ダンジョンはつらいよどこまでも   作:たっぷり

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 高評価や感想、ここすき、誤字報告、いつも感謝しております。


・019 異物混入(グリモア)

────

 

 

 

 

 

 早朝、オラリオを囲う市壁の上で二組の双眸が交差していた。

 

 片方は澄み渡る空の色。もう片方は情熱的な朱色。

 

 どちらの瞳も優しさを多分に含む色でありながら、片やジーッと、片や(わら)うように、相対する女を見ていた。

 

 しかしそれも数秒もせずに視線は下方へと落ち、そこで一定のリズムで呼吸を繰り返す少年の姿をその瞳に映す。ナインは現在、ヘイズの膝の上に頭を預け、本日何度目かの目覚めの時を今か今かと待っている状態だった。

 

「……」ニコニコ

 

「……」ジー

 

 彼女らの口は現在会話という機能を喪失しているのではないかと思えるほどに、言葉という伝達用の概念を発さない。片やこの時間を楽しみ、片やこの時間を今すぐにでも終わらせる為、その手の平から回復魔法である翡翠色の灯りを少年に与えている最中だからだ。

 

 ナインのレベルが一段階上昇し、同時に精神と肉体のズレをダンジョン18階層までの決死行で完全に治し切った上、その際に戦い続けた経験値(エクセリア)によって再度上昇したアビリティ。それらはナインの身体能力を今まで以上のものへと変えた影響で、ただでさえ剣の技量のみであれば第一級冒険者とやり合える彼との訓練となると、リューも少々本気を出さざるを得ない。

 

 まぁ先日までもそこまで手加減など意識しても、全くと言って良いほど出来ていなかったのだが、先日の一件もありとうとう彼女の持つ【スキル】の方まで無意識に使ってしまった。その所為でナインが反応しようとも、レベル()の違いを教えるかのように、ナイン以上の動体視力と反応速度を伴った挙動で以って叩きのめしていたのだ。

 

 たとえ持っている武器が刃を潰した木刀であったとしても、その内部には重量を底上げする為の鉄の棒が入れてある。それを彼女の疾走による加速を十分に受けた状態で振るうのだ。

 

 防御力を底上げ可能な人間(ナイン)でなければ今ごろ脳挫傷であの世()き。

 

 【戦場の聖女】(デア・セイント)がグーで殴る所業に他ならない。

 

 加えて言えばこの訓練は日の出る時間よりも前から行なわれている。ナインの気絶も今回のもので大体10を超える数だ。

 

 この場にいる美少女2人はナインが気絶する毎に交代で膝枕をしようという流れが出来ており、それは今もだ。というか最初にしたのはヘイズであり、リューは破廉恥だとか卑猥だとか叫んだが、「治療行為の一環です」でヘイズは押し通した。

 

 それは可笑しいだろうとリューは反論したが、それよりも回復魔法を掛けないのかと言われ、リューは自らの回復魔法を掛けて一秒でも早くその時間を終わらせに掛かる。

 

 対してリューが膝枕をする番だとなった時、彼女がまごついている間にヘイズは【ゼオ・グルヴェイグ】(さっさと治療)してナインを起こした。

 

 彼女たちの回復魔法は純然たる治療師(ヒーラー)であるヘイズと、魔法剣士であるリューの間では隔絶した差が存在するのだ。

 

 ヘイズは言わずと知れたオラリオ屈指の治療師であり、【戦場の聖女】(デア・セイント)と合わせて『オラリオ二大治癒師』と呼ばれるほど。

 

 少々(どころではない程に)強く叩き込んでしまった影響で未だ目覚めぬナインを起こせないリューの回復魔法が単純に使用頻度が低く、稚拙と言ってしまえばそれまでではあるのだが、純ヒーラーと比べることは流石に可哀想であろう。

 

「………………そろそろ帰ってはどうだ、【女神の黄金】(ヴァナ・マルデル)。あなたにもしなくてはならない仕事があるのだろう? 彼との訓練は() () () ()、彼から直々に願われて行なっていること。

 貴女の出る幕ではない。()く帰るといい」

 

「おやおや連れないことを言いますね。それに貴女も私と()して変わりはないでしょう? ナインとは別の【ファミリア】なのですから。彼に訓練をつけているのは貴女の勝手。そして私が彼の治療をしに来ているのも私の勝手。

 お互い自派閥に特段利益になるようなことでもないことをしている者同士、仲良くしましょう……ね♪」

 

「…………あくまでも私情だと言うつもりで?」

 

「ええ、事実ですので」

 

「そこに女神フレイヤの思惑が無いと断言できますか?」

 

「生憎と、それに応える義理も無ければ義務もありません。その無駄に残っている寿命でどうぞ、存分に悩み続けてください」

 

 非常に空気が重い。

 

「そもそも貴女がこの場に居るのは問題があるのでは?

