忍原来夏とはただの幼馴染みです………それだけですが? 作:グラビトン
感想欄のNTRエンターテイナー概念に笑いました。
『よ、よ、4体目の化身を南雲原の木曽路選手が呼び覚ましたぁぁあ!!まるで雷を纏う孤狼!西條選手のクララバニーと相対してます!!』
『なんて試合ですかこれは!?それぞれの限界を越えた覚醒をこうも呼び起こしている!初戦の勢いじゃありませんよ!?』
「やった、木曽路がようやく……!」
「木曽路、お前!!」
「うっそマジ!?木曽路が化身を出しちゃった!」
「凄い……かっこいい!!」
「見事だ……!!」
「木曽路、お前は唯一無二のモノを持てたんだな!!」
「待ちかねたぜ木曽路……!!」
最初の頃に集まったサッカー部の仲間が俺を見て驚ている、他の仲間達も、そして京前嵐山の奴らも……西條君も。
全身にこれまで感じたことの無い力を感じる、ビリビリと来るような高揚感が溢れ出る……これが、化身の力!
俺の化身、リュカオンの力だ!!
「なんだと、ソジ……お前が化身を!?」
「あぁ、結構かっこいいだろ?」
「ふざけんな!!お前みたいな脇役が、何故!?」
「脇役か……そうだな、今までの俺はずっとそれに甘んじてた」
1人になりたくないから、自分の心を殺して、笑顔を作って、それでも結局1人になって……それはきっと、俺が本当の心を晒してなかったから。
ただ周りに合わせれば良いだけなんて脇役根性じゃ、そりゃ誰からも見てくれない……だからこそ今!俺はここで感じた自分の気持ちをぶつけてやる!
仲間達を見て、お前達をみて、サッカーで熱くなるお前達に!
「でも……俺はもう脇役じゃない!このフィールドの主役は、俺が掻っ攫う!!」
「ッ………ソジィィィィィッ!!!」
「西條君ッ!!!」
化身の力を溢れ出す西條君とクララバニーが迫ってくる、俺はリュカオンと共に真正面からぶつかる!!
ボールを介して右足同士がぶつかり、互いに頭突きをして競り合い、化身同士が衝突する!!
『ここに来て化身対化身の熱いぶつかり合い!!目まぐるしい試合展開に観客席もボルテージが上がりっぱなしです!!』
『素晴らしい!両者ともに全力を尽くしている!!』
「ぐぅぅ、ぁぁっ!!」
「ううっ!ぉおおおっ!!」
クララバニーが槍で、リュカオンは爪で凌ぎを削り合いながら俺達は互いを吹き飛ばそうと右足に力が入れまくる。
三体の化身による共鳴の力があるとはいえ、体力が限界の状態でここまでのパワーが出せるなんて、やっぱ凄いや西條君……!
でも俺の化身は………南雲原みんなの力をひとつ纏めて作り上げたんだ、そう簡単に負けてたまるかッ!!
「うぉぉぉおおおおーー!!!」
「なっ、てめ、ぇっ!!」
「リュカオンッ!!」
《グォォォオオーーッ!!》
リュカオンが雄叫びをあげて全身に纏う雷が更に激しさを増し、クララバニーを槍ごと切り裂き俺は西條君を突破した。
「がぁ、あ………!」
「西條ッ!!」
俺は脇目も振らずに駆け上がる、敵は吹き飛ばされた西條君を見て驚き心配しているが俺は既に前しか見ていない。
クララバニーも消滅し、後半開始直後の化身共鳴の状態に戻っているハズだ……ここでもう一点とる、俺が取る!!
そして屋城さんはすっかり西條君の方を見ているから……あの人がその隙を見逃す筈がない!!
「………ッ!」
「……ぁ、しまった!!?」
『おおっと!屋城選手含めた3人の意識がそれてしまい、黒景選手に自由を与えてしまった!!』
あの人は3人を振りほどき前に出た、なら直ぐにでも追いついてやる!
屋城さんは少し迷ったが、ボールを持って化身使いとなった俺の方を選びウォーボーグが立ち塞がる。
「クソ!ここは、通さない……!!」
ディスペア・フォートレスの構えだ、どうする……いや、正面突破だ!俺のリュカオンなら!!
