ゼンレスフロントライン   作:謎多き作家

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依頼

突然、現れて突然、依頼してきたSR16にリンは固まりつつも視線をアキラに向け、アキラは何とか穏やかな表情に変えて応対する。

 

「急にプロキシだとか依頼だとか分からないな……僕達は……」

 

「此処にいる羊飼いが喋ったけど?お前達がプロキシだと」

 

SR16が首を傾げながら言うとアキラとリンは再びギョッとした。

 

目の前にいるのはTOPSでこそあるが一企業でありながら治安局やH.A.N.Dと並ぶ組織に勤めるPMCグリフィン&クルーガーの戦術人形だ。

 

これがもし、アキラとリンをプロキシとして炙り出す罠なら間違いなく拘束され治安局に連れて行かれかねないのだ。

 

「ち、ちょっと!何で話したの!?」

 

「ば、馬鹿!俺はまだお前達がプロキシだって事は……おわッ!?」

 

リンが堪らず問い質すと羊飼いは焦りながら止めようとした所で羊飼いの襟首をSR16が掴んでそのまま店外へと投げ出して扉に鍵を閉めた。

 

「やっぱりプロキシだったんだ……少し爪が甘いね。ブラフを仕掛けたらすぐに喋ったよ」

 

「……僕達を捕まえる気かい?」

 

「だから依頼だって言ってるよね?急ぎなんだ……そこのキャロットデータが手に入らないからプロキシを雇いたい。それだけだから」

 

SR16の言葉に二人は視線を交わした時、SR16が二人の前にディニー札の束を差し出した。

 

「前払いで50万ディニー。成功すれば残り150万ディニーを支払う」

 

「て言う事は……200万ディニー!?」

 

SR16から提示された報酬の額にリンが驚くとSR16は続けて言う

 

「満足する成果を出せれば追加報酬も出す。だけどその分、覚悟して貰う。私の行くホロウはエーテリアスがのさばるだけの場所じゃない。鉄血の縄張りだ」

 

「鉄血って……あの鉄血工造のかい?」

 

「確か……鉄血製の戦術人形達が暴走して手が付けられないってニュースで何度か取り上げられてるあの?」

 

「そう。私が行くのはそいつらがいる場所。そして雑魚だけじゃない……奴等の指揮官となる存在。ハイエンドモデルの存在が確認されている。都市内のホロウの中で。私は上からホロウに現れたハイエンドの存在を調べ、目的を調査、可能なら撃破する様に命令されている。任務事態は何とかなるけど問題がある」

 

「キャロットデータが手に入らないから迂闊には入れない……か……」

 

「そう。だからわざわざ羊飼いを使って貴方達を使う。ホロウの非合法案内人であるプロキシにね」

 

「でも……それなら別にプロキシじゃなくても調査員に任せれば良いんじゃ……」

 

「私は貴方達が良い。その方が成功率は遥かに高い。調査員よりもそれ相応に修羅場を潜り抜けたプロキシの方が良いし、何より場合によっては窮地に陥っても捨て置ける事が出来る」

 

SR16の最悪、アキラとリンを捨て駒にすると言う言葉に二人は不快感を覚えつつも相手がグリフィン所属の人形である以上、下手に断って拘束の大義名分を得られる可能性を考慮して此処は不快感を圧し殺して高いリスクのある仕事を引き受ける事にした。

 

「分かった……場所と日時は?」

 

「引き受けてくれるんだ。まぁ、良いや。場所と日時は必要は無い。すぐに行くつもりだから。そっちの準備があるなら待つけど長く待つつもりはないから早くしてね」

 

SR16はそう言って店内の片隅まで歩くとそのまま壁にもたれて二人の準備が出来るのを待つのだった。

 

 

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