ちょっぴり大人っぽいサトシくんの冒険記録(レポート) 作:波導の勇者サトシくん
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a月x日 未来のハナダの人魚姫 VSカスミ
リカオやピッピの群れと別れた翌日の昼頃、俺たちはハナダシティに到着した。
ここに来るまでにカスミは物凄く抵抗したが、事前にハナダジムに挑む事はちゃんと伝えていたし、今更予定変更というのも格好が付かない。
カスミが旅に出た経緯は覚えていないが、そんなに出戻るのが嫌なら適当に時間を潰していれば良いと言っておいた。
原作ではここでカスミとバトルをするのだろうが、あれはカスミの姉たちのポケモンがジム戦を行えない状態だったからだ。
シゲルはもうジム戦を終えているはずだけど、他の2人はまだお月見山を抜けていない。
だから、普通にジムに挑戦出来るだろうと、この時の俺はそう思っていた。
カスミとはハナダシティに入ったところで別れて、タケシとぶらぶら街を歩いていた時、何やら人集りを見つけたので野次馬根性丸出しで近寄ってみた。
近くの人に聞いてみれば、どうやら大型エンジンと巨大ホースが何者かによって盗まれたとのこと。
ハナダのジュンサーさんも目的も手掛かりもなくて頭を悩ませているところに、旅装の俺たちが来た事で一悶着が起きた。
まあ、俺のポケモン図鑑とタケシのジムバッジで身分は証明出来るため、誤解はすぐに解消された。
そんな騒ぎからは背を向けて、タケシと共にハナダジムに入った。
ニビジムと比べて遥かに大きな建物で、元ジムリーダーであるタケシも驚いていた。
建物に入ったところで大きな歓声が聞こえたため、まさかと思ったらハナダジム美人
原作でもショーをしていたのは記憶しているが、毎日やってるわけではない、よな?
なお、タケシは思わぬ形だったが、美人な水着姿の女性を3人も同時に見れて大喜びだった。
タケシが梃子でも動かない様子だったので仕方なく最後までショーを鑑賞した後*1、波導パワーで姉妹の気配を辿って会いに行った。
ジムの内部はアクアリウムのようになっていて実に見事だったが、その時は目的から外れるので意識から外して、ジム戦後に頼んでゆっくり見させてもらったのは余談である。
それはさておき、偶然を装ってハナダジム美人
まず、放置すると話が進まないので鼻の下をだらしなく伸ばしてクルクル回りながら近づこうとしたタケシの肩を掴み、慈愛に満ちた笑顔で良い子だから
そこまでは良かったが、場所を移動していざバトルを申し込もうとした時に事件が発生した。
なんと、ジム戦が行えないと言い出したのだ。
長女サクラのポケモンは、昨日ジムに挑戦したシゲルにボコボコにされて入院中らしい。
これは仕方ないだろう。怪我をしているのに戦えなんて言えるはずがない。
だが、ここで問題なのは次女と三女だった。
先程の水中ショーで使用していたポケモンは2人の手持ちのようで、今日はもう疲れているので戦えないとのこと。
これに異議を申し立てたのは、さっきまで鼻の下を伸ばしていたタケシだった。
元来曲がった事を嫌い、責任感の強い真面目な性格のタケシからしてみれば、彼女たちの言い様は公認ジムを運営する者として道理が通っていない。
趣味を楽しむ事は否定しないが、それで仕事を疎かにするのは違うだろうと、強い口調で物申した。
そこまでハッキリと言われた経験が少ないのか、少し怯んだ様子の三姉妹も流石にバツが悪そうにする。
元ジムリーダーという立場にあった事を告げたのも、殊勝な態度になった理由だろうけどな。
とはいえ、無理だと言われたならば仕方ない。
実際ポケモンたちは疲れた様子を見せているし、こんな状態で戦わせても怪我をするだけだ。
明日なら出来ますよねと言質を取り、今日は諦めようとしたところで、「ちょっと待ったー!」と威勢の良い非常に聞き覚えのある声がカットインしてきた。
そう、世界の美少女カスミちゃんである。
ここからのやり取りが長かったので要約すると、
・実はカスミはハナダ
・立派なトレーナーになると言って家を飛び出して旅をしていたこと(知らなかった)
・末妹のカスミは美人だと持て囃されている姉たちと折り合いが悪く、いつも比較されてきてコンプレックスになっているということ(知ってる)
・カスミもハナダジムの娘なので姉の代わりにバトルする資格があること(知ってる)
大体こんな話をしていた。
俺たちと旅をしていると話した時、長女がこちらを見て「もっと良い人にしなさい(意訳)」とか失礼な事を言った気がするが、悪意は無さそうなのでスルーした。
