『よし、それじゃあ転移する前に最終確認しよう』
『了解あるじ!』
「ぺラルゴちゃんはちょっと待っててね。先に二人と一緒にスキルの確認するから」
「はい。私も横から見てますね」
「頼んだよ」
『じゃあまず二人のスキルからチェックしよう。このまま登録するからちゃんと戦闘用になってるよね?』
『大丈夫ですよあるじさん。『念動』Ⅱ『念話』Ⅱ『水魔法』Ⅲ『清潔』Ⅲ『平衡感覚』Ⅱの五つ確かに受け取っています』
『こっちも大丈夫だよあるじ。『念動』Ⅱ『念話』Ⅱ『水魔法』Ⅲ『身体能力向上』Ⅱ『夜目』Ⅷの五つセットされてるよ』
『よしよし。今回どれくらいスキルが活かせるか分からないからまだスキルレベルは低いけどスロット全部埋めることは出来たね』
『そもそもワタシ達は妖精魔法が本分だから準備が過剰な気もするけどねー』
『いやいやお姉ちゃん備えあれば憂いなしだよ。せっかくあるじさんが準備してくれたんだから…』
『まあ二人にはバックアップともしもの時の備えを担当してもらうスキル構成だからね。直接戦闘に関わるのは『念動』と『水魔法』くらいかな』
『練習はしたけど難しいんだよね『念動』。まだあるじほど自由自在には動かせないよ?』
『『水魔法』の方はいつも使ってる魔法とあんまり変わらないから楽なんですけどね』
『その辺も実戦を通して徐々に慣れていこうか。よし次に持ち物チェックだ』
「ぺラルゴちゃん持って行く物を出すから並べてくれる?」
「承りましたレイミャー様!」
「これとこれとこれをっと…。登録できるのは五枠までだから悩んだけどこれでいきます」
『あるじー、本当にこれ持って行くの?見栄えが悪いと思うんだけどな…』
『そもそもこれ一個のアイテムとして通用するんですか…?結構大きいですよ』
『そこはほら、ダメそうならOK出るまで受付で削るから。貴重なMPの回復手段だからこれは外せないよ二人共』
『だからってあるじの死体を丸々一個はちょっと、ねえ…?』
『というか他の持って行く物もなんだか微妙じゃないですか…?』
『そもそもとしてこの浮島で準備できるアイテムなんて高が知れてるからね。基本は絡め手優先だよ』
「レイミャー様本当にこの短剣以外の武器は持って行かないのですか?」
「そうだね。右手の斧と左手の銃以外は『妖精の絵筆』だけでいいかな。そもそも対応するスキルも無いから素振り運用だしね」
「それでもリーチの長い槍の方が相応しいと思うのですが…」
「リーチはそもそもぺラルゴちゃんの触腕戦斧の方が長いから。『妖精の絵筆』は呪文陣の筆記に使う為のサブウェポンだからね」
「それは分かりますが…。というかこの水の入った箱は一体…?」
「そっちは使い捨て呪文陣の起動用だね。こっちの石板も持って行く物だよ」
『それはなんとなく分かるんだけどさー。わざわざアイテム欄二枠使ってまで発動する魔法がスノードームなのは勿体なくない?』
『確かに即応性は無いですけどこの呪文陣の規模ならスノーエンチャントも長時間保ちますしスノードレスアップとかもありますよ?確かに幕を増やせるのは有難いですけど…』
『二人のスノードームに加えてこっちの詠唱使用とスキル使用に加えて呪文陣使用で五幕展開になるからそっちの汎用性を狙う感じだね。どんな感じの試合展開になるか分からないから出来る事を多くしておきたいのよ』
「この呪文陣を刻印した石板、そういえば裏表ありますけど…。これはどちらも同じもので?」
「あっ言ってなかったっけ。こっちの表のは範囲内に雪を降らせるスノードームの呪文陣。それで裏のは環境親和の使い捨て呪文陣だね」
