忍原来夏とはただの幼馴染みです………それだけですが?   作:グラビトン

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早いし突然だがバレンタインの時間だ!
……いや帝国戦は長引くかどうか分からないので、今のうちに季節ネタをやろうという奴です。

時系列的にはフットボールフロンティア後という事になってますが、その辺は暈しますのでネタバレ等は気にしないでください(少しだけあるかも)

もしかしたら有りうる未来のひとつとでも思ってください。


《番外編》バレンタインで軽くパニック

2月という月に、皆が連想するものは何か。

人それぞれだろうが………俺らと同じくらいの歳の人達はやっぱりバレンタインだろう。

 

まぁざっくり言えば親しい人や好きな人にチョコを送るというアレだ、さっき買い出しに行ってる時にチョコ関連の品がスーパーにずらーっと並んでいて、それを買う女性の人達が多かった。

 

なんでチョコなんだろうな、なんて考えてたりする………まぁどうでもいいけど。

 

「うー寒い………寒すぎる………」

 

スーパーで買った日用品やら食材やらチョコやらが詰まったマイバックを引っ提げながら寒空の下を歩く。

呼吸をしたら白い息が出て、それが更に寒さへ拍車を掛けた。

 

厚着してるのになんでこんなに寒いんだ、マジでもうホントに………寒いの苦手なんだよ俺………て言うか、そもそも本来買うのは日用品だけでこんな色々買う予定は無かったのに、買う物が増えすぎた………。

 

今頃俺の暖かい家でゲームをやっているであろうあの天邪鬼の顔が脳裏に浮かぶ、ったく………まぁ良いけどさ。

 

「にしても………バレンタインか」

 

家から出る前にようやく気づけた、明日は学校が休みだけどバレンタインの日だ………そして、来夏からは毎年チョコを貰っている。

貰い始めたのは小4位の頃からだっけ、その時はチョコのお菓子とかを貰った。

中一になるとやたら気合いの入ったラッピングをした箱を差し出してきた、手にも切り傷とか見えてたっけか。

 

その時食べて美味いと、忌憚のない意見を言ったが何処か残念そうな感じだったな今思い返すと………今年も多分チョコ来るのかな、今の所全然連絡ないけど。

 

別にチョコは嫌いじゃない、甘すぎると少しアレだが。

 

去年の来夏は俺以外にも野郎共にチョコを配ってたなー、数量限定でめちゃくちゃ群がってたのは今でも覚えてる。

 

そんな中周りとは違うチョコを俺は貰ったのだが………嬉しいってだけ言ってたら伊勢谷と妖士乃から。

 

 

 

『お前正気か?』

 

『それはないよ君、見え見えのタネじゃないか』

 

『何が?多分配ってるアレも軽い手作りだろ?』

 

『『………はぁ』』

 

 

 

 

めちゃくちゃ呆れられてたな……今ではその意味が分かるけど。

 

その後来夏は少しの間拗ねてた、あの時はなんでだとかしか思えずご機嫌取りに必死になってたっけ………ていうか今年はどんなチョコ来るんだろ、多分手作りなんだろうけど…………そういや鞘さんも去年は義理チョコ貰ってたっけ、ならあの人も来るのかな………。

 

「………ま、別にいっか」

 

貰えるなら貰っておこう、まぁそれ以外の事に関してはその時に考えておこう……そんなこんなしてると、マンションの入口まで到着した。

 

エレベーターであがり、俺の家の前まで歩き、鍵を開けて中に入る………あったけぇ。

靴を脱ぎながらリビングを見る、何時もなら消して出てるが………生憎客人がいるからだ、テレビからゲームの音も聞こえる。

 

マイバックを持ちながらリビングへ歩き…………ゲームをしているその白い髪の女の子に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

「砦の下は、よし刃ちゃん………あーもうまたお前かよ兆し!しかもガッツリ範囲外じゃんうざ!」

 

「………おーい」

 

「んもーしかもこっち近距離キャラしか居ないし!こいつ悪意あり過ぎだろ!」

 

「………ヒカリー」

 

「あっおかえり先輩、今ちょうどいい所だから邪魔しないで」

 

「(…………すっかりハマってんな)」

 

買い出しに出る前に勧めたゲームにどっぷり浸かっている帝国のサッカーモンスター、天河ヒカリの姿を眺めながら俺は買ってきた食材を冷蔵庫に入れる。

 

………何故、東京に住んでいるコイツが九州の長崎に来ているのか?それは昨日の夜、突如として俺のスマホにヒカリが電話してきたことがきっかけだった。

 

