ちょっぴり大人っぽいサトシくんの冒険記録(レポート)   作:波導の勇者サトシくん

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評価、お気に入り、感想、ここすき等、いつもありがとうございます。
小説を更新すると、しばらくは感想きてないかな?評価新しく付いてないかな?と子供みたいに落ち着きがなくなる作者ですが、今後も応援よろしくお願いします!

今回は豪華客船の話ですね。
最後までお付き合い頂けると嬉しいです。


16.サトシ死す!?

 

 

 

 

 

 

 

 a月¥日 世界を旅する豪華客船……の末路

 

 

 クチバジムでのバトルを終えた翌日、俺たちは豪華客船サントアンヌ号に乗船していた。

 当然チケット代に使う金なんて持ってきてないので、これは親切なギャル(笑)の2人組*1に譲ってもらったお陰である。

 それにしても女装に違和感が無さすぎて、波導を感知出来なければ気付かなかったかもしれない。

 

 それはさておき、ジム戦が終わったので予定通り手持ちを入れ替えた。

 ニドキングとサンドパンを研究所に送り、まだ一度も手持ち入りしていなかったゼニガメとクラブを送ってもらった。

 これで一時的とはいえ、手持ちが水タイプ3匹になってしまったので、この機にカスミから水タイプのポケモンの育成方法などを聞いておきたい。

 その時点ではコイキングについて2人にも秘密にしていたので、ゼニガメとクラブが主な対象になったけどな。

 

 あとは、研究所でズバットから進化したというゴルバットとも早く会いたいし、折角『リーフのいし』があるのでクサイハナも進化させたいところだ。

 そういえば進化の石と言えば、この前の親切なジョーイさんに色々教えてもらったお礼にバッジをゲットした事を報告したら、何故か『かみなりのいし』を譲られる事になった。

 ジョーイさん曰く、偶然手に入った物で俺がジム戦で負けたらピカチュウにどうかと思ってくれていたらしく、お祝いとしてプレゼントされたのだ。

 俺のピカチュウは進化させるつもりはないし、何よりタダでもらうわけにはいかないと言ったのだが、「私には使い途がないから、前途あるトレーナーに使ってもらいたい」なんて言われてしまえば受け取る以外の選択肢はなく、有り難く頂く事にした。

 

 

 

 そして話は戻り、今朝になってカスミが豪華客船を見に行きたいと言ったので見に来たら、雑な変装をしたムサシと完璧な女装をしたコジロウが現れて適当な事を言いながらチケットを押し付けて来たのだ。

 また悪巧みでもしているのだろうが、豪華客船に乗れる機会なんて今後あるか分からないので、敢えて罠に掛かる形で堪能させてもらう事にした。

 もし事が起きればボコボコにすればいいだけだしな…………てか、警察に引き渡したんじゃなかったか? 

 

 そんな疑問を残しながらもサントアンヌ号に乗船した俺たちは主に、普段食べられない料理を前に目を輝かせて楽しんでいた。

 カスミはともかく、タケシは大家族出身だけあって節約家だし、俺も前世の記憶から散財はしない。

 腕の良いシェフが高級食材を使って作った料理は、やはり格別の味だった。

 

 3人揃って腹を満たした後は、各々豪華客船を楽しんだ。

 タケシは綺麗なお姉さんをナンパしに行ったし、カスミは手持ちのポケモンと一緒に潮風を浴びに行った。

 まあ、タケシは言うまでもなくナンパ失敗だったけど。

 

 それに対して、俺は挑戦者を募ってバトルをしているジェントルマンの真似をして、挑戦料1,000円で勝ったら賞金10,000円だと触れ込んで、経験値稼ぎと金稼ぎを両立したバトル祭りを開催した。

 勿論ファイトマネーは別料金なので、挑戦者も俺も負けたら払うとすれば儲けは最大で10倍以上にもなる。

 ちゃんと利益を提示すれば、喜び勇んで参加してくれた。

 

 ルールは1対1のタイマン限定。

 俺はピカチュウ、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、クラブを出しておき、挑戦者が誰を相手にするか選んでバトルを行う。

 バトルを終了した後に限るが、ポケモンを『キズぐすり』で回復するのは俺も含めてご自由に、バトル中は反則扱いでその時点で負けとなる。

 ちなみに、2回目の挑戦なら料金2倍、3回目なら料金を更に2倍とする事で消耗戦の対策を講じた。

 

 それでも、やはりトレーナーが集まっているだけあってバトル好きは多く、途中で噂が広がった事もあって最終的には100人以上のトレーナーが挑戦しに来た。

 何度も挑んでくる諦めの悪い奴も居たので、そこは有り難くボロ儲けさせてもらったぞ。

 とはいえ、連戦による消耗や単純に強いポケモントレーナーも混じっていて、ヒトカゲとゼニガメは1回ずつ負けてしまった。

 最近は勝ってばかりだったので、ここで敗北しておいて良かったのかもしれない。

 