「環境親和…ですか?」
『あーそういえばこっちの呪文陣はなんなのあるじ?見た感じ雪妖精由来じゃないからどっかの妖精が作ったヤツ?』
『こっちは起動実験もしていないですけど…』
『こっちに関しては効果だけ読み取れたから切り札として取って置くつもり。いざとなったら起動宜しくね』
『最大範囲のスノードームの呪文陣と同じ規模の使い捨て呪文陣魔法とかきっとロクなもんじゃないって絶対…』
『あるじさん予め聞いておきますけど安全なんですよねこの呪文陣…?あるじさんや私達が巻き込まれるとか御免なんですけど…』
『大丈夫大丈夫これの効果はたった一つだけ。「限定条件下でのデメリットの踏み倒し」だけだからね』
『デメリットの踏み倒し…?魔法名が環境親和…?あっもしかして?』
『なるほど…?確かにそれなら安全性も保たれてますね…。けどどこからこの呪文陣を解析したんです?』
『そうだねぇ…。この世界を作った神様からのプレゼントって言ったら信じてくれる?』
『神様…』
『神様…?』
「『神様は世界を拓く事を望んだ。それは旧人類に与えられた至上命題にして最終目標。未知を既知に塗り替える工程をこそ尊ぶべきと願った神様は未知に溢れるこの世界を創造した』」
「レイミャー様…?」
『あるじ…?』
『あるじさん…?』
「『
「それはつまり、神器という事ですか…?」
『え、えー…。これそんなに重要な物なの…?』
『なんだか緊張して来ました…』
「まあ自分達はこれを大一番の舞台で使う事を求められるっぽいってだけ!切り札としてはピッタリだね」
『これは文字通りの切り札。それでいて条件を満たさなきゃ使えない最終手段。だからこれはここぞと言う時まで取っておこう!たぶん何とか勝ち上がれるはずさ』
「本当に大丈夫なんですかレイミャー様…」
『うーんワタシ的には本番前に一回使って使用感を確かめて欲しいんだけど…』
『ぶっつけ本番は流石にどうかと思いますよ私も…』
『まあぶっちゃけ自分が使ってもそこまで強い効果じゃないんだよねこの魔法。どちらかと言えば受け取り完了しましたって
「それに切り札は一つじゃ無いからね。使える物は何でも使って行かないと勝ち残れないから…」
「そもそもとしてまだ私が一緒に参加出来るかも分かってないんですよね…?」
「そうなんだよね…。参加登録する時に聞いてみないと」
『前途多難ですね…』
『ねー。どうなる事やら』
*
*
*
「さってと生放送開始ー。映ってるよね?」
「レイミャー様なんですかこの黒い箱は?浮遊していますけれど」
『あっ出た謎黒箱。相変わらず唐突に出てくるね』
『ええと確か映像を写し取る装置なんでしたっけ?』
九城九港:映ってるよー
兼碌苑:配信設定の方も問題ないね
あぽろ:今日はぺラルゴちゃん装備形態じゃないんだ
「スレで相談した結果自分が生放送しつつイベントエリアに転移して発見してもらうのが一番安全だと判断したからこの様式になりました」
「ぺラルゴちゃんは転移直後に話しかけられる可能性を減らすために隣に立ってもらってるよ」
「レイミャー様どなたに説明を…?」
「ああごめん説明して無かったね。これは簡単に言えば通信機器でここから映像を中継してる物だよ。ちょっとピースしてみてくれる?」
「ピース?こうですか?」
『あっペラちゃん見るの初めてだったかコレ。いぇーいピースピース』
『ぺラルゴさんあんまり戸惑ってないですね。ピースです』
すいすい:みんなカワイイ!
