ちょっぴり大人っぽいサトシくんの冒険記録(レポート)   作:波導の勇者サトシくん

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これまで何故か6日連続で毎日投稿していましたが、遂に昨日は投稿ならず、連続更新記録が途絶えました……。
いや、元々仕事の合間に書いていた作品なので毎日更新なんて考えていませんでしたし、そろそろ体力的にもキツかったので結構頑張った方だと思います。
今後は作者のやる気がニトロチャージしない限り、1日〜2日空けての更新に戻ると思うので、応援よろしくお願いします!

今回は少し長めになっております。
最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。


12.ジムを無礼(なめ)るなよ

 

 

 

 

 

 

 

 a月y日 ポケモンリーグへの果てしない道

 

 

 昨日俺はハナダジムでカスミとのバトルに勝利し、2つ目のジムバッジとなるブルーバッジを手に入れた。

 格上のトレーナー相手にピカチュウという切り札を温存した上で、見事勝利を収められた事は俺にとって極めて大きな成果だと言えるだろう。

 無意識に鼻唄をするくらい、その時は上機嫌だった。

 

 ニビジムの時は、タケシが通常の挑戦者に対してより強いポケモンを出してきて、かつトレーナーとしての腕も割と容赦なく振るってきた。

 強い相手とのバトルは望むところだが、バッジ未所持の新人トレーナー(旅に出て数日)への対応ではない。

 

 それは、ハナダジムにも同じ事が言える。

 カスミが挑戦する側である俺のポケモンのレベルを把握していたとはいえ、明らかにジムバッジ1つの相手に出すにはレベルが高すぎる。

 エースポケモンがLv.25と言うと、それこそ3つ目のバッジくらいの難易度じゃないだろうか。

 もし俺が負けてたらどうするつもりだったのやら。

 

 というわけで、一手間違えれば敗北しかねないバトルを2度にわたって制したのだから、ちょっとくらい調子に乗っても許されるだろう。

 我ながら、本当に頑張ったと思うぞ。

 同行者の2人を見ても、仕方ない奴だなと言いたげに苦笑していた。

 

 そんな長閑な昼下がりに、俺たちは9()()()()を歩いていた。

 街道を歩いているため野生のポケモンが殊更に俺たちを気にする事もなく、とても穏やかな時間が流れている。

 俺としてもゲットしたいと思うポケモンがおらず、こちらからバトルを仕掛ける事もしていなかった。

 レベリングなら向こうから襲い掛かって来る時か、トレーナー相手で充分に事足りていたためだ。

 

 ちなみに、次の旅の目的地は俺が3つ目のジムとして挑戦する予定、かつカスミがオススメするサントアンヌ号という豪華客船が停泊している()()()()()()である。

 ハナダシティからクチバシティに向かう場合、通るべき道は9番道路()()()()、5番道路からヤマブキシティを経由して6番道路に向かわなくてはならない、という事を理解した上でタケシの案内に従っていた。

 

 何故そんなことをしているかと言えば、原作では確かこのくらいの時期にカントー地方の御三家ポケモンをゲットしていた気がするのだ。

 何処かの森の中でポケモンたちのボス(?)みたいな事をしていたフシギダネ、トレーナーを名乗る事さえ不愉快な奴に捨てられたヒトカゲ、何でかは忘れたけど人間相手に悪戯を働きまくっていたゼニガメ、こんな感じの3匹を手に入れていたはず。

 一部少し事実と異なるかもしれないが、概ね間違ってはいないだろう。

 

 そんなわけで、南と東を間違えるタケシと違って地図を読める俺だが、未来の仲間をゲットするためにもタケシの案内に従っているというわけである。

 あんまり方向音痴ってイメージはなかったけど、本当にこれでいいのかと内心で不安に思っていた。

 