ボールごとジャンプしながらリュカオンの背中に乗る、ボールを加えたリュカオンは駆け抜けるスピードを上げて稲妻を纏い、ウォーボーグへ一直線に突っ込む!
「シップウ、ジンライッ!!」
「ディスペア・フォートレスッ!!!」
影を纏ったウォーボーグの盾と雷となったリュカオンがぶつかる、でももうアンタはあのかいぶつに神経削りまくってギリギリの状態だろ!そんな状態で、俺のリュカオンは止められない!!
「ぶち抜けぇぇぇッ!!」
「ぐ、が、ぁぁ、なぁぁ!!!」
屋城さんをウォーボーグごと貫き、その勢いのまま黒景先輩の隣に追いつく、これでもう化身は残り1つ、化身共鳴の効果もこれで消えた!ノリに乗ってるぜ!!
『木曽路選手、京前嵐山の化身2体をぶち抜いた!これで残るは化身使いは新黒選手のみです!!』
『とてつもない化身ですね!?今まで見てきた中でも随一の力を秘めています!』
「やっと楽しむようになったな木曽路!このまま俺が決めちまおうか!?」
「雲明の言ってたこと忘れてますよ先輩!俺が決めるに決まってるじゃないですか!!」
「でもあのアギラウスは硬いぞ、どうすんだ?」
「……じゃあ、アレとかどうですか!」
「アレか、乗った!」
1か月前の練習の時、先輩がふざけて俺にある技の提案をしてきた。
俺も体力作りの特訓には飽きていたところだったから乗って、形にはなったけど完成には至らなかったあの技……でも、リュカオンが発現して力が漲っている今なら……行ける気がする!!
ディフェンス陣を抜き去り、後は化身使いとなったキーパーだけ……ここで勝負を、決めてやるッ!!
「先輩ッ!!」
「何時でも来い!」
先輩が先に駆け出し、俺は保持していたボールに力を込めて回転させ中に浮かし、俺達は交互にそれを蹴り上げる!
「ジョーカー……!」
「レインズッ!」
「「うぉぉぉぉぉーーッ!!!」」
高まった力が宿った黒と白の輝きを放つボールを同時にシュートし、雨のように残光が敵ゴールへ降り注ぐ。
キーパーも覚悟を決めた表情で、アギラウスを使役する!
「ギガバイト!スクリューッ!!!」
激しき水流が必殺シュートを飲み込まんとして迎え撃つ、互いの力は完全に拮抗しておりどちらが決まってもおかしくない………いや決めるんだ、俺のゴールをここで決めてやるんだ!!
「行けぇぇぇぇぇぇえーッ!!!」
《ウォォォォォーーッ!!!》
俺の叫びに呼応するようにリュカオンの雄叫びが響き渡り、俺達の必殺シュートに緑の雷が宿り始め……徐々にギガバイトスクリューを押し出して行った。
「ぐ!?な、ちから、が、あ、っあがっ、なぁぁぁぁッ!!!」
完全に力負けしてアギラウスが貫かれ……俺達の必殺シュートが、ゴールネットに突き刺さった。
ピーーーーッ!!!
『ゴール!ゴール!!ゴーーーールッ!!!化身使いに覚醒した木曽路選手!その力でサッカーモンスター黒景選手と共に追加点を決めて突き放したーー!!』
『圧倒的大差の中更に突き放した………正しく南雲原は今大会の台風の目です!!』
観客席から大喝采が鳴り響く、俺は肩で息をしながら俺達が決めたボールをただ見つめていた……俺が決めた実感がじわじわと押し寄せる。
リュカオンは勝利の雄叫びと言わんばかりに天へ咆哮し、黒い影となりて俺の中へ戻って行った。
「はぁ、はぁ、はぁ……やった、やったぞ……!」
「木曽路!」
「……黒景先輩ッ!!」
溢れ出る達成感と喜びのまま俺達は勢いよくハイタッチを交わす、いつも無表情な先輩も笑っている……あぁそうだ、俺が求めてたのはこういう笑顔だったんだ。
無駄に笑わせようとしても見れなかった、でもこうして同じ気持ちで戦って、一緒に勝つ笑顔だってあるんだ……いや、今までもそれを見てきたのにこうやって改めて気付かされるなんてな。
………ありがとう先輩、雲明。
俺はやっと変われて、自分の事が好きになれそうだ。
「木曽路ーーーッ!!」
「あ、柳生せんばぁっが!!?」
柳生先輩の声が聞こえてきたので振り向いたが、同時にその腕で首を絞められて抱きつかれる、桜咲先輩まで来て俺の頭をわしゃわしゃして来た、その他諸々。
いや待って嬉しいけど待って苦しい苦しい!