 確かに『満たす煤者達』(アンドフリームニル)の面々は総じて治癒師として確かな腕がある。ですが同時に貴女がその中でも秀でているのも事実でしょう」

 

「急に褒められると照れてしまいますねぇ」

 

 対して表情を変えず、内心も変化させずにヘイズが返す。

 

 そんな彼女にイラッとしながらもリューはその視線をオラリオの内部へと移した。

 

「いい加減戻らないと死人が出るのでは……?」

 

 瞬間、とある敷地内に黒い焔が(はし)り、最速の戦車が轍を轢き続け、雷鳴が轟き、黄金の斬撃が大地を斬り裂いた。

 

 およそ1時間は経っただろうか。延々と続く戦闘音は巨大な都市の中でも随一の敷地面積を誇るとあるファミリアの本拠地(ホーム)の中から響き続けている。1分に1度は地面が揺れ、空気が破裂したような轟音が響き渡り、夜明け前であったにも拘らず目を焼くほどの光が右へ左へ。

 

 地盤をひっくり返したのではと思えるほどの砂煙はもう数え切れないほどに上がり切ったであろう。

 

 震源地の名は『戦いの原野』(フォールクヴァング)。オラリオ二大派閥の内、管理機関(ギルド)も「あ~、管理とか無理だわ」と匙を投げた方の派閥。【フレイヤ・ファミリア】の私有地であった。

 

 女神フレイヤのお膝下であり、そこらのファミリアであればトップを張れるような人材が日夜強くなるために戦いを続ける広大な庭。

 

 その場に居る2人は空いた時間を使い、Lv.4の視力を限界まで使い改めてその庭の中を視認する。巧みな連携を()せる4人の小人族(パルゥム)が、呪いの剣を握る黒妖精(ダークエルフ)が、雷鳴(とどろ)かせる白妖精(ホワイトエルフ)が、銀槍による一条の線を残す猫人(キャットピープル)が、咆哮を上げ剛剣を揮い続ける猪人(ボアズ)が、殺意の波動をこれでもかと漲らせて縦横無尽に闘い続けていた。

 

 全員がLv.5以上の第一級冒険者。彼らの本気の戦闘など止められるモノは居ない。何が騒動の原因かすら掴めないギルドも、フィンやリヴェリアを筆頭に主要メンバーが不在である【ロキ・ファミリア】も。

 

「……アレが始まった時、【白妖の魔杖】(ヒルドスレイヴ)を他の面々が囲んでいませんでしたか?」

 

「……知りませんよ脳筋共の思考なんて」

 

 戦闘音が響き始めた際は白妖精(ホワイトエルフ)をその場に居た6人で囲んでいる形であったはずだとリューが漏らせば、ヘイズは「説明めんど」と放棄した。実況解説役じゃないんだぞと。

 

「挙句【猛者】(おうじゃ)まで交じっているのは何故?」

 

「だから知りませんって。気になるのでしたら直接聞いてみれば良いじゃないですか~。

 私はここでナインと共に休息を取っていますので。さぁどうぞ」

 

「は?」

 

「こっわ~い」

 

 真顔となったリューにニヤニヤと返すヘイズ。

 

 彼女らが訓練を再開した後も、『戦いの原野』(フォールクヴァング)の騒音は鳴りやまなかった。

 

 

 ────

 ──

 

 

 砂塵舞う戦場のすぐ近くで、自分と比肩するとされる治癒師から個人的な冒険者依頼(クエスト)を依頼されたアミッドは死んだ魚のような目で魔法を行使していた。

 

「なぜ私がこんなことを……?」

 

 冒険者依頼(クエスト)で提示された金額に彼女の主神の目が眩んだからだ。彼女に非はない。可哀想。悪いのは主神と彼女自身の運ぐらいだろう。

 

「アミッド様これを」

 

 そうして彼女に手渡されるのは精神力回復薬(マジックポーション)『満たす煤者達』(アンドフリームニル)である彼ら彼女らは女神フレイヤに忠誠を誓い敬愛しているが、それとは別に都市最高の治癒術師(ヒーラー)である彼女のことは尊敬していたりもする為、他の団員たちよりも態度が柔らかい。

 

「ありがとうございます。

 ……これ、一体いつになったら終わるのでしょうか……?」

 

「すみません。我々にも、……」

 

 響き渡る轟音、そして衝撃。いつの間にか帰還していたオッタルに対しても戦闘中だった彼らの怒りが向き、巻き込み事故よろしく参戦してしまったのだ。

 

 本来であればオッタルが時間が掛かろうと独り勝ちするのだが、この原野に立つ強靭な勇士(エインヘリヤル)は戦える限り止まることはない。つまりアミッドが回復させ続ける限り止まる要素はほぼ皆無だ。魔法を使っている者たちの精神力(マインド)が尽きるまで終わることはないだろう。

 

 昼頃まで続いた。

 