フリッカー:こうして見ると顔隠してる無職が殊更不審者に見える
tanishidagashi:かと言って素顔のままでいきなり現れたら確実に目立つだろうしなあ
あぽろ:せめてエフェクトのオンオフが可能だったらね…
「お迎えは三人だって聞いてるけど大丈夫?一応集合写真でアバターの外見は覚えたけど」
「私達は拝見できなかったのでその辺不安なんですよね…」
『二人は転移した直後は非実体化してもらうけど平気だよね?』
『全然問題ないよあるじ。むしろビクビクし過ぎじゃない?って感じだけど』
『確かに、用心するに越したことは無いですけど警戒しすぎもそれはそれで…』
『いやー自分的には絡まれたりしなければそれでいいんだけど客観的に見てかなり目立つらしいから…』
フリッカー:迎えは俺とタニシとハスターの三人だ
tanishidagashi:この人数ならパーティメンバー迎えに来たと思われるだろうからな
パスワード・エルリック:無職は転移したら動かず喋らずじっとしてろよ
tanishidagashi:とりあえずこっちは配置についてるから後はそっちのタイミングで来てくれていいぞ
「有難い。それじゃあ正午になったらチケット使うから宜しくな」
「私達には会話が片方しか分からないのでなんだか不思議な気分です…」
『あるじが独り言つぶやいてるようにしか見えないよねー』
『旧人類語だとそもそも聞き取れないので…』
『ごめんごめん。あと一分経ったら転移するよ』
『ちょっ!そういうことは早く言ってよー!』
『あわわとりあえずあるじさんに掴まっておきます!』
ニッチ:やっぱり言語の壁はネックだな
兼碌苑:妖精の二人に旧人類語教えるって前に言ってなかったっけ
九城九港:それペラルゴちゃん来る前の話じゃなかった?今は悪魔言語の方が忙しいんだろ
「まだスピーキングどうするか問題が残ってるんだよねその辺…」
「っと時間だ。それじゃあイベントエリアに転移しますー」
「ペラルゴちゃん手ぇ握っておいて。万が一はぐれたら事だから」
「はいレイミャー様」
『二人も一応肩に掴まっておいてね。妖精と精霊はちゃんと付いてくるって聞いたけど』
『世界を渡る時って結構アバウトなんだよねその辺。ホントに大丈夫かなぁ…?』
『少なくとも接している対象は同じところに出るはずだよお姉ちゃん』
フリッカー:オッケー確保班もいつでも動けるぞ
tanishidagashi:転移直後の無職の位置を画面から割り出して急行すんのが理想だがさて
パスワード・エルリック:これで転移広場の近くに高所があれば上から見付ける人員も配置したんだが
九城九港:あそこ平地だからなあ
「それじゃあチケット出してっと。いざイベントエリアへ!」
「あっ転移する時特有の浮遊感が…!」
『あーこれこれこの足元がフワッてする特有の感じ!』
『慣れてないと結構怖いですよねこれ!』
「レッツゴー!」
*
*
*
『っと。到着したかな…?』
『みんな居る?はぐれてない…よね?』
『大丈夫だよあるじ!ワタシもフレもペラちゃんも居るよ!』
『良かったー。なんだかんだ言って結構怖かったんだよね転移するの』
『あるじさん世界を渡るのは初めてでしたっけ。それは確かに緊張もしますよね』
フリッカー:よし転移中はブラックアウトしてたけど映像復旧した!
tanishidagashi:えーっと中央噴水が右手側でコロッセオが左手側だから西か…?
フリッカー:おっしゃハスターが見つけたらしい!俺らも合流する!
「居た居た。おーい無職…。じゃなかったレイミャーさんこっちこっち」
「んお?」
「わたしが一番乗りだったね。掲示板でも話してないしこれが正真正銘の初めましてかな?チーム六波羅探題のハスハスターだよ。ドロップちゃんフレークちゃんペラルゴちゃんもこんにちは!」
「おお!初めまして!レイミャーと申します。宜しく…」
「おっとっと静かに静かに。なるべく声量は落として。出来るだけ周りに声が聞こえないようにしてね」
「…?」
『おー?あるじの知り合い?』
『精霊連れの方ですね。初めまして!』
「レイミャー様この方は…?」
「えーと、一応知り合い?に当たるのかな?これが初対面だし会話したのも初めてだけど」
「あっはっは。改めて言葉にすると不思議な感じだよねー」
フリッカー:よしよしハスターとは合流出来たし一安心だな
tanishidagashi:えーとどこだ二人共?俺割と離れた所に居るのか?