 

 

『先輩、明日暇ー?』

 

『え、まぁやることないけど………』

 

『じゃあ明日そっちに泊まりに行くねー、後一緒にバレンタインチョコ作ろ?』

 

『はい?え、いや待てヒカリ、まて!?』

 

 

 

いきなり電話してきてまるで遊べるかどうかの確認をしたかと思えば、明日東京から長崎へ飛んでくるなんて事を言って………そして本当にやって来たのだ、可愛らしい冬の厚着で、お泊まりセットを携えて。

 

 

『やっほー、先輩』

 

『………マジで来てるし、マジで泊まる気満々じゃん……!?』

 

『何時でも遊びに来てって行ったじゃん、手出して』

 

『え?なに………冷たっ』

 

『んふーあったかいね』

 

『……んで、なんでバレンタインチョコをここで作る話になるんだ?』

 

『おひさま園にいた時、バレンタインの日はみんなでチョコを作りあってさー、ならボクも先輩と一緒に作って一緒に食べたいなーって………好きな人にチョコ送る日なんでしょ?』

 

『いやそうだけど、明日だぞバレンタイン』

 

『うんっ、だから今日お泊まりして明日作る、先輩の家にも来たかったし会いたかったし』

 

『………そすか……ま、良いけどさ』

 

『うんっ………あ、チョコの材料買うの忘れてた』

 

『おい』

 

 

 

 

まぁ、そういう経緯である。

まさか俺の家にまでやってきてチョコ作るとか想像だにしてなかったんですが、しかも自分で言っておいてチョコの材料忘れてるし。

 

どうせ買う物もあったから、ヒカリに材料費も貰って買い出しに出ることになり、ヒカリはその間家で待ってもらうことにした。

………万が一、来夏や鞘さんに見つかったら何が起きたかわかったもんじゃないからな。

 

そこで適当に待って欲しいとヒカリに告げると、ヒカリは勝手にゲームを物色して、あるゲームを見掛けたのだ。

 

 

『流先輩、これ面白いの?』

 

『えっそれかよ、面白いけど初見は結構難しいぞ?』

 

『へー、ならこれやって待とうかな』

 

『………遺物には手を出すなよ?後深き夜とかはマジでやめとけよ?』

 

『んーっと……はーい』

 

 

 

 

そして買い物に少し時間を掛けてしまい、続けて例のゲームをやっていたヒカリはあら不思議、立派な夜渡りになっておりました。

 

そんで使ってるのは、レディかい………遺物そんなに揃って無いけど大丈夫かな……あ、でももうすぐで倒せそうだな。

 

「………いよっしやったぁっ!やーっと倒せたあの山羊野郎………」

 

「よく初めた初日で倒せるなお前………ほれジュース」

 

「あ、サンキューっ」

 

満足気にコントローラーを天に掲げるヒカリに、買ってきたオレンジジュースのペットボトルを差し出す。

ヒカリはそれを受け取りごくごくと飲んでゆく………こうしてみると、やっぱ試合の時とは別人だよなー……普通に美少女だ。

 

「ふーっ……ところでさ、明日は来夏先輩と鞘先輩も流先輩にチョコを渡しにやってくるのかな?」

 

「多分………てか待て、もしかしたらお前と鉢合わせするかも」

 

「別にいいよ?ザコ2人攻められたところで勝てるしー」

 

「そういう問題じゃないのよ」

 

どうにもヒカリと来夏と鞘さんは相性が悪い、サッカーガーデンに居た頃とか色々ありすぎてな、笹波の怒りの矛先は常に俺だったし。

 

俺を介して色々するから俺も疲れるんだよ、多分まだバレてないよな?とりあえず明日は色々と考えとくか………ていうか明日も休みの日だし多分こちらに来るか、何処かに呼び出されるか?

 

「てゆーかさ、この際無視してボクだけに集中しなよー、折角来たんだからさ」

 

「えぇ?いや仮に明日断ったら後が色々怖いから、なるべく断りたくねぇぞ俺」

 

「ボクが守ってあげるよー?」

 

「そういうことじゃなくてですね、アナタは火に油を注ぐんですよ」

 

「むーっ………じゃあ先輩、ここに座って?」

 

「え?」

 

ヒカリが頬を膨らませながら、自分の隣をポンポンと軽く叩く。

何事と思いながらもその隣に座ると、ヒカリはちょっと立ち上がったかと思えば………胡座をかいていた俺に座るようにヒカリがその腰を降ろして来た。

 

