The world depends on me and changes.   作:火藍

12 / 12
お久しぶりです。火藍です。しばらく脱走していました。
久し振りすぎて被ってる描写が出るかもしれませんが、ご容赦ください。
あと、言い訳がましいですが本日体調不良により学校を休んでいますww




限界到来

「はー、風呂に入りてぇ...」

「風呂なぁ。俺も入りたいわ」

「ん?彰も風呂好き?」

 

シャルルがどこかへ消えたので、二人で着替えていると一夏が呟く。

彰「も」というか、彰も半分は日本人であるので風呂は好きだ。

大浴場が好きだ。露天風呂も捨てがたいが。勿論サウナ後の冷水も好きだ。

 

「まーな。全身あったまるから好きかな」

「あのー、三人いますかー?」

 

と、ドア越しに山田先生が呼ぶ。

 

「はい?えーと、俺と彰がいます」

「入っても大丈夫ですかー?」

「ああいえ、大丈夫ですよ。着替え終わってますんで」

 

バシュッと心地いい音が響いてドアが開く。

 

「ええと、お二人からデュノア君に伝えてもらえるといいんですが...来週から男子は週二回、大浴場が使えるようになりました!」

「本当ですか!?」

 

一夏は嬉しい、助かる、だの言いながら山田先生に詰め寄る。

コイツは興奮すると周りが見えなくなるわ、朴念仁だわ大変だ。

間に入り肩を押さえる

 

「さーてイチカ、落ち着こうな」

「....何してるの?」

 

と、可愛らしい声が響く

今の状況を確認しよう。

山田先生の前に俺がいて、俺はイチカの肩を押さえていたのだが、それでもなお詰め寄ってきていたイチカのせいで半ば抱きついているような...嘘だろ。

イチカははっと気づいたようでそそくさと離れる。

その動きが怪しさを引きずり出すことに気づきもせず。

 

「い、いや男子も大浴場を使えると聞いてな?」

「...ふぅん。一夏は嬉しいことがあると抱きつくんだ?」

「シャル、ちが」

「彰も彰だよ!なんで普通に受け入れてるの?」

 

シャルルはプンスカ怒りながら寮へ走った。

何故怒っているのか自分でも分からないまま。

 

 

「ただいまー」

「眠い」

 

寮へ帰ると、彰は速攻でベッドにダイブする。

ごろごろと転がると、束ねた白髪もまわり、本当に猫のようだ。

 

「シャルルはー....シャワーか?」

 

疲れていたのか、一夏のそのセリフが聞こえなかったらしい。

聞こえていたら止めに入ったというのに。

 

一夏は戸棚の予備のボディーソープを取り出すと、シャワールームの扉を開けた。

ガチャ、と一夏が開けた音ではない音がした

 

「ああ、ちょうどよかった。これ、替えのーー」

「い、い、いち.....か.....?」

「へ....?」

 

「.....あ?シャルは?」

 

彰、時は遅し。

ガバリと起き上がってシャワールームを見やる

磨り硝子の向こうで黒髪と金髪が見えた。

 

「.......嘘、.....」

 

どんな男だって、異性の裸をみればその人が気になり出す。

そして標準以上の顔つきの男に裸をみられた女性はそいつを意識しだすだろう。

 

思った通り一夏は顔を真っ赤にして出てきた

 

「あああああ彰あのな!?.....」

 

言おうとしたようだったが、『このこと彰は知らないのでは?』と思い立ったらしく言うのをやめる

 

ガチャ、と控え目に脱衣所のドアが開き、『女子』のシャルルがでてくる

二人にばれたからか、胸をなくすようなコルセットはつけていないようで、輪郭だけで女子と分かる。

彰の隣でガッチガチに固まっている一夏を横目に、彰はシャルに語りかける

 

「バレちゃったなー」

「う、うん...」

 

ざっくりと自分の状況を一夏に説明し終えたシャルルはこう締めくくった

 

「でもね、何かあっても彰が何とかしてくれるって言ったから...。とりあえず、卒業までよろしく、ね?」

 

その頃には一夏もリラックスし始め、話は終わった

 

「...で、彰は何で知っていたんだ?」

「普通見て分からないか?あと、匂いとか、所作で」

 

声も高校生男子にしては高すぎるし、ほんのりと女性らしい甘い匂いがする。

 

「匂いって...彰、もしかして変態なのか?」

「えっ」

 

 

青ざめた彰を見て、シャルルはクスクスと笑う

 

「ボクは本当にいい友達をもった気がする。ありがとう」

 

と、突然廊下が騒がしくなる。

ドタドタ、バン!ガチャリ!ドタドタ、バン!ガチャリ!と廊下を走って扉を開けて、閉めてまた走り出す音。

 

「「「?」」」

 

その音はどんどんと近づいていて..とうとう、扉を開けられた

 

「兄者ッ!!」

 

入ってきたのは....白髪を肩ほどまでのばし、赤い眼をきらきらと光かがやせた、少女のように可愛らしい、少年。

彰に飛びつくと、頬ずりをし出す

 

「...なんで....?」

「兄者に会いにきたでござるぅ!」

「....はーい、帰ろうなー」

 

と、首根っこをひっつかみ、廊下へ放り出そうとした彰を一夏とシャルルは止める。全力で阻止する

 

「まあまあ話ぐらいは聞こうぜ!」

「そうだよそうだよ!」

「俺に用はないし、コイツも用なんてないだろ」

「兄者の友さまは優しいでござるなぁ!」

 

ため息をついた彰は、少年を離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




結局シャルルのベッドの上にちょこんと正座した少年は誰なのか!?
次回、「兄者は拙者の兄者なのでござる」乞う御期待しないで下さい!



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。