FGO 異端特異点 B.C.12000 人類統一王権 ギョベクリ・テペ 円卓の女王   作:笑嘲嗤

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第4話 選んだ過去

 クマトリアとかいう奴にどつかれてるギルガメッシュは放っておいて、僕はハンムラビと呼ばれていた英霊に話しかけた。

 

「あなたがあのハンムラビなんですか?」

 

「はい。そうです。僕はハンムラビ。君と同じく未来から来たってことになるかな」

 

 よかった。話は通じそうだ。

 

「この時代に何か問題が起きている。だから君は遥か未来から英雄たちを連れてやってきた。そう解釈しても構わないかな?」

 

「はい。出来れば僕たちの調査にきょうりょくしていただけるとありがたい」

 

「かまわない。協力するとも。人類史の危機なんだろうね。はぁ。情報のすり合わせをしたいんだが、もうギネヴィアには会ったかな?」

 

「知ってるんですね?!」

 

「知ってるとも、彼女が僕を召喚した」

 

「え?!そんな?!」

 

「召喚されてね。彼女と五人の男たちがいた。いずれも人類史に名を刻んだ英雄だろう。男たちはみんなギネヴィアと親しいようだ。というか彼女に従っているね」

 

「ギネヴィアが英雄たちを従わせている?」

 

「あとクマトリアもいた。で隙を見てクマトリアと一緒に逃げ出してきた。なにに利用されるかわからないからね。でなんかここら辺一帯に熊の魔獣ばかり出るから住民の保護をやってたんだ。まああの熊たち、人間は襲うけど、殺しはしないから僕の出番はあまりないんだけどね」

 

「僕たちは殺気立って襲われたんですが……」

 

「まあ優先順位の問題だろうね。クマトリア!制裁はやめてこっちに来てくれ!」

 

「わかったクマ!」

 

 ハンムラビがクマトリアを呼ぶとすぐにこちらにやってきた。

 

「クマトリア。こちらの方々と協力することにするよ。今この世界はどうやらピンチらしいからね」

 

「わかったクマ!文明を守るクマ!」

 

 クマトリアも味方になってくれるそうだ。

 

「この戯けどもが!よくも王の我を法などで裁こうなどと不遜なことを考えついたものだな!!」

 

 ボコボコにされてたギルガメッシュがこちらにやってきた。ああ、話がややこしくなるぅ。

 

「む?シャマシュ様の匂い?……もしかしてあなたはあの英雄王ギルガメッシュなのか?!」

 

 ハンムラビがギルガメッシュの真名を当てた!

 

「ほう。我の名を知っているのか、褒めて遣わそう。我を法で裁こうとしたことの償いは王の蔵でやってやろうとも」

 

 不遜だなぁ……。

 

「英雄王ギルガメッシュ……。一つ願いがある」

 

「ほう?この我を前にして願いだと?言ってみろ。どんなにくだらない願いでも、俺の手でその首を刎ねてやる」

 

 自分の手で殺す発言が敬意を最大限払ってるのまじでツンデレ。

 

「これにサインを……」

 

 ハンムラビが石板をどこからか取り出した。

 

「む?サインだと?これは我の叙事詩か?」

 

「はい!大ファンです!!サインくださいぃ!お願いします!!」

 

 あれ?なんだこれ?でもハンムラビってメソポタミアの英雄だからファンでもおかしくないのか?

 

「はっははは!愉快愉快!貴様!褒美をとらせてやる!誇りに思うがいい!」

 

 そう言うとギルはわざわざエアを取り出して、その先端でハンムラビの持ってた石板に自分の名前を書いてあげた。あーファンにサービスするギルガメッシュは英雄の鏡だなぁ……。

 

「ありがとうございます!この御恩は座に帰っても忘れません!」

 

「くるしゅうないぞ」

 

 ギル様ニヤニヤしてる。こうしてハンムラビは仲間になった。あとクマトリアも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。キャンプを設営した。大きなかがり火を起こしてその周囲にサーヴァントたちが集まって歓談……してない。空気が最悪です。

 

「せんぱい……すごく空気が。空気が重いです!」

 