 俺にとっての収獲はお金だけではなく、小さい見た目を侮られて最も挑戦者が多かったクラブがキングラーに、次にゼニガメと並んでよく狙われたヒトカゲがリザードに進化したのだ。

 まさかこんなところで進化するとは思わなかったが、これで大幅パワーアップである。

 だが、リザードに関しては思春期に入った中学生男子みたいな雰囲気を感じたので、距離感を測り間違えないようにしないとな。

 

 同じく進化したキングラーは全く問題ない。

 バトル祭りを開催するキッカケになったジェントルマンが挑戦者としてやって来て、なかなかレベルの高いラッタを『こらえる』からの『アームハンマー』でワンパンキルした後に進化した。

 まあ、キングラーになってからは強すぎて挑戦者がガクッと減ったのは仕方ない事だ。

 ジェントルマンからはラッタとの交換を申し込まれたが、交換用に捕まえでもしない限り交換はしない主義なので断った。

 

 リザードと同じくらい戦っていたのに進化しないゼニガメはカスミに相談するとして、早々にバトルセンスの高さが露見したフシギダネの挑戦者が少なかったのが気になるところ。

 進化したキングラーとリザード、かなりレベルを上げたゼニガメを見て少し焦る様子を見せたので、今後は気に掛けてあげる必要がありそうだった。

 ちなみに、ピカチュウは何度か挑戦を受けた後、満を持して登場したハクリュー使いのチャレンジャーを初手『10まんボルト』でワンパンした事で誰も挑戦しなくなってしまったのは余談だ。

 

 そして、夕日が落ち始めた頃には俺が主催のバトル祭りも終わりを告げて、途中で帰って来たカスミとタケシとも合流して穏やかな時間が流れようとした時に事件は起きた。

 サントアンヌ号の従業員に紛れ込んでいた何十人ものロケット団員がポケモンを奪おうと暴れ出したのだ。

 その中には諦め悪く俺に5回も挑んで1人で3万円以上も払った間抜けなカモ…………もといロケット団員も居て、金返せと襲って来たので鉄拳で空の彼方に吹き飛ばした。

 

 更に、ピカチュウに『10まんボルト』を指示しながら、周囲のトレーナーたちにもポケモンを出して対抗するように声を掛ける。

 俺の顔を覚えてくれている人もたくさん居て、次第に大人しく奪われるくらいならと戦い始めた。

 

 カスミやタケシを筆頭に、何人かの強いトレーナーが手強いロケット団員を相手にして、他は協力してロケット団を次々に撃退して海に落としていく。

 あのジェントルマンのラッタも活躍しており、クラブ改めキングラーが『こらえる』を覚えていなければ負けてたかもしれない。

 他にも、空手家らしき胴着を着込んだ男性トレーナーやチャイナ服に似た服装のバトルガールなんかは、俺を筆頭に生身でも戦える人たちと力を合わせてロケット団員をぶちのめして海に放り捨てる。

 

 しばらくして、ロケット団員は全員撃退し、奪われたポケモンたちも取り返す事が出来た。

 歓喜に沸くサントアンヌ号の乗客だったが、一難去ってまた一難とばかりに大時化に巻き込まれてしまい、船が左右に大きく揺れ始める。

 不安が伝染し始めたところに、サントアンヌ号の船長であるはずの男が誰よりも先に救命ボートに乗っておきながら「船は沈みませんから安心してください!」なんて、戯言を抜かした所為で船内は総パニックになった。

 

 パニックに陥った人々は我先にと救命ボートに駆け込み、カスミとタケシも乗り込んだのを確認したところで、船内の隅っこで傷付いて力無く倒れ伏すイーブイの存在に気付いてしまった。

 気付いた以上、見なかった事には出来ない性分だ。

 タケシにカスミとポケモンを頼んで俺は1人で船内に戻り、イーブイに駆け寄ってみれば傷だらけだった。

 近くでよく見れば、そのイーブイは俺が最初に天に召した間抜けなロケット団員が使っていた個体である事が特徴から判別出来た。

 

 恐らくは俺に負け続けて、最後には治療もされずここに捨てられたのだろう。

 すぐに治療しないと命に関わる状態だったので、避難を後回しにして惜しみなく薬を使って治療する。

 なんとか一命を取り留めて、一安心したのも束の間。

 一際大きな波に襲われたのか船が上下逆さまに引っ繰り返ってしまい、咄嗟にピカチュウとイーブイを胸に抱え込んだところで、船は完全に沈没した。

 

