The world depends on me and changes.   作:火藍

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睡魔に襲われて意識を手放した火藍さんは、そのまま昼1時頃まで寝ていましたまる



彰VS鈴

試合当日、第二アリーナ第一試合。組み合わせは彰と鈴。

噂となっている新入生、さらに専用機持ちの戦いとあって全席満席、さらに通路も埋まっていた

どうでもよいことではあるが、通路が塞がっていたらもしもの時困るよね。

 

会場に運良く座れた一夏は膝に肘をついて溜息をつく

視線の先には、向かい合って....いや、正確には彰の機体は重みのせいで浮かべず地面にいるのだが....静かに佇んでいる鈴と甲龍、それに冷や汗ダラダラで顔面蒼白の彰とマトリョシカ。

開始時間が近づくと共に会場は静かになっていった。

それと同時に彰の顔から表情が一切消え、甲龍を見つめているだけになった

 

(非固定浮遊部位...面倒だ。衝撃砲龍咆.....それに搭乗者の身体能力はかなり高い)

 

『それでは両者、規定の位置まで移動してください』

 

ふわりと浮き上がり移動する鈴に対し、ゆっくり歩くように地面を動かす彰

観客からは疑問の声が上がっていた

あきらかに盾である後ろの浮遊部位や、両手の甲。そして全身を覆うような形をしたIS....

そして規定の位置についた瞬間、顔も殆ど装甲におおわれた。

見えているのはほんの数カ所だけだ。

 

5mほどの距離になった彰と鈴は開放回線で言葉を交わす

 

「なんかすごいISね....見たことないわ。あっ!そうだ。賭しよ?」

「いやだなぁ」

「あたしが勝ったら、あたしは一夏と同室ね」

「俺が勝ったら...?」

「そんなの...」

 

両刃青竜刀を発現させ、構える

 

「あるわけないでしょ?」

「さぁ、ね」

「ISの絶対防御も完璧じゃないんだから、ヤバくなったら降参しなさいよ」

「....俺の、マトリョシカのシールドエネルギーを突破するほどの攻撃力をお持ちで?」

「まあそういうこと」

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

ピーッと鳴り響くブザー、ソレが切れた瞬間、鈴は動いた

ガッッ!!

瞬時に彰に接近、両刃の青竜刀を袈裟懸けに切り抜いた、と思った

 

「ふー...ちょっとフライングじゃなかった?」

 

平然と右手の盾で防ぐ彰

しかし流石は中国代表候補生、驚きを押し固め、そのまま二撃、三撃と続けざまに切り込む

盾で応戦し、すべてを弾き返す

だがーーー、ぱかりと鈴の肩のアーマーがスライドして開く

中心の球体が光ると同時に、盾に衝撃が走った

 

「今のはジャブ、だからね」

 

にやり不適な笑みを浮かべる鈴。

ジャブの次は......ストレート、だ。

 

瞬時に丸まり、背後の盾二枚を前に回し、両腕と合わせて4枚の盾で防ぐ

束ねた髪の毛がくるんと跳ねると、彰は、彰の機体は砂埃に紛れて見えなくなった

 

 

 

「.....うー」

 

異様に巻き上がり続ける砂埃。それは彰の特殊装甲の盾が二枚地面を削るようにぐるぐると回っているせいだった

明らかに強い。砲身が見えないのでよりきつい。

常に盾でガードし続ける、という方法もあるが、それはそれで面倒だった

長引けば長引くほど、盾は傷ついていく。こちらの盾がすべて壊れるか、相手のエネルギーがなくなるかの賭となる。

負けたら、一夏はハーレムの段階を進めるだろう。それだけは阻止しなければならない

ビリェーチを使うか。いや、今後誰と戦うかも分からない中、最終装備を簡単に見せるわけにはいかない

かといって盾を外してマトリョシカを軽くするのも....

 

普段の戦い方と違うモノを出したらすぐに情報は知れ渡る

 

 

「ああもうっ!なんで収まんないのよ!」

 

仕方ない。なるべく新情報を出さないようにして....

盾の回転をやめ、砂埃が収まるまで待つ

 

「...あんた防御力すごいのね」

「俺が、じゃない。こいつ(マトリョシカ)がすごいんだ。どうだすごいだろう!」

 

これ見よがしに自慢をすると、鈴は鬱陶しいとばかりに腕を振る

 

「まああたしには適わないんでしょうけどね」

「さあ、どうだろうね。マトリョシカは俺の恋人だから、頑張ってくれるよ」

 

だから、俺も頑張んなくちゃ、ね。そう呟き、手に持っていた中剣で装甲をスッと攻撃する

黒の装甲がはがれ落ち、光の粒となって消えていく。

その光が消えると同時に見えたマトリョシカは、オレンジ色だった

先ほどまでのマトリョシカはどちらかというと一昔前のロボットのような、

ほとんど全身に分厚い装甲がついていた

が、今のマトリョシカは要所要所を護れるようにつくられた軽装備である

しかし先程までの装甲と同じようにかなりの防御力を誇る

 

「....すごいのね」

「褒めてもなにもでないからな」

 

もう一度装甲を傷つける

今度はまた黒の装甲になった。

しかし.....最初とは大きく違い、固定部位が殆ど存在しない

全ての部位が身体から離れ、そばに漂っていた

 

「そんなんじゃすぐリタイア、よっ!」

 

鈴が衝撃砲を撃つ。しかし....