フリッカー:ミニマップ見てハスターの所に集合で良いだろ
tanishidagashi:そうじゃん!無駄にキョロキョロしちゃったな
「フリ君とタニシ君が来るまでちょっと待ってね」
「了解。ペラルゴちゃんはまだそのままの方が良いよな?」
「そだねー。ここじゃ目立つからやるにしてもわたし達の屋台の中でお願い」
「はいよ。そういや今屋台の組み立ての真っ最中だよね?中核メンバー三人もここに居て平気なの?」
「そんなに設営急いでる訳では無いから大丈夫かな。今はどこも材料調達がメインだし」
「なるほど…」
「おーい見つけた!レイミャー!」
「ようやく合流できた!マジで広場の反対側に居るんだもんなー!」
「おっ二人共来たね。こっちこっちー!」
『あわわあるじこんなに交友関係広かったの!?早く言ってよそういう事はさー!』
『けいじばん?って媒体に知り合いが居るとは言ってましたが…』
あぽろ:とりあえずは全員合流出来たようで何より
すいすい:ここまでに誰かに話しかけられることも視野に入れてたからね
withMachan:うーん別にええんとちゃう?無職一人でも切り抜けられそうなもんやけど
あぽろ:一応ね一応。レイレイにとっても悪い話じゃないと思うし
withMachan:?
「自己紹介しとくか。俺がフリッカーでこっちのエセ侍がtanishidagashi」
「長いからタニシで良いぞ」
「二人共初めまして。愚痴スレの無職ことレイミャーです。宜しく」
「宜しくなー」
「それじゃあさっさと移動すっか。何時までもレイミャーをこのままにしてたら何が起きるか分からんし」
「賛成ー。それじゃあレイ君行こっか。わたし達の屋台まで案内するよ」
パスワード・エルリック:無職ついでに道すがらの屋台映して。他のとこの進歩状況が見たい
あぽろ:ウチらが一歩先に行ってるのは確実だけど一応ね
金色ゴリラ:イベント始まってリアル半日だけどまだ場所取りが精々かな
withMachan:やっぱ事前準備出来てたソコが変なんやって…
「皆様はレイミャー様とはどういった御関係なのですか…?」
「あれ、その辺事前に説明して無かったの?」
「なんか三人共掲示板の概念をイマイチ理解出来ないっぽくてさ…。初対面じゃないって言いたかったけどハスハスターさんはマジの初対面だし」
「分かりやすく言えばレイ君とはいつも頭の中で対話してる仲なんだよペラルゴちゃん。レイ君が壁に埋まってた頃からの付き合いだね」
「頭の中で…?」
「うーん掲示板機能をNPCに説明するのって難しいな…」
「旧人類特有の能力って事にしとけば丸いか?」
「もしかしたら今後掲示板に接続出来るNPCが現れたりして…」
「ありえないとは言えないのがAPMの怖いところか…」
あぽろ:生放送機能とかも理解度薄そうじゃない…?
すいすい:旧人類の特権って事で済ませて良いのかなぁ…?
withMachan:うーん?なんか需要の高まりを感じるような…?
兼碌苑:そうかあ?
「屋台はどの辺に設営したんだ?」
「場所についてはケンさんが予め見繕っておいてくれたから例年と変わらない位置なんだって」
「一等地って程ではないが後の拡張工事とか列形成が楽そうな所だったな」
「広場からも遠くないしもうそろそろ見えるんじゃない?キワ君力作のあの看板!」
「おー見えて来たな。リーダーただいまー!」
「うわ凄いな。あれ全部手彫りで作ったの…?」
「暇に任せた六波羅探題ボーイズの傑作だぜ!」
あぽろ:おかえりー!レイレイ一行も中入れるようにしたから入ってきちゃってー
withMachan:はー!普通の屋台やったら垂れ幕とかある位置の看板全部手彫りの一枚板なんか!壮観やな!
