暇潰しに書いたモンハン二次   作:水代

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十六話 昇級

 

 

 

 

 街から雪山まで竜車で片道四日。討伐までにかかった時間を考えると、約十日の旅路を終えて街に戻れば、すでに先に旅立った上位パーティーは戻ってきていたらしく、街がざわついていた。

 ギルドに入ると、顔なじみのハンターたちが声をかけてくる、それらをかき分けてさらに奥、ギルドカウンターへと向かう。

「あらぁ…………おかえりなさぁい、レティちゃん」

 こちらに気づいたギルドカウンターの受付、ユイがにこりと笑う。

「討伐、終わったわよ、ユイさん」

 その言葉に、ユイが分かってました、と言わんばかりにこちらに一枚の紙を差し出す。

「ふふ、さすがですねぇ…………そんなレティちゃんにご褒美ですぅ」

 差し出された紙を受け取り、目を通す。と言っても、書かれているのは数行の文章と右下に押されたギルドの印だけ。物の数秒でその内容を理解し…………ばっと顔を上げる。

「これ、本当?!」

 思わず声が上ずる、けれど仕方がないではないか、この紙に書かれていることが本当だとすれば…………。

「レティ? 何が書かれてるんだい?」

 自身の後ろからリオがひょい、と顔を覗かせる。そんなリオの目の前に紙を差し出し。

「……………………え゛っ」

 思わず、と言った様子で声が裏返ったままこちらを見るリオにこくり、と頷き、そうして視線をユイへと向ければ。

 

「はい、本当ですよぉ。おめでとぉございます。今回の功績によりぃ、お二人とも()()()()()()()()()()()致しましたぁ」

 

 ほぼ絶句。と言うか聞いた事が無い…………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そんな自身たちの疑問を察したようにユイが口を開く。

「古龍なんて、下位とは言え最上位個体ですからぁ、元々HR3用のクエストでしたしぃ、それを倒せるならHR3は当然としてぇ、今回はギルドからの指名依頼、それも緊急クエストでしたのでぇ、こちらで功績に色を付けて置くように手を回しておいたんですよぉ」

 ふふ、と笑う目の前の受付嬢の得体の知れなさに、思わずリオが黙り込み。

「…………ありがとうございます、ユイさん」

 昔から付き合いのあった自身は謝辞を言葉にした。

 

「ふふ、知らなかったでしょうけどぉ」

 

 くすり、と笑ってユイが告げる。

 

「わたしぃ、レティちゃんのファンなんですよぉ?」

 

 目をぱちくり、とさせる自身にユイが笑い。

 

「期待してますからぁ、頑張ってくださいねぇ?」

 

 そう告げた。

 

 

 * * *

 

 

「上位ハンター…………あの子が、ですか」

 木製の机で頬杖を突きながら、女…………レイナ・ブランド―が一人考える。

 職を辞して二年、今年で二十三、もう決して少女とは呼べない年齢ではあるが、けれど未だに彼女に惹かれ、憧れるギルド職員、ハンターたちは多い。

 憂いに揺れる瞳、ため息を吐くその横顔すらも他人から見れば息を呑むほど美しく感じる。

 

 そんな彼女が悩まし気な吐息をついている原因は、先ほどやってきて上位ハンター昇格の報を告げた自身の義妹のことであった。

 義妹…………レーティアはレイナの夫である、カイ・ブランドーが数年前に拾ってきた孤児だ。

 まだ二人が結婚する前の話である。

 その当時から、レーティア…………レティはカイに懐いていた。否、あれは憧れていた、と言うべきか。

 夫、カイ・ブランドーを他人が一言で言い現わせばバカか天災、どちからになる。

 レイナから言わせれば、スリル狂い、としか言いようが無いのだが。

 

 二人の出会いは、カイが初めてのクエスト受けに来た時、その時対応したのがレイナだった、と言う他人からすると運命を感じるらしい出会いだった。

 

 まあそれはさておき、問題は義妹のことである。

 いや、それを問題と呼んでいいのかどうか疑問ではあるが。

 

 悩まし気な問題から逃避するように、カップに注いだ果実水を呷る。

 すっと喉を抜けていく爽やかな甘みに少しだけ気分が和らぐ。

 

