世界を欺く少女の話   作:めめ師

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第6話です。前回の最後なんか楓ちゃんに頭良さそうなしゃべり方させちゃった。
まあ試したから知ってるだけで原理とかは全然理解してないってことで。
まあ自頭はいいって設定だからそれでいいよね!


体育祭観戦

雄英高校内、会議室にて警部補が話を進める。

 

「死柄木という名前...触れたものを粉々にする個性...20代-30代の個性登録を洗ってみましたが、該当なしです。ワープゲートの方黒霧というものも同様です。

無戸籍且つ偽名ですね...個性届を提出していないいわゆる裏の人間。

 

ですが楓という少女については、一つ可能性が。

盗堂 楓、15歳 個性【幻】、黒目黒髪とのことで特徴も過去の記録と一致します。

ですが、彼女は10歳のころに行方不明となっている。両親は共に家で自殺、彼女自身は行方不明となっておりました。」

「幻?彼女は戦闘において巨大な手を出していたが実体はあったぞ?」

「5年前の情報ですから、別の個性だった、もしくは成長したのでしょう。」

 

敵連合に対して撤退直前に弾幕を浴びせたヒーロー スナイプは考える。

(あの子どもにも何発か当たってたはずなんだが...リアクション一切なかったな...いや、今考えてもわからねぇ。どうせ個性も違うものだったんだ)

 

「わかってることは少ねえな。早くしねぇと死柄木とかいう主犯の銃創が治ったら面倒だぞ」

「主犯か...」

「何だい?オールマイト」

「思いついても普通行動に移そうとは思わぬ大胆な襲撃、用意は周到にされていたのも拘わえらず!突然それっぽい言動をまくしたてたり、自身の個性は明かさないわりに脳無とやらの個性を自慢げに話したり...そして思い通りに事が運ばないと露骨に気分が悪くなる!

まぁ...個性の件は私の行動を誘導する意味もあっただろうが...アレハイタカッタ」

「それにしたって対ヒーロー戦で個性不明というアドバンテージを放棄するのは愚かだね。」

「”もっともらしい稚拙な暴論”、”自分の所有物を自慢する”、思い通りになると思っている単純な思考。襲撃決行も相まって見えてくる死柄木という人物像は...

幼児的万能感の抜けきらない”子ども大人”だ」

 

オールマイトの出した結論に周りの教師も賛同する。

 

「先日のUSJで検挙した敵の数72名、どれも路地裏に潜んでいるような小物ばかりでしたが問題はそういう人間がその子ども大人に賛同し付いて来たということ。

ヒーローが飽和した現代、抑圧されてきた悪意たちはそういう無邪気な邪悪に惹かれるのかもしれない」

 

⦅個性を持て余してる奴なんていくらでもいる⦆

オールマイトは一般人の言葉を思い出していた。

 

「まぁ...ヒーローのおかげで我々も地道な捜査に専念できる。捜査網を拡大し引き続き犯人逮捕に尽力して参ります。

「子ども大人、逆に考えれば生徒らと同じだ。成長する余地がある...もし優秀なバックでもついてたりしたら...」

「...考えたくないですね。」

 

 

 

「黒さーんコーラ頂戴」

「わかりました。」

 

敵連合アジトにて、いつものようにだらだらとしていた時、死柄木がおりてきて言った。

 

「おい、テレビつけろ。雄英高校の体育祭があるぞ」

「んえ?見るんだ?...てっきり生徒にやられたのに拗ねてみないかと思ってたのに」

「黙れ...今後も襲撃することになるんだ、情報は必要だろ」

(思うところはあるけど...負けず嫌いってとこかな?)

 

テレビをつけるとちょうど体育祭入場の場面だった。

 

『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが我こそはとしのぎを削る年に一度の大バトル!

どうせてめーらアレだろこいつらだろ?敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!

ヒーロー科!1年!

 

A組だろぉぉ!!?

「...ちっ」

 

自分たちの襲撃を踏み台にして注目を浴びる彼らをにらみつけ、舌打ちをこぼす死柄木に楓は苦笑いを向ける。

 

『選手宣誓!選手代表!1‐A 爆豪勝己!!』

『せんせー、俺が一位になる』

 

ブーイングの広がる画面を眺めながら楓は爆笑する

 

「アッハハハハ!!何あいつ!やばすぎるじゃん!!

あんとき拘束するだけじゃなくてもっと心折っとくべきだったかな?」

 

画面の先では第一種目の発表があっていた。障害物競走だ。

 

――結果から言うとオールマイト並みのパワーを持つ地味な子が一位となっていた。

 

「...なかなかやるねー」

「作戦勝ちって奴だろうな。これを読んでたのかは知らねぇがあいつは最初からずっとあの装甲を持ってた。」

「目をつけてるんだ?」

「...警戒してると言ってくれ」

 

――第二種目 騎馬戦、USJ襲撃時に脳無を凍らせた紅白頭が最終局面にて大逆転

 

「いいねぇこういう展開好きだ私」

「あの氷の技範囲、精度、めんどくせぇな」

(意外にもちゃんと勉強してるんだ...)

 

――第三種目 総勢16名による1対1のガチバトル 紆余曲折ありつつ勝ち残ったのは爆豪、宣言通りであった

 

「宣言通りだったねぇ、なかなかやるじゃん」

「大規模攻撃持ちが多いな、こっちとしてももっと範囲攻撃持ちが欲しいもんだ。」

「私出来るよ?」

「もっとって言ったろ。...ところでお前こいつらと同い年だが参戦してたらどうだった?」

「余裕で優勝だね。」

「即答か。あの氷もどうにかできんのか?」

「中に閉じ込められても大丈夫、私に拘束は効かないよ。」

「...頼もしいねえ」

 

なお表彰式の有様には楓はもちろん、死柄木も笑っていたのだった。

 

 

 

保須市某所にて

「...お前らは気づきもしない。偽善と虚栄で覆われた...ハァ...歪な社会、ヒーローと呼ばれる者ども...俺が気づかせてやる...」

「探しましたよ「ヒーロー殺し」 ステイン」

 

黒霧は刃を向けられてなお冷静に交渉を続ける。

 

「落ち着いてください...我々は同類...

悪名高い貴方に是非とも会いたかった。お時間少々よろしいでしょうか」

 

華やかな祭りの裏でも物語は進んでいく。




今回は楓ちゃんの過去を一つまみ。且つ体育祭でした。ダイジェスト形式にしましたが別にヒーロー科メインのストーリーでもないですし、許してね。めっちゃ長くなりそうで本題から外れるのは違うよなって思ったの。
作中でも書きましたがもし今の楓ちゃんが参加してたら余裕で1位になります。
ただヴィラン落ちしてない楓ちゃんは個性【幻】のままなので入試の実技試験で躓いてます。
ヴィラン落ちしてるからこそ強いのだ、彼女は。
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