裏切り者になりたくて!   作:裏切りキャラって良いよね!

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第1話

僕は普通の高校生だ。

成績も平凡、運動も精々中の上くらい。

特に誇れる趣味もなければ、深い仲の友達もいない。

 

そんな僕は、ある日アニメを適当に選んでみていたら運命に出逢った。

 

『な~んちゃって!可笑しくって腹痛いわ~!

 

お前本っ当に俺のことを!なら見せてやろうか?

 

もっと面白いモノをよぉぉぉぉぉぉぉ!』

 

 

目が奪われた。心底楽しそうで憧れた。

 

彼のやっていることは、最低なのかもしれない。

しかし、信念もなにもなく、長いものに巻かれるような僕にとってそれは一筋の希望に思えた。

僕もこうなりたい、彼のように心から笑いたい。

 

「彼のようになりたい。」

 

そう心から思った。

 

 

あの衝撃的な出逢いから二年が経ち、僕は高校三年生になった。

彼のようになりたい。

そう思ったけれども、現実には彼の裏切った友のような人はいない。

それに現実では、裏切るといっても精々浮気とかそういうありふれたことしか出来ない。

 

そこで僕は気付いた。

 

そうだ、異世界にいこう!

 

魔法や剣の世界ならば、良い裏切りの舞台も仲間もいるに違いない。そこでなら僕も彼のように衝撃的な裏切りが出来る。

 

でもそれをするには大きな壁があった。

 

異世界ってどうやったらいけるんだ?

 

その疑問を解決するために僕は様々な書物、映像を見漁った。

 

その結果として、いつの間にか異世界に転移しているパターンが多いと気付いた。

それは部屋からでたら、だったり

はたまた何かを追いかけてだったりで

誰も知らないような場所に迷い込む。

 

その結果、僕はこの二年で多くの場所へ赴いた。

時には高い山の頂上まで登頂したこともあった。

お花畑にいって自然と戯れながら異世界へのゲートを探したり。

 

しかし未だにゲートは見つからなかった。

 

◆◇◆◇

 

今日も今日とて僕はゲートを探している。

 

今日は学校近くの森林に来ている。

学校と言えば、多くの作品の舞台になっていてその近くともなれば何かがあるに違いない。

そう思って放課後から21時ほどまで粘ってみたけど、なにも見つからなかった。

さすがに暗くなってきたし、あんまり遅くまでいると、警察に補導をくらってしまう。

だから今日はもう帰ろう。

 

そう思ったときだった。

 

「魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力」

 

そんな声が後ろから聞こえた。

 

辺りを見回してみると、後ろから変な人が来ていてその向いている方向に一筋の光があった。

明らかにあれは化学的な光だった。

何をしているんだろう。そう思った。

 

しかし、よくよく考えてみれば彼は僕と同じように学生服を身につけていて、その学生が魔力といいながら光へと向かっている。

 

 

もしかしたら、あれこそがゲートなのでは?!

 

僕は彼と一緒に走っていた。

 

「魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力」

 

「ゲートゲートゲートゲートゲートゲートゲートゲートゲートゲート」

 

そして光へとたどり着いたその時、僕の耳には

 

キキィィィィー

 

というけたたましいトラックのブレーキ音が聞こえていた。

そしてその光がゲートなのかもハッキリしないまま僕の意識は闇へときえた。

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

次に目が覚めたとき、僕は転生していた。

 

僕と彼が見つけたあの光は転生のゲートだったのだ。

彼も一緒に転生しているだろうし、彼に次あったときはお礼をしなければ。

 

さて、転生してしまった僕だが目指すものはもう決まっている。そうとなれば、どうやってなるのかが問題だ。

ここは異世界っぽいし勇者とか魔王とか、邪神とかがきっといるだろう。

まずはその悪の組織的なサムシングに入ろう。

その後スパイとして主人公の側に潜入すれば、もうあとは、楽しむだけだ。

 

成長したらすぐに悪の組織を探そう。

 

そして、この付近に漂う粒子、これは魔力なのだろう。

前世で花の沢山生えている場所を沢山めぐった僕には解る。

これは山付近に生える花の近くだっただろうか、はたまた森林のなかにポツンと生えている花を見つけた時だったかに感じたものに近い。

 

裏切りキャラと言えば、主人公を煽りながら封殺出来るくらいには強いのが定番だ。

悪の組織探しと並行して魔力を鍛える鍛練もしなければ。

 

早く自由に動き回りたいなぁ。

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

…あれから五年経った。

僕の魔力は子供ながらに大人を凌ぐほどに成長していた。

僕はどうやら貴族へと転生していたみたいだ。

ミドガル王国の貴族、ラギール男爵家へと。

ちなみに僕の名前は彼と同じレイ。

 

僕の名前はレイ・ラギール。

いかにも裏切りそうな名前で僕にはピッタリだ。

 

さすがに僕の名前が変なのではないかと父上にそれとなく聞いてみたところ

『ジャガ・イモ』とか『ヒョロ・ガリ』とかいう名前の子供が友人にいるらしい。可哀想に。

名は体を表すというし、ジャガ君はきっと坊主でヒョロ君は痩せているのだろう。

 

僕は今魔剣士見習いとして子供ながら頭角を表し始めている。

前世では運動はそこそこだった僕だが魔力によって自分の意思でどう成長するかある程度決めれるため、より筋肉を、そして魔力と馴染みやすい肉体へと進化させていった。

さすがに魔力の量は普段は半分位に隠してはいるけれど

十歳以下の子供貴族の剣術大会で優勝出来るくらいには強くなった。

 

そのとき決勝で戦ったのがなんと王女で、勝ったら不敬罪で処刑されてしまうのでは、と焦ったがその王女が本気で戦うことを望んでいたので手加減せず勝つことにした。

 

王女に勝った僕は周りの貴族たちに期待されていて、父上も、最近は嬉しそうにしている。

 

さて、悪の組織探しはどうなったのかというと見つかった。

 

まず、この世界には『ディアボロスと三人の勇者』というお伽噺がある。

内容としては、

 

ある時魔人ディアボロスという悪人がやってきて世界を脅かしていた。それを倒すために エルフ 獣人 人間 が手を組んで戦いを挑み、死闘の末に倒すことが出来た。

 

というもので、内容事態は単なる児童書なのだがどうやら作り話ではなく本当にあった出来事らしく、その物語にでてくる魔人ディアボロスを信仰し、恒久的な世界の支配を目論む組織、それこそが僕の追い求めていた悪の組織の『ディアボロス教団』だ。

 

早速見つけてから数日で本部へと向かい、幹部にしてもらった。

もちろん子供の姿と本名だと怪しまれるから変装をして、匂い、魔力共に誤魔化した。きっと混乱しただろう。

なんせ、いきなり出てきたと思ったら急に俺も組織に入るなどと言い出してくる魔力も匂いもわからない不審者だ。

 

最初は皆失笑していたが幹部の一人を一瞬で始末してからは信じてくれるようになった。悪人だし、情は湧かなかった。そして空いた幹部の候補にしぶしぶいれることを許可してくれた。

名前はもちろん、『ベクター』だ。

 

さあ、まず計画の第一段階は成功した。

 

次は裏切る組織を見つけ、主人公キャラを見つけないと。

後は彼と同じように分身もできたら便利だしその訓練もしよう。

 

この世界で僕は

 

『真月 零』

 

になるのだ!

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