忍原来夏とはただの幼馴染みです………それだけですが?   作:グラビトン

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ここから特訓描写+チームの様子を両陣営描いて、そこからやっと準決になります。


勝利を見据えて 南雲原side

「……‪…帰ってきたなぁ、南雲原」

 

「ですねー、一気に実家感が押し寄せて来ましたよ」

 

「まさか準決勝前にしてここで特訓するとは、僕も思いませんでした」

 

俺の呟きに木曽路と古道飼が同意する、そう………俺達はフットボールフロンティアの開催地から一度離れてこの南雲原に帰ってきていた。

 

サッカー協会から支給されているスカイクラフトっていう乗り物に乗ってチームごと飛んできたのだ、いやーこんなもんまでしてくれるとは太っ腹なんてもんじゃないな。

 

そもそも何故、大会中にも関わらずこの南雲原に帰ってきたのかと言うと………笹波曰く、僅かなデータも帝国側に見せたくないとの事。

 

準決勝前まで南雲原のグラウンドのみで特訓を行い、相手のデータ内の予想を越えて齟齬を起こさせる。

 

この南雲原内ならSNSも学校の者のやり取りで外に漏れることは無く、もしもサッカーに関することを外に漏らしたら厳罰するなど、会長さんが厳しくやるそうだ、頼もしい。

 

まぁそういうことで、なんかいきなり全国大会って感じがしなくなってきたけどここで改めて対帝国に向けての特訓が開始されるそうだ。

 

俺達が話をしているとグラウンドに集合しているみんなの前に、笹波とマネージャー達がやってきた。

 

「みんな聞いて、今日からこの南雲原にサッカー部は合宿という形で泊まることになっている、僅かな時間も減らしたくないからね」

 

「マジか、この学校に泊まり込みか」

 

「おーいいじゃん、そういうのあんまり無かったよな」

 

「遊びじゃないんですよ先輩方、飛び立つ前に言っていたチームを作るにはこうやってこのホームグラウンドで改めてチームの関係を深める意図もあるんですから」

 

「おーなるほど………俺別にみんなと仲悪い訳じゃないよな?」

 

「黒景先輩の場合自分のプレーに集中し過ぎてチームのこと忘れてるんですよ、もう僕は先輩に普通のチームプレーをさせるのは前々から諦めてました」

 

「えぇ?」

 

そ、そんなきっぱり………まぁ俺もぶっちゃけどうすりゃいいか分かんないし……でもどうするつもりなんだろ、帝国に勝つチームプレーって?

 

「まず帝国に勝つチームを作るにあたって、その要となる人物を話します」

 

「要………?伊勢谷か?」

 

「俺じゃないぞ星、俺はチーム全体の指揮だ」

 

要となる人物………そんな奴がこのチームに………ん?もしかして……?

俺は後方にいる木曽路に目を向ける、目線が合った木曽路は瞬きをしながら首を傾げてる、そんな所に笹波が声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「『つなぎのソジ』木曽路兵太……君が黒景流と南雲原を繋ぐ楔になるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はぁぁああーッ!!?」

 

言われたことが一旦飲み込めず、理解した木曽路は過去最高の大声を上げながら笹波の言葉に驚いた。

 

それは俺を含めたみんなも同じだ、それとその大声にも。

 

「き、木曽路が黒景とチームを繋ぐ楔!?どういう事だよ雲明!?」

 

「さっきも言いましたよ桜咲先輩、彼がつなぎのソジだからです………彼の個性はチームメイト間の動きを補うプレー、その調整力は周囲の力を纏めあげて化身を作る程の高さ、それを活かして黒景先輩を周りに同調させるんです」

 

「いや、いやいや!言ってることは分かるけどどうやって!?確かに俺は化身を使えるようになったけどさ、流石に黒景先輩のプレーに着いてこれる自信はないぞ!?」

 

「木曽路のやる事は彼のプレーに着いていくことじゃない、皆のプレーを彼に繋げることだ、君自身無自覚かもしれないけど………このチームの中で黒景先輩とプレーの相性が良いのは君なんだよ」

 

「え?なんで………」

 

「初戦の5点目、君は黒景先輩とジョーカーレインズを決めてみせたじゃないか」

 

「あ、確かに……あれって黒景が合わせたんじゃないの?」

 