背中も俺の所へもたれ掛かり、完全に俺に身を預けている形になった。

 

「ぬぉっ?」

 

「むふーっピッタリー」

 

「何するかと思ったらお前な………」

 

「いーじゃん、嫌じゃないでしょ?」

 

「別に嫌じゃないけどよ………まぁいいや」

 

「でしょ?次先輩がやってみてよ、どれ使うの?」

 

「この体勢でやらせるのかよ………俺は鉄の目」

 

「へー意外、ところで今日何食べる?出前とか?」

 

「寒いからキムチ鍋だ、大量に買ってきたし〆もあるぞ」

 

「やったー、鍋も先輩も大好きーっ」

 

「へいへい」

 

なんつーか、後輩だけど………もし俺に妹がいたらこんな感じなのかもな。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

明日は2月14日、すなわちバレンタインデー。

ざっくり言えば好きな人にチョコを贈る日だ………当然、私もそれにあやかりチョコを彼に贈る、手作りで。

 

今年に至るまでバレンタインにはチョコを送っていた、去年は勇気を出して手作りを作ったのはいいが………あのクソボケは全く意図を掴んでなかった、いやそんな考えにすら至ってなかった。

 

しかし去年から意識も改善されてるハズ………まぁそうでなくても贈るんだけどね、流はどんな反応してくれるのかな………なんか全く変わるイメージしないや、はぁ。

 

そういうことで私は遠くのショッピングモールへと赴き、明日の日の為のチョコ作りの材料とラッピングの材料を厳選する事にした。

私以外の女の子もバレンタインコーナーに集まっている………こんな寒い日だと言うのに、みんな頑張ってるなぁと、思っていた時に…………。

 

 

「……あら」

 

「……げっ」

 

 

変装している鞘先輩と鉢合わせだ、何時もの三つ編みじゃなくポニーテールでイメチェンしてる、ちなみに私は髪を降ろしている。

 

フットボールフロンティアが終わった今、南雲原は有名所になったので私たちの知名度も上がり、こうして軽く変装しなきゃ騒ぎになっちゃうのだ………南雲原だけでアイドルと呼ばれてた頃と比べ物にならないくらい神経を使う事になっちゃった。

 

ていうか…………やっぱりこの人も考える事は同じかぁ、驚きはしない、最早予定調整まであるけど……なんかムカつく。

 

「……南雲原のアイドルさんは、クラスやサッカー部の男子たちに贈る用のチョコ作りをするの?」

 

「それもありますけど、分かってて言ってますよね?」

 

「そうね、こうして綺麗に鉢合わせしてしまった事だし………ウチがやっておくから帰っていいわよ」

 

「そうして流へのチョコ作らせようとする魂胆見え見え、陰湿過ぎますよ」

 

「そうね、貴女料理下手そうだから大丈夫よね」

 

「さっきから失礼すぎるでしょコラ」

 

文句を言い合いながらコーナーを物色する、チョコの材料はそこまで厳選しなくても良いけど……ラッピングどうしようかなぁ。

サッカー部の男子共にはある程度の奴でいいけど、流のはどうしよ……。どうせそんな所に目をつける様な奴じゃないけど、気合い入れなきゃ少しも応えないだろうなぁ。

 

…………ていうか、この人もチョコっていうか……料理出来るのかな。

 

「…………鞘先輩は料理出来るんですか」

 

「まぁね、最近は自分で色々作るようにしてるのよ」

 

「ふーん……」

 

「もうすぐ一人暮らしするし、それまでに自炊出来るようにしなきゃ」

 

「…………あぁ」

 

そっか…………この人ももうすぐ卒業か。

福岡の高校に行くらしいから、この長崎から出るんだっけ。

 

「…………福岡か、居なくなってせいせいしますよっ」

 

「私も貴女のメンヘラを見なくて良いと思えたら気分が晴れるわ、せいぜい本性さらけ出して嫌われるといいわ」

 

「流なら気にしませーん、流なら受け止めてくれますからねー」

 

「成長しないわね、未だにただの幼馴染みな癖に」

 

「あーーーーーー喧嘩ですか、今からグラウンド行きます?」

 

「ここには無いわ、静かにしてないと迷惑よ」

 

「こんのっ…………」

 

あぁぁ一々イライラすること言うなぁこの陰湿女っ。

あの時もあの時も…………思い出もムカつか無かった事が少ない。

 

私だってせいせいする、貴女の顔を見なくなれるなら万々歳だ。

 

 

 

 