 だが、9番道路に来てから都合10人目のトレーナー(短パン小僧)に勝利して、バトル後に少し話をしていた時の事だった。

 短パン小僧は「君ならアキラにも勝てるかもね!」と、アキラという非公認ジムを個人運営しているサンド使いの強いトレーナーの話を教えてくれたのだ。

 非公認ジムでサンド使いと言えば、水を克服したサンドの話だと俺も覚えていた。

 やっぱりタケシの導きに従って正解だったな!……とキラキラした目でタケシを見たら、何が何だかよく分からない感じで首を傾げていたのは余談である。

 

 取り敢えず、タケシとカスミもジム関係者の人間として非公認ジムの存在は気になるらしく、満場一致でアキラとやらを見に行く事に決まった。

 親切な短パン小僧と別れて、彼が指し示した方向に歩いていけば、割と立派な建物が森の中に鎮座していた。

 大きな看板に「アキラのジム 90連勝中」と表示されており、その下には注意喚起と共に非公認ジムだと明記されている。

 

 すると、扉の向こう側から「挑戦者なら入って来な!」と威勢の良い声が聞こえてきた。

 招待に応じて中に入ると、アキラのジムの内部はジム関係者である2人が素直に感心するくらい、ちゃんとジムらしい造りになっていた。

 これを素人が作ったとすれば、確かにすごいと思う。

 奥には天幕があり、手前には土俵のように盛り上がったバトルコートがあった。

 

 バトルコートの上で仁王立ちする猛獣使いっぽい服装の少年が、不敵に笑って俺たちを順々に見下ろし、カスミとタケシに挟まれる形で真ん中に立つ俺に視線を固定する。

 そして、「アキラのジムへようこそ、チャレンジャー」と言ってきた。

 なかなか雰囲気作りというものを理解しているな。

 うむうむとタケシと一緒に頷いていたら、カスミに呆れたような顔で見られた。解せぬ。

 

 

 

 それはさておき、アキラとバトルする前に色々と話を聞いた。

 ここでのバトルにおけるルール、アキラのジムバッジの所持数、いつからジムを構えているのか、カントー地方は旅したのか等々。

 アキラはなんでそんな事を聞くのかと不思議そうにしていたが、バトルをする上で聞いておきたいと言えば、全部素直に答えてくれた。

 

 ・ルールは2対2の入れ替え制。レベル制限は無し。

 ・ジムバッジはここで100連勝という目標を果たしてから挑戦しに行くので、まだ1つも所持していない。

 ・相棒のサンドと出会ってからずっと、このジムでトレーニングを続けてきた。

 ・カントーどころか、地元からこの付近までしか行った事はない。

 

 ……と、アキラは言っていた。

 

 一旦タイムをもらって、少し離れてから2人と円陣を組んで思考を共有する。

 ジムに入る前は90連勝なんてすごいじゃない!と言っていたカスミは、アキラの隣に居るサンドの仕上がりを見て感心していたタケシも、勿論これからバトルしようと思っていた俺も、3人揃って思わず顔を見合わせて訳知り顔をしていた。

 この時に俺たちの内心は完全に一致していたと思う。

 

 ぶっちゃけアキラって、井の中の蛙なんじゃないか?と。

 正直アキラのジムは素人にしては立派な造りだが、何故か立地は森の中という人目に付き辛い場所だった。

 9番道路の周辺に居るトレーナーの実力は大した事はないし、敢えて非公認のジムの様子を見に行こうだなんて考える旅のトレーナーなんて、調子に乗ったお馬鹿さんか俺たちのような暇人くらいだろう。

 そもそもポケモンリーグを目指して最短距離を突き進むような奴等は、公認ジム以外に興味を示さない。

 

 取り敢えず、疑惑は一先ず置いてバトルをしてみたらどうかというタケシの提案に乗る事にした。

 律儀に待ってくれていたアキラと、今度こそバトルを始めた。

 互いに1匹目はサンド、2匹目がバタフリーと同じポケモンを出すミラー対決だ。

 

