ちょっぴり大人っぽいサトシくんの冒険記録(レポート)   作:波導の勇者サトシくん

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同日なので初投稿。
細かい修正が終わったら順次投稿していきます。

-追記-

サブタイ変えるの忘れてたので、修正しました!


2.ポケモンバトルは難しい

 

 

 

 

 

 

 

 a月d日 爆誕、サトシ先生! 

 

 

 サマーキャンプに行った。

 

 毎年夏に行われるオーキド博士主催のキャンプだが、サトシくんは寝坊して行けなかった時を除いて必ず参加している。

 ポケモンマスターを目指して本格的に活動し始めたのは今年からだが、それ以前に俺はポケモンが大好きなので貴重なポケモンと触れ合える時間として積極的に参加していたらしい。

 

 今では研究所にいる博士が研究目的に捕まえたポケモン相手に触れ合ったり、ナナミさんから教えてもらった手入れの練習をさせてもらったり、昔に比べて圧倒的にポケモンと接する時間が増えているので本当は参加するつもりはなかった。

 けれど、色々とお世話になっている博士から講師役として参加の誘いを受けたとなれば話は別であり、即答で参加を決めた。

 ちなみに、最近は何かと対抗心を剥き出しにしてくるシゲルも急遽参加している。

 

 キャンプはとても充実した時間になった。

 オーキド博士はもちろん、その弟子であるウツギ博士まで途中参加し、ポケモンの卵についての面白い話をたっぷり聞けた。

 お礼に俺からも予想や思いつきと称して、まだウツギ博士の知らないポケモンの卵や種ポケモン、卵グループという考え方を共有してみたところ狂喜乱舞していた。

 恐らく今頃は血眼になって研究に没頭している姿が容易に思い浮かぶくらいには、凄まじい反応で俺としても大満足である。

 

 当初の予定である講師役としては、まあまあ悪くなかったのではないかと自負している。

 最初はまだ自分のポケモンも持っていない事、明らかに生徒側と同年代な事、去年までのサトシくんを知っている人からは色々と不安視されていたが、オーキド博士が見守る中でちゃんと講師としての役目は果たせたはずだ。

 俺に対する嫉妬やら劣等感から意地の悪い質問攻めにあったりもしたけれど、全て完璧に答えを返して更にゲーム由来の知識を披露すれば一躍ヒーロー扱いに変わった。

 ちょっと卑怯な気もしたが、使える知識を使わない方が馬鹿というものだろう。

 

 

 

 

 

 a月e日 初めてのポケモンバトル! VSシゲル

 

 

 ひょんな事からシゲルとポケモンバトルをした。

 何があったと言われると困るくらいには突然の事だったが、向こうにはちゃんと理由があるらしい。

 まあ、あーだこーだと色々言っていたが、要するにシゲルは今年から様子の変わった俺の事が気に入らなくて、その不満が爆発したという感じだろうか? 

 何はともあれ、俺としては旅立ち前にバトルの経験が積めるなら是非もないので承諾した。

 

 バトルの形式は3対3の勝ち抜き戦。道具の使用はなし、レベル制限は20未満。使用ポケモンは進化前のみ。

 実はこの世界、レベルという概念がある。

 ポケモン図鑑を使うと識別したポケモンのレベルや使用可能な技などが表示されるので、ある程度ポケモンの強さを示す目安としてトレーナーの間で浸透していた。

 どういう原理かは不明だが、便利だし何でもいいだろう。

 ポケモンリーグに出場するようなトレーナーの手持ちは平均レベル40〜50前後と言われており、ジムリーダーのガチパなら60、四天王なら65、地方最強のチャンピオンにもなると70は確実と言われている。

 ちなみに、原点にして頂点なんて呼ばれ方をしているレッドは数年前の時点で相棒のピカチュウがレベル80だったとか。化物かな? 

 

 もう分かると思うが、ゲームとはだいぶ違う。

 レベル100なんて事例は聞いた事がないし、40で才能ある優秀なトレーナーとして扱われて、50や60は世界単位でも上澄みになる。

 しかも、ジムリーダーやジムトレーナーが偏ったタイプのポケモンを育てているように、トレーナーにも相性の良いタイプとそうでないタイプがあると言われている。

 更にその上で個体ごとにも相性の良し悪しがあり、最悪の場合だとどんなに育成力の高いトレーナーでもレベル30まで上げる事が出来れば御の字というような結果になってしまうそうだ。

 ポケモンの進化や能力にも影響があるとされていて、それを把握する事もトレーナーの大事な仕事である。

 

