Fate/Runner's Zero   作:再buster

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つい勢いでやっちゃったんだ


IFのサーヴァント

 

 古くから在る伝承、おとぎ話といったモノには時たま原書のモノとはまったく違う異なった記述が残っていたりするものである。

 

 例えばシンデレラという物語だ。

 最後には王様と幸せにくらしましたとよくある話だが、元々のエンディングでは継母姉の目を鳩が引っこ抜くというとんでもないものであった。

 

 例えば浦島太郎だ。

 最後はお爺さんになったというのは同じだがその後がまったく違う。

 老人として暮らした、海に潜り自害した、鶴になったと諸説ある。

 

 こうした大半のモノは後世の人々が分かりやすいように書き換えたり、教育に悪いといった理由で変わったモノである。

 

 他にも訳を書く際に解釈を間違えた、ということもあるのだろう。

 指輪物語といった複数人の作者によって書かれたモノがこれにあたる。

 

 

 

 ならば古に伝説となった英雄たちの生涯ならどうだろうか。

 

 それこそはじまりは吟遊詩人の詩だ。

 

 自身で見たり聞いたりした物語を詩にする事もあるだろう。

 時にはその時代の権力者が自身に都合良くなるように語らせた詩もあったに違いない。

 

 当時の物語はそんな彼らの趣味趣向で主人公の性格すら簡単に決められてしまう。

 

 きっとあの人物はとても真面目で汚い事の一つも知らないのだろう、とか――

 

 きっとアイツは大悪党で、平気で村々を焼き女子供だろうと容赦無く殺す、とか――

 

 きっとあの男は、卑怯な手を使って敵を欺き勝利してきた弱虫だ、とか――

 

 吟遊詩人が奏でれば人殺しすら英雄になるし、本物の英雄ですらただの罪人へと落とされる。

 

 当時は彼らの語る詩こそが真実であり事実だったのだ。

 

 

 

 ならば、現代に伝わっている内容とはまったく異なっている英雄もいるかもしれない。

 

 例えばアーサー王は実は女の子だった。

 

 例えばクーフーリーンはスカサハに会っていない。

 

 例えばヘラクレスは十二の試練なんて達成していない。

 

 などである。

 

 結局、事実を知る方法など無い現代の我らでは、そういったねじ曲がっているかもしれない物語を真実として受け取るしか無いのだ。

 

 

 私たちにはどうあがいた所で、真実を知る術などありはしない――

 

 

 

 

 そして、これから語るのはIFの話だ。

 

 

 吟遊詩人はなにも一人しかいなかった訳ではない。

 

 そりゃあ数多くの謡手がいただろう。

 

 ならば、そんな中に正に狂言めいたことを語る者が一人は居ても可笑しくはない筈だ。

 

 

 そう、そんな狂言めいた事を語る彼は、生前こんな事を語っていたという。

 

 

 曰く―― 王は誰よりも早く戦場へと駆けつける――

 

 曰く―― 王の剣の切っ先は誰にも見る事が叶わなかった――

 

 曰く―― 王の剣は如何なるモノも捻じ伏せる無敵の剣であった――

 

 曰く―― 王は湖の上を沈む事無く走り抜ける――

 

 曰く―― 王は誰にも届かぬと云われた遥か遠き理想郷へとたどり着いた――

 

 

 

 さて、今、語った内容に可笑しな部分などあっただろうか?

 

 大半の者は別に可笑しなところは無い。

 これが正しくとある王の生き様だ。

 

 そう思うことだろう。

 

 

 

 

 だが、その吟遊詩人が語った最後の言葉を聞けば、きっと誰しもが首を傾げる事になる。

 

 

 

 

 そして此度の聖杯戦争は、そんな狂言めいた吟遊詩人によって語られた、本来存在しない筈の英雄の物語。

 

 

 

 

「可笑しな話ですね、剣で斬っている筈なのに……聞こえてくるのは正しく剣と剣がぶつかり合う音なのですから」

 

 

 彼の英雄は最優を誇るセイバーに正面から打ち勝ち――

 

 

 

 

「俺の眼でも追いつけないとは……これでは最速のランサーの称号を返上するしかないか?」

 

 

 彼の英雄は最速を誇るランサーよりもなお速く動き――

 

 

 

 

「この偽物風情が、我の剣を避けるなど万死に値する!!」

 

 

 彼の英雄は最強を誇るアーチャーの剣群すら回避してみせ――

 

 

 

 

「ううむ、大群を前にして一歩も引かぬその気概、そして我が軍勢をも圧倒するその実力、欲しいなお主」

 

 

 彼の英雄は最大を誇るライダーの軍勢を物ともせず――

 

 

 

 

「まさかアサシンの気配探知を抜けてここまで来たというのか!?」

 

 

 彼の英雄は最多を誇るアサシンにすら気取られる事無く――

 

 

 

 

「アナタは!? アナタは一体なんなんですかっ!!?」

 

 

 彼の英雄は最悪を誇るキャスターですら恐怖に陥れた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吟遊詩人が語った最後の言葉、それは――

 

 

 

「彼の王は、ケンキャクの持ち主だったのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バーサーカーではなく、イレギュラーとして召喚された英雄。

 

 

 

 間違った解釈によって生み出された存在する事の無い架空の英雄。

 

 

 

 IFによって作り上げられた現実を覆す希望の英雄。

 

 

 

 最強最速を以って戦う『無手』の騎士。

 

 

 

 

 

 

 故に彼の称号は『騎士(セイバー)』ではなく『走者(ランナー)』。

 

 

 

 

 

 

 

 騎士達の王にして『剣脚』の騎士、アルト・デュース・ウーサー・ペンドラゴン。

 

 

 

 第四次聖杯戦争を駆け巡る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




必殺『設定投げ』

 ランナー
真名:アルト・デュース・ウーサー・ペンドラゴン
 秩序・善
 筋力:A
 耐久:C
 敏速:EX
 魔力:B
 幸運:C
 宝具:A++

 対魔力:A
 騎乗:C

備考:
 とある吟遊詩人の語った妄言によって受け継がれ作り上げられた架空の能力を持ったアーサー王。
容姿はプロト版の男セイバーを軽装にした感じ。
右足にエクスカリバー、左足にカリバーンを宿し、完全に素手で戦う。
彼の繰り出す蹴りは斬撃そのものである。
彼の走りは空間を無視しているため空中だろうが関係無く走る事が出来る。
真名解放により原作のセイバー同様に『約束された勝利の剣』の使用が可能。
『遥か遠き理想郷』の能力により他人とは違う世界で走る事が可能なため、彼が全力で走っている間は攻撃をしても命中する事は無い。


作者より:
 元々は別のFateの二次創作に登場させようとしていたサブキャラ群の一人。
能力は彼の相方に合わせて考えた完全にネタ任せの思い付き。
性格は真面目で礼儀正しいのだが能力のおかげで色々とぶっ飛んでいる。
もし本編を書く場合は相方さんとセットでの登場となります。
なので暴走具合はかなりアップします。


ツッコみ待ち

PS:あんまりヒドイ場合はすぐにでも削除いたします。メンタル弱いのよ~
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