「てめぇやりやがったな!!あんな隠し玉俺達に黙りやがってコノヤロウ!!」
「全部掻っ攫いやがって!やるじゃねぇか!!」
「凄かったよ木曽路君!!」
「待て待て苦しい苦しい!離れてぇえ」
「ははっ、大人気だな木曽路」
「流は全部知ってたの!?木曽路が化身使える事!?」
「あぁ、こうして使えるようになったのはこの試合からだけどな、こいつ信じられなくてさー」
「待って先輩それ言わないで恥ずかしいから!!」
振りほどいてカミングアウトしそうな黒景先輩を止める、そういうとこだぞバカ!!
「全くもう……でも、俺はやっと強くなれましたよ」
「ああ………待たせすぎだっての」
「へへっ、ま!サプライズ大成功っすね!」
「……そういう事にしとくよ」
呆れた笑顔を浮かべる先輩に俺も笑う、皆もそれに笑ってくれた。
やっぱ俺は、このチームが大好きだ………南雲原の為に、俺はまだまだ強くなれる!!
「木曽路の覚醒での一点、これは決定打と言っていい、時間的にも体力的にも相手の逆転は消えた筈だ」
「だね、僕らの勝ちは……………え」
「妖士乃、どうした?」
「………彼、まだ動けるのかい?」
突如言葉を止めた妖士乃先輩に訝しんだ黒景先輩はその視線を方をみて驚き、俺達もそこへ振り向くと……信じられないものが目に入ってきた。
「え………」
「………まだ…………まけて……ね、ぇ………」
既に死に体と言ってもいい、満足に身体が動かせない状態のはずなのに……西條君は中央ラインを越えて歩いてきた。
顔色も悪い、誰がどう見てももう試合ができる状態じゃない、もう気力だけで動いている…………!?
「えぇっ、まだ動けるんですか彼……!?」
「いえ、もう精神力だけで立っているのだってやっとのハズ……なんて執念なの……」
「西條………」
「さ、西條君………!」
京前嵐山のみんなもさっきまで項垂れていたが、諦めようとしない彼の姿に震えていた。
しかし、西條君は足を止めてふらつき始めた……やばい!?
「ま、だ………ぁ……」
「西條君ッ!!」
気づいた時には駆け出しており、前に倒れてしまいそうになった西條君を急いで抱き留めて、同時にゆっくりしゃがむ。
「大丈夫、西條君!?」
「……てめぇ……ソジィ………」
すると西條君は俺の胸倉を掴み、顔を上げた。
充血しており、顔色も悪い………その上で俺を睨みつけて、笑っていた。
「ぜ、んぶ………もっ、て………行きやがって………さいしょか………ら……そうし……と…ぅっ………」
「っ!西條君……!」
その言葉を残して西條君は気絶してしまった、こんな状態になっても勝とうとするなんて………俺にはない執念だ。
「………後はこちらで」
「あ、はい………」
涙目になりながら彼の仲間たちがよって来て、怪我人を運ぶ人達が彼を担架に乗せて消えていく。
『西條選手はやはり体力の限界でしたね、しかし最後まで闘志を燃やし続けてくれました!』
『はい、勝利への執念を感じる素晴らしいプレーでした!どうか彼に惜しみない声援を!』
その言葉を皮切りに観客から西條君を称える声や口笛が聞こえてくる、彼もまた……このフィールドでの主役だった。
そして京前嵐山のみんなもこちらを見据えている、流石に弱っているけど……まだ試合を続けようとする強い意志を感じる。
「……相手は最後まで、全力で俺達に立ち向かおうとしている、それに応えるぞ!南雲原!!」
「「「「「おうっ!!!」」」」」
伊勢谷先輩の言葉に強く返答する、さぁ……ホイッスルが鳴るまで全力で行くぞ!!