 結論から先に言うと、俺の圧勝だった。

 茫然自失としているアキラには悪いが、レベルが違い過ぎた。

 レベルと言ってもポケモンのレベルではなく、トレーナーとしての実力の事だけど。

 

 サンド対サンドの戦いから順に解説していく。

 以下、サンド(サ)とサンド(ア)と表記。

 

 サンド(サ)は、ボールから出た瞬間に『こうそくスピン』と『すなかけ』の合わせ技で、バトルコートを擬似的に砂嵐状態に変える。

 特性『すなかき』で素早さが2倍になり、急に視界が悪くなって混乱しているサンド(ア)に『こうそくスピン』で一当てすると、砂嵐の中から聞こえた相棒の声に慌てたアキラが『あなをほる』を指示。

 深く潜行している時は届かないので地上付近まで上がって来るのを待ち、サンド(ア)が飛び出して来る瞬間に『じならし』で大ダメージを与えた。

 サンド(ア)は耐久力が高いのかまだ元気だったが、反撃の『きりさく』にサンド(サ)が『カウンター』を返してノックアウト。

 

 次はバタフリー対バタフリーの戦いについて。

 以下、バタフリー(サ)とバタフリー(ア)と表記。

 

 バタフリー(サ)が、同じくボールから出た瞬間に、先程サンド(サ)が掘り起こした地面に落ちた粉塵を『ふきとばし』で再び捲き上げる。

 それに対抗してバタフリー(ア)も『ふきとばし』をしてきた事で、強風と強風が衝突し合って竜巻となり、結果的に先程よりも酷い砂嵐状態になった。

 視界を確保するのと攻撃を両立するためかバタフリー(ア)が『エアスラッシュ』を放つが、その間にバタフリー(サ)は上空に逃げて『ちょうのまい』を積んでいた。

 アキラとバタフリー(ア)が誰も居ない場所に攻撃していたと気付いたタイミングで、俺の指示によりバタフリー(サ)が上空から一方的に『エアスラッシュ』を連打してノックアウト。

 

 バトル後、天幕にお邪魔させてもらってアキラと話をした。

 これを聞いた上でどうするか、最終的に決めるのはアキラだと前置きしてから俺たちの所感を伝えた。

 

 俺の場合は、率直にここでジムを造って挑戦者を待っているくらいなら、地方一周とか何なら世界に飛び出して旅した方が絶対に究極のトレーナーに近づけると思う、と告げた。

 タケシの場合は、ポケモンはよく鍛え上げられているけど、アキラ自身が強いトレーナーとの実戦経験が少なくて活かし切れていない、と助言した。

 カスミの場合は、世界には強い人なんて山ほど居るし、簡単に挑戦出来る格上のトレーナーとしてジムリーダーが居るんだから、100連勝したらジムに挑戦とか言ってないでサッサと挑戦しなさいよ、とぶっちゃけた。

 

 何も知らない相手に好き勝手に言われても、アキラは真摯に受け止めて色々と考えているようだった。

 これからどうするのか、またここで目標達成するまで居続けるのか。ジムに挑戦するため旅に出て強者との戦いの中で力を付けるのか。

 それについてアキラは、100連勝目前で目標が頓挫した事や立て続けに俺たちに散々言われた事も、今すぐには消化し切れないから、今後の事はサンドたちと相談して決めたいと言っていた。

 

 そして、別れ際に約束を交わした。

 次に会う時はポケモンリーグでバトルをする時だ。その時には、もっといい勝負をしよう、と。

 最後にそう言った時のアキラの目には強い光が宿っていたので、これ以上の言葉を掛けるのは野暮だろう。

 

 なお、アキラとの戦いを制した事で、サンドがサンドパンに進化した。

 俺の手持ちの地面タイプはニドキング含めて2匹居るため、クチバジムに挑戦する時はどちらを選出するのか今のうちに考えておかないとな!