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 

 お昼時、ナインは『豊穣の女主人』にいた。更に言えば彼の居る場所は客席ではなく、従業員用の台所(キッチン)。本来であればこの場に相応しくないナインがここに立っている理由は、現在ここに立つはずであったドワーフの女性が不在だからだ。

 

 何らかの事件に巻き込まれたという事実はない。ちょっと彼女の古巣である原野ではた迷惑な騒音被害が続いている現状を憂い、そして胃が砕けたギルド長から「お願いだから止めて来てください。報酬も出すので」という文が彼女の下に届いたからだ。

 

 かと言って彼女の開く酒場は昼時にも営業を行なっている。どうしたものかと考えている折り、店の前を通る2人組を発見し、娘たちに連行を言い渡した。

 

 結果、ナインは厨房で忙しなく右へ左へと動き続け、更に巻き込まれたベルは洗っても洗っても減らない食器類を延々と洗浄している。

 

うぅ……、ナインさんとのデートだったのに*1

 

「ニャー! 口より先に手を動かすニャーッ!!」

 

「だいじょーぶっ! お給金はしっかりと出るからにゃっ!!」

 

「そういう問題じゃないですぅーっ!!」

 

 泡まみれの洗面台に更に追加の食器が加えられ、それはバベルのような高さを持ち始めた。

 

 それを見て心の中で憐憫を抱いているナインだが、彼も彼で手を動かし続けなければ料理の完成が遅くなってしまう。まな板で既に粗方の仕込みを終わらせてある食材を先ほど一読したレシピ通りに仕上げていく。

 

「……むぅ」

 

「……くっ」

 

「……何見てるんだ?」

 

「「負けたっ…………」」

 

「出来たから運んでくれ」

 

 そんなナインの手元を注視しているのは配膳を担当しているリューとシル。彼女らは自分の料理の腕を客観的に見ることが出来る。そしてそれが壊滅的であることも知っている。

 

 片や火力調整をミスって炭に。片やなんか変な味かつ変な効果を持った料理(いぶつ)になる。

 

 店主であるミアからは厨房に於いて戦力外通告を数年前から既に告げられており、女子力に於いて他の従業員から遠く後れを取っていた。

 

 昼間は本営業時間ではないのだが、今日に限って随分と来客が多い。頭を悩ませるまでもなく、外の騒音被害から逃れるためだろう。かつての暗黒期を知っている者の多くが、この店の中が安全だということを知っているだけあり、逃げ込むついでに昼食を食べに来ていたのだ。

 

(この店の料理って他の酒場よりも幾分か高いっていうのに、冒険者以外の客も結構来るんだな……)

 

 そんな彼ら彼女らをナインは横目で見つつ、店内の込み具合を見ながら料理を続ける。毎日自分と主神の、最近ではベルの物まで作り始めたナインの調理速度は結構早い。かつて戦い方を教えてくれた女神がついでとばかりに叩き込んでくれた料理の腕は、それから10年近く独り暮らしをしていたことで手際も上昇している。

 

 ある程度なら問題無く対応できるため、そうしていた。

 

 

 ────

 ──

 

 

「すまなかったね、アンタたち」

 

「結局夜になっちゃってます……」

 

「「ドンマイニャッ!」」

 

 現在時刻は夜。それも『豊穣の女主人』の本営業時間を過ぎた時間。店の灯りは点いているが既に店のドアには『Close』の看板が掛けられていた。

 

「やっぱり繁盛してますよね、この店。どっかの町娘さんはお客さんが少なくて~とか言ってましたけど」

 

「ほぉ? そりゃ初耳だ。なぁ、バカむすめ……どこの町娘なんだろうねぇ……?」

 

「い、いやぁ……それは…………、てへぺろっ♪

 ────……あぁ、痛い! 痛いですミア母さんっ!!」

 

 禁忌の業(テヘペロ)をキメたシルはミアによってその頭をガッシリと掴まれ、そのまま店の奥へと姿を消した。

 

「シル、良い奴だったニャ……」

 

「花は手向(たむ)けてやるニャ……」

 

「あんたらシルの耳が良いってこと忘れてない?」

 

「地獄から戻って来たシルからアーニャたちへの折檻が決まったところで。

 ……本日の繁盛ぶりはそれこそ遠征の打ち上げなど、特定の()()()()があればこそです。レイルさんには思い当たる(ふし)があるのではないですか?」

 

「ナインさんに……?」

 

「俺が……、あぁ、器の昇格(ランクアップ)か」

 

「「ニャ、ニャニィッ!?」」

 

「へぇ、真っ黒少年、ランクアップしたんだ。あれ? 冒険者になってまだ1ヶ月とかじゃなかったっけ……?」

 

 リューの言葉により、客の大半が何を目的として来ていたのかをナインは理解し、それを口に出せば、知らなかった女性陣の手が止まり目を点にし始める。

 

世界最速記録(レコードホルダー)かぁ……、そりゃみんな興味出るし見に来ちゃうよねぇ……」

 

「つまり今日忙しかったのは真っ黒少年の所為?!」

 