「ん?まぁ合わせたけど、あれは練習あっての事だし、木曽路のプレーの癖とか本戦前の特訓で1ヶ月間無意識に染み付いてたのかも、あの技自体俺が勧めたものだし」

 

「そう、木曽路に化身を習得させたのはもちろん本人のパワーアップも理由の一つだけど、元来持っている同調力の強化と黒景先輩との連携補強も視野に入れてたんだ、そしてそれは大成功だ………まぁ連携技に関しては僕何も知らなかったんだけど」

 

「え?マジで黒景先輩俺にふざけて教えたの?」

 

「うん」

 

あの人が所属してた雷門の司令塔とストライカーが使ってた技だし、どうせなら使ってみたいなーとは思ってたんだ、それが幸を奏したのなら結果オーライだ。

 

「木曽路には今後、忍原先輩や小太刀先輩の様なコンビプレーを黒景先輩とやってもらい、適宜彼とチーム間のプレーの補強も行ってもらう、これは必ずするんじゃなくて、先輩一人の時に不利な状況になりそうだったりする時に戦況の判断を君にもして欲しいんだ」

 

「いざと言う時は俺や空宮が2人とチーム全体に指示を出す、変則的なチームプレーにはなるかもしれないが、帝国側を混乱させるにはうってつけな筈だ」

 

「お、俺が先輩とコンビプレーを……?」

 

「うん、はっきり言って黒景先輩がチームとして繋がるかどうかは木曽路に託されたわけだ」

 

「いやいやハードルとプレッシャーあげないで雲明!?」

 

「必要な事だからね………でも」

 

「……でも、何?」

 

「以前の木曽路なら、もうここで断ってるはずだよ」

 

「あ………」

 

木曽路もここまで自分がやれるかどうか分からないとは言っていたが………無理だ、俺には出来ないと弱気な否定をしていなかった。

 

心のどこかでやらなきゃならないか、やってみたいって気持ちがあったのかもしれない……俺は全然木曽路と組むのはOKだけどな、それで俺が南雲原と真に繋がれるなら喜んでやるし。

 

「……えーっと、黒景先輩はどうなんすか」

 

「ん?俺はお前と組むのに異存なんて無いけど?それでチームが纏まるんなら」

 

「まぁそう言うと思いました………いやー、責任重大じゃん俺」

 

「木曽路、それでもやってくれるね?」

 

「ふー………分かった!やるよ雲明!」

 

意を決したのか、木曽路は目を開いて雲明に強くそう言った………うん、化身使いになってから自信が溢れてるな。

 

「よし、皆さんも帝国学園のデータの範疇に収まらないように、新しい必殺技や自身のステータスを伸ばしたりする事を目標とします、黒景先輩の力を存分に活かし、そして決してワンマンではなくチーム全体の力で勝つ南雲原で、次の準決勝に挑む所存です」

 

「何度も言いますが次の試合は我ら南雲原にとって最難関であり、最大級の戦いが待ってます、それでも……みんなで勝ちましょう!!」

 

「「「「おおおっ!!」」」」

 

「負けたら黒景先輩持っていかれるので後の事考えたら色々地獄なのでマジで勝ちましょう!!!」

 

「「「「「お、おおおっ!!!」」」」」

 

「さぁこんな超ハードモードにしたクソボケ女誑し先輩を今ここで再び袋にしましょう!!!!!」

 

「「「「うぉぉおおおぉっ!!!!!!!」」」」

 

「なんでぇ!?」

 

笹波の言葉を皮切りにチームメイトほぼ全員が俺に襲いかかって来たので俺はすぐさま逃げ出した。

いや確かに俺のせいだけどさ!!

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

仲間たちに追いかけ回された後、改めて帝国戦に向けての特訓を開始した。

俺は木曽路とのペアを組んで改めてチーム間の動きの共有を頭に叩き込み、仲間達は個人のスキルアップと新しい必殺技の開発。

 

帝国学園に対するタクティクスの確率などやる事は山積み。

 

俺のやるべき事はやはり基本的にはヒカリとのマッチアップ、ひとりで対抗出来るのは俺しかいないし、抑えなければこちらのチームを壊されること間違いなし。

 

しかもあいつは俺と違って最低限以上のチームプレーが出来る、これも帝国の徹底した組織プレーの成せる技だろう。

笹波は俺に次の試合で求めることは以下の通りだ。

 