タケシとしても、経験が少ない割に知識が豊富な事に疑問を持っていたらしく、今回の話を聞いて合点がいったようだ。
なお、それなら
そんなわけで、結局カスミとバトルする事になった。
既に色々と変わっているはずなのに、不思議とこういうところは変わらないらしい。
まだバッジ1つなので、ルールは2対2で交換はチャレンジャーのみ有りだ。
トレーナーとしての腕前はカスミの方が一歩先を進んでいる。
俺にとって有利な要素は、相手が水タイプ統一パーティーなので弱点を突き易いこと。
だが、カスミも俺の手の内を知っており、水のフィールドを活かした戦いに持ち込まれると勝率は下がる。
総合して、互いの勝率は50:50の互角と見ていいだろう。
「いくわよっ、
いつも通りのカスミの掛け声と共に、2つ目のバッジを手に入れるためのバトルが始まった。
カスミはトサキント(Lv.18)、俺が選んだのはナゾノクサだ。
ボールから出た瞬間に、ポケモンたちは指示を受けたわけでもないのに技を使用した。
ナゾノクサが『にほんばれ』を発動して、屋内でありながら天候を"日差しが強い"状態に変える。
特性『ようりょくそ』の効果で、天候が続く限り素早さが2倍になった。
トサキントが『アクアリング』を発動しながら水中に姿を隠す。
天候は雨ではないが、トサキントも水の中に限り『すいすい』の効果で素早さが2倍になる。
更に、水中なら『にほんばれ』の効果も受けないだろう。
そして、水中を高速で動き回るトサキントの姿も、俺は波導によって感知する事が出来る。
どちらも進化前のポケモンで、レベルに差はない。
コーチトレーナーの元で修行した時も、陸上適性が無いトサキントのトレーニングには難儀した。
だから、カスミの他のポケモンに比べて練度が幾らか低い。
ナゾノクサでも充分に勝機はある。
決着は一瞬で着いた。
トサキントが『こうそくいどう』からの『つつく』で水中から飛び出してきて、ナゾノクサが『せいちょう』で一時的に大きくなる事で正面から攻撃を受け止める。
本来なら耐えられないはずの攻撃だが、ナゾノクサには『しんかのきせき』を持たせていた。
それでもかなりギリギリのところで受け切り、無防備な姿を晒すトサキントに対して、『せいちょう』の効果で2倍になった特攻による『ギガドレイン』で反撃を許さず倒し切った。
俺がいつものような搦手ではなく真っ向勝負を挑んだ事で、格上のカスミからの先手を取れた。
後で聞けば、基本的に初めは慎重に立ち回る俺ならトサキントの突撃を『まもる』で防いで来ると読んでいたらしく、『まもる』で弾かれたところを『ちょうおんぱ』で混乱させるのがカスミの狙いだったとのこと。
つまり、偶然にも普段は搦手の多い俺が真っ向勝負を選択して、真っ向勝負が多いカスミが搦手を選択していたのだ。
天秤が俺に傾いたのは、『しんかのきせき』の効果で耐久が上がっていたからこそ。
次いで、カスミが選んだのは言うまでもなく、スターミー(Lv.25)だった。
こちらもボールから出た瞬間、間髪入れずにカスミからの指示が飛び、スターミーの『れいとうビーム』とナゾノクサの『ソーラービーム』が衝突する。
レベル差、タイプ一致、元々の技の威力など、様々な要因から完全に互角の威力になり、小規模な爆発がハナダジムを揺らした。
その爆発に紛れてナゾノクサが事前の指示通り水中に身を隠そうとするが、それよりも早く飛来した『スピードスター』がナゾノクサを吹き飛ばす。
空中に放り出されたナゾノクサが最後に苦し紛れの『ソーラービーム』を放つのと、スターミーによる『サイケこうせん』が命中するのは殆ど同時だった。
残念ながら『ソーラービーム』はスターミーを僅かに掠めるに留まり、大打撃を与えるには至らなかった。
あわよくばナゾノクサでスターミーも倒してしまおうかと思ったが、未来のジムリーダーとそのエースポケモンは強かった。
だが、掠った程度とはいえ、元が『ソーラービーム』なのでスターミーも無傷とはいかない。
最初のビームの撃ち合いも含めて、多少は消耗しているはず。
カスミも次にピカチュウが出て来ると分かっているのか、この時ばかりは勝気な笑みも少し引き攣っていた。
しかし、そこで俺は敢えて肩に乗っているピカチュウではなく、腰ベルトにあるモンスターボールのうちから1つを掴み取って投げた。
観戦していたタケシやハナダ姉妹も、対戦相手のカスミの予想も裏切り、俺が2匹目に選んだのはバタフリーだった。