 

「残念でした」

 

1st時よりも薄い装甲であるにも関わらず、同じか、それ以上の防御力を持っていた

 

「なっ!?」

「驚いてる暇なんてないんじゃない?」

 

すぐ後ろに接近して耳元で囁く彰

鈴は振り向きざまに衝撃砲を撃つが、盾で防がれる

 

(どうすればいい?こいつには勝てない....?あたしが?)

 

ズドオオオオンッ!!!

 

そこに大きな衝撃がアリーナ全体に走った。

 

ステージ中央に、異形のISがいた。全身装甲、しかもマトリョシカ1st形態以上のものだ。

そしてそいつは、彰をロックしていた

 

「彰、逃げなさい」

「か弱きものを守る、ってのがウチの家訓でね」

 

勿論違う。某ロボット+学園+女子の別番組の主人公の台詞だ。

一夏と比べてあの人は格好いい。ほぼハーレムだったけれど、一人の女性が好きだったし、なにより自分に正直に生きている。フェリーに乗れなかった。泳ごう、とか格好よすぎる。話題がそれてる

 

「あたしはか弱くないからいいのよ」

「...俺は盾だ。盾が、前衛職が真っ先に逃げ出したらパーティ戦闘も大規模戦闘(レイド)も総崩れだ」

「なんの話?」

「ゲームだ」

 

だいたいのオンラインゲームをやるとき、真っ先に職業を考える男、ソレが彰だ。

考えておきながら100%の確率で上位職が前衛になるものを選ぶのだが。

そして最初はパーティなど組まずに地道にレベルをあげる

さらに理由は分からないが、何故か縛りでやってしまう。

レベルアップで手に入ったステータスポイントの割り振り方...所謂ステ振りだが、すべてVIT、ディフェンス能力に振ってしまう

序盤はまったくレベルがあがらず、武器頼りで生きているが、レベルが上がるにつれあちらこちらからパーティに誘われる。

 

そんな人間だからこそ、盾が向いていたのかもしれない

 

対人戦闘は苦手だが、今回の敵は人間が入っていないようだ。

ならば喜んで盾となろう。

 

 

「ほら、俺の後ろから衝撃砲撃てよ」

「わかってるーー」

「あぶなッ!!」

 

間一髪、鈴の前へ飛び出し、その盾で護りきる彰

 

(セシリアのビームより出力上、そして俺以上の装甲....)

 

「あんた、何者?」

 

返事はなく、またもビームを撃たれる

キィンと鋭い音で弾き返す盾。

背の二枚の盾を鈴の元へ送る

 

「何やってんの!?」

「移動しながら撃てないだろ?盾の位置はこっちで操作するから気にするな」

 

鈴は移動し、衝撃砲を撃つが避けられる

このままでは鈴のエネルギーがなくなってしまう、か。

 

「鈴。俺のところへ来い」

 

鈴を呼び、アイツを俺の元へ連れてこい、とだけ伝え、準備をする

仕方、ないよな。

 

「彰!なんかするならさっさとっ!」

 

鈴が大きく回転しながら、そいつを彰の元へ誘導する

彰は一度、ISを解除する。そして再度喚ぶ

最初の真っ黒なほとんど全身装甲のマトリョシカへと戻ったISで、敵の上にのしかかる

そして久しく喚んだことのない名を叫ぶ

 

「ビリェーチッ!!」

 

 

刹那、自分の身体にずしん、と衝撃がくる

重すぎる。

だが.....

彰の下で潰されたISはもう動かなかった

 

彰の、マトリョシカの重みで回線が途切れたようだ。

 

 

「う........?」

 

全身の痛みで目が覚め、辺りを見回す

 

「気がついたか」

「織斑......先生」

「致命傷はないが、全身打撲だ。左手は骨折している」

「嘘でしょ」

 

左手が使えないと何もできない。布団に寝っ転がり、うとうとしてきたあたりに叩き起こされた気分だ

 

「嘘をいって私に何の得がある」

「そうか.....先生、文字が書けません」

「誰かに手伝ってもらえ」

「じゃあ織斑先生がいいです」

「わたしは忙しい」

 

椅子に座っていた千冬は立ち上がり、腕を組む

存在感のある大きいおっp.....がぎゅみゅ、と押しつぶされてなんとも言い難いエロさだ

 

「まあ精々頑張るといい」

 

そう言い残し、保健室から出ていく千冬。

入れ替わりに一夏、箒、鈴、セシリアが入ってきた

 

「気分はどうですか?彰」

「大丈夫か?」

「最悪だな。左手使えないって」

 

苦笑しながら言うと、鈴が手を挙げる

 

「ご飯ぐらいなら食べさせてあげてもいいわ」

「わ、わたくしもですわっ!」

 

・・・嘘、でしょう?神様。

 

 

どうやら俺は、モテ期がきたらしい

 

俺がモテるのはどう考えてもIS学園が悪い!完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※嘘です




【次回予告】
転校生登場!しかも男!
女子「きゃあああああああーーーーーっ!」
彰「アレって絶対ゲフンゲフン」
一夏「やったな彰!また男だぜ!」



あ、ちなみに本編登場の某ロボット+学園+女子の別番組は火藍さんお気に入りアニメであります。アプリボワゼッ!って遊んだなぁ....え?ひとりでですよ?

コレで一巻終了です。
二巻の弾&蘭はカットの方向ですね。シャルルくんはやく書きたいんです.....
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