モチベの赴くままに書き続けたのもあるし、私が一番書きたかったのが最終回だったので、作品を引き延ばすつもりが全然なかったんですよね。振り返るともうちょっと長くしてもよかったかも。ただでさえ一話一話が短いもんねこの作品。
敵連合隠れ家内にて、スターアンドストライプ戦後、奪った個性【新秩序】に付与された他の個性と反発するという効果により、多くの個性を失った死柄木は発狂しながら暴れていた。
「ああああああ!!!
殺してやる!殺してやる!憎い!オールマイトの面を誰かが覚えている限り!この苛立ちは消えない!!」
「弔君、落ち着いて。これはそろそろ限界かもね。もうちょっと弔君が回復したらもうことを起こそう。先に...黒さんの方だ。
ただ、ヒーロー側も準備していないわけがない。それも、黒さんの奪還は私たちが打てる最もわかりやすい手だ。だからこそ、最初は私と弔君で行けそうならそのままやる。無理だったら、泥ワープで全戦力を集める。妥協はなし。幸いにも弔君のサーチは生きてる。主要戦力がどこにいるか位は掴めるよ。」
「それに合わせて俺が異形決起を開始するんだな。」
「うん、加えてマキア側にも少しだけ送り込む。そっちに戦力を割いてくれるならまあよし。半端にそろえるだけならそのままマキアを解放できる。
...うん、多分これが、最善だと思う。」
ヒーローも敵もお互いに準備は万全。あとは、意地の、主張のぶつかり合い。
より強いほうが勝つという単純なゲームとなっていた。
セントラル病院前にて、死柄木と楓は、一人待ち受けるエンデヴァーと邂逅していた。
「...本当にエンデヴァー一人か...もっと多いのを想定してんだが...」
「どうせ何か作戦があるだけでしょ。こっちはそれを...押しつぶすだけ。」
「ようやく来たな。敵連合...準備はいいのか?」
「こっちは充分だよ、むしろいいの?」
「フン...準備してきたのはお互い様だ」
そういうとエンデヴァーの後ろに黒い靄が発生しだした。
そこから数多くのヒーローが出てくる。
「黒さん!?仲間に引き込んだとでも!?」
「いきなり想定外だな...だけど黒霧なしでも、総力戦はやれる」
併せてこちらも死柄木の泥ワープで周辺に集めておいた敵連中を集結させた。
こうして最終決戦の火蓋が切って落とされた。
「...荼毘」
「指図するなよリーダー!ここで会えると思ってなかったぜ!お父さん!!まずはお仲間の葬式かあ!?」
荼毘の高火力攻撃に合わせてヒーロー側から氷が出現した。
「させやしねえよ!バカ兄貴!」
「焦凍ォォ!!!」
次の瞬間敵側の地面が割れて、敵たちを飲み込み、鉄の檻を形成した。
ヒーローが檻に集まってそれらを押し出す。後ろにはワープゲートがあり、ヒーローたちの狙いは戦力の分散であった。
そんな中、楓は檻を透過して抜け出しながら叫ぶ。
「私にこんなのが効かないことくらいわかってるよねえ!!」
だが、檻から抜け出した瞬間目の前にはホークスがいた。
「ええ、だから君には特別待遇っす」
ホークスに抱き着かれそのまま、楓は横に構えられていたワープゲートの中に入っていくのだった。
ワープゲート抜けた先、ホークスの拘束を抜けた楓は群訝山荘跡地にいた。
ワープした先は上空であり、楓はとっさに作り出した手の上に立っている。
目の前にはエンデヴァーとホークス、下には一緒に飛ばされた敵とヒーローたちがいた。
「ツートップが私かよ!大変だ!」
「うちが一番警戒してるのは詳細不明の君だからね!」
楓はコインを放り投げながらホークスに突っ込もうとするがホークスもエンデヴァーも楓から視線をそらさずにいた。
「もう対策は知ってる!」
だが楓、彼らの後ろから巨大な手で二人を殴りつけた。
「対策されてるのはわかってるからその対策くらいは考えてるよ!」
再度コインを放り投げる楓だったが、
「エンデヴァー!俺が見る!」
そういってホークスが羽の剣を構えながら楓に突っ込み、エンデヴァー画後ろから迫る二つの手を焼き払うのだった。
「うわっ!対応早いって!やめてよ」
「降参すればやめるよ!」
「しない!だってまだやり足りないからさ!」
そういった楓は今までにないほど大量の巨大な手を生み出し四方八方から二人のヒーローに突撃させた。それをかいくぐったホークスと斬りあいながら二人は言葉を交わす。
「俺と斬りあえるって君めっちゃ強いな!これでも速すぎる男って呼ばれてるんだけど!」
「私のほうが速いのはご存じの通りでしょ?でも大分いっぱいいっぱい!せめてエンデヴァー引っ込めて!」
「いや無理!」
そうしてエンデヴァーには大量の手を、ホークスとは斬り合いながら幾度かの攻防を繰り返していると、「荼毘確保ぉ!」と敵の主力メンバー一人が抑えられた報告が入った。
「はっや!対策は完璧だったってか!?」
「こっちのほうが上だったみたいだね!」
楓は荼毘確保の報告に揺らいだのか、明らかに動きの悪くなったエンデヴァーに狙いを定める。
再び巨大な手を作りエンデヴァーに向かわせるが、今度はそれに加えて、楓自身もナイフを投擲して逃げ道をふさいだ。
それに対しエンデヴァーが全身から炎を吹き出しすべてを焼き払ったが...