 マシュなんか半分涙目だ。シリアスは今までいくらでもあった。だけどここまでひどい空気は初めてだよ。アーサーとアルトリアは並んでぼーっと火を見詰めている。円卓たちはばちばちに睨みあってる。ケルトランサーズもなんか暗い顔している。平常運転は武勇伝を王の蔵からサウナ取り出して一緒にハンムラビとサウナってるギルガメッシュくらいだ。なんかハンムラビがキラキラした目でギルの武勇伝を聞いている。

 

「なんでこんなに暗いクマ?」

 

「そりゃギネヴィアさんとかいう嵐が全部悪いんよ」

 

「ギネヴィアは優しいクマ。お腹減ってるとお菓子くれるクマ!」

 

「飼い慣らされてるぅ……」

 

 クマトリアはあほの子っぽいので放っておくとして、とりあえず円卓の騎士たちに話を聞いてみよう。

 

「みんな沈んでるとこ悪いけど、ってえー?!ガウェイン?!どうしたのその頭?!」

 

 ガウェインがつるつるに髪の毛が剃られている。モードレッドがバリカン持ってオラついてる。

 

「てめぇまであのビッチの浮気相手とかふざけてんじゃねぇぞ!!お前みたいなのが兄なの本当にはずいんだよ!!頭だけじゃなくてちんげも太陽みたいにきらきらにしてやろうか?!あん?!」

 

「落ち着いてよモードレッド。気持ちはわかるけどさぁ……まさか円卓にランスロット以外に裏切り者がいるとは思わなかったよね。うん」

 

「ほんとだぜ!マジでクソ!男って何?あんなビッチがすきなのか?!どう考えても馬鹿だろ!ばーかばーか!!」

 

「ああ。私は過ちを犯した……王に申し訳ない……」

 

 ガウェインが本気で申し訳なさそうにしてる。だけどランスロットもなんかキレてる。

 

「主君の王妃様に手を出すなどあなたは本当に騎士なのか!?恥を知れ!」

 

「君ブーメランしてるよ?我が身を振り返りなよ」

 

「だがマスター?!だがガウェインも!ガウェインも王妃さまとぉおおおお!ぎゃああああああ!!」

 

 不倫相手という点では同じ穴の狢では?

 

「どうしたのさ。普段の強火のアルトリア厄介オタクっぷりはさ!言ってたじゃないか!ぶっちゃけ王妃よりも王の方が好みだって!」

 

 ランスロットはなんだかんだとアルトリアに心を寄せていたところあるよね。まあ厄介ファンだけど推しとの距離は守ってたけど。

 

「マスター……私は嘘をつきました」

 

「はい?」

 

「やっぱり王より王妃様の方がいいです!!可愛いし!美しいし!もうなんかエロエロなんです!!」

 

「おいこら」

 

「わかるぞランスロット!!私もそうだった!あの色気はやばい!太陽よりも輝いていたエロさだった!!」

 

「比較対象がおかしいよ。なんでも太陽と比べるなよ太陽の騎士……」

 

「ぶっちゃけ嫁がブスなので、王妃様がさらに美人に見えてしまうのです。ふぅ。ベットの上の王妃様の艶姿……普段の清楚なただ住まいと違って……太陽のように燃えました」

 

「わかる!私も嫁のエレインより王妃様との情事がな……燃えた……」

 

「うわぁせんぱい。この人たち気持ち悪いです……」

 

 マシュがドン引きしてる。僕も引いてる。だけどなんかギネヴィアとのエロい思い出を思い出して男二人は悶えてる。円卓はもう駄目だ。

 

「……我が子ガウェインさえもあの軽薄な女の毒牙にかかっていた……私は何を信じればいいのでしょうか……」

 

「母上!あいつらがバカなだけだ!!気にするな!気にしちゃだめだ!!」

 

 モルガンが煤けた背中でお花に向かっておしゃべりしてる。妖精郷の威厳ある女王様がこんなに凹むとかどういうことなの……。

 

「モルガン……すまない。僕が間違っていた。彼女をアーサーの王妃に選んでしまったのが全ての誤りだったんだ……高貴な生まれだし、必要だと思ってレオデグランス王の娘を娶らせたつもりだったけど……あそこまで軽薄だったとは……すまない」

 