 

 

 

 

 a月$日 難破船脱出RTA

 

 

 船が沈没して上下逆さまに引っ繰り返って壁や床や天井に全身をしこたまぶつけたくらいで気絶するほど柔ではないため、どうやって脱出しようかと頭を悩ませる。

 前世の考える人のポーズをしながら悩む俺の横で、ピカチュウと元気になったイーブイも同じポーズで考えていた。

 

 最も手っ取り早くスマートな方法は、船底を破壊して作った脱出口から逃げ出す事だが、これには1つ問題がある。

 水中を移動するための手段となるゼニガメやキングラーは、付いて来てしまったピカチュウと違ってカスミとタケシにモンスターボールごと預けてしまったのだ。

 そのため今ここにいるのはピカチュウとイーブイ、それから普段からリュックに入れてあったコイキングだけだった。

 

 全力を出して泳いだ俺なら海面まで上がる事は可能だろうが、元気になったといえ傷がまだ残るイーブイに長時間の海水は傷口に塩を塗り込むのと同じ事だ。

 というか、俺の息が続いてもピカチュウやイーブイは息が続かない可能性もある。

 その時点で俺が泳ぐという案は却下になった。

 

 つまり、コイキングに牽引してもらうしかないわけだが、まだ心を開いてくれたわけではない。

 最悪ピカチュウは嫌われるのを覚悟でボールに入れてしまえばいいけれど、イーブイは前の主人にトラウマでも作られたのかモンスターボールに入れようとしたら酷く怯えてしまったのだ。

 物は試しと、ピカチュウとイーブイには離れてもらってコイキングをボールから出してみた。

 

 コイキングはボールから出た瞬間、凄まじい勢いで突進してきたので慌てて受け止める。

 昨夜いつもの話し合いの場を設けなかった事に怒りを抱いていたらしいが、受け止めた姿勢で動きを封じて状況を説明して謝罪すれば暴れるのをやめてくれた。

 落ち着いたところで改めて事情を説明して、まだ完全に認めてくれたわけじゃないことは理解してるが、今だけは俺に力を貸してくれと怪しく光る赤色の瞳を見つめながら頼み込めば、ピカチュウとイーブイも同じようにお願いするのが見えた。

 

 そんな俺たちを見て何を思ったのか、敢えて波導で読み取らなかった俺には知る由もない。

 だが、コイキングは一声鳴いて力を貸す事を承諾してくれた。

 それだけではなく俺に『たいあたり』をかまして、「オレの主人になるなら、もっと堂々としていろ」とばかりに怒りの声を上げて叱咤してきた。

 まったく以って頼もしい限りである。

 

 それからの行動は速かった。

 まだ船内に取り残されていた、イーブイと同じく傷付いたまま放置されていたポケモンを後で希望するなら野生に帰すと約束して片っ端から捕獲して研究所に転送した。

 あと、船底に向かう途中で見つけたムコニャもついでに救出する。

 今は天井になっている船底に到着した途端、コイキングが『はねる』ならぬ『とびはねる』で破壊して、そのままロープで括り付けていた俺とピカチュウとイーブイを連れて『アクアジェット』によって高速で浮上していった。

 

 ムコニャについては、いつの間にかコジロウがゲットしていたらしいゴージャスボール擬きからコイキングを出していたので問題ないだろう。

 というか、俺がボールから出した3m級の色違いコイキングを見たコジロウが、「見ろっ、あれがコイの王……コイキングだ!あんな立派な同族を見て何も思わないのか!?ここでやらなきゃ、お前は二度とコイキングなんて恥ずかしくて名乗れないぞ!!」と、謎に熱血風の発破を掛けていたら突然ギャラドスに進化していた。

 しかも、何故か妙にコジロウに懐いていて凶暴性の"き"の字さえなく、主人を背中に乗せて嬉しそうに笑っていたのが印象的だったな。

 ちなみに、ムサシとニャースが雑に尾鰭からロープで結ばれ、虚無の表情で運ばれていて笑ったのは内緒だ。

 

 超特急で水面まで上がっていく途中で沈んできていた花束をなんとなく拾い上げた数秒後、俺たちは勢い余って水面から10mほど飛び上がってしまった。

 すると、船に乗った大勢の人が*2こちらを驚いた表情で見上げており、その中にはカスミとタケシ、俺のポケモンも居た。

 遠目にも2人やポケモンたちは泣き跡が分かるくらいに腫れぼったい瞼をしていた。

 心配を掛けた事に申し訳なく思いつつ、不謹慎だけど嬉しいという気持ちが優っていたのは許して欲しい。

 

