ちょっぴり大人っぽいサトシくんの冒険記録(レポート) 作:波導の勇者サトシくん
初投稿
1.転生したらサトシだった件について
a月a日 サトシに転生した件について
朝起きたらアニポケのサトシになってた(意味不)
現実は小説より奇なりとは言うけれど、まさか子供の頃に見ていたアニメの主人公になるとは夢にも思わなかった。
というか、今まさに夢を見ているだけという可能性は大いにあり得る。
一晩経てば元に戻るのではないかという期待は、他でもない自分に否定された。
結論を言えば、俺は生まれた時から俺でしかなく、マサラタウンのサトシであり、前世では東京生まれ東京育ちの◯◯◯◯だった。
本当にそれだけの話で、偶然今朝起きた時に前世の記憶を思い出した一般転生者でしかない。
サトシくんの人格を塗り潰して成り代わってしまったとかいう胸糞話ではなく、何の因果かは知らないが普通にサトシくんとしてこの世界に生まれたのだ。
だから、サトシとしての記憶はちゃんとある。
ママさんの事を考えれば年頃なのか少し捻くれたような感情もあるが、それを打ち消して余りあるほどに母親として大事に思っている。
シゲルの事を考えればいつもサトシくんを見下す小憎たらしい顔が思い浮かんで苛立つけれど、なんだかんだ友情のようなモノをちょっぴり感じてたりと複雑な感情がある。
どれもこれもサトシが生まれてから今日までの間に積み上げてきた大切な記憶や感情であり、前世の◯◯◯◯としての意識も自分自身のものであり、1つの人格として何の問題もなく成立している。
強いて言えば、前世で死んだ記憶がない事は気になるけれど、いつ死んでも不思議ではない状態だった。
あんな無茶をしていればぽっくり逝ってしまっても「ああ、そう」と流せてしまえるくらいの環境にいたので、むしろ死に際に苦痛もなく眠るように死んだのであれば運は良いのかもしれない。
まあ、アニメの主人公として様々なイベントに巻き込まれる事を加味すれば、一概にそうとも言い切れないのが辛いところだ。
それはともかく、マサラタウンのサトシこと俺は前世の記憶を思い出す事で少しばかり性格が変わってしまった。
30歳そこそこまで生きた経験があるのだから当然の話ではあるが、腕白でわがままや問題行動こそあっても母親思いの素直な良い子だったサトシくんが突然落ち着いた様子を見せたらどうなるのか。
しかも、記憶を思い出した反動か高熱を出してぶっ倒れるオマケ付き。
なおトレーナーとして旅立って以降、父親は音信不通のため母子家庭で一心にその愛を注ぎ込んだ愛息子の急な変調であるとする。
答えはもちろん、大騒ぎになりました。本当に申し訳ないが『僕は悪くない』……いや、マジで。
近所の人やら果てにはオーキド博士まで巻き込んだ大騒ぎになったが、診断の結果が
なんなら半日程度で熱が下がったのも知恵熱みたいなものとして処理された。
幾ら俺の様子が落ち着いたと言っても、今のところ所詮はたった1日の出来事でしかなく、これまでの度重なる問題行動から信用のないサトシくんの異議は圧倒的多数決によって黙殺された。
シゲルからは「まいったね。サートシくんは本当にお騒がせ者だよ。みんなに悪いと思わないのかい?」なんて嫌味を吐かれる始末。
前世の記憶を取り戻していなければ即プッツンして大乱闘スマッシュブラザーズが急遽開催されるところだった。こっちは伝説のスーパーマサラ人だぞ? ……命拾いしたな、シゲル。
そんなこんなで、今日はドタバタと忙しない日だった。
お陰様で突然の転生による混乱とか、過酷な運命に対する悲壮感だとかはぶっ飛んだので結果オーライと言っていいだろう。
アニポケはDP編までしか視聴していないし、無印なんて昔のことすぎて朧げにしか覚えていないが、ゲームは第4世代までは割とガチでやってたのできっとなんとかなるさとポジティブシンキング。
その後のタイトルもXYはクリアはしてる…………そう言えば、前世ではちょうどサン&ムーンを始めたところだったような?
アローラ地方の島巡りは今までのポケモンと勝手が違って面白かったし、個人的に中途半端は後悔が残る。
まあ、今はそのポケモンの世界に居るのだから、いっそのこと自分で島巡りを完遂するのも一興ではないだろうか?
