなぁ。』
ロキは私が伝えなかった理由がしっかりとわかってしまうからそんな嘆きを呟いた。
「とりあえずこの図がエニュオの策だと思われる訳か。」
私はロキから伝えれたなんらかの図を見た。
七人の乙女と中心の竜の図はニーズホッグと七人の精霊らしい。
「恐らくはなんらかの儀式だろう。ニーズホッグを倒したと思われる魔法の儀式か?」
『一瞬で把握できる頭脳が羨ましいなぁ。うちらは判明するのに結構時間がかかったのに。』
そんなロキの嘆きが聞こえるが私としては少々おかしい点がある。
幾重にも策を練ってきたエニュオが一つの策だけで済むはずがない。
他にも策があるとするなら何がいやこの図には
「この図がエニュオの策だとすると二つの策ができる。一つは精霊の儀式、そしてもう一つはニーズホッグだ。」
『いや精霊の分身は9体が用意されていて一つはイシュタルが一つはタナトスが使っていたからもう7体しかいないはずや。』
「ならばイシュタルに渡されたのは失敗作か劣化品か粗悪品の可能性がある。精霊の分身がどれほど力を持つかわからない者にはそれでも十分に強い筈だ。」
『つまりは後最低1体または複数体がいるという訳か。』
「恐らくは一体だけだ。ニーズホッグを担当する個体はオラリオを吹き飛ばす強さを持っていないといけない。そして見つけても気づかれずに人工迷宮へと運ぶ必要もあるから輸送の問題もある。そう簡単にちょうど良いモンスターが見つかる訳がない。」
『つまりは部隊を8つに分けていくしかないわけやな。どうするべきかそもそもうちらだけで対処できるのか?』
ロキが8体の精霊の分身を対処できるのかで悩んでいる最中に私の中で浮かんでいたのは。
(オラリオの冒険者は馬鹿しか居ないのか?)
そんなオラリオの危機とは関係ない事だった。
ヘディン「馬鹿ではない!脳筋が多いだけだ!」
フィン「少なくてもドラコーに踊らされた僕は馬鹿だね。」