ゼンレスフロントライン   作:謎多き作家

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出会い

数ヵ月前。

 

SR16はホロウで鉄血との戦闘に追われていた。

 

ホロウに銃声が響き、SR16は冷静に且つ的確に鉄血兵達を撃ち抜く。

 

リッパーやヴェスピドを中心とした鉄血の部隊は数を生かして攻め掛かるがSR16は素早く仕留め、鉄血のガラクタの山を築きていく。

 

鉄血兵の最後の一人が倒れた所でSR16は一息つくと通信を入れた。

 

「此方、SR16。安全圏を確保。進め」

 

《もう終わったのか?人形にしてはやるものだな。どうだかね我々の企業の専属の護衛となると言うのは?待遇は良くしてやるぞ?》

 

「承諾しかねます。私はあくまでもグリフィンの人形ですので」

 

《そうかね。使い捨てにされている身の立場で律儀な事だな。まぁ良い。これで計画を進められるのだ。グリフィンからたった一体が寄越された時には腹が煮え食ったものだが結果を残したのならどうでも良いからな。では、私は忙しくなるのでな。失礼するぞ》

 

通信相手からの連絡が切れるとSR16はそのまま立ち去ろうとした時、物音を微かに聞いた。

 

SR16は物音の方へと視線を向けると。

 

「や、ヤバ……!」

 

「お、おおお親分……!?」

 

「不味いわね……」

 

そこにいたのはピンクのツインテールの髪型をした露出の多い女と知能構造体らしき白髪の赤ジャケット、そして銀髪のオレンジ色の瞳を持つ少女がいた。

 

そしてその足元にはオレンジのバンダナを巻いたボンプもいる。

 

『に、ニコ……!あの人は……!』

 

「あの動き……戦術人形よ……しかもかなりの手練れの……!」

 

「どうすんだよ親分!?俺達場合によっては捕まるんじゃねぇのか!?」

 

勝手に慌てふためく三人とボンプ一体に対しSR16は何してんだとばかりに眺めているとそこへ何台かの車両が通ってきた。

 

周りの者達を素通りしていく車両を唖然と見つめるニコ達を見たSR16はそのままチャージングハンドルを引っ張って弾を込める動作を見せた時、ニコは大声を挙げた。

 

「逃げるわよ!!」

 

ニコのその一言で全員が駆け出して行く。

 

その姿を黙って見守るSR16は何だったんだとばかりに見守った後、後ろから襲い掛かってくるエーテリアスの群れを迎え撃った。

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翌日、任務を終えたSR16はグリフィンの本社に呼び出されていた。

 

「都市内のホロウにハイエンドモデルが?」

 

SR16はそう疑問を抱きながら目の前のSR16の上司であるグリフィンの上級代行官へリアンが頷く。

 

「そうだ。鉄血のハイエンドモデルがホロウに侵入したと情報が入った。前例が無い訳ではないが都市の守りは厳重だ。鉄血の侵入こそ極少数に留められているがそれでもハイエンドモデルが都市内に入り込むなど早々無い」

 

「余程逃したくない事があるのでは?奴らにとっても都市内の侵入にはリスクがある。それでも侵入するのは都市内に拠点を築くか密かにエーテルを盗掘するかのどちらかです。ですがその現場は雑魚ばかりでハイエンドがいたなど前代未聞です」

 

「……何れにしても調べる必要性がある。SR16。お前に任務を与える。速やかに鉄血のハイエンドが何者なのかそして目的を調べあげ可能ならば撃破しろ。質問はあるか?」

 

へリアンの任務内容を聞いたSR16は沈黙を貫いた後、告げた。

 

「ありません。何時もの事ですから」

 

SR16はそう短く答えるとへリアンの執務室から退出しようとした時。

 

「待て。言い忘れていたが今回の任務は不要な混乱をを避ける為に動く為、正規のキャロットデータの用意は出来ない。自力でホロウを探索する伝を探しておけ」

 

「流石にそれは駄目でしょ」

 

SR16はへリアンのその一言で振り向くと不貞腐れた顔を見せる。

 

ホロウの中は見た目こそ普通の空間ではあるが何処にどう繋がっているのかは分からない迷宮だ。

 

キャロットデータと呼ばれるホロウ内部のデータさえあれば切り抜けられるがそれが無ければ単なる自殺志願者になりかねないのだ。

 

不満をぶつけられるへリアンはそんな事を知ったことではないとばかりに話を続ける。

 

「お前が今、此処で生きて使われている時点で幸運だと思え。それに無策でホロウに突っ込めとは言わん。正規の物を用意出来ないのなら非正規の物を頼れば良い」

 

「……プロキシの事?」

 

SR16のその言葉にへリアンは頷く。

 

プロキシとはホロウ調査委員会に属さずホロウ内部の案内を請け負う非合法の案内人の事である。

 

違法にホロウ内を探索するホロウレイダーを助けるプロキシ。

 

取り締まりが強まってはいるが捜査の手は足りず今だに伝説と呼ばれるパエトーンと呼ばれるプロキシの足すら掴めていないのだ。

 

そのプロキシを頼ると言う手段にSR16は不満を高め……ずに納得した。

 

「今さら非合法の伝を使うななんて無いでしょ?プロキシを探すのは流石に骨が折れそうだけどね。まぁ、その辺は知り合いに当たるよ」

 

「宛があるのか?」

 

「うん。羊飼いって情報屋兼仲介人がいる。そいつに当たる。勿論、口の固い一番の腕利きを用意させるよ」

 

「分かった。万が一に紹介されたのが信用ならないプロキシなら……」

 

「始末するよ。分かってる」

 

SR16はそう言って今度こそその場を後にした。

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へリアンとSR16のやり取りから数時間後、Random_Playではアキラとリンが暇そうにビデオ屋の仕事をしていた。

 

「暇だねぇ……お兄ちゃん……」

 

「まぁ、暇だと言う事はそれだけ平和だってこそさ。……その分、プロキシとして収入源が減ってしまうけどね……」

 

「うーん……タイミング良く依頼とか来ないかな~」

 

「そんなに都合良く来ないよ。だけどインターノットを見て手頃な依頼が無いか確かめよう」

 

アキラがそう言った瞬間、店の扉が開かれ中にスーツと帽子を着こなした男が青ざめた顔で入ってきた。

 

「よ、よう……久しぶりだな……」

 

入ってきたのは羊飼いと呼ばれる情報屋だった。

 

羊飼いの顔を見た二人は依頼だと言わんばかりの期待の感情と青ざめた顔で入ってきた羊飼いの心配の半分が出た。

 

「あ、久しぶりだね!……何だか顔青くない?」

 

「ま、まぁな……それがな……かなーり厄介な奴が……何と言うのか……」

 

「退いて」

 

口ごもる羊飼いを押し退ける形で入って来た人物にアキラとリンはギョッと顔を固めてしまった。

 

「私はグリフィンのSR16。単刀直入に言う。プロキシであるお前達にホロウ内部の案内に関する依頼をしたい」

 

現れたのはアキラとリンが昨日のニコの依頼で鉢合わせた戦術人形SR16だった。

 

これが戦術人形、SR16と伝説のプロキシ、パエトーンとの出会いだった。

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