◾︎◾︎◾︎◾︎
ピッ、ピッ、ピーーーーッ!!!
『試合終了のホイッスルが鳴りました!スコア6-1で南雲原の勝利です!!フットボールフロンティア全国大会の幕開けを飾るに相応しい波乱の初戦でしたね、角馬さん!!』
『ええ全く!新たなサッカーモンスターの誕生、それに負けず劣らず食い下がった京前嵐山!素晴らしい試合を見せてくれた両校に感謝します!!』
「……ふぅ」
額の汗を拭い一息つく、文句なしの圧勝……俺の初試合が終わった。
観客席から送られる熱い声、フィールド上に立つプレイヤー達の熱いプレー……これが、俺がずっとやりたかったサッカーなんだろうな。
あー……すげー気持ちいい。
「流っ!」
「………おお、来夏!」
笑顔で駆け寄ってきた来夏とハイタッチを交わす、初めてだから当然だけど来夏とも同じグラウンドに立てて素直に嬉しい、彼女もそう思っていることだろう。
「初試合お疲れ様!でも流石にやり過ぎじゃない?私達の出番ほとんど無かったし、木曽路にも持ってかれたし!」
「まぁいいじゃんか、次でまた活躍すりゃいいんだ」
「じゃあ次は私とセットプレーする?」
「貴女がついていける訳ないでしょ?足を引っ張るのが目に見えてるわ」
「その台詞そのままお返ししますよ鞘先輩っ!!」
「おいおい、こんなとこまで仲良しすんな」
「「仲良くないっ!!」」
「ははっ」
桜咲の呆れた声にまた見事なシンクロを返す、変わんねぇな……ま、仲良しだしいいか。
「それにしてもマジで快勝だったな!まぁ殆ど黒景の手柄だけど」
「あぁ、正直全くプレーに着いて来れなかった……もっと練習積まねぇとな」
「俺も黒景の指揮を全然取れなかったからな、着いてこれるよう反省しよう」
「だね、もっと頑張らなきゃ」
「あーわり、全然チームプレー出来なくてさ」
「気にすんな、遅かれ早かれお前の全力のプレーに俺達が着いてこれるようにならなきゃ行けないしな」
柳生の言葉はありがたいけど、確かにこのままワンマンなのは行けない……俺はチームの一員として、次こそ連携を意識しないと……でも、前に笹波が言ったように、俺が無理してチームプレーを念頭に入れたら今までのプレーが出来なくなる可能性があるって言われてるしなー……どうしたものか。
次の試合までには、何か考えなきゃな。
「あのー先輩……1つ、いいですか?」
「ん、どうした古道飼?」
俺が考えていると、古道飼が恐る恐る俺に尋ねてくる。
なんかビクビクしてる……怯えてんの?俺にじゃないよな?
「先輩……笹波君が後半始まる前に伝えた事、覚えてます?」
「え?……あー、俺がシュート撃つなって話だろ?俺撃ってないじゃん」
「えっとその……木曽路君とのシュートは、どうなんですか?」
「あ」
…………そういえば、あの技自体は木曽路のモノだけど……最後には俺も連携で撃ってたな……あれ、これアウト?