誰もが次のポケモンはピカチュウだと予想していた。何なら当のピカチュウさえ、やる気満々で待機していたのでは気付きようがないだろう。
その思い込みという名の隙を突かせてもらった。
バタフリーの『ふきとばし』で、スターミーが壁に思い切り叩きつけられる。
これで緊急回避で水中に逃げられる心配もないし、スターミーは壁に叩きつけられた衝撃で硬直していた。
この隙に、全力の『いとをはく』で完全に行動を封じる。
相棒の身に危険が迫った事で無理矢理にカスミが意識を切り替えて、『れいとうビーム』で迫り来る糸を凍らせようとした。
けれど、半分ほど凍らせながらも、残りの糸が途中から自ら意思を持ったように迂回してスターミーを絡め取ろうとする。
一見すると怪奇現象だが、原理は極めて単純である。
バタフリーが吐いた糸を『ねんりき』によって操作しているという、ただそれだけだ。
糸を動かすだけなら『サイコキネシス』ほどの力は必要なく、コスパと細かい操作性という点でも『ねんりき』の方が優れていたのだ。
空を舞う蝶のように糸が冷凍光線を回避して、スターミーの身体に纏わり付いて壁に固定する。
この状況を打破せんとカスミが『こうそくスピン』を指示して巻き付いた糸を解こうとするが、追い討ちの糸が吹き掛けられて回転することさえ不可能なほどにガチガチに固められてしまった。
そして、トドメの『シグナルビーム』を発射するために力を充填し始めたのを確認して、カスミが降参を宣言した。
降参と聞いてすぐに技の発動を止めさせて、バタフリーを呼んでハイタッチを交わす。
全力で喜びを露わにする俺たちを見て心底から悔しそうに、けれども同じくらい満足そうに笑ったカスミが、珍しく素直な称賛と共にブルーバッジを渡してくれた。
「ブルーバッジ、ゲットだぜ!」
……と喜んだのも束の間のこと。
突然ジムの壁を破壊して、謎の大型機械が入ってきた。
そのダイナミックエントリーを見ただけで、俺にはこの後の展開が分かってしまった。
長女サクラの「一体何なのアレ?」との呟きに反応して、お約束の口上が垂れ流され始めたので、その間にピカチュウに合図をする。
というか、あの大型エンジンと巨大ホース。
変な物を盗む奴が居るなと思ったら、お前たちの仕業だったんかいと内心ツッコミを入れた。
不可抗力とはいえ、冤罪を掛けられた恨みも果たすとしよう。
気持ち良くセリフを言い終えたロケット団が、いざ悪事を働こうというところでカットイン。
人が折角バッジを手に入れて良い気分なところに、文字通り水を差してくるとは見上げた度胸だと、最高に綺麗な笑顔を向けてやる*3。
俺の肩の上で『わるだくみ』を最大まで積み終わったピカチュウをそっと地面に下ろせば、未だかつてないほどに強力な電撃を全身から迸らせ始めるピカチュウ*4。
最後にロケット団に対して「空気読め」とだけ告げて、ピカチュウの全力の『10まんボルト』を浴びせられたムサシ、コジロウ、ニャースは何も出来ないまま空の彼方に消えていった。
これまたお約束の「
ロケット団には悪いが、カスミとのバトルに出れなかったピカチュウのフラストレーションも解消出来たので、最低限の役には立ったぞと言っておく。
ちなみに、ハナダジム勝利の祝いとして渡された技マシンは、すったもんだの末に『ひやみず』という物に決まった。
それ以外は全部持っているというか、俺が覚えているか使い道が思いつかない技だけだったので、前世で見た事も聞いた事もない技なので試しにもらってみた。
曰く、最近になって
威力は低めだけど、追加効果は悪くないので何かしらの使い道も多分あるだろう。
『サトシのポケモン』
・ピカチュウ(Lv.28)
・オニドリル(Lv.20)
・ピジョン(Lv.20)
・ニドキング(Lv.25)
・バタフリー(Lv.20→Lv.21)
・ナゾノクサ(Lv.15→Lv.17)
・サンド(Lv.17)
・ピクシー(Lv.17)
・コイキング(Lv.40)
・ズバット(Lv.12)
次回は、カスミ視点の閑話の予定です。
本作を読んで面白いと思って頂けましたら、作者のモチベ維持のためにも高評価、お気に入り登録、感想、ここすき等、いつも楽しみに待っているのでよろしくお願いします!
今後の更新は2、3日に1話の頻度になる予定ですが、投稿する時間についてアンケートを取ります。作者の都合で無効となる可能性もありますが、宜しければお答え頂けると助かります。
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