 

 

・基本的には自分のプレーを貫いていいが、仲間の事は脳内に留めておく。

 

・木曽路が近くにいる時はそのプレーに同調する。

 

・ぶっちゃけ自分でこれで勝てると思った方に行動すればいい、突飛な事をしなければ目を瞑る。

 

 

 

………最後がやたら雑な気がするが、笹波なりの配慮だろう。

 

ていうか俺が全然周りと同調出来てないのがいけないから何も言えない、ていうかヒカリを刺激してしまったせいで更に大変になってしまったし。

 

 

………そして日も暮れて、今日の南雲原での合宿一日目の特訓は終わり、その後はみんなでカレーを作り思い出を振り返りながらワイワイはしゃいでいた。

 

初めての全国大会、サッカーやってて良かったとか色々と……まるで次か決勝の様な雰囲気になってしまってるが、そこは笹波が喝を入れた。

 

…………そして時間は過ぎて、もうすぐ就寝時間となる頃……俺はサッカー部の部室前にまでやってきていた。

 

「ふぁぁ………なんだってんだい、あいつ……」

 

眠気を抑えながら部室に近づく、ここに来た理由はある人物から呼び出されたからだ。

扉を開けて、ベンチに座るその人がすぐ視界に入った。

 

「……誰にもつけられてないよね、流?」

 

「ん?多分……」

 

「多分って、もー……ほら早く閉めてよ」

 

「へい」

 

俺を呼び出したのは来夏だ、久々に二人で話をしたいとの事で断る理由もなくやってきた、言われるままに扉を閉める。

来夏は自分の隣の席をポンポンと叩き、俺は促されるがまま来夏の隣へ座った。

 

……確かに全国大会が始まってからこんな時間なかったような気がするな、みんなそれぞれ忙しかったし、俺は初戦前は木曽路に付き合ってたからな。

 

「やっと2人っきりだね、流」

 

「だな、全国大会以前はなんか何時も居たからなー」

 

「鬱陶しかった?」

 

「別に?慣れてるし」

 

「そーですか、私は面倒臭い女ですから」

 

「また面倒くさモードになってるぞー構ってちゃん」

 

「悪い?」

 

そう言うと俺の肩に頭を乗せてきた、うん知ってた。

……別に嫌じゃないし、俺も来夏といるのは好きだし、何よりまた離れようとしたら絶対取り返しがつかないことに………いやまて、仮に負けたらどうなるんだこいつ?

 

ヒカリと約束した以上守んなきゃいけないし、その場合どうなるんだろう来夏は………あれ?俺もしかしてとんでもないことしてしまった?

 

「………ねぇ、流」

 

「へい?」

 

「なんで、そんな約束したの?」

 

「………負けたら帝国に行く話?」

 

「うん」

 

「…………成り行きと勢い」

 

「バカ、私の事頭の中から消えてサッカーしか脳のないバカ、クソボケ、信じれらない、嘘つき」

 

「ごめんて、でも勝てば良いんだって」

 

「そういう問題じゃない………その約束をする時私の事、絶対忘れてたでしょ?」

 

「……………へい」

 

「さいってー、私が居なくても問題ないもんね、流は」

 

「ごめんなさいです」

 

「許さない、墓まで持ってく恨みが増えたから」

 

「うっ………」

 

やべぇ、100俺が悪いから何も言えない。

逃げないと言ったそばからこれだ、まじで勝ちに行くつもりだけど万一負けたら恐ろしいことになるかもしれない……くそっ、勢いであんな約束するんじゃなかった、なんで受け入れた俺?その方がヒカリのテンション上がるとか思っちゃったのか?