クルーエル:周りと比べて明らかにもうシッカリした造りになってますね…
際見義信:事前に組んだ甲斐がありました
「あぽちゃんすいちゃんただいまー。レイ君連れて来たよー」
「お邪魔しまーす…」
「レイミャーそう固くなるなって。スレの面子なら誰だって歓迎だ!」
「そうそう!リーダーも喜んでくれるって!」
「おー来たねレイレイ!初めましてチーム六波羅探題のリーダーにして屋台『南ギルド食堂出張所』の看板娘あぽろでっす!リーダーって呼んで!」
「はいはい落ち着きなさいあぽろ。レイミャーさん初めまして。チーム六波羅探題のサブリーダー兼屋台の経理担当すいすいです。ウチは好きに呼んでくれていいよ」
「これはご丁寧に…。掲示板の無職ことレイミャーです。こっちがドロップでこっちがフレーク。それでこの子がペラルゴニウムです」
『あっ妖精!こっち来てからワタシ達以外で妖精の子初めて見た!』
『あるじさんちょっとお話してきても良いですか!?』
『行ってらっしゃい二人共。通訳必要だったら適宜呼んでね』
「皆様何時もレイミャー様がお世話になっております…!レイミャー様の契約悪魔ペラルゴニウム・アネスバレッタと申します!」
「ペラちゃん初めまして!よく来たね!」
「とりあえず無事にここまで連れて来てくれてありがとう三人共。レイミャーさんもこの屋台の位置覚えていざって時の避難所にしてくれて良いからね」
「避難所…。なんか物騒な」
「いやいやリアルで会って確信したけどこーれは危ないね!見た目華奢で冗談みたいな色白美肌にオーラ付き!明らかにアバターの質が違うよ!」
「さっき会った時も第一印象『うわすっご』だったからねぇ」
「という訳ではいこれ!この屋台の売り子衣裳兼変装装備!全員共通だからプレゼントだよ!」
「えっ良いのか貰っちゃって」
「大丈夫それ鍛治士ちゃんこと焦砂ちゃんの互助会に大量発注かけた内の一つだから。それにレイミャーさん装備がチグハグでしょ?一着くらいセット装備あってもいいんじゃないかって」
「そういう事なら有難く…。え?」
「ん?どうしたレイミャー?」
金色ゴリラ:おっと?
withMachan:どしたん?めっちゃ怪訝な表情しとるけど
「…これ女性用と間違えてない?」
「いやいや間違ってないよー?ウチの売り子さんは全員この装備!ステータス補正も良い感じでしょ?」
「はい。それでこっちはペラルゴちゃんの装備。どういうのが装備出来るか分からなかったから種別は一通り揃ってるよ」
「えっ!?わ、私の分もあるんですか!」
「何その気合いの入れ方…。えーと取り敢えずこれ装備すればいいのか?」
「細かい直しも有るだろうから今でお願い!簡単な所はすいちゃんが何とかしてくれるから!」
「レイミャーすまん。他所様にさせる格好では無いと理解してるんだが…」
「俺らも売り子じゃないのに一回強制的に着せられたから…」
「それに木を隠すなら森の中とも言うしこの周辺ならあんまり目立たないはず…なんだ…」
「えー…。まあ一応着るけどさあ…」
withMachan:…そんな変な装備なんか?
フリッカー:なんで全員分準備しちゃったんだろうなリーダー…
tanishidagashi:俺らが着る意味絶対無かっただろ…
際見義信:大量発注の代償と思えば…
「ただいまー。おーい水周りとコンロ周りに使える資材ドロップしたから帰ってきたぞー」
「…あっレイミャーさん初めまして!その服似合ってますよ!」
「お?えーともしかしてそっちがアイテム士でそっちが木工士か」
「そうだ。PNはパスワード・エルリックだが長いしパスで良いぞ」
「初めまして二人共。レイミャーです」
「レイレイそこはカーテシーだよ!ちょいやってみて!」
「いややり方知らないって…」
「えっとねー。スカートの先摘んで軽く腰を…。あーそうそうそうそんな感じ!」
withMachan:いやなんでメイド服やねん!しかもクラシカルタイプの本格派!しかもメチャクチャ似合ってるし!
