ゼンレスフロントライン   作:謎多き作家

2 / 4
始まり

新エリー都、とあるビル。

 

旧都陥落以降から新たに築かれた都市の一角にあるこのビルは表向きはごく一般な企業だが裏では暴力団が経営している所謂、フロント企業が保有する場所だった。

 

そのビルでは一般的な職務が行われるが裏取引や暴力が渦向き、治安局も捜査しているが中々、尻尾を出さず手を駒根いていた。

 

そんな法を乱す薄汚れたビルの内部は悲惨な状態となっていた。

 

「クソ!此処を抑えろ!抜けられたら終わりだ!」

 

「人形が調子に……グハァッ!?」

 

暴力団の構成員達はビルに入り込んだたった一人のアサルトライフルを手にする少女に蹂躙されていた。

 

少女から放たれる正確な銃撃は次々と構成員達を貫き、挑む者も逃げる者も平等に死を与えていく。

 

何度も繰り返される殺戮はやがて血の海が広がる廊下だけを残し、少女はリロードすると一つの部屋の前まで来るとそのまま蹴破って突入した。

 

「ひッ!?」

 

部屋の中に突入した少女が見つけた者は部屋の隅で縮こまっている小太りの男だった。

 

男は怯えた様子で少女を見る中、少女は冷たい瞳で男を見つめた後、銃口を向けた。

 

「や、やめ……助けて……!」

 

男の懇願に少女は無表情でそして何も喋らない事で返答する様に引き金を引いて射殺した。

 

男が力無くそのまま力尽きると少女は男を軽く蹴ってから部屋にあるパソコンやスマホ等の機器を弄ってUSBを差し込むとそれらの機器の画面が乱れそのままエラーを起こして動かなくなった。

 

少女はそれをそれらを確認した後、通信を入れた。

 

「此方、SR16。対象の排除及び目標の削除に成功。此より速やかに離脱する」

 

《了解した。治安局も動いた。急げ》

 

指示を出した人物からの通信が切れたのをSR16は確認した後、辺りを見渡して溜め息をつく。

 

「……帰ろう」

 

SR16はそう呟くと現場を去り、暫くした後で治安局が駆け付けたのだった。

________________

____________

________

 

翌朝、新エリー都ヤヌス区の六分街にあるビデオ屋【Random_Play】では店の奥にある工房で店長である兄妹、アキラとリンがテレビを見ていた。

 

《昨夜の惨劇!このビルで恐ろしい事件が発生しました!銃声と怒鳴り声が聞こえると通報を受け駆け付けた治安局によりますとこのビルの住民が一人残らず射殺されているとの事です!前代未聞!!噂によりますとこのビルの所有者は反社会的な暴力団の所有と言われ我々が推測するにこれは暴力団同士の抗争だと考えられます!我々はこの事件について断固たる姿勢を持って治安局に追及を求め》

 

テレビでは何時もの過激な発言を繰り返す男性アナウンサーの怒鳴り声染みた声が響く中、アキラがテレビを消した。

 

「物騒だねお兄ちゃん。彼処って結構近い場所だよね?」

 

「そうだね。無関係だと言いたいけど用心に越したはない。僕達のやってる事を思えば余計にだ」

 

アキラは昨夜の銃撃事件の事を考えながらそう言った時、Random_Play店の出入口が開かれた音が聞こえた。

 

「お客さんだよリン」

 

「もうお兄ちゃん!まーた私に接客させて一人で寛ぐつもり?」

 

「頼むよリン。後でチョップ大将のラーメンを奢るからさ」

 

「全く……分かったよお兄ちゃん。絶対に奢ってよね?」

 

リンはそう言って工房から出た所で誰なのかを認識すると笑顔を見せた。

 

「あ、SR16!久しぶりだね!」

 

「うん。久しぶり。ビデオを適当に見させて貰うね」

 

「良いよ。好きに見て気に入ったら借りてね」

 

姿を見せたのは昨夜の事件を引き起こした張本人であるSR16だった。

 

SR16は何食わぬ顔で店の中へと入るとG&Kの基地で行われる映画鑑賞会の為の一作を借りる為に商品棚を静かに見て回るのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。