 

いずれにせよバカの所業だ、サッカーバカ過ぎた。

 

「えーっと、怒られてますか来夏さん?」

 

「それ以外ある?」

 

「どうすれば許して頂けるのでしょうか?」

 

「許さないから意味無い」

 

「えぇ………」

 

「………撫でて」

 

「え?」

 

「……撫でてってば」

 

「……へい」

 

命じられるままに頭を撫でる、すると来夏は段々と耳が赤くなっていった……これしたら照れるだろ、お前。

 

「………ねぇ流」

 

「うん?」

 

「……天河ヒカリって、どんな子?サッカー以外ではどんな子なの」

 

「どんな子か………まず大食らい、ラーメン一緒に食べてたんだが滅茶苦茶な量を食べてたな」

 

「ふーん……」

 

「あとやたら人懐っこい感じがした……そんくらいかな?」

 

「君は何をしたの、その子に」

 

「……言った通りだよ、負けを知らないから負けさせて、勝ちたいって思わせた、それだけ」

 

「………強くさせるために、か………私もその子くらいの強さがあれば、流が私を見る目が違ってたのかな」

 

「いやそんな……来夏は来夏のままでいいよ、強いとか弱いとかじゃなくて」

 

「…………」

 

「俺より明るくて人を惹きつけるお前が好きなんだよ、そこにサッカーは関係ないって………勝手な約束して悪かったよ、お前から離れようとした俺が悪かった、俺は何処にもいかないからさ」

 

「………うん……絶対、勝とうね」

 

「もちろんだ、一緒に勝とうぜ」

 

「うん……負けたら襲う」

 

「おう……はい?」

 

「仮に負けたら、コテージで今度こそ襲う」

 

なにか世迷言を呟くと、来夏はいきなり俺の膝に乗っかって、俺の顔に両手を添え………来夏はその顔を近づけて視線を合わせられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞳は何処までも昏く淀んで、俺以外を写しておらず、普段の明るさなど何処にもない闇がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

「……ら、らい、らいかさん?」

 

「負けたらその時点で遠距離恋愛始めて、毎日電話掛けるから、お義母さんにはいざと言う時の許可はもう取ってるから」

 

「(何を許可してんのあの母親ッ!?)」

 

「大丈夫、勝てば何もしないから、負けたら全てのしがらみ無視するだけだから」

 

「待ってください全面的な否は俺にあるのは認めますからどうか思いとどまって?俺らまだ中学生だよ?」

 

「負けたら知らない、あの女に渡すくらいなら襲う」

 

「なんで!?ヒカリは別にそんなつもりは無くね!?」

 

「嘘だ、今の流ならその日あった女の子すら落とせるもん」

 

「サッカーして負かしただけだよ!!」

 

「それだけでなんで帝国に来いなんてなるの?」

 

「え、いや……えっと……分からん……」

 

「…………でも、あの子可愛いよね……年下が好みなんだ流は、自分から誘ったもんね?木曽路の時だって私置いて渋谷デートしてるし、なんで?なんで?私じゃだめなんだね?ねぇ目を逸らさないでよ、ねぇ?」

 

「た、助けて……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、盗み聞きされてた鞘さんから救われました。

とりあえず次の試合、改めて死ぬ気で勝とうと思いました。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

帝国学園との試合まで、後4日。

前日までにはまたサッカーガーデンに行かなきゃいけないから、実質3日半といったところか。

 

僕ら南雲原は1秒も惜しまずに特訓に励んでいた、身体のレベルアップを施しつつ、新しい必殺技、帝国の完璧なタクティクスに対する戦術、天河ヒカリの対策、それぞれの役割を果たすべく練習は続く。

 

 

僕はそれぞれの特訓をしている箇所を見て回っていた。

 

 

まずは元北陽のキーパー、陣内先輩から。

 

「……どうですか?グラビティデザートの進化技の進捗は?」

 

「あ?笹波か……何とか形にはなってるし、イメージも脳内で出来ちゃいるんだがなぁ、こうなりゃがむしゃらに完成までやり続ける他ねぇな」

 

「そうですか」

 

グラビティデザートの領域風圧を全体的にではなく、シュート1箇所に凝縮させて威力を極限に高めた技。

 

四川堂先輩の新しいキーパー技が静の極地なら、陣内先輩の新しいキーパー技は剛の極地と言ったところだ。

この先四川堂先輩1人にキーパーをやらせるのも負担は大きい、彼にも是非頑張って欲しいところだ。

 

 

 

 

 

 

次に古道飼君、古手打さん、妖士乃先輩DF陣の元へ赴く。

守りの要たる3人、まず古道飼君にはダンシングタートルを強化して欲しいと言ったけど………。

 

 

「海神・ザ・クエイク!」

 

「おお古道飼君すっごい!!」

 

「あそこから海坊主を召喚とは、中々のイリュージョンじゃないか!」

 

 