ポケモンマスターになるという夢が最終目標だとして、チャンピオンリーグで優勝、アローラ地方の島巡りを終える事なども大きな目標として据えてもいいだろう。
今後の指針はあった方が動き易いし、いざという時の原動力にもなるしで良い事尽くしだ。
取り敢えず、ゲームじゃないけど
目指せ、ポケモンマスター!
a月b日 旅立ちまで
この世界では10歳が成人の年齢とされており、ポケモンの所持が認められるようになる。
現在俺は9歳なので、原作開始はちょうど1年後くらいだ。
折角ポケモンの世界に来たというのもあって、早くも旅立ちの日が待ち遠しい。
それにしても、10歳で成人扱いの上にポケモンとかいう人間よりも遥かに強力な生物の所持を認めるなんて、前世の価値観からしてみれば正気の沙汰とは思えなかった。
現代日本なら小学5年生に銃火器の所持を認めるようなものだから、正直ゾッとせずにはいられない。
とはいえ、基本的にポケモンを連れずに外を出歩く事を禁じられるくらいには危険が危ない(誤字じゃない)をしている世界なので、自衛のためと考えれば仕方のない事なのかもしれない。
もちろん俺もポケモンをもらう予定なので、これ以上野暮な事は言うまい。
前世の記憶を思い出してから早くも1週間。その間に調べた事や分かった事を取り敢えず書き出してみる。
取り敢えず、大前提としてこの世界はアニメやゲームではなく現実だ。
そのため、カントーのチャンピオンがレッドなのにロケット団が解散してなくてサカキが健在だったり、シゲルとグリーンがどっちもオーキド博士の孫*1だったり、割となんでもありだ。
レッドなんかはチャンピオンの業務を放棄してシロガネ山に籠ってるので代理としてワタルが実質的にチャンピオンをしているし、流石主人公と言うべきか無茶苦茶やってんな?
まあ、要するにアニメとかゲームが混在とした、より現実的な世界観だと思えばいい。
例えばオーキド博士はポケモン界の権威と言われているが、まだ各地方での調査が済んでいない上に情報の統合も出来ていないとかで、カントー地方のポケモン図鑑には151匹しか登録されていない。全国図鑑なんてあるはずもない。
これは他の地方にも同じことが言える。故に、別地方のポケモンは非常に珍しい存在として一般的には認識されるものらしい。
野生のポケモンという身近な脅威があるし、海なんか危険なポケモンがたくさんいるので、情報のやり取り1つとっても前世のようにいかないのは仕方のないことだろう。
そして、1年後には俺もそんな危険な世界に飛び出す事になるのだ。
野生のポケモンの中には友好的なポケモンだっているけれど、それだって人間よりも強い力を持つ生物である。
ポケモンの事は大好きだが、多分それだけではダメなのだと思う。
もっと色々とポケモンについて知らなくてはならない。自分の身を守るためにも、ポケモンマスターになる夢のためにも、仲間となるポケモンをよく理解するためにも、それは絶対に必要な事なのは間違いない。
そうと決まれば、明日からはオーキド研究所に毎日通ってポケモンと触れ合ったり、ポケモンについて勉強しよう。
ポケモンコーディネーターのナナミさん*2からポケモンの手入れの方法、ポケモンフーズやポロックの作り方なんかも聞き出しておきたいところ。
やるべき事、やりたい事、知らない事、知ってる事……たった1年間では足りないかもしれないが、折角サトシとしてポケモンの居る世界に転生したのだから俺に出来る事は何でもやりたい。
完璧主義者のつもりはないが、中途半端は嫌いなんだ。
a月c日 インテリなサトシくん
日記を読み返してみると、ポケモンについてもっと知ろうと決めてからもう3ヶ月が経っていた。
今年に入ってから熱心に勉強していたからかオーキド博士からの印象も明確に変化してきており、是非講師役としてサマーキャンプに参加しないかと誘われたのが今日の昼の事だ。
何かに熱中している時というのは本当に時間の進みが早く感じる。
たった1年間で何が出来るのかと思っていたが、好きこそ物の上手なれとはよく言ったもので、前世でのゲーム知識なども有りきではあるが僅か3ヶ月とは思えないほどの知識を身につける事が出来た。
その勉強の中でも特に熱が入り、あまりの奥の深さに時間も忘れて没頭してしまった最たる要因がポケモンバトルである。
公式記録として、設備さえあれば視聴出来るポケモンリーグの予選・本選トーナメントやチャンピオンリーグなどのバトルが記録されたビデオを細部まで記憶するほどに繰り返し再生した。
もちろん実際のリアルなポケモンバトルの経験がない俺には理解の及ばない高度な攻防も多々あったが、それ以上に得るべきものは多くあった。
ポケモンバトルに於いて重要なポイントは数多くあるが、トレーナーとして最初に把握しておく基礎知識がある。
それは、敵味方問わずポケモンに対する理解力だ。
自分のポケモンは何が得意で何が苦手で、物理攻撃と特殊攻撃のどちらに秀でているのか、好む戦法や嫌いな戦法、どんな性格なのか。
敵のポケモンに対して知ることの出来る情報に限りはあるが、その制限の中で可能な限り情報を集める。
ポケモンにはタイプや特性、種族値なんてものがあるのだが、この世界で種族値は認知されていない。
単純に研究が足りていない上に個体値の関係で能力にはバラつきがあるため、明確に数値として統計を出すのは現実的ではないのだ。
レッドのピカチュウみたいな外れ値がいるので仕方ないだろう。