 

 

 

 

 

 a月z日 必勝法なんてありません

 

 

 あるぅ日〜、森のなーかぁ〜、ゼミ生にぃ〜、出会った〜!! 

 

 そんなこんなで俺たちは盛大に迷って森の中を彷徨っていたところ、ポケモンゼミナール生と遭遇した。

 というか、森の中にあるポケモンゼミナールに辿り着いていた。

 波導パワーで周囲に人がたくさん集まっている事には気付いていたが、まさかゼミがあるとは流石のスーパーマサラ人でも分からなかったぜ……。

 

 そこで出会ったファーストゼミ生であるジュンに、ゼミ内を案内してもらった。

 ジュンというのは、同じジム生から愛の鞭なんてお為ごかしで嫌がらせを受けていたので、俺やカスミが助けた少年の事だ。

 気が弱そうな見た目に反して、嫌がらせの中心人物である美少女の写真を懐に隠し持っていたり、割と言う事はハッキリと物申したりと意外に図太い奴だったけどな。

 

 ポケモンゼミナールについて俺も詳しくは知らなかったが、何故かカスミがチラシを持っていたので見させてもらったところ、以下の事が分かった。

 まず全寮制の学校であるため入学金と授業料が高く、実質金持ちの子供だけが通えるトレーナー育成予備校の事らしい。

 仮にポケゼミを卒業出来れば、ジムバッジを集めなくてもポケモンリーグに出場可能になるという、金を巻き上げるためのシステムとしか思えない仕組みがある。

 初級クラス、中級クラス、上級クラスと分けられており、初級ならバッジ2つ持っているのと同じ資格が、中級ならバッジ4つ持っているのと同じ資格が、上級クラスで卒業すれば晴れてポケモンリーグに出場可能になるのだとか。

 ちなみに、ジュンは初級クラスだった。

 

 何故そんな学校をジュンに案内してもらったかと言えば、前述したジュンに嫌がらせを行う美少女(写真を見せてもらったが、確かにすごく可愛かった)に、突然キレたカスミが物申す気満々だったからだ。

 ジュンに写真を見せられてからだったと思うので、女の子にしか分からないナニカなんだろうか。

 それともタケシが自分と同い年くらいの少女にデレデレと、「8年後が楽しみ……」なんて鼻を伸ばしている姿が癪に触ったのだろうか。

 なんとなく聞いてはいけない気がしたので、賢い俺は華麗にスルーした。

 

 実際には、嫌がらせを見逃さないというのがカスミの本音だと思う。

 そういう弱い者虐めは俺も嫌いだし、当事者であるジュンが割とケロッとしているように見えたとしても、問題を知った以上は見て見ぬ振りは出来ない。

 そうジュンに伝えたところ、ポケゼミは完全な実力主義だから話を聞いてくれないかも、と言ってきた。

 更に、件のユートー・セイヨ(優藤聖代)とやらは初級クラスの主席なのでバッジ3つ分以上の実力があるし、僕だって2つ分以上の実力が〜、なんて言葉を続けたので遂にカスミの堪忍袋の尾が切れた。

 

 話は変わるけど、ポケゼミでパソコンを使って行っているシミュレーション形式のバトルがどう見ても前世のゲームだった。

 なんだか酷く懐かしい気分になって、カスミがキレてなければ少しだけプレイしたかったな。

 それはそれとして、アレでポケモンバトル教えてますと宣う辺り、ポケゼミを運営している奴は相当面の皮が厚いらしい。

 ぶっちゃけ詐欺じゃないかと思った。言わないけど。

 

 

 

 そして、急遽カスミとジュンのバトルが始まった。

 ジムの娘として、何度も気軽にバッジ何個分とか言われるのは聞き捨てならなかったようだ。

 シミュレーション形式のバトルで呆気なく相棒のスターミーが倒されるところを見せられたのも、ここまで怒りを露わにした理由だろう。

 確かにあの言い方は俺も腹が立ったし、余程相手が間抜けでもない限りウツドンで先手は取るのは難しい。

 

