【カオ転三次】旅する者   作:ユズ猪肉

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ジョーカーのファイブカード、現実においては絶対に起こりえないワイルドカードパラドックスにより××は時空を越え辿り着き得ない場所に降り立つ。
仮初のアザトースと言えど、アザトースが現界したことで消え去った未来へと。


とりあえずのカーテンコール

蓋を開けてみればなんとやら、正体見たり枯れ尾花。

未来への恐れが、ここでのお前さんの正体か。

なに、次はこうはいかないとな。

まぁ、それはそうだろう。

物語に縛られて、最大出力を出そうものならどっちも死ぬ(世界から退場だ)

ああ、これはこの世界では強すぎる。

だからこの使い方が一番適当だ。

巻き込まれる人達からすればたまったものではないだろうが、仮と言えどお前さんが現界した時点で平行世界も未来も爆散してるからなぁ。

何らかのアフターケアは必要だ。

今度は壊すんじゃないぞ?

お前さんに縁が出来ている奴の気配もあるんだ。

 

「ボクは、どうなるんだ…。」

 

問いかけに振り返る。

縛り上げられ、椅子に座らされたアキヒロがいるだけだが。

 

「決まってるだろ、世界を憎むお前は俺が連れて行くだけだ。」

 

そう、夜明けに憎しみは必要ない。

憎しみは俺が連れて行く。

いつか、朽ち果て風化するまで、俺という本棚の奥底に封じ込める。

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豊原 アキヒロ

真名:不知火夜明男(しらぬいよあけのお)

テキスト

いつの間にかそこに居る、名前は知らないけれどいつも居た。

人の無意識に寄り添う古き怪異。

世界の危急は星の危急のみに非ず。

   〃  種の危急のみに非ず。

遠き昔、暗き夜の海原に標となった頃のように夜を廻ろう。

とある地では、【よまわりさん】と言い伝えられていることもある。

「俺は袋も風呂敷も持ってないぞ?」

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ガシャーンと何処か遠くでガラスが砕ける音がした、タロットが辛うじて仮初めのとはいえ魔王を退けていた世界の壁を突き破ったようだ。

魔王が現界した事による歪を正し、世界を再接続している。

ああ、あの悪魔ってこのよく分からん戦限定って訳じゃないのか。

接続先にも同じ系統の気配があるとか、アザトース居なくても世界終わりかけてるのな。

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情報取得中、情報取得中、情報取得中

情報取得中、情報取得中、情報取得中

情報取得中、情報取得中、情報取得中

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にしても、古い神の姿形を中身を別にして被せることで神性を降下させるなんて、随分と人間臭い。

近代の思想と古い神性が結びつきでもしたか。

なら、この混ざり具合は頷けるか。

こいつも、別の神性が追加で混ざってる感じだけど、これは俺が対処する事案じゃないな。

この世界の子に入った縁で何処かに入り込む事は出来るが、直接縁が繋がっているわけじゃない。

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情報参照

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死ぬにしても、おそらく発生した事柄はそれほど外れ値ということはないだろう。

俺自身が死近づくような事をしていたから、頻発しただけで。

ないといいなぁ。

溜め込んだリソースが吸い出されていくのを感じる、世界が少しでも良くなりますように。

縁が出来た子たちの助けになりますように。

 

 

 

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全システム 再起動中

統合戦闘支援プログラム:タロット

統合観測支援プログラム:カグツチ

個別技能記録プログラム:セーブデータ

404システムエラー  を確認

外部インストーラー を除去

デッキ 再構築開始

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部屋に差し込む朝日で目を覚ます。

眠りにつく前のわずかな記憶を頼りに、カレンダーに目をやる。

 

1991年8月12日

 

洗面台の鏡には見慣れた少年ではなく、何年ぶりかに見る特徴のない顔立ちの青年が映る。

少年として活動する前の肉体。

アレに巻き込まれて消滅した肉体。

世界は修復された。

 

炊きあがっていた白米の一部を塩おにぎりにして、弁当箱に詰めていると、背後に気配を感じた。

 

「ケ…ケ…ケ。」

 

母が立っている。

よくわからない声を上げながら。

 

「ハイレタ、ハイレタ、ハイレタ。」

 

妖物に母が乗っ取られている。

この調子だと、父もか。

 

「食ッテヤ?!」

 

起こりは一瞬、結末は必然。

アストラルボディよりも先にマテリアルボディに干渉中の妖物を掴んで引き剥がし、握り潰す。

崩折れる母を壁に預け、父母の寝室に押し入る。

 

「ハ?」

 

こいつもか、人体乗っ取るならアストラルボディからの方が楽、いや食うためにマテリアルボディから干渉しているのかもしれない。

全く分からない分野だが。

 

「ナ、ナニ」

 

口上を言うつもりはもとより無し。

感覚的に放たれた霊的打撃が、無数の着弾音をラップ音として響かせる。

成す術なく妖物が父から離れ爆散する。

 

記憶を頼りに街を練り歩く。

タロットの残滓を読み取りながら。

この身体としては関わりのない、懐かしき顔ぶれが過ごす姿を見て時々物思いにふける。

鈴蘭高校の見える土手から目星をつけた場所をじろりと視る。

可能な限り無警戒に、可能な限り一般人に気配を近付ける。

景色が一変し、かの社が現れる。

アレのバックアップが無いなら、この程度で掛かるか。

 

「が…化…化…カカカカカ」

 

取り囲む為に現れる木っ端を、出てくる端から撲殺していく。

 

「何者ぞ?」

「なに、迫る危機は小さい内に狩るに限るというだけだ。」

 

問答に意味は乗らず、意味も見出さず、ただ終わりが来たことを告げるのみ。

往年のヒーローのように、昭和の戦士のように、ポーズをとる。

 

「変身」




不知火夜明男(しらぬいよあけのお)
テキスト
いつの間にかそこに居る、名前は知らないけれどいつも居た。
人の無意識に寄り添う古き怪異。
世界の危急は星の危急のみに非ず。
   〃  種の危急のみに非ず。
遠き昔、暗き夜の海原に標となった頃のように夜を廻ろう。
とある地では、【よまわりさん】と言い伝えられていることもある。
「俺は袋も風呂敷も持ってないぞ?」
詳細
須らくすべての人類に馴染みのない化生。
神の見えざる手とも言われるくらいには、その行動は個人の生存性能に特化している。
彼は何処にでも居てどんな性別にもなり、常に人々の精神の奥底に眠る。
能天気全一、常夏フェスティバル、住所は最前線などなど不名誉なあだ名が複数ある。
目覚めた瞬間に生存の為に行動し、死を打ち破る為に己を文武問わず鍛えまくる。
未覚醒の理由は、『本体の精神が未承認の状態で、内なるモノが肉体を制御しているから』です。
存在としてはかなり古いが、そもそもが起こりが誰なのかすら解明されず、『たぶん蜃気楼か漁火だろう』で片付けられた結果正体不明になっている。
ある意味では神聖四文字に近い性質の怪異。
だからこそ、お互いが反発しているのかお互いに干渉が出来ない。

あけましておめでとうございます。
何もかにも回収せずに終わったと感じられるかもしれませんが、元より部外者なので彼らの理を回収する気は毛頭ありません。
こんな感じの、当人には対処できないと思われる事案への対処が私の主なお仕事です。
それでは、次の物語でお会いしましょう。
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