「酷いニャッ! 猫虐反対だニャッ! お尻触らせろニャーッ!!」

 

「ク ロ エ ……?」

 

「ニャ……、ニャんでもにゃいで~す……」

 

「「目がガチだ」ニャ」

 

 そんなこんなでミア特製賄い料理は減っていく。ナインは行儀よく丁寧に肉を切り分け、大皿に乗っていた物を両サイドのベルやリューの皿にも乗せ、自分の分も調達して野菜類にも手を伸ばす。

 

「あむっ……、以前の世界最速記録(レコードホルダー)は確か……」

 

「【剣姫】……、【ロキ・ファミリア】のアイズ・ヴァレンシュタインですね」

 

「それまでの記録を全部ぶち抜いて1年だっけ。凄いよねぇ~」

 

「それをすっっごく短縮してしまいましたからね~。ナインさんはこれから大忙しですよ?」

 

「シルッ?! いつの間に?! ……あれ? クロエとアーニャは?」

 

「ん~……、知らない方が良いこともあるんだよ、ルノア?」

 

 恐ろしいオーラを纏い始めたシルを見た全員がこれ以上の言及を止めた。

 

 

 ────

 ──

 

 

「そうだ、坊主。これ持っていきな」

 

「これは……」

 

 食事も終えて帰路に就こうかという頃、ナインはミアに呼び止められ(おお)きな紙袋を渡される。手に感じる重量はかなりの物で、鍛えていない一般人であれば即座にその重量に負けてしまうだろう(おも)さを持っている。

 

「えぇと……?」

 

 困惑顔のベルと共に袋の中を覗いてみれば、そこには綺麗に並べて収納された本がぎっしりと詰まっていた。それらの背表紙には様々な武器や戦術の指南書を示す共通語(コイネー)が書かれている。

 

「リューから聞いたよ。アンタ、読書が趣味なんだってね?」

 

「と言ってもたかだか趣味ですし、これ良いんですか? 結構値の張りそうな物も混ざってそうなんですけど」

 

「いいさ。あんな(きったな)い部屋に放置されっぱの本、まだ読んだことのなさそうで、今後読みそうな奴に渡した方が有効活用ってモンだ。本もその方が良いだろうさ」

 

 呆れてモノも言えないと言った様子で何かを思い出しながら大きく溜め息を吐いたミア。彼女が今日何をしてきたのかをおおよそ推測したナインはこの本の出所を想像して苦笑いを浮かべ、隣にいたベルはキラキラと言った眼差しで本の背表紙を眺めている。

 

 それにナインは原作の中でミア(彼女)の性格を知っている為、何かと反論して返却しようとしても逆に包丁かゲンコツが返ってくることぐらい想像がつく。

 

 であれば彼女の厚意に感謝して頂いていくこととした。

 

「では有り難く頂いていきます」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

「あぁ、今後ともウチを贔屓にしてくれ!」

 

 豪快に笑うミアや食器を洗いに行かされていた面々とも挨拶を残して帰路に就く。

 

 ────が、ナインは何かを察した。

 

「ベル。これを持って先に帰っていてくれ」

 

「えっ? どういう────」

 

「まってーっい、【光の庭】(フォトン・ガーデン)ッ! 俺のURユニッツ────ッ!!」

 

「あぁん!? 【竜狩り】は俺のところに入るんですぅ──っ! 三下は引っ込んでろっ!!」

 

「ナインきゅーんっ!! 待ってクレメンス────ッ!!」

 

 ベルの疑問の解消は奇しくも元凶であろう神々の大合唱によって為された。

 

 ナインが全力でメインストリートを走れば先回りする様に他派閥の眷属が現れる。それも1人2人なんて生易しいモノではない。10人、20人、……まだまだ増えていく。

 

 既に陽も暮れて酒場の閉店時間も過ぎ去った時刻でさえ、娯楽に飢えた神々には関係の無いこと。彼らは各々考え付いた勝手な()()()()()()()(わめ)きながら暗夜の街を駆けていく。そしてそんな神々に悲しくも使われるだけの眷属もこのオラリオに少ないとは言えない程度には数が居る。

 

 彼らの目的はただ一つ。

 

世界最速記録保持者(ワールドレコードホルダー)自分の物に(ゲッチュ)したい!』

 

 という煩悩塗れ、欲塗れの願いからだった。

 

(ど、どうすれば……)

 

 それを見て自分を残して走り去ったのは巻き込まない為だということを察したベルだが、動けずにいた。ナインが困っている。ならば助けたい。しかし彼女の敏捷(あし)では追い付けない。それどころか足手纏いになりかねない。

 

 こんなトンチキな状態でさえ、自分の無力が恨めしくなる。

 

「クラネルさん」

 

 そんな折り、ベルの背後から声が掛かる。相手はリューだ。

 

「リュ、リューさん……?」

 

「レイルさんにはあの魔法があります。そしてこの夜の帳の中では効果は倍増どころではありません。問題は無いでしょう」

 

