暇潰しに書いたモンハン二次   作:水代

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十八話 アカツキ猟団

 【攻撃力UP小】+【一閃+2】+【見切り+2】+【剣術+1】+【斬心+1】

 

 振り抜いた一閃が、ドスファンゴの体を切り裂き、ドスファンゴが悲鳴を上げながら崩れ落ちる。

 崩れ落ちたドスファンゴの死体からいくつか部位を剥ぎ取り、残りは自然に還して。

 

「次ね」

「ああ」

 

 自身の言葉に、短くリオが頷き、森丘のさらに奥へと進む。

 森を抜け、やがて丘へと出る。さらに上へ、上へと昇って行くと、見つけたのは洞窟。

 しっかりと手入れをした武器を握りしめ、洞窟へと突入する。

 天蓋の一部が崩れ、十二分に明かりを取り入れた洞窟の中、自身たちの視線の先には一体の巨大な竜が瀕死の体を休めるために眠っている。

 

 口を閉ざし、互いに視線だけでコンタクトする。

 準備が終わった、そのことを互いが告げ合い。

 

 疾走する。

 

 眠っている、とは言え生存競争厳しい野生の中に身を置いてきたモンスターたちは、眠っている状態でも本能で危険を察する。

 

 故に、走る。

 

 音を殺し、気配を殺し、それでも走る。

 

 ぴくり、と竜が瞼を揺らす。

 

 気づかれた。否、本能が危機を察知した。

 瞼が開かれ、ひりつくような殺気を竜が放つ。

 ただの殺意が威圧となって、身を竦ませようとする。

 

 【断空】

 

 故に断つ。()()()()()()()

 洞窟の闇の中に閃いた鈍色の光が竜の圧を切り裂き、返す刀で振りかぶった一撃を。

 

 ――――竜の首へと振り下ろす。

 

「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオオア!?」

 

 絶叫する。竜が悲鳴を上げ…………それでも倒れない。

 故に、追撃が入る。

 

 ズドン、と小さな爆発音。

 

 【攻撃UP大】+【見切り+4】+【弱点特効】+【貫通弾・貫通矢威力UP】

 

 放たれた弾丸が正確に竜の瞳を射抜く。

 ドスン、と派手な音を立てながら竜が倒れる。

 

 ()()()()()()()()()()

 

 同時に尾を振り回し、こちらを近づけまいとする。

 それは分かっていたのでバックステップ、距離を取りながら刀を鞘に納める。

 

「リオ」

「了解」

 

 短いやり取り、それでも彼女には伝わっている。

 互いが何をすべきか、すでに互いに分かっている。

 

「疾っ」

 

 再度走り出す。

 片目を射抜かれながらけれど竜が再び立ち上がる。

 そうして自身へと走り迫る存在に気づいた竜が大きく口を開き。

 

 ――――その喉奥に火が灯る。

 

 ブレスの兆候。

 それを理解しながらけれど自身は避けようとする素振りも見せず、竜へと駆け。

 炎が放たれると同時にその口元へと突き刺さった弾丸が爆発を起こす。

 徹甲榴弾、彼女の虎の子の一発が竜の攻撃を阻害する、と同時に目の前で炎が弾けた竜が一瞬怯み。

 

 

 【気刃放出斬り】+【抜刀改心】+【攻撃力UP小】+【見切り+1】+【剣術+1】+【??+1】

 

 

 鞘から解き放たれた刃に乗せられた練気が見えざる刃となり、竜を切り裂く。

 ここに来るまでに散々与えられたダメージ、そして目を射抜かれ、首を切り裂かれ、最後にこの一撃。

 そこまでして、ようやく竜が動きを止め。

 

 そのまま真横に倒れ、動かなくなった。

 

 

 * * *

 

 

 狩猟祭期間中は、狩猟区域内での全狩猟制限が解除される。

 とは言え、当たり前だがランクごとに制限は解除されない、故に新人ハンターが上位狩猟区域に迷いこむことは無いし、ましてG級狩猟区域にG級ハンター以外が入ることも無い。

 究極的に言って、ハンターの役割とは自然の調和を保つことにある。

 勿論人間に害を為すモンスターを狩ることも役割ではあるが、それは極論で言えばモンスター側に傾き過ぎた天秤を少しだけ人間側に傾けているに過ぎない。

 本質的にこの世界はモンスターたちの世界であり、人間はその中で小さな土地を開拓し、必死になって守っているに過ぎない。

 だからハンターはモンスターを狩る、モンスターを狩ることで人が滅びないように戦っている。

 だが厳密に言えば、ハンターは人の味方と言うわけではない。

 