 それを踏まえて使用ポケモンだが、もちろん俺もシゲルも持っていないので博士から研究用に捕獲したポケモンの中から貸してもらった。

 身内とはいえ良いのだろうかと思わなくもないが、博士曰くポケモンは大なり小なりバトルをしたがる傾向があり、ストレス発散にもなるからと快諾してくれた。

 一時的に図鑑を借りてレベルや技を確認しながら、今日までの触れ合いの中で恐らく相性が良いと思ったポケモン達から、俺と一緒にバトルしても良いというやる気のあるポケモンを選出した。

 

 バトルを行う場所は研究所の敷地内にあるグラスフィールドで、審判はオーキド博士が名乗り出てくれた。*1

 俺とシゲルは互いにバトルの邪魔にならない程度に距離を空けて対峙し、同時にモンスターボールを投げて1匹目のポケモンを出した。

 先鋒に選ばれたポケモンは、俺の方はニャース。シゲルはワンリキーだった。

 ノーマルタイプのニャースに対して、格闘タイプのワンリキーは相性が悪いけれど、戦い方次第では勝ち目は充分ある。

 

 ワンリキーは攻撃の種族値が高いので、効果抜群も合わせると1発で瀕死になり得る事を考えれば回避主体で戦うべきだ。

 そう判断した俺は、まず開幕の挨拶として『ねこだまし』を指示して先手を取った。

 このニャースの特性は『テクニシャン』っぽかったので『ねこだまし』はタイプ一致込みで威力90の技と同じ威力になり、技の追加効果でワンリキーは怯んでしまう。

 その隙をついてタマゴ技で覚えていたらしい『ほしがる』を指示して畳み掛けていくが、急に動きのキレが増したワンリキーの『からてチョップ』を受けてしまった。

 どうやらシゲルのワンリキーは夢特性の『ふくつのこころ』だったらしく、明らかに動きが速くなっていたのだ。

 

 効果抜群の技を受けたとはいえ、相手のワンリキーもこちらのニャースからの攻撃を受けている最中の苦し紛れの反撃であり、本来の半分程度の威力しかなかったと思われる。

 紙装甲のニャース的にはかなり良い攻撃をもらってしまった感じだが、戦闘不能にはならずに済んでいた。

 それに対してワンリキーはもう倒れる寸前で、気合いで耐えているような状態。どんな技でも当てれば確実に倒せるだろうが、逆に言えば当てなければ倒れそうにない。

 

 シゲルも有利な条件の自分が追い詰められている現状に驚きながらも、いつでも迎撃出来るようにワンリキーに声掛けしつつ意識を集中させている。

 相打ち狙いだろうが、下手な攻め方をすればこちらだけがやられ兼ねないと思わせるほどの迫力だった。

 それを見て、俺は敢えて正攻法で攻略した。

 ニャースが自慢の速度を活かした『でんこうせっか』であっという間に接近し、ワンリキーが『インファイト』*2を繰り出そうとしてきたところに『フェイント』で背後に回り込ませて、無防備な背中を攻撃する事でなんとか倒せた。

 

 シゲルが次に選んだポケモンはイシツブテ。

 ニャースは既に4つの技全部を使用してしまっており、イシツブテにノーマル技はいまひとつ。防御の種族値も高く、殆どダメージは与えられないだろう。

 それでも特性が『がんじょう』の可能性を考慮して一撃だけでも入れておきたいという事で、素早さの差を活かして少しでも体力を減らそうとしたのだが、『でんこうせっか』から『ほしがる』のコンボを読まれて『うちおとす』を喰らってしまい、ニャースは戦闘不能になった。

 とはいえ、こちらの攻撃も当てられたので最低限の目的は達成している。シゲルも悔しそうに顔を顰めていた。

 

 ニャースを労って、2匹目に出したのはコイルだ。

 初代では電気の単タイプだったが、第2世代以降からは鋼タイプが追加されており、タイプ相性が非常に優秀な複合タイプと言える。

 初手『マグネットボム』で少なくないダメージを与えると、シゲルも警戒したらしく2発目は『まるくなる』で防御を固めて凌がれてしまったので次の手を打つ。

 イシツブテの『いわおとし』を喰らいながらも反撃の『ソニックブーム』で確実に削っていく。

 先に『マグネットボム』を当てたお陰もあり、コイルが少し疲れた様子をみせたくらいでイシツブテを戦闘不能にする事が出来た。

 