 昔からレティはカイに懐いていた、憧れていた。

 だからハンター、と言う道を選ぶことは、前々から予想はできていた。

「…………本当は、普通に生きてほしかったんですけどね」

 普通の女の子として、普通に生きて、普通に恋をして、普通に結婚して、子供を産んで、家庭を作って。

 レイナからすれば、そんな普通の生き方をして欲しかったのだが…………まあ、選んでしまったからには仕方がない。

 ハンターとしての生き方はカイが仕込んでいった。だから、女としての生き方を自身が仕込んだ。

 結果として、クエストに出かけている時ならばともかく、街にいる時は普通の女の子のように振る舞えるようにはなった。あくまで振る舞えるだけであって、根本的にはハンターとして生きることを決めているため、そんなもの誤魔化しでしかないのだが。

 まあそう言う生き方もあるのだろう、仮にも元はハンターズギルドの職員だったのだ、ハンターとしての生き方を否定するような真似はしない。

 

 だからそう、それはそれで良かったのだ、思ったようにはならなかったが、自身がいて、カイがいて、レティが二人のところに帰ってきて、三人で家族を作って。

 それはそれで幸せな生き方のはずだった。

 

 カイが居なくなるまでは。

 

 とは言っても、レイナ自身他の人間が言うように、カイが死んでいるとは思っていない。

 アレがそう簡単に死ぬはずがない。

 少なくとも、戦いの場でアレが死ぬはずがない、そう思っている。

 

 もしカイが死ぬ時があるとすれば、それは余程偶然に見放された時か、もしくは。

 

 まるで何の気ない、日常の中で、さながらぷっつりと線が切れてしまったかのように呆気無く死ぬだろうと思っている。

 だから、行方が知れないと言うのは、意図的に眩ませているか、もしくは…………。

 

 ()()()()()()()()()()()()()かのどちらかだろう、と予測している。

 

 だから急ぐ必要も、焦る必要も無いのだ。放っておけばそのうちひょっこり帰ってくるだろうから。

 ただ少しだけ…………少しだけ寂しいと思うだけで。

 義妹が命がけでランクを駆けあがり、探しに行くような必要など、ありはしないのだと。

 そう思っている、そう言っている、言い聞かせている。

 

 だが義妹は止まらない。

 

 あの義妹は義妹で何か考えているらしい、そしてそれが自分にも関係がありそうだと、何となく気づいてはいる。

 だから止まらない、止まれと言っても効かない。あの辺りの猪突猛進さは本当に義兄によく似ている、似無くても良い部分まで似てしまっている。

 

「全く…………帰ってきたら、酷いですからね」

 

 ぽつり、と呟く。

 ハンターズギルドの職員は基本的には事務仕事が多いが、その腕は達者な人間が多い。時折だがマナーの悪いハンターがいたりするため、最低限自衛程度はできなければならないからだ。特にここの街のギルドの場合、同じ階層に酒場があるため、酔っ払いの対処などもしなければならないこともあるから猶更だ。

 自身もまあほどほどに腕に覚えはある、と言ってもあくまで対人技能であってハンターの真似事ができるような立派なものではないが。例えG級ハンターだろうと、下位ハンターだろうと同じ人間だ、非力な女の身でも人体の構造さえ理解していれば制圧するのもそう無理な話ではない。

 だからあのバカが馬鹿した時に制圧するのは自身の役目だった。

 カイが暴走した時にそっと死地へ送り込み、平然とした顔で戻ってきたバカに関節技決めて最後に絞め落として簀巻きにするのはいつも自分の役割だった。

 結婚しても時折そういう事があったが、けれど実際、それは互いのじゃれあいの範囲であると理解していた。カイが本気で抵抗すれば、きっと自分では抑えきれないだろうから。捕まっていると言うことは、カイにとって本気では無いと言うことに過ぎない。

 けれど、もし、もしも。

 

 この先、あの義妹に本当に何かあるようならば。

 

「…………少し、冗談じゃすみませんよ? カイ」

 

 いるはずの無い誰かが、そこにいるような気がして。何となく懐かしみを覚え、居ないはずの誰かにそっと呟いた。

 

 

 

* * *

 

 

 ぶるり、と背筋を震わせ男が思わず振り返る。

「…………気のせいかあ?」

 何だ今の、なんて小声で呟きつつ、足音を潜めてゆっくり、ゆっくりと林を抜けていく。

 

 きぃん、きぃん、と金属を擦るような音がどこからともなく響いてくる。

 

 ルォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォォォォォォ

 

 林の中を抜けてくる獰猛な叫びに、一切臆せずさらに足を進める。

 地面から巨大な岩が突き出し僅かに作られた影に身を滑り込ませながら、さて、と呟く。

 

「アイツ、どこに行ったんだ」

 

 周囲を見渡す、だがそこに人の気配は無い。

 だからと言って、そこに居ないとは限らないのが厄介なところなのだが。

 しゃきん、しゃきんと先ほどよりも鋭い音が聞こえる、敵が近いのだと予測し、さてここからどうすると考えて。

 