 過去、シュレイド王国という国家が存在した。

 

 人類の栄華を誇っていたような大国であり、モンスターの脅威を寄せもつけないほどの強大な力を持っていた。

 

 だがそれ故にシュレイド王国は滅びた。

 

 ()()によって滅ぼされた。

 

 国の中心であった城から、その膝元に栄えた城下町まで全てが廃墟と化し、人々は滅ぼされ尽くした。

 

 それはバランスが崩れたからだと言われる。

 

 モンスターと人間のバランスが、天秤が、人間の側に傾いた…………否、傾き過ぎた。

 

 要するに()()()()()が故に王国は滅びた、と考えられている。

 この世界にはそういう神のような存在が確かに居るのだ。

 だからこそ、そこから人類は自然との調和を目指した。

 自然の中で自然と共に生きる。それが神の怒りに触れない生き方であると自然と学んだ。

 そうして自然との激しい戦いの中で生まれたのがハンターという存在だ。

 自身の何倍もの大きさの怪物を相手に立ち回り、時に狡猾に、時に勇敢に、戦い、討ち取る。

 そして倒した怪物の素材を使い、さらに強くなる。

 だからこそ、ハンターは倒したモンスターの素材を全ては取らない。

 むしろ大半を自然の中に残す。それは自然の物を自然へ返すという意味であり、必要以上を取らないのがハンターとしての()()である。

 

 とは言え、世の中は綺麗亊ばかりではない。

 当たり前だが命をかけて戦っているハンターからすれば、多くの素材が欲しいと思うのは当然のことである。

 だがハンターには依頼されたモンスター以外を必要以上に狩ってはならないというルールがある。

 それは自然環境が崩されることを恐れたギルド側が定めたルールである。

 とは言えそれは仕方の無い部分もある。

 

 自然の生態系とは奇跡のようなバランスの中で保たれている。

 ハンターがそれを意図的に崩すようなことをすれば、バランスが乱れ()()()()()()()()か分かったものではない。

 

 一つ事例を上げるならば、以前にどこかの地方で村を襲う鳥竜種の群れを追い払っていたハンターが仲間と共に群れの巣を強襲し、巣ごと全滅させたことがあった。

 そうすると付近から天敵となる鳥竜種が消えたことにより、草食種が増えた。そして卵を狙う存在が消えたことにより飛竜種の動きが活発になった。

 捕食者と被捕食者、その両方の数を抑えていた鳥竜種が消えたことで、両者の数が増大した。

 だが捕食者である飛竜が増えるほどに被捕食者である草食種は減る。

 結果的にその地方は飢餓に陥った膨大な飛竜種が発生し、守られていた村ごと全滅してしまったという話がある。

 

 このように、ハンターの行動一つで生態系に大きな変化を起こすことがある。

 

 だからこそ、ハンターは必要以上に数を狩らない。

 最低限だけ取って、後は自然に返す。

 

 だが狩猟祭だけは別だ。

 

 狩猟祭の間だけはこの繁殖期の始まりに異常発生するモンスターたちを()()()()()狩ることができる。

 

 メゼルポルタ周辺で大量発生したモンスターたち、それを捕食する別のモンスター、さらにそれを捕食するモンスター、と連鎖するかのように、この時期には大量のモンスターが狩猟区域に集まってくる。

 いくら狩ってもキリが無い、否、むしろ狩り尽くす勢いで狩らねば増えすぎて後々大災害を引き起こすとされるほどのモンスター。

 だがハンターにとってそれは言い換えれば()()()()()とも言える。

 

 いくらでも沸いて出てくるモンスター、制限の無くなった狩り。

 

 素材を得て、金に換える者。

 新しい装備を作ろうとする者。

 依頼を受けて素材を集める者。

 

 色々な人間がこの祭に集まり、各々が好きに狩りを楽しむ。

 

 勿論、実力が無ければ死ぬのもハンターの暗黙の了解とも言える。

 

 だが実力があるハンターならば、莫大な利を得ることができる。

 

 それが狩人祭である。

 

 

 * * *

 

 

 カチャカチャと鳴り響く食器の音と騒々しい人の声。

「乾杯」

「かんぱーい」

 こつん、と互いのジョッキを軽くぶつけ合い、そのまま口をつける。

 

