FGO 異端特異点 B.C.12000 人類統一王権 ギョベクリ・テペ 円卓の女王   作:笑嘲嗤

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第1話 レイシフト

 私はただの夢見がちな男でしかなかった。ほら話を話しては人々に笑われるだけの日々。

 

「あら。面白いわね」

 

 その女は初めてそう言ってくれた人だった。まるで女神の如く美しい、でも儚い白い幽霊のような女。

 

「それでアーサー王はヴェディヴィエールに聖剣を託して!それでね!」

 

「そう。素敵なお話ね。うふふ」

 

「彼はかつての王にして未来の王なんだ!今もまだアヴァロンで妖精の姫たちと眠って、世界に帰ってくることを夢見ているんだ!」

 

「あらあら。壮大で、なんて悲しいお話なんでしょう……ねぇ」

 

「なんですか?!」

 

「あなたはその物語を書いてみないの?」

 

「だけど……これは私の、ただの妄想だから」

 

「いいえ。あなたの物語は素晴らしいわ。だからこの世に残す必要があるわ。書きましょう。英雄たちの。夢の物語を……。そして広めるの。世界に」

 

 それが私のターニングポイントだった。私はその日からただひたすら物語を書きなぐった。聞いてほしかった。彼女に。そして……まだ見ぬ世界の人々に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FGO 異端特異点 B.C.12000 人類統一王権 ギョベクリ・テペ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 またもダ・ヴィンチが頭を抱えている。いつものことだ。だけどそれはいつだって僕たちの世界を脅かす影なんだ。

 

「また特異点。しかも極めて危険。時代はB.C.12000のアナトリア高原」

 

「またとんでもない時代ですね」

 

 マシュが複雑そうな顔でモニターを見てる。バビロンだって霞むような遥か昔のようだ。

 

「まだ人類が狩猟採集をしていた時代ね。だけど文明の萌芽が出ている。そんな時代よ」

 

「想像もできない」

 

「ええ。だからこそ危険なの。アナトリアの新石器時代の遺跡は後にメソポタミアにもつながったと言われるほどの影響力を持っている。ここで蠢く何かは人類史を根本から覆しかねない。マスター」

 

「わかってる。行くよ。未来を守るために!」

 

 マシュと僕は気合を入れて準備を始める。

 

「この時代は人類が歴史を始める前。だからサーヴァントの召喚にもしかしたら不具合が起きる可能性があるわ。重々気をつけてね」

 

 

レイシフト・レディ。

 

目的地:B.C.12000 人類統一王権ギョベクリ・テペ

 

目的:特異点の解消、人類史の再起動。■■■の否定

 

 

 そして僕とマシュは特異点へと飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サーヴァントの召喚には確かに制限があった。だけどそれは思っていたのと違った。

 

「騎士ばかりだな。それに似た顔が二つもある。滑稽よのう」

 

 ギルガメッシュは並ぶサーヴァントの顔ぶれをみてやれやれと肩を竦めている。

 

「あの。あなたは……私ですか?」

 

「そのようだね。君は僕でもある」

 

 アーサーとアルトリアがお互いに睨めっこしている。まさかの同一人物の性別反転状態での召喚とは……。

 

「父上が二人もいる!?」

 

 モードレッドがなんか興奮している。まあそりゃ父親が二人もいたらねぇ。

 

「王が二人とはね。これもなにかの縁なのかな?なかなか興味深いね」

 

 マーリンがニヤニヤしている。

 

「どちらも私の王です!それでいい!」

 

 ランスロットが嬉しそうだ。

 

「まあ神話が混線するのはよくある話だろ」

 

「まあたしかに」

 

「私はフィン様と共に戦えて光栄です!」

 

 クーフーリンとフィンとディルムッドも円卓の騎士たちと共に来てくれた。

 

「さて調査からかな。と思ったら敵みたいだよマスター」

 

 マーリンが指さす方向に黒い影があった。それらは地響きを鳴らしながらこちらに迫ってくる。

 

「「「「「GWOOOOOOOOO!!」」」」」

 

「熊?熊の群れだ?!」

 

 サーヴァントたちが臨戦態勢を取る。

 

「熊?アーサー王が二人?……ああ。なるほどな」

 

 ギルガメッシュがなんか納得してるけど、とりあえず戦闘だ!

 

「全員!迎撃するんだ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

 熊は意外に強かった。バビロニアの魔獣レベル。ちなみにギルガメッシュは仕事しなかった。戦ってほしい。

 

「花の魔術師」

 

「なんだい英雄王」

 

 ギルガメッシュがマーリンにいつもと違ってなんか真剣な表情で尋ねた。

 

「物語の外側にいるとお前はいつでも断言できるか?」

 

「なんだい急に?私はそういう存在だよ。いつだって変わらないさ」

 

「そうか。まあいい。みっともないところだけは晒してくれるなよ」

 

 ギルガメッシュはそれだけ言って、霊体化して姿を消した。アーチャーの単独行動ってこういうときに厄介だよね。とりあえず近くに村がありそうなので、そこへ向かうことになった。

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