 やめて欲しいマーリンが本気で後悔モードみたいになってると世界が終わる。明日はメテオが降ってきそうだよ。中の人ネタではない。

 

「モルガン。落とし前は必ずつけさせる。だから元気をだしておくれ」

 

「マーリン。まさかあなたに慰められるとは思いませんでした……ふっ私もまだまだですね」

 

 話はまとまったけど、何か腑に落ちない。神話にはいつも落とし穴がある。アーサーとアルトリアはそっとしておいて、他の人たちのところへ向かう。

 

「クーフーリン。何か喋ってみたいだけど、何の話題だい?」

 

 ケルトランサーズが暗くそして真剣な顔で何かを喋っていた。そこへちょっと割って入った。

 

「マスターか。……今回の件だがな」

 

「なにかわかったの?」

 

「……俺たちはしばらく静観させてほしい」

 

「え?どういうことだい?」

 

「そのままの意味だ。ただ俺たちは見極めたいだけだ。確定していないことで混乱させたくない。そして多分、今回辛い目にあうのはアーサーとアルトリアだ。俺たちは黙って見守るほかねぇよ」

 

 そう言ってクーフーリン、ディルムッド、フィンは霊体化して消えた。なんだ?どういうことなの?

 

「マスター。ちょっとこい」

 

 ギルガメッシュが僕を呼んだ。

 

「サウナに入ることを許可しよう」

 

「はぁ。まあいただきます」

 

 僕は服を脱いで、ギルガメッシュのサウナに入る。

 

「なあハンムラビよ。アーサー王をそなたはどう解釈する?」

 

 ギルが酒を飲みながらハンムラビに尋ねた。ハンムラビは僕の顔を伺いながら言った。

 

「アーサー王ですか?……ギネヴィアの夫ですね。はっきり言っても?」

 

「よい。忖度はいらない」

 

「では。論外です。王ではありません」

 

 ちょっと息が止まった。理想の騎士王をハンムラビはばっさり切り捨てたのだ。

 

「くくく。そうだな。理想の王など子供の戯言よのう!」

 

「ギネヴィアを妻にしておいて、国を滅ぼしたのでしょう?よほどの無能でしょう。話になりません」

 

「ちょっと待って!アーサー王はギネヴィアが不倫をしたから国が割れて滅んでしまったんだよ!アーサー王は頑張ってたはずだ!」

 

「だからでしょう。ギネヴィアの夫になったのに、王としての器がなかった。それだけの話です。くだらないのですよ。ギルガメッシュ様。アーサー王などよりも出来れば例の蛇に霊薬をくれてやった話のところをもう一度!!」

 

「ふっ!仕方ない奴め!不死など蛇にくれてやったわ!!」

 

「くぅぅうう!流石です!すべてを見た人!最高の英雄にして王!かっこいいい!!」

 

 ハンムラビはギル様の強火ファンのようだ。だけど解せない。

 

「なんでギネヴィアの夫って言い方なの?アーサー王は王様で神話の主人公だよ?」

 

 僕がそう言うと二人はきょとんとしていた。

 

「それは当たり前だろう。だってギネヴィアは……」

 

「ハンムラビ。今は言うな」

 

「ギルガメッシュ様?」

 

「その方がよい。知識を得ても使えねば意味はない。自分の力で得た知識こそが本物だ。マスター。花の魔術師はギネヴィアを王妃に選んだと言ったのだろう?」

 

「うん。そうだったけど」

 

 僕がそう言ったらハンムラビが苦笑いした。

 

「あの妖精の魔術師の目は節穴なんでしょうか?……くくく。すみません。おかしくて笑ってしまいました」

 

「よい。思い切り笑ってやれ。物語の外にいると気取る虫けらの道化がようやくぼろを出すのだ。マスター。いいかこの先にあることをよく見ておけ。愉悦が待っているぞ」

 

「絶対にロクなことじゃないよね?」

 

「ふっ。だが面白いものが待っているのは間違いない。ギネヴィア。面白い女よのぅ。まあ妻には絶対にしたくないがな!ふははは!」

 

 愉悦部仕草はやめて欲しい。それで後の尻拭いをするのは僕やマシュなのだから。サウナの心地よい温もりに身を任せながら僕はこの先を憂いてため息を吐いた。

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