「お前の対策はそれだけじゃないぞ。お前の高速移動、あれもタネが割れている。お前を注視していれば高速では動けないのだろう?加えて幻術のほうも機械には効果がない!個々の監視カメラからリアルタイムで情報をとっているからお前がどう動こうと丸わかりだ!」
「わーお完璧じゃん?...で、殺さないってことは何がお望み?」
「お前の異能は有用、異能解放軍にその身を捧げるなら命は取らないでおこう。」
「なーるほどね、スカウトってか。私弔君についていきたいんだけど...ちょっと考えていい?」
「ふん...敵連合が壊滅するまでは時間の問題だ。いくらでも考えるといい。どうせお前は俺から逃れられんのだ。」
楓は周囲を見渡しながら言う。
「じゃあゆっくりしてるよ。どっちにしろ私が動くとそっちの人数を減らし過ぎちゃうし。」
「...何か狙いが?まあいいさ、主導権はこちらにある。」
「ねえ、喉乾いちゃって、自販機ない?お茶買いたい」
「監視カメラからは逃れられんぞ。」
「そういうのじゃなくてさ、普通によ。あ、あった。」
お茶を購入し、キャップを開けながら楓は話しかける。
「ねえ、あなたはどうして異能解放軍なんかやってるの?」
「...なんのつもりだ?」
「いいじゃんどうせ暇なんだしさ。で、どうして?」
「...この社会に抑圧されてきたからだ。ヒーローがすべて、ヒーロー以外は全て端役とでもいうかのような社会に嫌気がさした。異能がヒーローだけのものでなくなれば皆が主役になれる社会が来るのだ。
おまえたち敵も似たようなものだろう」
「まあ、そういうのはおおいよねー。みんなが主役か。私はそう簡単なものじゃないと思うけど、主役にならなきゃっていうのは同意するよ。」
雑談しながら2人して座り込み、くつろいでいると遠くで轟音と共に氷の塊と青い炎がぶつかっていた。
「うわあ派手だねぇ。荼毘くんと...荼毘くん対策のカウンターかな?いいねぇ派手なのは好きだ!もっと殺せ!」
「外典様...」
それを感染していると直ぐにどこからともなく大量のトゥワイスが増殖しながら街中を侵食していく。
「えっトゥワイスさん増えてんじゃんトラウマは??
ねェ、あっちの方がやばくない?行かなくていいの?あなたならトゥワイスさん1人を対象にすればみんな殺せるんじゃない?」
「くっ...だが私の役目はお前の足止め。私ならそれがひとりでできる...だから私は動かんぞ」
「そっ、アレ止められる人いるのかな?」
――楓が目を開けると、周りに敵連合のみんなと、沢山のトゥワイスがいた。
「いいかてめーら!てめーらは!コピーだ!
よって死んでも存在が消えることはない!安心しろお前らの墓は俺が立ててやる。」
「死ぬ前提でリーダーを増やすなよ...」
「復唱しろ!僕たちは複製、死んでも死ぬことは無い!心がスっと軽くなるはz...」
「しねえよ誰だこいつら」
「僕たちは複製!死んでも死ぬことは無い!よしやろう!」
「復唱しなくていいでしょう。楓ちゃん結構そういうノリいいですよね」
「目の前のハゲが解放軍のボスだ!」
「え!?つかお前なんで自分増やせてんの?」
「そっか荼毘とコンプレスには道中あってなかったな!克服したんだよ!」
「え!?じゃあお前も複製なの?」
コンプレスの質問にトゥワイス全員が真顔になった。
「「「馬鹿言え俺が本物だ」」」
「「は?俺が本物だが?」」
「うるせぇ!誰がなんだろうと今は、みんなのためなら命張れる!全員気持ちは同じだろ!」
そう言って飛び出して行ったトゥワイスの1人の頭が急に弾ける。
「随分もろい。ところで君、人質の意味は理解しているのかね?」
「何したか見えた?」
「...聞くな。」
「指弾いたら黒いのがでてた。それでトゥワイスさんの頭が弾けてた。なにかはわかんないけどね」
「分倍河原、それ以上増やすと義燗を殺す。正規メンバーではない彼を殺すのは私も本意ではない」
「大丈夫だトゥワイス、お前が作ったこの状況、1対...たくさんだ。」
「俺たちに分がある!」
「とりかえしゃあいいんだよな?」
「「「「「待て!」」」」」
その瞬間デトネラット社長の腕が膨張し――
雑談に興じていると、遠くでビルが崩壊したのが見える。
「あれ、うちのリーダー到着したみたいだね。ビル丸ごと崩壊させるのはさすがに脳筋が過ぎないかなぁ...ていうかあんな範囲崩壊できたっけ?」
「指導者様...いや、指導者様ならば問題ないだろう...あの人ならば...」
「どうだろうねー弔君も結構強いよ?」
ビルが崩壊してから間もなく、地面が揺れる。
「なんだこれは、地震...?」
「そっちの人の個性じゃないなら...ギガントマキアだろうね。なんか早い気がするんだけど」
「ギガントマキア...お前たち敵連合の切り札ってところか...」
「いんや?あれはまだ私たちの敵だよ。それもすっごい面倒臭いタイプの。私がやれるなら直ぐなのにさ...
よし、ギガントマキアもきたならそろそろ最終局面だろうし、私はもう行くね?」
何でもないように言う楓に男は驚きの表情を浮かべた。
「待て!動くなと言っただろう!あの程度の雑談で絆されると思ったら大間違いだぞ!」
「別にそういう目的でも無いんだけど...そろそろ行かないと後でサボってたって文句言われそうだしさ」
「くっ...お前がそれ以上動くなら私は自分の胸を刺して死ぬ!」
「知らん人の自殺願望に付き合う趣味は無いから、ご自由にどうぞ?」
そう言って離れていく楓を見た男は覚悟を決めた。
「これも解放のため!おまえも贄となるんだ!」
そう言って自身の胸にナイフを突き刺す。そんな苦しむ彼が死ぬ間際に見たものは、
こちらを振り返ることもなく、何の異常も無く歩いて離れていく楓の姿だった。
「...何故...?」
なんで生きてるんでしょうねぇ...
最初は普通に楓ちゃんが暴れる想定で書いてたんですけど、よく考えたらマキアの相手いなくなっちゃうから変更です。まじで本気でやれば11万人ぶっころ出来ちゃうので。
リ・デストロは楓ちゃんよけて戦うパターンもありましたが、リ・デストロと死柄木の問答はやってほしいのでなしで。
ていうか楓ちゃん正面戦闘させるようなキャラじゃないからしゃーないね。できるけど。