なんかもう完成してた、早いな……いや喜ばしいことだ、正直もう少しかかると思っていたから。

 

「見てたよ古道飼君、やるじゃないか」

 

「あっ笹波君、うん出来たよ!黒景先輩の助言で一気に完成したんだ!」

 

「へぇ、どんな風に言われたの?」

 

「もっと滅茶苦茶回転させたら行けるって!やってみたら出来たんだ!」

 

「そ、そうなんだ……」

 

一見適当なアドバイスに聞こえるが、先輩はそう感じたから彼にそう言ったんだな、なら何も言うまい。

………それにしても、彼は黒景先輩に対してはどう思っているんだろう?当初は忍原先輩目当てでこのサッカー部に入るくらい彼女のファンだが、その幼馴染みである黒景先輩の事を、彼はどう見てるのか………聞くべきだろうか?見た感じ悪い印象は持って無さそうだが。

 

「……いきなりなんだけどさ、君は黒景先輩の事をどう思ってるの?」

 

「え?なんで?」

 

「君って忍原先輩の大ファンだからさ、その幼馴染みである彼はどう感じてるのか気になって」

 

「うーん………サッカーじゃ凄く頼りになる人かなー、最初は確かに羨ましいとは思ってたんだけどさ……なんか……」

 

「なんか?」

 

「来夏さんって………違う意味で意外と重そうだから大丈夫かなって、今は心配が勝ってるかも……」

 

あははと苦笑いを浮かべる古道飼君に、僕も愛想笑いを返すしか無かった……重そうじゃない、重いんだよ彼女。

しかしマイナスな印象が無いのはホッとした、アドバイスを快く聞き入れるくらいだから問題ないだろう。

 

 

そして新技の開発にも成功してる……しかし、これだけでは足りない。

 

 

「古手打さん、妖士乃先輩、少し来てください」

 

「なに雲明君?」

 

「僕も伊勢谷君との新技を作ろうとしてるんだけどね?」

 

「大事なことなんです………今からDF3人に、天河ヒカリ対策の連携技を習得して貰います」

 

「「「!?」」」

 

完全に封じるとまではいかないけど、これなら少しでも攻撃を軽減できる筈だ。

 

 

 

 

 

 

次に忍原先輩と小太刀先輩、仲良し2人は…………。

 

 

 

「盗み聞きとかサイテーですね鞘先輩っ!!」

 

「幼馴染みを襲う宣言してた頭お花畑に最低とか言われたくないわね!!」

 

「嫉妬ですかー!?添い寝もキスもしたことない負けヒロイン先輩っ!!」

 

「そこまでやっておいて進展しない貴女は可哀想ね!相手にされなくて!」

 

「あぁぁラインこえた越えちゃいましたね!天河ヒカリの前に倒してやる!!」

 

「やってみなさいよアイドルさん!!」

 

 

 

 

仲良しで結構だ、うん。

 

 

 

そして次に簡易的なサッカーバトルをしている木曽路、征、桜咲先輩、品乃先輩、柳生先輩、伊勢谷先輩、四川堂先輩。

 

四川堂先輩がキーパーをしており、その前には柳生先輩、桜咲先輩が立ち塞がっており、そこに木曽路と品乃先輩と伊勢谷先輩がトリオとなって攻め込んでいるのだが……………。

 

 

「うーん……うーん?なんだ、うーん……」

 

「何を唸っているんだ木曽路、行くぞ!」

 

「あ、はいすみません!」

 

 

どうにも、木曽路の様子が変だった。

体調不良と言うわけでも無さそうだが………どうしたんだろうか。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

帝国戦に向けて特訓をしており、俺は先輩方とサッカーバトル的なトレーニングをしているのだが……なんだか、俺はさっきから余り集中できなかった。

 

体調が崩れてる訳じゃない、気分が悪い訳じゃない。

 

何故そうなってるか、理由は一つ…………。

 

 

 

 

 

 

《グルル…………》

 

 

さっきから、俺の化身リュカオンが唸りっぱなしなのだ。

今発現させてる訳じゃないのに、狼の威嚇するような声がさっきから脳内に響いて集中出来ないんだよ……ちょっとどうしたんだよ、なんでさっきからそんな唸ってんのお前!?