「火力が雑だよ!それだと...視界が切れちゃう。」
エンデヴァーの炎によって視界が切れたと同時に楓はコインを放り投げて加速した。
いくら本人の動きが早くとも空中にいるホークス、エンデヴァーには手を出せない。だからこそ楓は眼下に広がる森の中に落ちる選択をとったのだった。
「くそっ!下りられた!エンデヴァーさん、このまま見失って他の戦場に行かれるのが一番まずいです。我々も早くおりましょう」
ホークスとエンデヴァーも楓を追って森の中に降りて行ったが、着地した瞬間ホークスの腕に切り傷が刻まれた。
「ぐっ!?神経をやられた!腕を動かせません!離れてサポートに徹します!」
ホークスが離脱した。
少し離れたところで楓は考える。
(エンデヴァーは炎をまとってるから攻撃できない。でもこのまま潜伏すればいずれ限界が来る。主導権はこっちが握ってる!そのまま待てばいいだけ!)
しかしエンデヴァーにとっても、この状況は想定にあったものだった。
エンデヴァーは見せかけの火力の低い炎をまといながら、十数分の後にそれすらも弱めていった。限界を演出したのだった。幸いにも空からは雨が降っており、エンデヴァーの演出に少しの信憑性をもたせた。
楓はこれを好機とみてコインで加速しエンデヴァーを斬りつけた。そしてそのまま近くの木の陰に隠れて様子をうかがうと...
エンデヴァーから周囲の森全てを焼き払わんばかりの炎が噴き出され、楓もその炎に飲まれたのだった。
「仕方ないとはいえ、子供を捕えられず殺すしかないってのは、きついっすね」
「これ以上被害を増やさんためだ。あのまま他の戦場にいかれてたらすべてが終わっていた可能性もある」
一つの戦闘が決着し、落ち着いたホークス、エンデヴァーの元に一つの声が届いた。
「森ごと燃やすとか、ヒーローのやることじゃないだろ...げほっ」
その声にエンデヴァーとホークスはとっさに振り向くと、楓はコインを放り投げていた。
ヒーロー社会の2トップに君臨する二人は、だからこそ最悪を想定した。加速されるのはまずいと。
故に、頭上から降ってくる巨大な隕石に気づかなかった。
「私の切り札だよ!置き土産...存分に味わいな」
その瞬間、戦場に一つの声が届いた。
「藤堂楓、迎えに上がりました」
楓は振り向きながら、答えを返す。
「黒さん!?無事なn...」
その言葉を最後に、楓はその意識を落とした。
この戦場に新しく来たヒーローが楓に命令をする。
「隕石を消せ」
楓はその声に従うまま隕石を消滅させる。
「ギガントマキア側に来た敵が少なかったんで、こっちに飛んできました。無事...ではないですよね」
そこにいたのは雄英高校普通科、1‐C組 心操 人使だった。
最終決戦のvs藤堂楓はこれで終わりです。このあと、荼毘とトゥワイス(トガ)が来ますが、原作通りなので割愛。ていうかほかの戦場も含めて描写しません。大体原作通りです。スピナーだけは個性を与えられてませんが、彼が頑張って原作通り黒霧を起こすところまでたどり着きました。楓ちゃんがいる分細かい会話とかは変わるかもしれませんが。
え?最終決戦なのに短すぎ?はい。私もそう思います。許して戦闘描写マジで下手だったの。でも楓ちゃん無双するか、搦め手(心操)に負けるかくらいしかなくない?王道展開で負けさせるのむずかったんです。この後も控えてるんで殺すわけにはいかんのです。
あとがき長くなりますが、第18話の再臨祭決着時と第23話のスター戦で楓ちゃんが死ななかった理由の説明をば。書くタイミングなかった...
再臨祭の時も、スター戦の時もどちらも相手の個性に共通するのは世界へのルール付けです。
本来ならあり得ない、傷を共有するというルールを、動いたら心臓が止まるというルールを、それぞれ世界に上書きすることで発動する個性でした。
それに対して楓ちゃんの詭術は世界を騙す。世界の視点から逃れる能力ですので、ルールを破って行動ができるんですよね。スポーツで例えると、審判が見てないから反則にはならない。あとから選手がこういう反則をしていた!と主張しても覆らないのです。
ズルだね。うん。