「黒景」
「……伊勢谷?」
「キャプテンが笑顔で見ているぞ」
眼鏡に触りながら、伊勢谷は親指で俺達のベンチを指す。
そこには笹波が立って待っていた、確かに笑顔だ、なんだけど、あの…………目が笑ってないんですけど、その、え?あれダメなの?連携技よ?木曽路のシュートよ?あの………絶対あそこに戻りたくないんすけど。
「……木曽路、お前から何か言ってくんない?」
「えー?俺シュートする前に忘れてないか聞きましたよー?」
「忘れてなかったんだけどノリで……ていうかお前が誘ってきたじゃん?何か言ってくれマジで」
「……黒景君、観念しよう」
「え、四川堂?何俺と腕組んでんの?」
「大丈夫だ、初試合ということで何かしらの免除に期待しろ、無けりゃ知らん」
「桜咲?この展開で笹波が何かしらの免除なんて微塵も期待出来ないよ?待って、待って?心の準備をさせて?マジ戻りたくねぇよ俺」
「往生際が悪いかいぶつだな………逝ってこい」
「待って!?嫌ちょ、無理無理……!!」
「なっ、君何して!!?」
俺が全力で笹波の所へ戻ることを拒否していると、後ろから何か焦ったような声が聞こえた。
「ん?」
「なんだ?」
俺達は思わずその方向へ振り向く、すると遠くで審判の人が何か慌てた様子でたっており………その前にはボールを抱えた、緑のジャージを着た、女の子がそこいた。
毛量のある白髪、後ろに纏めたポニーテールを揺らしながら手に持ったボールを宙に浮かせて……俺に目掛けて、シュートしてきた。
「……は?」
◾︎◾︎◾︎◾︎
『試合終わったなーアリス?』
「そうだね、結果は予想通りと言ったところだが、中々読めない展開が続いて見応えがあったよ」
「呑気な事を言ってる場合か、次の試合は我々の勝利は揺るがないが……その次はアイツらだ、一筋縄では行かないなんてものじゃ無いぞ?」
「おいおいキャプテン弱気じゃないのさ、なーうさぎ?」
『星見沢の言う通りだヘボキャプテン!てめぇ勝つ気あんのかコラ!!』
「あるに決まってるだろ!?一筋縄では行かないと言っただけだ!」
「弱気な発言はうさぎに刈り取られるぜ……」
試合は終わった。
やっぱりあのかいぶつが勝った、当然だ。
あぁ………あぁ……あぁっ。
身体が熱い、心臓が跳ねてる。
居た、居たよ、神様はボクを見捨ててなかった。
やっと、やっと会えた、かいぶつが、円堂ハル以上のかいぶつが。
「やばい試合だったわね……南雲原、多分雷門より強くない?」
「それはまだ分からないけど、大袈裟でも無いかもね、どう思うヒカリ?」
「……………」
「……ヒカリ、あんたずーっと黙ってるけどどうした………ヒカリ?」
ボクは席から立ち上がる、確か……次の試合って帝国だよね?
ならもうすぐあのグラウンドに行くけど………その頃には、彼は消えてるよね。
あははっ、今すぐやりたい。
そう思いボクは。
2階の観客席から飛び降りた。
「え、ちょっえ!!?」
「おい、上からなんかひとが!?」
思いの外高低あったけど着地の際にバネを合わせて勢いを相殺し、そのまま階段を走り抜ける、他の有象無象がうるさいけどそんなの気にしない。
そして1階から降りてグラウンドの前に降り立つ、ボクを見た審判が驚いてる……あ、ボールあるじゃん。
「な、君何して!!?」
何か言ってるけどそいつからボールを奪い………あ、いたっ。
あのかいぶつを捉え、ボールを浮かせて、久々に強めのシュートを放つ。
迫り来るボールに彼は驚いてたけど、隣の2人を振りほどいて脚でそのシュートを受けて、ボールを軽く浮かして止めた。
あぁぁすごいっ、すぐ反応してすぐ止めた、すごいすごいすごいっ!!!
もっとみせて、もっと。
求めてやまないボクは遠くにいる彼との距離を。
2歩で縮めて、ジャンプする。
浮いたボールに隠れていた彼の顔が、ようやく見えた。
あぁ………目で分かるよ、肌がピリピリする。
かいぶつの、目だ。
ずっと求めてたかいぶつが、ここに居る。
「……おま、えは?」
「さぁ、ボクと」
かいぶつ同士の。
「サッカーやろうよ」
◾︎◾︎◾︎◾︎
かくして……天河ヒカリと黒景流は邂逅しました。
同じかいぶつ同士……ここから、彼らにとっての。
本当のサッカーが始まるのです。
そして遠くの島に居るもうひとりのかいぶつもまた、その日が訪れましょう。
木曽路兵太
目覚めたリュカオンでフィールドをぶった切り、主人公とジョーカーレインズをぶち決める。
ここから更に活躍させる予定……あれ?木曽路はやはりヒロインだったのか?
因みにゲームで木曽路がシップウジンライを使うとサンライズカーニバルと対の絵が見られるからみんな使ってみよう!
天河ヒカリ/黒景流
お前も、かいぶつか。
次回、帝国のサッカーモンスター出陣。