 これでシゲルの手持ちは残り1匹。最後に出てきたのはガーディだった。

 短期決戦狙いらしく『かえんぐるま』を使用してきたので、『マグネットボム』を直線上の地面に打つ事で出来た溝の影響で技の維持に失敗して不発となる。

 その隙に『きんぞくおん』で特防を下げてから『でんきショック』を放つが、それは『こうそくいどう』で避けられた。

 しかも、まさかの『フレアドライブ』を使ってきた事に驚いてしまい、ガーディは反動を受けながらも一撃でコイルを戦闘不能にしてしまった。

 ちなみに、『マグネットボム』の威力が少し低くなっていたように見えたので、ガーディの特性は『いかく』だった可能性が高い。

 

 そして、俺の最後のポケモンはヤドンだ。

 お互いに残すところ1匹のみであり、これが本当に最後の勝負になる。

 ガーディは2倍になった素早さを活かしてヤドンに接近すると、効果抜群の『かみつく』を使用してくる。

 のんびりやのヤドンでは反応すら出来ない速攻だったが、耐え切れると判断して受けながら『かなしばり』で『かみつく』を封じる。

 どうやらシゲルは『かなしばり』の効果を知らなかったようで、勝ち誇った顔で再び『かみつく』を指示するが、何故か技が発動しない事に動揺して大きな隙が生まれた。

 

 そんな絶好の機会を逃すはずもなく、戸惑うガーディに向けて『みずのはどう』を当てると、ギリギリで耐えられたが混乱させる事が出来た。

 あとはもうこちらのものであり、必死に呼びかけるシゲルの努力も虚しく、『ねんりき』によってガーディは倒れた。

 自分のポケモンではないとはいえ、初めてのポケモンバトルでの勝利。しかも相手はライバル意識のようなものがあるシゲルという事もあって、筆舌に尽くしがたいほど嬉しかった。

 

 シゲルは暫し呆然とした後、何処かへと走り去ってしまった。

 やはり幼い頃から当たり前のように見下していた俺に負けるというのは、シゲルの中にある根幹を大きく揺るがしたのかもしれない。

 これからの関係がどうなるかは分からない。もしかしたら気まずくなってしまったり、ないとは思うが妙な方向に感情を爆発させる可能性も絶対にないとは言い切れないのだ。

 とてもではないが仲が良いとは言えない間柄だが、あれでも幼馴染だし変に拗れなければいいけど……。

 

 

 

 

 

 a月f日 ライバルの証

 

 

 今日の出来事を一言で表せば、モンスターボールを釣り上げたらシゲルと仲直り出来た、という感じだ。

 細かい経緯を話すと長くなるので割愛するが、偶然同じ日に同じ場所で釣りをしていたら互いの糸が絡み合いながらモンスターボールがヒットし、なんとなく2人して意地を張って所有権を争った結果としてモンスターボールが半分に割れてしまい、何故かポケモンリーグで決着をつける事になった。

 改めて書き出してみると意味不明だが、その場のノリというかシゲルが相手だと子供っぽさが出てしまうというか、どうにも大人になりきれない。

 あのバトルの原因を考えたら俺が謝るのは変だし、かと言って謝って欲しいわけでもなかった。

 有耶無耶にしただけと言われたら否定は出来ないが、俺とシゲルのような関係ならこのくらいの距離感の方がらしいと言えばらしい。

 

 まあ、そんなこんなでシゲルとは腐れ縁の幼馴染からライバルのような関係性として落ち着いた。理想的な着地点と言えるだろう。

 そう言えば、アニポケでも半分のモンスターボールがどうのこうの、なんて話があったような気がする。

 だからなんだという話だが、考えてみると面白い。

 俺は原作のサトシくんには決してなる事はないだろうが、それでもサトシではある。

 原作の修正力なんて言葉も思い浮かばないではないけれど、もしそんな代物があるならばとっくの昔に前世の記憶がなくなっていなければおかしい。

 ただ、もし今後もアニポケと同じような事が起きるとすれば命が幾つあっても足りない。ここは、兼ねてよりの計画を実行に移す時が来たのかもしれない。

 

 

 

 題して────【サトシくん波導の勇者計画】である! 

 

 

 

 

 

 

 

*1
有難いけど、暇なんだろうか? 

*2
タマゴ技





レッドさんはどれだけ盛っても良いものとする。
ピカチュウ以外も全員外れ値です。

今後の更新は2、3日に1話の頻度になる予定ですが、投稿する時間についてアンケートを取ります。作者の都合で無効となる可能性もありますが、宜しければお答え頂けると助かります。

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