 まあ最低十八になるまで酒は飲むなと義兄に言われているため、自身のジョッキの中身は果実水だが。

 とは言え、狩猟帰りで疲れた頭と体に甘い果実水が染み渡り、何とも言えない多幸感を感じる。

「くはあ…………溜まらないね」

 テーブルを挟んだ反対側で自身とは違い、ジョッキに並々と注がれた酒を飲みほしたリオも恐らく同じものを感じているだろうことはその恍惚とした表情を見ていればすぐに分かった。

 

「あ、これ美味しい」

「ん? どれだい…………ああ、それかい、確かにそれはこの店のおススメの一品だよ」

 

 テーブルの上にところ狭しと並んだ料理を端から順々に食していく。

 普段こんな食べ方をしていれば義姉がため息を吐くところだろうが、生憎ここに義姉はいないし、そもそも家とは違う、大衆酒場でマナーを守って食べるのは逆に浮いた印象を与えるだけだろうから、多少雑なくらいでちょうど良い。

 まあ、だからと言って店の中で他のハンターたちがやっているようなドンチャン騒ぎをする気は微塵も無いが。

 

「それにしても、人が多いわね」

 メゼルポルタは自分たちが拠点としている街とは比べ物にならないほど巨大な都市だ。

 特に今は狩人祭の関係上、ハンターや商人たちなど一年で最も集まってきている時期と言える。

 人の波、という言葉の表現がまさにぴったり当てはまるほどの道行く人々の数に目を丸くする。

「そうだね…………テラス席しか空いてなかったのはつまりこういうことだね」

 すでに日はどっぷりと落ちているとは言え。否、むしろだからこそ、狩猟から戻ってきたハンターたちが酒を飲める場所を求めて街中に溢れかえっている。

 そんな状況で、道に面したテラス席にいれば、それはもう回りの視線も多いし、何より人が歩けば土埃が立つ。

 とは言え、ハンターなんていざとなれば狩猟区域で泥水啜ってでも生き延びようとする連中の集まりだ、そのくらいのこと気にするか、と言われると。

 

「それでもまあ、街にいると気になるんだから、不思議だよね」

「そうね…………あ、土着いた…………避けておきましょうか」

 

 リオが以前来たことのある店だというから入ってみたが、なるほど、料理の味は良い、酒…………はともかく飲み物も種類が多く、自身が飲んでいる果実水も清涼ですっきりとした味わいで美味しい。席の問題さえなければ良い店だと素直に思うだろう。

 

「失敗したかなあ…………前に来た時は人と一緒だったから中で飲んでたんだよね、だからテラス席(こっち側)だとこんなことになるとは知らなかったよ」

「今日はもう授業料だと思って諦めましょうか」

 

 嘆息しつつ、フォークで突き刺した茸を口へと運ぶ。

 美味しい、と素直に思う。

 料理は良いのだ、本当に。リオが何年も前に来ただけにも関わらず勧めてくるのも納得できるくらいに。

 後は環境さえ良ければ、そう思いながら店の中へと視線を移し。

 

「まあ、あっちはあっちで面倒そうね」

 

 乱痴気騒ぎと化している店内を見て、もう一度嘆息した。

 

 

 * * *

 

 

 一通りの料理を平らげる。

 中々に量もあったが、女とは言え体が資本のハンター二人だ、並の女性の倍以上は平然と食べるし、それだけ食べてもいざ狩猟の際には激しく動くため太る、ということもほとんど無い。

 リオだって一見動いていないように見えるが、周囲警戒に戦況把握に自分の立ち位置、こちらの状況を見たり、時には手助けをしたりと中々に忙しい。自分は基本的に相手に接近して戦うために、どうしても周囲警戒が薄くなりがちなのでそんな自身を補うように動いてくれており、動けない、という事実を考慮してもその消耗は大きいだろう。

 だから二人して食べる。今日消耗した分を補填するかのように、並の人間の倍する以上の量を容易く平らげ、何杯目になるのか数えるのも億劫になるほどのジョッキを傾け。

 

「じゃあ、話をしようか」

 

 人心地ついたところでリオがそう切り出した。

 

「まず最初に、私たちは猟団を結成した」

 

 リオの言葉に頷く。

 それはこの祭への参加条件だ。

 故に元の街でユイさんに協力してもらいながら、猟団を作った。

 

 名を、アカツキ猟団。

 

 夜明けを意味するらしい、義兄の好きだった言葉を使わせてもらった。

 自慢げにそんなことを説明した後、チュウニクセーとか落ち込んでいたのは一体何だったんだろうと思うが、まあそれは良いだろう。

 