「あぁ……」

 

 そういえば以前ちょろっと教えてもらったナインの魔法。確か光量も変えられるんだっけ……と考え、追い掛けていった神たちとその眷属に()けられないようにとベルはいそいそと帰っていった。

 

 そんなベルが家に着いた頃、オラリオの中央付近で起きていた騒動の渦中、一瞬ピカッと光が(はし)り、それを直視した彼ら彼女らは目を焼かれる。数秒も経たずして目を押さえて蹲る野次馬(ゴミ)がメインストリートに散らばる事態に発展。

 

「「「「「「目がぁぁぁぁぁっ!!??」」」」」」

 

 夜という皆が寝静まる時間帯でありながら騒ぎ続けた者たちを取り締まるべく出て来た都市の憲兵(【ガネーシャ・ファミリア】)の眷属に連行されていく。

 

 こんなトンチキを取り締まらなければならない憲兵とは……。

 

 

 ────

 ──

 

 

 説明責任とか問われたくないゆえに、彼ら(ガネーシャの眷属)からも隠れながら路地裏を歩くナイン。先程から彼はどこかから見られていることに気付きながらも、敢えて無視し続けていた。

 

 途中、【ヘファイストス・ファミリア】の売り子(バイト)帰りのヘスティアを見付け、共に帰ることとする。

 

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 

 1人家に帰り付いたベル。彼女は抱えていた紙袋をリビングに乗せ、一息つく。

 

 ナインが帰ってくるまで時間が掛かるだろう。神の執着はそれほどまでにしつこく、面倒、粘着質と言って差し支えの無いモノであるのだ。それから家路すら見付からずに帰り付くのは難しいだろう。

 

 加えて言うならばヘスティアも居ない。彼女は路肩に出すじゃが丸くんの屋台やバベルでの仕事と最近は結構忙しい。時間的に帰路に就いているだろうから間もなく帰ってくるだろう。

 

 しかしやはり先程まで騒いでいたこともあり、少し寂しさを感じるのも事実。

 

 彼女はそれを紛らわせるために本でも読もうと考えた。1人先に風呂に入り布団にくるまるのもどうかと考えた故に。

 

 ナインの家にある本。本棚に並べられたそれらはどこか見覚えのある内容のモノが多く、先日一度目を通し、特段好きなモノだけは数回読み直したが、やはり記憶にあるものだったこともあり、今読みたいと思える本ではない。

 

 そう思ったベルは今しがた持ち帰ってきた紙袋の中に手を入れ、その内の一冊を取り出した。

 

 それは表紙に何らかの皮を使ったのだろう、爬虫類特有の模様が(はし)っており、どこかおどろおどろしく、神秘的だ。

 

 緑色の本には共通語(コイネー)で、『死に物狂いで覚えろ、ゴミが』と書かれていた。

 

(……ん?)

 

 何かの間違いだろう。そう思い、取り敢えず表紙を捲る。

 

『コボルト並みの知能のキミも明日から大魔導士に! 上 その0.1』

 

 足取りが重すぎる。『上』であることから『下』の存在は確実であり、『中』もあり得る。更には数字が1ではなく小数点であることからもはや読ませる気有るのだろうか、と。

 

 そもそもコボルトが魔法を使い始めたら初心者冒険者は全滅である。

 

 しかしこれは今日、突如として拉致られ、したことも無い酒場の仕事を頑張ったご褒美の1つ。それを無為にしたくはない。その思いでページをめくっていく。

 

『魔法は先天的系と後天的系の2つに大別することができる。先天的系とは言わずもがな対象の素質、種族の根底に関わるものを指す。(いにしえ)より魔法種(マジックユーザー)はその潜在的長所から魔法の早期発現が見込める。属性には偏りが見られる分、総じて強力かつ規模の高い効果が多い』

 

 タイトルや目次は残念過ぎる出だしだったが、書かれている内容については真面かつ(わか)りやすい。

 

 共通語(コイネー)で編纂されているので、辺鄙な村出身であるベルにも何とか読み進めることが可能だ。

 

 しかし同時に気になることもあった。文字列の間に読ませる気のないだろう細かな文字が刻まれている、ような気がする。それが言語なのか、それとも数式なのかは流石に細かすぎて理解できない。

 

『後天的系は神の恩恵を媒介にして芽吹く可能性、自己実現である。規則性は皆無、無限の岐路がそこにはある。『経験値(エクセリア)』に依るところが大きい』

 

 ページをめくる。

 

『魔法とは興味である。こと後者に限って言えば、この要素は肝要だ。何事に関心を抱き、認め、憎み、憧れ、嘆き、崇め、誓い、渇望するか。引鉄(ひきがね)は既に己の中に介在する。神の恩恵(ファルナ)は常に己の心を白日のもとに抉り出す』

 

 そこには絵があった。

 

 顔の輪郭、目もある。鼻があり、口は何かを口遊(くちずさ)んで、耳は何かを聞き届けていた。

 