だが、説明すれば理解してもらえる理論でもある。
例えば、サイドンというポケモンは物理的な攻撃に強い一方で特殊攻撃には弱く、タイプがじめん・いわの複合タイプなのでくさとみずタイプの技が4倍弱点になってしまう。
ベテラントレーナーやエリートトレーナーなどはそういう事を今までの経験則や知識で知っているが、それを知らないトレーナーからしてみれば打たれ強い時と妙にあっさり倒されてしまう時がある程度の認識しかない。
そのためオーキド博士に話せば理解を得られても、仮にシゲルに話しても理解は得られない。
タイプ相性に関しても、基本的なものはトレーナーにとって基本中の基本なので知らないのは考えなしの馬鹿くらいだが、意外と4倍弱点という概念は知られていない。
そもそもポケモンの体力を数値として確認する事は不可能だし、そうなるとダメージ計算も出来ないので、弱点だとダメージが2倍になるという言い方よりも効果が抜群、普通、いまひとつ、無効くらいの認識が一般的なんだとか。
流石にポケモンリーグに出場するようなトレーナーになると、一言で効果抜群だと思考を止めることはない。
この辺りの知識は大きなアドバンテージになるだろうが、アニポケでもそうだったように過信も出来ない。
確かサトシのベトベトンは電気技が効かないという通常のタイプ相性を無視した特異な体質を持っていたような気がする。
バトルに出てくるよりもオーキド博士との絡みが多くなってしまったので、正直記憶は曖昧だけど。
他にも弱点の水技を克服するための特訓をしていたサンドが、実際に水を克服したという話もあったはずだ。
ここは現実なので、既存の知識に依存していると足元を掬われる可能性がある。高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応出来るように意識しておこう。
そして、ゲームと違って技を4つしか覚えられないなんて事はないが、ジムチャレンジなどの公式戦では1匹につき4つの技制限があり、5つ以上の技を使用すると反則と扱われてその時点で失格になる。
野良バトルでも暗黙の了解とされているので、破るような輩がいるとすればまともな相手ではない可能性が高いため注意が必要になる。
更に言えば、技を使える事と使いこなせている事は全くの別問題であるとされていて、公式戦で実用可能な練度の技というのは意外と少なくなる。
アニポケのピカチュウも『アイアンテール』を覚えて間もない頃と、ある程度時間が経ってからでは動きが違った。習熟すれば1つの技でも色々な事が出来るようになるのだ。
相手の攻撃をこちらの攻撃で相殺したり、技と技を組み合わせて威力を高めたり、或いは変化技を使って能力を上げながら同時に攻撃なんて事も可能になるかもしれない。
今の時点では机上の空論に過ぎないが、アニポケのカウンターシールドが最も分かりやすい一例だろう。
攻撃技だからと言って防御や回避に転用出来ないわけではなく、変化技だから攻撃に転用出来ないわけではないという事を常に頭の隅に置いておけば、ピンチをチャンスに変える事も可能になるはずだ。
俺はサトシくんだが、アニメのサトシくんとは違う存在である。
前世の記憶があるからこそ思いつく戦法もあるし、その逆のパターンもまた起こり得る。
そういう事を考える時間もまた、とても心が躍る有意義な時間だった。
-追記-
前触れもなく突然ポケモンに関する猛勉強を始めた息子にソワソワしていたママさんに対して、真剣な顔で俺は本気なんだと説いたところ、「あのサトシが……」と驚いた後に感激されて、全力でバックアップをする事を約束してくれた。
具体的には、毎月もらえるお小遣いが元の1,000円から5倍の5,000円まで増額されて、昔トレーナーだったママさんからも貴重な経験談をたくさん聞くことが出来た。
成人して社会人だった前世の記憶があるからか母親とはいえもらってばかりはどうかと思い、ママさんが経営している食堂「マサラハウス」*3の手伝いを申し出たら、仕事終わりにバイト代を渡された。
ママさん……違う、そうじゃない。
取り敢えず、仕事の合間に暇潰しでコツコツ書いてた分を投稿し終えてから続きを書くか決めます(5話くらい)
面白いと感じてくれた方は高評価、お気に入り登録、感想など、お待ちしてます。
今後の更新は2、3日に1話の頻度になる予定ですが、投稿する時間についてアンケートを取ります。作者の都合で無効となる可能性もありますが、宜しければお答え頂けると助かります。
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朝(5時〜8時の間)
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昼(11時〜13時の間)
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夕(16時〜18時の間)
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夜(21時〜24時の間)
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出来たら即投稿しろ(何時でもOK)
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毎秒投稿しろ(ネタ)