でもいいよね。小4でドロップアウトした子供が初めてできた信頼できる仲間なんだから。
元々楓ちゃんは死柄木大好きにしようと思ってたけど、こうなるのは必然だったか...
ギガントマキアが街中を行進中、スケプティックと荼毘が話していた。
「死柄木がエンデヴァーと?そりゃいいや準備しろ」
「準備って何を?」
「偽りのヒーロー社会を崩壊させる準備だよ」
荼毘はいつになく楽しそうだった。
「トガちゃんはいいのかい?さっき探してたでしょ。雄英生徒の好きな子達!彼らもヒーローなわけだけど」
「......何を以て線引くのでしょう?人を助ける人がヒーローなら、仁くんは人じゃなかったのかな...
私のことも殺すんでしょうか?
聞きたかったんです。出久くんに...お茶子ちゃんに...答えによっては...大丈夫です。」
スケプティックがパソコンを操作しながら言う。
「ヒーローが迫ってきている。」
「衛星?からの映像か?便利ね」
「これを便利と感じる文化レベルを恥じろ
山荘ほどでは無いが...かなりの数だ。我々が今こうしていられるのも結果論でしかない。相手の出方には依然気をつけねば...」
映像を見ていたコンプレスが何かに気づいたように声をあげる。
「あ!?ストップ!そこアップしろロン毛!」
「それが人に物を頼む態度か?」
「こいつら...噂をすればだ!」
スケプティックの映像には2人の雄英生が映っていた。うち1人はトガが探していた麗日お茶子であった。
それに気づいたトガはコンプレスに迫る。
「みすたー!装備!出してください!」
「え、ちょ待って急に来ないのおじさん照れちゃ...」
「早く!」
コンプレスの出した自身の装備を身につけたトガはギガントマキアの背中から降りようとしていた。
「おぉいちょっと!あーもー気づかなきゃ良かった!ダメだよ降りちゃ!危ないって!」
「モヤモヤしたままじゃ気持ち悪いので、私は聞きに行かないといけないのです。」
「今じゃなくていいでしょ。荼毘もなんか言えよ!ニヤニヤしてないで!」
「どおーーーーーーーーーでもいい。おい、余計なもん見てねえで早く始めろよ。焼き殺すぞ」
「貴様らと言うやつは〜〜...!」
その時、スピナーと楓のふたりがトガに声をかける。
「「トガ」ちゃん」
「俺達ゃ偶々集まっただけのはぐれ者たちだが...トゥワイスがやられて悔しいのはおまえだけじゃねぇ。
ここはあいつにとって唯一の居場所で、そのボスがおそらく俺たちが集まることを望んでる。勝手するのは敵の本領。ただし必ず戻ってこい」
「あの子の答えがなんだったとしても、私たちはトガちゃんの仲間だから、みんな揃っての敵連合だから。帰ってきてね。...行ってらっしゃい。」
「うん、行ってきます」
その言葉を聞いたトガは満足そうにほほえみギガントマキアから降りていった。
それから数分後、ギガントマキアは戦場となった蛇腔病院跡地へとたどり着いた。
「ハァ...ハァ...主よ。来たぞ!次の指示を!あなたの望み通りに!」
「死柄木!なんて姿に!」
「弔君!生きてる!?」
ふたりが死柄木の心配をしている時、荼毘だけは別の方向を見ていた。
「おーういたいた!こっから見るとどいつもこいつも小っさくて。お!?焦凍もいんのか、こりゃいいや!」
「荼毘!!」
ボロボロのエンデヴァーが荼毘を睨みつけて言うが...
「酷えなぁ...そんな名前で呼ばないでよ。」
荼毘が頭に薬のようなものをかけると、黒かった髪が白くなっていた。
「燈矢って立派な名前があるんだから
顔はこんななっちまったが...身内なら気づいてくれると思ったんだけどなぁ...
でも俺は忘れなかった。言われなくてもずうっとお前を見ていた。皆が皆清廉潔白であれとは言わない。お前だけだ。
事前に録画しておいた俺の身の上話が今、全国の電波とネットを走ってる!」
荼毘は楽しそうに踊りながら歌うように言葉を紡ぐ。
「いけねぇなんだか愉しくなってきた!どうしたらお前が苦しむか、人生を踏みにじれるか、あの日以来ずうううううっと考えた!自分がなぜ存在するのか分からなくて、毎日夏くんに泣いて縋ってたこと知らねえだろ!
最初はお前の人形の焦凍が大成した頃に焦凍を殺そうと思ってた!
でも期せずしておまえがNo1に繰り上がって俺は!お前を幸せにしてやりたくなった!
九州では死んじまわねえか肝を冷やした。星のしもべやエンディングを誘導して次々お前にあてがった!
念願のNo1はさぞや気分が重かったろ!?世間からの賞賛に心が洗われたろう!?子供たちと向き合う時間は家族の絆を感じさせただろう!?
未来に目を向けていれば正しくあれると思っただろう!?知らねえようだから教えてやるよ!!
過去は消えない。
ザ自業自得だぜさぁ一緒に堕ちよう轟炎司!地獄で俺と踊ろうぜ!!」
絶望した顔のエンデヴァーが小さな声で言う
「燈矢は死んだ...許されない嘘だ」
「俺は生きてる。許されない真実だお父さん。炎熱系の個性なんざ事務所にもいるしで俺が何者かなんて考えなかったろ」
「荼毘それ初耳だわ...」
「俺らにも隠してたのか...何が何やら...起きろ死柄木!来たぞ!マキアに指示を!」
「強力な炎熱系の個性...変でもないけど、それ今か...特大のカウンターだね」
「なんだよ...おまえも血筋か...」
「疑ってんなら血でも皮でも提供するぜ。DNA鑑定すりゃあいい。まぁこっちはとっくに済まして公表中だけどな」
公表中の荼毘の告発動画はホークスがトゥワイスをころすしゅんかんが映っていた。
「急ごしらえだが挿入編集ばっちりだ。平伏しろ」
「助かるよ。てめぇのカメラで良い画が撮れたんで使わねぇてはねぇと思ってさ。
エンデヴァー、こっちは俺からのプレゼントだ。スパイ野郎のホークスのことも調べて回った」
荼毘は凄絶に笑いながらエンデヴァーに向かって飛び降りる。
「今日まで元気でいてくれてありがとうエンデヴァー!
赫灼熱拳」
荼毘が下に降りきる前に頭上から大量のワイヤーのようなものが降ってきて敵の全員を拘束する。
「遅れてすまない!ベストジーニスト今日より活動復帰する!」
この戦場に新たなヒーローが参戦したのだった。
過去は消えない。ものすごくいいセリフですよね。言ってる状況は最悪の状況ですが、私はこのセリフ大好きです。本編ではだからこそ贖罪を、償いをという流れですよね。よくある話ですが、それによってヴィランになった側からすると、そんなのよりも自分の前から消えてくれってなるのがまた...被害を受けた側からしたら贖罪なんて自己満足でしかないんですよね...それでこっちの人生が幸せになるわけじゃないという。償いなんて必要ない、罪自体が悪い。それを一生背負って生きていけというのが被害者の一番妥協する結論になるんでしょうかね?私はそう思います。
マキア移動中に病院側で死柄木が言っていた「理解できないからヒーローとヴィランだ」というセリフも大好きです。ヴィラン側で物語を書いていくとほんとにこいつら好きになる。