マコト「…妙だな」
イロハ「マコト先輩?」
マコト「…ヤツは既に相当の攻撃を受けているはずだ。にも関わらず攻撃の激しさに変化がない」
ザッハークは既に長時間多くの生徒と交戦している。しかしそれほどの孤軍奮闘をしていながらも、消耗している様子がまったくと言っていいほどない。
イロハ「…何かに守られているか…もしくは何かが傷を即座に回復しているか…」
マコト「だとすればその原因は間違いなくあのメグだろうな…」
“みんなー!”
マコトの元に先生たちが駆けつける。
先生はメグをハナエに任せたこと、エルピスの星についてマコトに話す。
マコト「なるほど、反転したものを元に戻す装置か…。キヒヒ、雷帝め…中々粋な名付けをする…」
イロハ「…でも、それでメグを対処したとしても…アレが倒せるようになるかは…」
ユウカ「…それでも、賭けるしかないでしょ」
ウタハ「そうだね、少なくとも向こうが何とかなるまでの間…足止めするだけでもいい」
ユウカ「私たちも協力するわ。先生、指示を」
“わかった、今動けるのはどれくらいいるの?”
マコトは現状の残存戦力、その中でも上澄みの生徒を集める。
“マコト、イロハ、イオリ、アコ、ハルナ、メグ、…それにユウカとウタハだね”
イロハ「サツキ先輩とチアキは負傷してしまい、現在治療中…イブキは危険なので後方に下げています」
ハルナ「美食研究会も、今動けるのは私だけ…フウカさんとジュリさんも後方に下がってますわ」
イオリ「委員長は先生の知っての通り、チナツは救護班で活動中だよ」
メグ「…ねぇ、先生。…その、ハナエって子…本当に大丈夫なの?」
“…今は信じるしかないよ”
そう話しているとミネとヒナがやってきた。
アコ「委員長!お怪我は!?」
ヒナ「これくらい、どうってことない…!」
ミネ「応急処置はしました。戦闘に参加するのに問題ない状態ではあります。…無論、無理をするようなら即座に救護を行うつもりですが」
アコ「ならいいのですが…」
マコト「キキ…話は纏まったか?」
ヒナ「えぇ、行きましょう。先生」
相手は一体、こちらは十人。ザッハークの怨嗟へ対抗する戦力は整った。
プラナ「シッテムの箱、制約解除。プロセス『ペレツ・ウザ』…稼働開始…!」
“行くよ!みんな!!”
- 制約解除決戦 -
ザッハークの怨嗟
THE GRUDGE OF ZAHHAK
celestial pantheon
先生たちがザッハークの怨嗟と戦っていると同時に、ハナエはメグ*テラーを相手取っていた。AMASの支援を受け、ハナエはメグ*テラーに近づいていく。放たれる攻撃を躱しながら、時にAMASに盾になってもらいながら、確実に接近していく。
ハナエ「くぅ…ッ!」
近づくにつれて感じる熱は高まっていく。それでも、私が救護するって決めたんだ。
ハナエ「メグさんッ!!」
メグ*テラーに飛びつき、抱きしめる。
熱い。体中が焼け焦げそうだ。でも、離さない…絶対に!
メグ*テラー「………!」
ハナエ「メグさん!戻ってきてください!!」
思いの丈を言葉にして、ハナエはエルピスの星を起動させた─
イオリ「リロード完了。覚悟しろ!」
ハルナ「優雅に参りましょうか!」
ザッハークの怨嗟との戦いは、先程と比べると押しているように見える。しかし依然、ザッハークにダメージが通っている様子はない。
“みんな、今はこれ以上の被害拡大を塞ぐことを優先して!”
アコ「ですが先生!それもいつまで持つか…!」
メグ「…私バカだからあまりわかんないけど…やるしかないってことに違いはないでしょ?」
ヒナ「そうよ。ひとまずアレの一挙手一投足に警戒を続けて…動けばそこを!」
攻撃を仕掛けようとしたザッハークにヒナはマシンガンの弾丸を撃ち込む。
メグ「あーもうどうなってもいいや!考え込んで何もしないなんて私らしくない!行け行け行け行けえぃ!」
次いでメグが若干ヤケクソ気味に攻撃を仕掛ける。火炎放射による攻撃が炎の攻撃をしてくるザッハークに通るかという不安こそあった。
しかし─
ザッハーク「───!!」
イロハ「…効いてる?」
ウタハ「まさか、耐熱温度があったのか?」
マコト「なんだか知らんが好機と見た!キキキッ、撃て!」
戦車隊の砲撃を喰らい、ザッハークは怯んだような動きを見せる。
ユウカ「やっぱり効いてるわ!」
先生は、メグ*テラーの方を見る。
そこにいたのは、メグ*テラーを抱きしめるハナエだった。
“ッ!みんな!反撃開始!!”
恐らく、ザッハークとメグ*テラーの間にあった繋がりが切れかけているのだろう。今まで何かに守られていたように、不自然にダメージが入らなかったが…今なら、いける。
イロハ「主砲発射…!」
ヒナ「どれくらい耐えられるか見ものね…!」
ザッハーク「─────!!!」
虎丸の砲撃とヒナの銃撃を受け、体勢を崩す。ザッハークは咆哮を上げ、噴き上げた炎を隕石のように降らす。
ユウカ「無駄よ!攻撃が私に命中する確率は…極めて低い!」
ミネ「最後の、その瞬間まで!止まるつもりはありませんので!」
ユウカはそれを躱しつつ攻撃を仕掛ける。ミネも、シールドで守るながら攻めることを止めない。
そんな猛攻をうざったく感じているのか、怒りを示すようにザッハークが一際甲高く吠える。そんな中、あらぬ方向からザッハークに攻撃が加えられる。
ウタハ「フフ、これがミレニアムの猛獣だ」
ウタハ曰く、椅子であるターレット型ロボット『雷ちゃん』。そしてザッハークが微かに気を取られた隙を、アコは見逃さない。
アコ「分析完了。弱点は…胸の部分です!…後はお任せしますね」
“ありがとう!…みんな!”
アコと先生の言葉を受け、メグ・ヒナ・イオリ・ハルナの四人が一斉に武器をザッハークに向ける。
直後、燃え広がる炎の音を掻き消さん程の攻撃音が、ゲヘナの夜空に轟いた。