「センセイ」

 

 ()()()()()()()()()()に、思わずびくりと体が震えた。

「お、おま…………どっから出てきた」

 人一人分ぎりぎり滑り込むようなこの狭い岩場でそして周囲は開けた場所であり、死角らしい場所などここにしかないのに、一体いつどこからこの場所にやってきたのだ。

 そんな疑問は、けれど声の主…………少年があっさりと答える。

「最初からここにいた、センセイがあとから来た」

「忍者かよお前」

 誰も居ないと思ったはずのその場所には、すでに先客がいたらしい。

 全く気づかなかった自身が間抜けなのか、気づかせなかった少年が凄いのか。

「にん……じゃ……?」

「ん? ああ、気にするな。それより見てきたか?」

 問うた言葉に少年がこくり、と頷く。

「こっちに向かってきてる、もうすぐここを通ると思うよ」

「そうか、んなら後はまあ…………いつも通りで行くか」

「無鉄砲をいつも通りと言うのはセンセイだけだと思うよ?」

 

 そんな少年の言葉に苦笑しつつ、岩場の影で、そっとライトボウガンの弾を装填する。

 

「それじゃあ…………レクチャーと行こうか」

 どしん、どしん、と地響きのような足音と、同時にしゃりぃん、しゃりぃん、と言う金属を擦るような音。

「ああ…………ちょうど来たな」

 こっそり、と岩場の影から顔を覗かせる。

 

 だん、だん、と時折地面に叩きつけられるその尾こそが何よりの特徴と言えるだろう。

 

 その尾は堅く、そして何よりも鋭い。

 軽く薙ぐように振り回しただけで、射線上にあった大木が一本、すっぱりと()()された。

 

 そして切れ味が鈍くなれば。

 

 ガ、ギィィィィィィィィィィ

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 斬竜ディノバルドと呼ばれる獣竜の最大の特徴である。

 

「まずは復習だ、ハンターの鉄則を三つ言ってみろ」

 そう告げれば、少年が一つずつ指を折りながら教えたことを諳んじる。

「ハンターの鉄則…………一に観察、二に対策、三で対処」

「よし、ならあれを相手にまずは観察してどう思った」

「そんなこと言ってる場合じゃないと思うけど…………()()()()()()()()()()()()

「分かってるから言ってみろ」

 そんな自身の言葉に、少年が少し戸惑いながら口を開く。

 

「まずあの尻尾をどうにかしないといけない…………あれが最大の脅威であることは確かだから。他にも獣竜種ってことは足もかなりのものだろうから罠にはめる…………落とし穴とかが良いと思う」

 

 少年が呟く間にも足音はどんどんと近づいてきており、やがて…………。

 

「来た」

 

 岩場の影からぬっと、ディノバルドの顔が覗く。

 眼下のハンター二人に、けれど一瞬、気づくのが遅れて…………。

 

 気づいた時には、すでにその顔の目前まで迫られていた。

 

 【気刃放出斬り】+【剛撃+5】+【一閃+3】+【見切り+5】+【閃転】+【抜刀改心】+【集中+2】+【溜め威力UP+2】+【適応撃+2】+【闘覇】+【血気活性】+【太刀技大刀神】+【剣神+2】+【斬心+4】+【修羅一刀】+【鋼刃羅刹】+【死中活有】

 

 一閃、鞘から抜き放たれた刃が絶大な威力を持ってディノバルドの顔を()()()にする。

 僅か一撃、たった一度の抜刀の()()でディノバルドの意識が途絶する。

 

「スタン完了っと」

 

 あのハンマー狂いならここから永続スタンハメとかすんのになあ、なんて呟きながら横倒しになったその体を駈け上っていき。

 

 まだ熱を帯び、赤熱化した尾へと到達する。

 

 直接踏めばまあ控えめに言って、足が焼けるだろうから、直接踏みはしないが。

 

「一刀一刃」

 

 袈裟に刃を構える。

 

 僅か一秒ほどの停滞。呼吸すら止めて。

 

 猟技【■■】

 

 振り下ろした刃が何の抵抗も無く、振り抜かれる。

 

 音も無く、勢いも無く、ただ無造作に。

 

 ディノバルドの尾がその体から切り離され、地に転がる。

 ディノバルドはまだ昏倒から目を覚まさない。

 

「その時点でもう…………お終いなんだけどな」

 

 刃をそっと目へと突き立て。

 

 ずぶり、と突き刺す。

 

 ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

 