フリッカー:リーダーがこれにするって早くから決めちゃってて…
tanishidagashi:しかもこれ装備としても結構いい感じのステ補正してるんだよ…
「レイ君はいこれ。仮面のままだと悪目立ちするからこっちで顔隠しな?」
「黒マスクの装飾品…?いや、ていうかこれ結構実用的な装備では…?」
「ウチらとしてはコスプレっぽいのでも全然良かったんだけどねー?発注かけたら結構なガチ装備が出来ちゃって」
「せっかくの機会なら有効活用したいじゃん?それとペラルゴちゃんのメイド服だけはペラルゴちゃんの今の装備をメイド服っぽく寄せた特注品だから雰囲気壊さず良い感じに出来てるはずなんだけど…」
「こ、こんな綺麗な装備を貰ってしまっていいんでしょうか…!『清廉』も持っていないのに…!」
「うんうんペラルゴちゃんも似合ってる!二人共そこに並んで!記念にスクショ撮ってあげるよ!」
「いやスクショはちょっと…。ただでさえ今生放送で映してるのもアレなのに」
「大丈夫大丈夫どこにも貼ったり流したりしないから!」
「管理はちゃんとしてくれよ…?」
「はいOK!それじゃあレイレイはイベント中その装備で居てね!」
「…ん?どういう事?」
「名付けて『ドッキリ女装大作戦!』喋らなければ絶対男だってバレないからレイレイには女性になりきって貰います!」
「…え?」
withMachan:ドッキリも何も既に生放送で公開しとるやろ…
ジェットパック:いやほら、この生放送もアクセス制限掛かってるし
金色ゴリラ:それに同接数からしてもいつメン以外見てないのがほぼ確定だしな
withMachan:それでええんか本当に…
*
*
*
「…なるほど。下手に野放しにするより関係者で周りを固めておけば悪い虫も寄ってこないと」
「加えて初めから女性って事にしておけばかえって悪目立ちもしないだろうからねー」
「それは良いんだけど流石に売り子とかしてる時に話しかけられたりしたら声出しちゃうしバレると思うんだけど」
「そこはほら、ウチらかハスハスがそばに居てフォローするから多分大丈夫!」
「あとは万が一バレても内緒にしてねって口止めすれば噂以上には広がらないでしょって感じかな」
「それならまあ…。けどバトルロイヤルの方はガチ装備で行きたいからそっち見てたらバレない?」
「そっちも考えたんだけどね。ねーねーペラルゴちゃん?ペラルゴちゃんが普段レイレイに装備されてる時の鎧のデザインって何を元にしてるの?」
「え、えーと『軽鎧』の因子で用いている鎧はノーテ姉さんが見繕ってくれた鎧の外見を元にしていまして…。他の軽鎧を取り込めば装備の数値はともかく外見だけなら模する事も出来ますが」
「やっぱりねー!はいという訳でペラルゴちゃんにはこちら!汎用戦闘メイド服軽鎧版の胴装備です。いやーこっちも頼んでおいてよかった!」
「いやいやあぽろリーダー流石に貰い過ぎだって!自分らまだ何にも渡せてないじゃん!」
「いやいやこれは先行投資ってヤツよ!この先レイレイがバトルロイヤル勝ち抜いて試合中に宣伝してくれたらウチにもバンバンお客様がやって来るって寸法ね!」
「余談だが悲しい事に俺らバトルロイヤル参加組はメイド服が強制着用だ…」
「本当に宣伝になるのかなこれ…。いやまあ動きやすさは兎も角として目立ちはするだろうけど」
「レイレイ試しにペラちゃん込のガチ装備やってよ。なんか不具合あったら手直しするから」
「あーまあそうねえ…。ペラルゴちゃん取り込めた?」
「むぐむぐ…。ぷはぁ!はい大丈夫ですレイミャー様飲み込めました。それじゃあお背中失礼しまして…」
フリッカー:無職がペラルゴちゃんを背負いましてと…
tanishidagashi:変身…!
withMachan:お!?おーええ感じなんちゃう!?なんて言うかバトルメイドって感じやん!