 それは人の顔だ。真っ黒な絵の具で塗り潰されてなおこちらに理解させる、瞼を閉じた人の顔。

 

『欲するなら問え。欲するなら砕け。欲するなら刮目せよ。虚偽を許さない醜悪な鏡は、ここに用意した』

 

 違う、それは正しくない。

 

 だってそれは、────

 

『じゃあ、始めようか』

 

 ──僕の顔だから。

 

 

 ────

 ──

 

 

 口を弧の字に曲げて笑う少女が問う。

 

『僕にとって魔法って何?』

 

 ──わからない。あの人に教えてもらったけど、結局思い付いたのは漠然としたモノ。ただ、それはきっとすごい力。誰にも出来ないことを、僕が行なえるようになるモノ。

 

『僕にとって魔法って?』

 

 ──ちから。弱い自分を吹っ飛ばして、蹴っ飛ばして、もっと速く、もっと強くなる為の力。

 

『僕にとって魔法はどんなもの?』

 

 ──もの? 魔法って言えば、やっぱり炎だと思う。強くて、猛々しくて、熱く、悪を打ち砕く聖なるモノ。立ちはだかる()くないモノを全部焼き払っちゃうような、そんな炎に、僕はなりたい。

 

『魔法に何を求めるの?』

 

 ──誰よりも速く、あの人の隣へ。誰よりも強く、あの人の隣で。鳴り響く雷霆も追い抜くような閃光になって……、誰よりも、誰よりも、かつての英雄たちよりも速く、あの人の隣へ。

 

『まだあるよね?』

 

 ──叶うなら。贅沢かもだけど。これは驕ってるだけかもしれないけど、それでも僕は……。

 

 あの人の傷を……、癒してあげたい。

 

『…………』

 

 ──隣に立って、一緒に戦って、それでもきっと誰かのために傷付くあの人に、暖かなぬくもりを、僕が。

 

 あの小さな村で、あの時から憧れていた英雄に、あの人はきっとなってしまうから。悲劇の多い英雄譚の中の主人公になんて、させたくないから。

 

 かっこ悪くてもいい。

 

 笑われたっていい。

 

 それでもみんな笑顔でいられる、そんな喜劇(エンドロール)が、僕は好きだから。

 

『そっか……。子供っぽいね』

 

 ──……泣きそう。

 

『でも、それが今の(きみ)だ』

 

 ──うん。だから、頑張りたい。

 

『……。最後に良いかな?』

 

 ──?

 

『「────きみ()()()を好きになったのって、いつだっけ?」』

 

 ──えっ?

 

 黒い小さな影が降りてきて、夢は終わった。

 

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 

「……くん? ……ル君っ?」

 

 優しい女性の声が彼女の耳朶を打つ。呼ばれているのは誰だろうか。そんな他愛のない思考と共に、真っ暗な水底に沈んでいた彼女の意識は光のある世界へ浮上していく。

 

「ベールーくーんッ!!」

 

「うぇあおうっ?! かみ、さま……?」

 

「そうだよ、ボクだ。キミの主神のヘスティアさ。どうしたんだい、テーブルの上に突っ伏したりなんかして? 寝るならベッドに行かないと……、体調を崩したり身長が伸びなくなるぜ?」

 

 そんな言葉を投げながらヘスティアがベルの頭を撫でていく。フワフワモコモコと撫で心地の良い髪に御満悦の様子。そんな彼女を見ながらベルは寝ていたということに少し驚く。

 

 今日はベートとの鍛錬に加えて慣れない酒場のお仕事もした。時間を考えればおかしくはない。そう結論が出るのだが、いかんせんベルの記憶の中では現実味の薄い何かをしていたような、靄のような記憶が残っている。

 

 誰かと話していたような、尋ねられ、答えていたような気がする。するだけだが。

 

 彼女が出来る説明は目の前に閉じられた分厚い本を読んでいただけということだけだった。

 

「ふんふん……、つまりボクたちが帰ってくるまでの暇潰しに読書をしていたら、いつの間にか眠っちゃってたと……まったく、お茶目だね、ベル君は」

 

「お茶目って……」

 

「取り敢えず今日の更新をしておこうか。ナイン君が風呂から上がったらボクたちも入って、おねむなベル君の為に早く寝ようじゃないか」

 

「うっ、言い返せない……」

 

 あんまりな言い草ではあるが、事例が出来てしまった以上、ベルに反論の余地などない。

 

 ナインが突然入って事故が起きないように一応鍵をした部屋の中でベルが背中を晒し、ヘスティアが血を垂らした。

 

「ふんふふ、ふ~ん♪」

 

 ヘスティアはベルやナインの成長の早さに危機感を抱いてはいるが、同時に自らの眷属(こども)であるがゆえに、それはそれで嬉しいと思い、【ステイタス】の更新はマメにしている。

 

「ん~……ん? んんっ?!」

 