 実際バトルはカスミが勝利した。

 というか、バトルと言えるほどの展開もなかった。

 互いにポケモンを出して、カスミのスターミーが初手で放った『れいとうビーム』でウツドンはあっさり目を回して戦闘不能になった。

 まあ、明らかにレベル差もあったし、ジュンも案山子になってただけなので正直話にならない。

 

 そこで、タイミングよく現れた集団が居た。

 先頭に立ってジュンに苦言を呈するのは、写真で見せられた通りの美少女であるユートー・セイヨだった。

 アイドル並みに整った顔立ちとスタイルの良さに素直に感心する俺の横では、再び「8年経ったら……」とか世迷言をほざいているタケシが居た。

 年数が絶妙過ぎてガチ感が強い。ちょっと怖かった。

 

 

「天下に名高き名門予備校ポケゼミ初級クラスの一番星。銀河の果ての、そのまた果てに光輝くアンドロメダかとも人は呼ぶ。しかしてその実態は、ユートー・セイヨ!」

 

 

 何言ってんだ?と思った俺は悪くないはずだ。

 この聞いてもいないのに勝手に自己紹介を始める感じは、どこかロケット団のムコニャみたいだった。

 銀河がどうとかいう辺りの口上も似ている気がするし、目立ちたがり屋のスケール感が無駄にデカいのはなんなのだろう? 

 てか、この時も窓の外に居たけど、そんなにロケット団って暇なのかな。

 

 そんなことを考えているうちに、セイヨがジュンに対して結構キツい物言いをしたのを聞いて、またカスミが眉根を吊り上げたのが見えて割って入る。

 すると、今まで見た事ないほどに鋭い眼光で俺を睨み付けながら、「あんたも、あの子の味方をするつもり!?」と怒鳴ってきたが、全くそんなつもりはなかったので次は俺にバトルさせてくれ、と普通に返した。

 セイヨを見ながら何のポケモンを出そうか悩んでいれば、その横顔を穴が空きそうなほどジッと見詰められる。

 何か言いたい事でもあるのか?と聞こうとしたところで、フンっと鼻を鳴らしたカスミが「絶対負けるんじゃないわよ!」といつもの調子に戻って言ってきた。

 何だか分からないが、どうやら俺は許されたらしい。

 

 セイヨからは、カスミに代わって前に出た俺に対して、「貴方は誰かしら?」と問われたので、いつも通りにマサラタウンのサトシだと答えて、同時にバッジも2つ見せた。

 バッジを見て相手をする価値はあると思ったらしく、俺とのバトルに応じてくれた。

 カスミに言われずとも負けるつもりは更々ないが、仮にも中級クラスに上がる事が決まっていると言うのなら、ジュンよりも戦えるのは間違いないだろう。

 

 そして、その場でバトル開始。

 俺は元々ズバットを出すつもりだったけど、ピカチュウがアピールしてきたので出してあげる事にした。

 ここ最近は手応えのないトレーナーが多くてあんまりバトルに出してやれていなかったので、これもいい機会じゃないだろうか。

 

 相手はこちらのピカチュウを見て頰を緩めた。

 ピカチュウの可愛さが分かるとは、なかなか見どころのある奴だ。

 ママさんなんて、初めて見た時は"変なポケモン"呼ばわり*1してきたからな。

 あの発言には、本当に驚かされた。

 

 それから、バトルは俺の勝利で終わった。

 セイヨはカラカラを出してきたので、いつも通り『かげぶんしん』と『でんこうせっか』のコンボで撹乱し、足払いからの『アイアンテール』でフィニッシュだ。

 カラカラの防御種族値は95とそれなりの数値だが、『でんきだま』持ちのピカチュウはゴリラなんだ。悪く思わないでくれよな? 