 

「(なに?何を言いたいのお前?今回簡単なバトルだから化身出す訳には行かないんだよ、分かる?)」

 

 

《………グルルゥ》

 

 

「(なに?出たい訳じゃないの?何言いたいの?話せないの?)」

 

「木曽路何してる?始まるぞ!」

 

「は、はい!!」

 

伊勢谷先輩の掛け声に咄嗟に返事を返し、マネージャーさんがホイッスルを鳴らすと同時にボールが俺に手渡され、伊勢谷先輩と品乃先輩と一緒に前へ出る。

 

さてあの二人を掻い潜って、四川堂先輩に向けてシュート……必殺技は無しでな、さーどうするか、今の俺なら抜けるかな……?

 

 

《グガァァッ!》

 

 

「うるせーなさっきから!何させたいのさ!」

 

「なんだ、どうした木曽路?」

 

「あいやすみません!独り言です!!」

 

思わず口に出てしまって品乃先輩に訝しまれる、くっそー……でも出たがってるわけじゃ無いんだよな?なら何を伝えたいんだろ…………ていうか、なんだ?これ……?

 

「(なんか見えるな………これもしかして、俺が化身を生み出そうとしてた時に感じ取ってた気の流れ、だよな?)」

 

敵となってる4人と、味方の2人から糸のようなものが纏まりついているのが目で見えているような気がする、でもなんで今見えてるんだ?

これは化身を生み出す為に感じ取ろうとしたものだから、今見えても意味ないんじゃ……?

 

《………グルァ……グルル……ッ!》

 

「(……なに?お前が見せてるのこれ?……あれ、でも、なんだろ……?)」

 

俺をマークしている空宮先輩に浮かんでいる気の流れが変わりゆくのを感じる……右………いや、左か!?

 

「ふっ!」

 

「…えっ!?」

 

完全に意表をつかれたのか、空宮先輩は声を上げて抜き出された事に驚いていた。

 

周りも俺一人で抜くとは思わなかったのか驚いている、今俺でも驚いてるよ!そし四川堂先輩に……あれ?なんか見えなくなってんだけど?あれリュカオン?

 

「………ったく、そりゃっ!」

 

とりあえずシュートを打つ、それなりのコースを狙ったけど四川堂先輩は簡単にそれをキャッチした。

 

「ふぅ、まさか一人で抜け出すとは思わなかったよ木曽路君」

 

「あーいや、俺も行けるとは思ってませんでした」

 

「えーなに?俺を突破したのは偶然?」

 

「………偶然………なのかな、違う気もするんだけどな………」

 

「……木曽路どうしたんだ、さっきから様子がおかしいぞ?」

 

「いや、その……リュカオンがさっきまで唸ってたんすけど……」

 

「リュカオンが?出てないよな?」

 

「お前、どうしたんだ?」

 

「………どうしたんすかね?」

 

頭を掻きながら、自分でも分からない疑問を抱いていた。

………心の内では、未だにリュカオンは低い唸り声を上げていた。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「木曽路………?」

 

何か様子がおかしいと思えば、征を一人でフェイクやシザースもなしに一発で抜いて見せた、シュートはそのまま四川堂先輩に止められたけど。

 

正直化身無しじゃあの二人は差はあると思うけど、何が見えてたんだ、木曽路?

 

………化身使いに目覚めて、自分を抑えるのをやめて、何か隠された力が目覚めようとしてるのかな。

 

「……あれ、ところで黒景先輩何処に行ったんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来い黒景!思い切りな!!」

 

「OK陣内、とりあえずゴッドウィンドで」

 

「殺す気か!!!」




黒景流
負けたら帝国に行くまで襲われる事決定、ヒカリに壊される前にぐちゃぐちゃ(意味深)されちまうよー。


陣内 伍兵
ゲームじゃ対戦した後出番が無かった人。
グラビティデザートを進化させる為奮闘中。


木曽路兵太
主人公とペアを組み、チームと繋げる大役を仰せつかった。
心の内でリュカオンが唸り続け、なんか相手の先が少しだけ読めているような……?


笹波雲明
目指すはチームプレー&黒景流がぶっ壊すプレーの融合、完璧じゃなかろうが互いをより信じあって勝つチームを目指す、どうせ言うこと聞かないしね。

ここまで進みましたけど、見たいのは?

  • やっぱり来夏
  • ここまで来たらサッカー
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