「神さま……、どうかしましたか……?」

 

「……魔法」

 

「え?」

 

「『魔法』が発現してる……」

 

「ええぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

「へぶにゃんっ!?」

 

 衝撃的な内容過ぎたために、ベルは勢い良く起き上がり、そしてヘスティアが冒険者の【力】によってベッドから放り落された。まさしく墜落。後頭部からいったせいで、ワンチャンそのまま天界へGO状態だった。

 

「かっ、神さまぁーっ!? ごっ、ごめんなさいぃ──っ!!」

 

眷属(こども)の、成長を……、感じる……Z……」

 

「かみさまぁぁ────っ!!」

 

 ベルはヘスティアの上半身を支えるように持ち上げながら、演劇のような悲愴感たっぷりの演技をする。

 

 ただ彼女たちは忘れていた。現在時刻は既に深夜へ突入しそうなこと。

 

 そして何より、この家の暫定主は、ナインであることに。

 

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 

 床に正座させられたヘスティアとベル。その両名の頭にはそれはもう立派なたんこぶが出来ている。

 

 あの後風呂上がりだったナインは急に響いた大きな音の発生地点、鍵を掛けた個室へと向かった。そこには鍵が掛かっており、本来であればナインは突入などしない。ステイタスの更新ということは、背中を見せる。つまりは上裸である可能性が非常に高いのだ。

 

 ナインは男で、ベルは女。例え借りている本人であろうと、配慮は出来る。

 

 問題はこの都市が厄介事の発生率が多いオラリオであること。襲撃を受けているのかもしれない。そう考えれば即座に突入するしかなく、そのまま入室。

 

 予想通り、上半身に何も着ていないベル少女が、そこに居た。

 

 背中だったのでギリセーフであった。

 

 万が一見えたとしてもこんな時間帯に大音量で騒いでいれば、それも無視してゲンコツを落とすが。というよりも服をさっさと着させて両者に一発ずつ落とした。

 

「……まぁ、経緯は分かった。沙汰も下した。だから一応これで終わりだ」

 

「「はい……」」

 

 項垂れている2人を見下ろすナイン。彼女らの様子から反省はしていると判断し、これ以上の時間を使うのは()そうとし、本題へ移る。

 

「それで、ベルに魔法が発現した……と」

 

「そっ、そうです! 魔法! 僕に魔法が発現したんですっ!!」

 

「まぁ、落ち着きたまえよベル君。ここにしっかりとキミのステイタスを書き写した用紙が有るからね」

 

(この時期に魔法って……原作だとシルが黙って渡した魔導書(グリモア)が原因だったよな……? そんな素振り無かったはずなんだけど……)

 

 落ち着きなくはしゃぐベルと彼女をあやすように何故か胸を張るヘスティア。女3人集まれば姦しいと言うが、ことここに至っては2人だけでも当て嵌まるという事実を尻目に、原作の大まかな流れを想起するナイン。

 

 しかし既に原作からは結構乖離し始めており、本編の方はそこまで参考にはならないか、と思考に一区切りつけ、ヘスティアの持っている用紙へと3人並んで目を通していく。

 


 

《名前》

 ベル・クラネル

 

『Lv.1』

 

《基本アビリティ》

 力 :D 552 → C 621

 耐久:C 603 → C 657

 器用:D 590 → C 655

 敏捷:D 599 → C 660

 魔力:I 0

 

《発展アビリティ》 

 

《魔法》

【クロスボルト】

 ・速攻魔法

 ・焔雷属性

 

【】

 

《スキル》

【憧憬一途】(リアリス・フレーゼ)

 ・早熟する

 ・懸想(おもい)が続く限り効果持続

 ・懸想(おもい)の丈により効果向上

 


 

「っっ……!」

 

「まさかこんなに早く魔法が発現するなんてね……、前のことを思い出すなぁ……」

 

 感極まった様子のベルと、先月冒険者となって、と言うよりも神の恩恵(ファルナ)を刻んでから1ヶ月もせずに魔法を発現させたナインのことを思い出して唸るヘスティア。

 

「かっ、神さま……ナインさんっ……、魔法! 魔法です! 僕の魔法がっ、発現したんですっ!!」

 

「うん、おめでとう……。凄いぜ、流石ベル君」

 

「はいっ!!」

 

 それはそれ。一度気持ちをリセットしたヘスティアは感激し続けるベルをそのまま抱きしめ「すごい、すごいぞ!」と褒めていく。

 

 それとはまた別に用紙を眺め続け、この話題に一番乗りそうなナインが未だ口を開かないことが気になった。

 

「ナイン君、どうかしたのかい?」

 

「えと~……、ナインさん?」

 

 そんなヘスティアに感化され、こちらはまた別の感情をその顔に映すベル。変な魔法なのだろうかと少し不安を募らせていれば、丁度思考を終えたナインが口を開く。

 

「『速攻魔法』ってことは詠唱不要ってこと……。今までの魔法理論は当てはまらないな、これ」

 