 その後は、抱き付かれ、泣かれ、怒られ、引っ叩かれ、拳骨を落とされ、『つるのむち』で締め上げられ、『かえんほうしゃ』で焼かれ、『みずでっぽう』で水浸しにされ、『はさむ』で鋏に挟まれた。

 俺だけではなくピカチュウも大層怒られていたし、巨大すぎる色違いコイキングには「あんた、こんなの隠し持ってたの!?」「なんじゃこりゃあー!?」と驚かれた。

 イーブイの事を見せながら事情を話せば、俺らしいなと複雑そうに笑って許してくれた。

 

 2人とポケモンが、何よりも俺たちの生存を喜び、心配してくれていた事が痛いほどに伝わってきた。

 あの時の行動は後悔していないが、反省するべきだ。

 衝動に任せた向こう見ずな行動であり、後の事に対する考えが足りなすぎた。

 要らない心配をさせて、泣かせてしまったのが情けない。

 次に同じような事があれば反射的に動いてしまうのだろうが、その時は無用な心配をされないよう場当たり的な思考ではなく、動きながらでも良いから後先を考えないとな。

 

 ママさんやオーキド博士にはまだ連絡していなかったようで、奇跡の生還を果たしてから事の次第を話したら、ママさんに烈火の如く叱られた。

 記憶を取り戻して以来、一度も見た事がないほどの怒りに驚いたが、心配故の叱りだと思って甘んじて受け入れた。

 

 

 

 -追記-

 

 ポケモンセンターで改めて検診を受けたイーブイだったが、俺に懐いてくれたので連れていく事に決めた。

 だが、相変わらずモンスターボールを怖がるので、トラウマが癒えるまでは正式なゲットは保留して、保護ポケモンとして連れ歩く事にした。

 ちなみに、俺の頭の上が気に入ったらしく、そこがイーブイの定位置になった。

 

 同じく保護して研究所に送られたポケモンのうち半分ほどは野生に帰る事を望んだので、回復次第オーキド博士が近隣に放してくれる事を約束してくれた。

 野生に帰る事を望まなかったポケモンで、何体かは俺の仲間になりたいそうなので引き取る事にした。

 新しく仲間になったのは、ニドリーナ*3、ロコン*4、ワンリキー*5、ストライク*6と、イーブイを含めた5匹だ。

 

 一気に手持ちの数が増えたが、ポケモンリーグまでになんとか育て切ってみせよう。

 まだ捕まえたいポケモンもたくさん居るのに、育てないといけないポケモンもたくさん居て、ポケモントレーナーって大変だけどマジで楽しすぎるだろ! 

 

 

 

 

 

 

 

*1
変装したムサシと女装したコジロウ

*2
昨日見知った顔も結構あった

*3
ニドキングに惚れた

*4
普通に懐かれた

*5
強さの秘訣を知りたい

*6
命の恩に報いたい





転生サトシ初の原作サトシっぽい向こう見ずな行動でした。
コイキングとの関係を一歩進めるために、ここで沈没する必要があったわけですね(RTA並感)
そして、イーブイ含めて5匹ものポケモンが新規加入しました。イーブイの正式ゲットは、もう少し先になる予定ですけどね。

『サトシのポケモン』
・ピカチュウ(Lv.32→Lv.33)
・オニドリル(Lv.26)
・ピジョン(Lv.26)
・ニドキング(Lv.29)
・バタフリー(Lv.26)
・クサイハナ(Lv.24→Lv.25)
・サンドパン(Lv.28)
・ピクシー(Lv.24→Lv.25)
・コイキング(Lv.40)
・ゴルバット(Lv.24→Lv.25)
・フシギダネ(Lv.20→Lv.24)
・リザード(Lv.19→Lv.27)←NEW
・ゼニガメ(Lv.19→Lv.27)
・キングラー(Lv.18→Lv.28)←NEW
・イーブイ(Lv.16)←NEW
・ニドリーナ(Lv.18)←NEW
・ロコン(Lv.20)←NEW
・ワンリキー(Lv.22)←NEW
・ストライク(Lv.24)←NEW

次回はタケシ視点の閑話になる予定です。
作者のモチベ維持のためにも高評価、お気に入り登録、感想、ここすき等、いつも楽しみに待っているのでよろしくお願いします!

今後の更新は2、3日に1話の頻度になる予定ですが、投稿する時間についてアンケートを取ります。作者の都合で無効となる可能性もありますが、宜しければお答え頂けると助かります。

  • 朝(5時〜8時の間)
  • 昼(11時〜13時の間)
  • 夕(16時〜18時の間)
  • 夜(21時〜24時の間)
  • 出来たら即投稿しろ(何時でもOK)
  • 毎秒投稿しろ(ネタ)
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