 

 一瞬の決着に唖然とするセイヨに、流石にピカチュウだと相手が悪すぎたなと少し申し訳なく思った。

 多数の分身の中から本物を探そうとしているうちに終わってしまったので、何が起きたかさえ分からなかったかもしれない。

 という懸念は杞憂だったらしく、セイヨは「タイプ相性も関係なく、技でもない足払いで……こんな戦い方もあるのね」とカラカラを介抱してやりながら満足そうに微笑んでいた。

 

 その後、満を持して現れたロケット団に対しては、ルールを守らない悪党には、こちらもルール無用よね! と適応力の高さを発揮して、ジュンを含めた他のゼミ生と共に一斉にポケモンを出してボコボコにしていた。

 確かにこれは将来有望であると、俺とカスミとタケシは顔を見合わせて笑った。

 

 余談だが、その日は特別に宿泊料を払う事で許可をもらい、寮の空き部屋で寝泊まりする事になった。

 1泊3人で30,000円と結構割高*2だったが、元々宿泊施設ではない事やバトルコートなどの設備もセイヨたちの口利きで使わせてもらえたり、夕食と翌日の朝食まで出してくれた事を思えば良心的な値段かもしれない。

 夜遅くまでゼミ生とバトルをしてナゾノクサがクサイハナに進化したし、温かい風呂に入れて布団でゆっくり眠れたし、ポケモンゼミナールに来てよかったな! 

 

 

 

 -追記-

 

 夕方頃に、何故かジュンとセイヨがいい感じの雰囲気で逢引きしていた時の事を書き忘れていた。

 というか、こいつらの関係って苛めっ子と苛められっ子じゃなかった? 

 なにがどうしてそうなったんだと、偶々一緒に目撃したカスミと並び疲れた感じで溜め息を吐いた。

 

 俺たち何のために問題解決しようと頑張ってたんだろうとか思うと徒労感が激しくて、遂にはカスミが「結局男の子って可愛い子には甘いのね……」と拗ねていた。

 気持ちはよく分かるため、慰める意味も込めて「カスミも可愛いじゃん」と俺が言ったら急に黙ってしまい、早足でどこかに歩き去ってしまった。

 

 一瞬だけど耳が赤く染まっていたのが見えたので、今度は照れてしまったようだ。

 前世なら小学校高学年くらいで思春期の真っ只中だから仕方ないけど、急に怒ったり、笑ったり、拗ねたり、照れたりと忙しいな、女の子って。

 

 

 

 

 

 

 

*1
アニポケ1話でのセリフ

*2
1人1万円





ちなみに、カスミは手持ちの金が少なかったので、この場はサトシが立て替えました。
本作の転生サトシは旅費として50万円持っており、更にバトルでも巻き上げているので資金には余裕があります。

『サトシのポケモン』
・ピカチュウ(Lv.28→Lv.29)
・オニドリル(Lv.20→Lv.22)
・ピジョン(Lv.20→Lv.22)
・ニドキング(Lv.25→Lv.26)
・バタフリー(Lv.21→Lv.23)
・クサイハナ(Lv.17→Lv.20)←NEW
・サンドパン(Lv.17→Lv.21)←NEW
・ピクシー(Lv.17→Lv.20)
・コイキング(Lv.40)
・ズバット(Lv.12→Lv.18)

次回は遂に、サトシ待望の時が来ます!
作者のモチベ維持のためにも高評価、お気に入り登録、感想、ここすき等、いつも楽しみに待っているのでよろしくお願いします!

今後の更新は2、3日に1話の頻度になる予定ですが、投稿する時間についてアンケートを取ります。作者の都合で無効となる可能性もありますが、宜しければお答え頂けると助かります。

  • 朝(5時〜8時の間)
  • 昼(11時〜13時の間)
  • 夕(16時〜18時の間)
  • 夜(21時〜24時の間)
  • 出来たら即投稿しろ(何時でもOK)
  • 毎秒投稿しろ(ネタ)
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