「と言いますと……?」

 

「その辺りは明日教えてやる。

 ということでさっさと寝る準備だ。さっさと風呂に入ってきなさい」

 

「うん、分かったよ。それじゃあ行こうかベル君」

 

 それもそうだと痺れる脚を揉み(ほぐ)しながら立ち上がり手を伸ばすヘスティアと。

 

「えっ、明日……?」

 

 と、今すぐにでも魔法の試し打ちがしたいですと言った様子のベルがそこに居た。

 

 やれやれと言った様子のヘスティアが「慌てることはないよ」と諭すが、あまり効果は無さそうに見える。その時点でナインは今日は遅くまで起きることになるなと遠くを見つめた。

 

 

 ────

 ──

 

 

 主神と後輩が風呂に入っている間、ナインはベルの【ステイタス】が写った用紙を眺めていた。注視するのは当然彼女の『魔法』だ。

 

(原作と違うな……、まぁ彼女の精神性にも左右されるのは当然だから良いとして……。

 『ファイア』(ほのお)が前面に出てないのは雷の威力にも表れるのかどうか……、『ボルト』って確か『独壇場』みたいに使い易さから来た意味の追加だった気がするし……。

 『作者そこまで練ってなかったよ』とか言われたらそこまでなんだけどなー)

 

 速攻魔法であることは良い。いや、非常に話題性に富んだ前例のない魔法であるので一応注意しておくことではある。あるのだが、やはりナインとしては彼女の魔法が原作と少々違う点は留意しておきたい事項なのだ。

 

(まぁ変に【一単語で発生する爆撃魔法】(サタナス・ヴェーリオン)とか【作中唯一の漢字表記魔法】(シレンティウム・エデン)とか【Lv.9にワンチャンあるであろう魔法】(ジェノス・アンジェラス)とかが生えてこなくて良かったー! あのダンまち三大最強魔法が出て来た日には2大派閥(知ってる奴ら)から目をつけられかねないしな、面倒事へ一直線だったしな、速攻魔法の発生自体はゴスペルより早いし使い方次第だもんな。別に弱くはない。

 ……と言うかなんで魔法種族でもない只人(ヒューマン)が最強の魔法を全部持ってんですかねぇ……)

 

 原作でも最強にして最大の才禍。神時代きっての才児のことを思い出し、「うわぁ……」とドン引きのナイン。

 

 これが吉と出るか凶と出るか。それはいずれ分かるだろうとしてナインは就寝準備を進めた。

 

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 

 灯りの消えた部屋からベランダへと出たナイン。最低限の装備だけを身に付け、外へと視線を向ければ夜のオラリオを走っていく白髪の影。夜空の光に照らされたその長い髪を風に揺らしながら向かうのはバベルの根元だろう。

 

「まったく……」

 

 原作通り帰還中のアイズやリヴェリアと出会えればいいが、彼女らの予定など原作でしか見ておらず、バタフライエフェクトなど発生して精神疲弊(マインドダウン)でモンスターにやられましたなど笑えない。

 

(ま、無いだろうな。幸運ウサギだし)

 

 取り敢えず後をつけて倒れたらそのまま持って帰ろうと決めてナインも街へと繰り出した。

 

 

 ────

 ──

 

 

(どうしてこうなったんだっけ……?)

 

「君にまつわる噂話を勝手ながら纏めたが……、随分と無茶をしているようだな?」

 

 夜にも開いている珍しい喫茶店。その店の中のテーブルを占める2つの影がそこにある。

 

 ナインは目の前におわす王族妖精(ハイエルフ)から視線を外すことに尽力していた。

 

 その顔には脂汗が大量に流れているとか。

 

 

 

 

 

*1
ナインは食べ歩きの気分。




 火力的に火→炎→焔って感じる今日この頃。

 ヘディンは気合と殺意で1日で復帰しました。
 帰ってきたら殺意剥き出しの幹部連中がおり、文句を言って来たのでヘイズへの殺意が彼らにも向いてバトルスタート。
 しかし悲しいかな【フレイヤ・ファミリア】に最後まで連携することは不可能。最初はヘディンを囲っていた包囲陣は、邪魔と吐き捨てて戦車が暴走、中二病も爆発、小人たちも大はしゃぎ。
 そんなところへダンジョンで良い個体が見付からなかったと落胆気味なオッタル帰還。
 庭が荒れると注意すれば帰ってくるのは「脳筋は黙ってろ」という一言。
 これにはある程度温厚な猪も堪忍袋の緒を切る思い。そのまま原野へ大剣片手に参戦。

 本来であれば体力が尽き、傷塗れになれば終わるだろうその殺し合い。
 しかしそこに居たのは銀の聖女。可哀想なことに彼女の有能さにより、戦いは終わらないし、仕事も終わらなかったという。

 ヘイズならナインを膝枕をしたということで、女神に「今なら間接膝枕が…」。
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