 痛みに目を覚ましたディノバルドが絶叫するが、けれど昏倒したばかりの体がすぐさま動くはずも無く。

 

「俺を殺すには」

 

 刃が深く、刺さっていき。

 

「もう遅かったな」

 

 その脳髄を完全に貫くと同時、ディノバルドの全身から力が抜けていく。

 

「斬竜討伐完了っと」

 

 ぴっと、横に向けて刃を薙ぎ、太刀に着いた血を払う。

 

「と、言うわけで、だ」

 

 そうして未だ岩場に隠れた少年に向かって告げる。

 

「正解はさっさと一撃で昏倒させてさっさと殺せば関係ねえ殺せなくてもさっさと尻尾斬ればいいよってことだな」

 

 そんな自身の結論に、岩場から出てきた少年が呆れたようにため息を吐き。

 

「…………それができるのはアナタだけだよ、センセイ」

 

 やれやれ、と両手を振りながら肩を竦めた。

 

 

 




称号:????
名前:レーティア・ブランドー
HR:4/10

装備スキル【攻撃力UP小】【ダメージ回復速度+2】【防御+60】
習得スキル【体力+20】【ランナー】【一閃+1】【見切り+2】【抜刀改心】【体術+1】【集中+1】【業物+1】【剣術+1】【氷耐性+10】【耐雪】【酔っ払い】【暑さ倍加小】【寒さ半減】【回避性能+1】【受け身】【調合成功率+10%】【ハンター生活】【地図常備】【採取+1】【探知】【隠密】

EXスキル【断空】【斬心+1】
EX猟技【■■】→まだ完全には習得していない。




称号:????
名前:リオレイシア・ハーティス
HR:4/10

装備スキル【攻撃力UP大】【防御+30】【隠密】【気絶無効】【装填速度+3】【反動軽減+2】【装填数UP】【狙い撃ち】【ボマー】【通常弾・通常矢威力UP】【貫通弾・貫通矢威力UP】【散弾・拡散矢威力UP】
習得スキル【体力-30】【鈍足】【腹減り半減】【早食い】【火事場+2】【見切り+4】【毒無効】【激運】【弱点特効】【軽銃技銃傑】




称号:■■
名前:■■・■■■■■
HR:?

装備スキル【剛撃+5】【豪放+3】【絶対防御態勢】
習得スキル【体力+50】【スタミナ急速回復大】【一匹狼】【ランナー】【一閃+3】【見切り+5】【閃転】【巧撃】【抜刀改心】【納刀術】【集中+2】【溜め威力UP+2】【ブチギレ】【適応撃+2】【闘覇】【血気活性】【纏雷】【生命力+3】【太刀技大刀神】【剣神+2】【状態異常無効多種】【酔っ払い】【回避性能+2】【受け身】【移動速度UP+2】【ハンター生活】【地図常備】【採取+2】【自動マーキング】【隠密】

EXスキル【断空】【斬心+4】【修羅一刀】【鋼刃羅刹】【死中活有】

EX猟技【■■】




スキル解説
【剛撃】→攻撃力UPの上位スキル、攻撃倍率が違うだけ。
【適応撃】→攻撃が斬、打、弾の中から特定の物に変化する、今回の場合、太刀で攻撃したけど、適応撃で打攻撃に変更したのでスタン値溜まった、みたいな解釈。ゲームだとある程度規則性で決まっているけど、この小説内だと自分で習得したスキルとして使うんだから自分で使い分けれる。
【闘覇】→抜刀中、攻撃力が1.2倍に上昇する。ただし、効果発動中は常にスタミナが減少していく。
【血気活性】→体力が100以上の時、攻撃力が1.1倍になる。
【太刀技大刀神】→フロンティア固有の秘伝書スキルと呼ばれるモノ。超高級耳栓が発動。太刀の攻撃力が1.2倍に上がり、攻撃がはじかれなくなる。錬気ゲージの消費量が半分になる。錬気がMAXの場合、業物+2と同等の効果がある気刃状態(錬気ゲージ点滅)時、攻撃力が1.1倍になる。切れ味+1が発動する。と一つのスキルでこんだけ詰め込まれてる。
【剣神】→切れ味+1と剣術と業物を同時に発動する。
EXスキル【斬神+4】→????
EXスキル【修羅一刀】→????
EXスキル【鋼刃羅刹】→????
EXスキル【死中活有】→あらゆる可能性を生み出すことができる。全EXスキルの中でもぶっちぎりのチート。ただし効果は超絶微妙。詳細不明。




後半に出てきたセンセイ…………一体誰なんだ(
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