ジェットパック:黒マスクとハンドガードに編み上げブーツがいい味出してるね
際見義信:さっきのクラシカルタイプと比べるとスカート短いですけどそれでも膝丈くらいですね…
兼碌苑:仮面は頭の上か。これはこれで装飾品っぽい雰囲気で良き
「これなら確かに動きやすさ重視しつつ観せるデザインになってますね。いいんじゃないですか」
「うんうん!わざわざ個別に発注掛けた甲斐があったねすいちゃん!いやーリーダー冥利に尽きるってもんよ!」
「あぽろは無茶振りしすぎだよマジでさあ…。レイミャーさんも付き合ってくれてありがとうね。この子言い出したら一直線だからさ…」
「まあ最初は面食らいましたけどトラブルを未然に防げるって視点ならそれなりに効果ありそうですし…」
「ごめんねー…。いざって時はこっちの事気にせず喋っちゃって良いからね?一番大切なのはレイミャーさんの今後のゲームプレイだから…。ウチらが無理させて引退とかなったら申し訳が立たないから…」
「一応これでも楽しんでやってるから心配しないで下さいな。何事も楽しむのが一番ですから」
「…そう言ってくれると準備したのも無駄じゃなかったかもね。ありがとうレイミャーさん」
「いえいえ。これも巡り合わせって奴ですよ」
「おーいレイミャー!そろそろバトルロイヤルの登録行こーぜー!」
「ほら呼ばれてるよレイミャーさん。こっちはこれくらいにして行ってらっしゃい!」
「おっと失礼…!それじゃあ行ってきます!」
『おーい二人共そろそろ行くよ!』
『あーごめんごめんあるじ!それじゃあねー!』
『また後でお話しましょう!それじゃあ!』
「おいレイミャー忘れもん!これ、頼まれてたヤツ!」
「おっとっと…!パスごめん忘れてた!ありがとう!」
「ったく…!戻ってきたら設営手伝えよ!」
「はいよー!いってきまーす!」
「…あんなんで本当に大丈夫かねぇ。費用対効果はそんなに見込めない気がするんだけど?」
「パスはその辺結構ドライだよねー。いーのいーのウチの見てられる範囲の皆には楽しいゲームプレイをして欲しいじゃん?レイレイも例外じゃないからさ!」
「あくまで『楽しさ』に振ってるからウチも異論は無いかな…。もちろんやりすぎだと思ったらサブリーダー権限で止めるからね」
「流石は六波羅探題のリーダーズ…。まあ俺は外部協力者として雇って貰った手前そんなに兎や角は言わんよ」
「さっすが〜。パスはその辺の距離感の構築が上手いよね」
「どっちかと言えばパスの方が楽しめてるか心配なんだけどね…。うん?お客さん?」
「あら?いらっしゃーい!ごめんね屋台はほぼほぼ出来てるんだけどまだ食材が届いてなくてねー!まだ営業は待って貰えるー!?」
「ああいえ、あぽろさんすいさんパスさんお久しぶりです。前回の打ち上げ依頼ですかね…」
「お?おー!クルクルじゃん久しぶり!あれから月では色々あったって聞いてたけどどうなの!?」
「えっクルーエルさん!?あらお久しぶりです…!」
「クルーエルか久しぶり!うん?後ろの女性は…?」
「ええこちらがツェトゥリアさんの擬態系で…。レイミャーさんはいらっしゃいますか?」
「あータッチの差…」
「あちゃー…」
TIPS
:バトルロイヤル登録情報/レイミャー
・スキル『代償』Ⅳ『嫉妬』Ⅱ『暴走』『奪音』Ⅳ『浮遊』Ⅲ『ポージング』Ⅳ『HP自動回復』Ⅸ『妖精言語』Ⅹ『妖精魔法』Ⅷ『念話』Ⅲ
・装備 頭/蜘蛛織糸の仮面 胴/『烏賊嫉鎧』ペラルゴニウム(単独顕現封印) 腕/アイアンハンドガード 足/世渡り上手の編上靴 右手/初心者の手斧 左手/連結輪転弾倉銃・ダブルヘリックス
・アクセサリー 頭/瘴気封じの黒マスク 腕/キューブフレーム・ブレスレット 指/[妖精契約]毬藻の指輪
・契約 ドロップ/中級雪妖精 フレーク/中級雪妖精
・アイテム 1/妖精の絵筆 2/手投げ爆弾クナイ(アイテム士作) 3/水で満たされた箱 4/呪文陣石板(表:スノードーム 裏:環境親和) 5/死体(レイミャー一体分)