「我らがアカツキ猟団の初日のスコアはリオレウスが一頭にその他鳥竜種が十数頭、ドスファンゴが一頭にファンゴが六頭。まあ二人で狩ったスコアとしては十分と言える」

 

 規模の大きい猟団なら、もっと強い竜をさらに大量に狩っているのかもしれないが、()()()()()()なんて初めて行ったのだから、初日は慎重になっていても仕方は無い。そう言う意味ではこの結果は満足のいくものだろうとは思う。

 

「…………いや、まあ私はともかく、初めての上位でいきなりレウスとかレティって本当に…………」

 

 リオがこちらへ視線を向けながらぶつぶつと何かを呟いているが、良く聞こえず首を傾げていると、数度咳払いをして、リオが顔を上げる。

 

「まあともかく、ひとまず上位でもこれまで通りやれば問題ない、ということが初日で証明できたと思う。そして、だからこそまず最初にやらなければならないことがある」

「やらなければならないこと?」

 

 正直、そんなものはいくつもあるが、けれどいの一番に、と優先するべきことなどあっただろうか、と小首を傾げた自分に、リオが嘆息し。

 

「装備だよ、装備…………」

「装備?」

 

 告げられ、リオの装備を見る。

 元G級だっただけあり、今の自分ではとても入手できないような素材ばかりが使われている。

 現状ではまずこれ以上を望めない装備だろうことは明白であり、だからこそ首を捻っていると。

 

「だから、キミのだよ、レティ」

「…………私?」

 

 向けられた視線に、自分を指さすと、リオが頷く。

 

「キミは強い。正直HR6かと思ったって昔は言ったけど、今ならそれ以上を目指せるとはっきり言えるほどに。でもキミの装備は下位ハンターとしては凡庸なものだ。正直それでよくあの風翔龍を倒せたものだと言いたくなるくらいに」

 

 リオの視線が自身の脇に立てかけられた太刀に向く。

 自身の太刀は義兄もお世話になった工房の人が作ってくれた特別製だ。

 使っている素材は凡庸でも、あの人が作ってくれた太刀は他とは比べ物にならない切れ味と強度を持つ。

 だからこそ、下位で手に入るような素材でもクシャルダオラの鋼の鱗を切り裂くことができた。

 

 もっとも、リオの言うことも分かるのだ。

 

 まだまだ未熟な自身は兄と違ってどんな武器を使っても戦える、などということはできない。

 良い刀を使えるならば、それに越したことは無いし、上位というこれまでより強力になった敵を相手に、未だに下位素材の太刀、というのは確かに不安にも見えるだろう。

 

「武器だけじゃなく防具もだよ…………火力はいざとなれば私でも手助けできるけど、防具の問題は生死に関わる。武器に関してはキミの行きつけがあるなら無理には言わないけど、防具に関してはこの狩猟祭の間に素材を集めて上位装備を作るよ?」

「…………分かったわ」

 

 有無を言わさないリオの態度もあるが、さすがに命を預ける防具が頼り無い、というのは不安も感じるのは確かなので、リオの言葉に頷く。

 そうして自身が頷いたのを見て、満足そうにしながら。

 

「ならまずはそれを最初の目標としよう」

 

 リオがそう告げた。

 

 

 




実は未だにハンター装備のレティちゃん。



称号:????
名前:レーティア・ブランドー
HR:4/10

装備スキル【攻撃力UP小】【ダメージ回復速度+2】【防御+60】
習得スキル【体力+20】【ランナー】【一閃+1】【見切り+2】【抜刀改心】【体術+1】【集中+1】【業物+1】【剣術+1】【氷耐性+10】【耐雪】【酔っ払い】【暑さ倍加小】【寒さ半減】【回避性能+1】【受け身】【調合成功率+10%】【ハンター生活】【地図常備】【採取+1】【探知】【隠密】

EXスキル【断空】【斬心+1】



称号:????
名前:リオレイシア・ハーティス
HR:4/10

装備スキル【攻撃力UP大】【防御+30】【隠密】【気絶無効】【装填速度+3】【反動軽減+2】【装填数UP】【狙い撃ち】【ボマー】【通常弾・通常矢威力UP】【貫通弾・貫通矢威力UP】【散弾・拡散矢威力UP】
習得スキル【体力-30】【鈍足】【腹減り半減】【早食い】【火事場+2】【見切り+4】【毒無効】【激運】【弱点特効】【軽銃技銃傑】
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