もう、一緒にサッカー出来なくたって。

それでも良いし。

 

貴女が居なくても、強くなってやるから。

 

 

 

バーカ。

 

 

 

 

 

「………………」

 

「………………」

 

「…………どんなチョコ作るの?」

 

「え?…………あー、生チョコとか、簡単だし…………鞘先輩は?」

 

「抹茶トリュフチョコ、程よい甘さが好きなんでしょ、流君」

 

「なにそれ美味しそ…………いや、難しそ」

 

「誤魔化せてないわよ、後別に難しいことは無いわよ」

 

「へー………ていうか、生チョコとトリュフって少し似てません?」

 

「そうでもないじゃない、味も違うし」

 

「ふーん………どんなのか見てもいいですか、作るとこ」

 

「…………何貴女、気持ち悪いわよ?」

 

「おいこら」

 

「……別にいいけどね」

 

「……そーですか」

 

「…………そう言えば、天河さんとかチョコも作るのかしら」

 

「あー…………でも東京にいるから、流石に無理じゃ無いですか?」

 

「そうね、いきなり東京から長崎まで来ることなんてそうそう」

 

「そーですね、流石に…………さすが、に…………」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

 

 

 

 

「「…………いや、やりかねない?」」

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「………ふぅ」

 

風呂から上がり、タオルを首にかける。

今日一日はヒカリとゲームで遊び倒してたな………夜を渡った後はスカイアで殴り合って、トランプしたりウノしたり、世界のかいぶつ達はどんな奴らがいるか盛り上がってたり、円堂と3人で必殺技出来ないかなとか言ってたな…………。

 

それからキムチ鍋を二人で食べた、ヒカリは目を輝かせながらほおばってたが白米どんだけおかわりしたんだよ………最後の〆も綺麗に平らげおって、相変わらず底なしの胃袋だ。

 

明日は一緒にチョコ作りか、どんなの作るつもりだヒカリ……ていうか、ヒカリどこいった?

 

自室に戻るが、居ない……リビングに顔を出すがゲームもしてない………軽く探していると、ヒカリの白い髪が目に入った。

 

それを見掛けて近づく、先に風呂に入ったヒカリは髪を降ろしており、寝間着姿になった姿で……………俺の父さんの仏壇を座りながらじっと見詰めていた。

 

 

…………そういや、前に俺も父さんが居ないって話してたっけ。

 

 

「……どうしたヒカリ、仏壇見てさ」

 

「………流先輩も、父さんがどんな人なのかは知らないの?」

 

「うーん……母さん曰くサッカー好きで、女誑しって言ってたな」

 

「先輩と同じだね、どっちも」

 

「うるせぇ」

 

「…………ボクの父さんって、どんな人だったのかなーって」

 

「……っ」

 

「何時もならこんな事考えないけど、これ見たらなんかさ」

 

「生きてたら、会いたいと思うか?」

 

「まさか、ボクを棄てた親の顔なんて見たくもないよ」

 

「…………だろうな」

 

事情が事情だから何も言えない………確かにこいつの親がしたことは最低極まりないと言っていい、自分の子供を棄てるなんてどんな神経だったのか、想像もできないし分かりたくもない。

 

 

…………でもやっぱり、物悲しそうな後ろ姿だった。

 

 

俺に言えることは…………これくらいだな。

 

 

 

「…………確かにそんな親なんて気にしなくて良いと思うけどよ、俺は少しは感謝するかもな」

 

「……え?」

 

「お前の事を産んでくれたし」

 

そう言って俺はヒカリの頭を立ったまま撫でた。

事情は知らない、俺には関係ない事だけど、天河ヒカリという俺の人生最初のライバルをこの世に送り出してくれた事だけは、感謝したいと思ってる。

 

「俺はお前とサッカー出来て嬉しいよ、孤児であるお前の気持ちは何も分からないけど…………同じサッカープレイヤーとしてなら、お前の事は分かれる」

 

「………………」

 

「あの時初めて出会えた時の、俺と同じかもしれないと思えたあの気持ちはお前が初めてだからさ、お前が居てくれて本当に良かったと思うよ」

 

「…………そうやって、平気でそういうことを言うんだ」

 

「…………ヒカリ?」

 

「………ありがと、ボクはやっぱり……流先輩の事好きだよ」

 

するとヒカリは顔を手で擦った…………まぁ、何も言うまい。

 

「…………ねぇ、先輩」

 

「うん?」

 

「…………一緒に寝ていい?」

 

「え?」

 

「ちょっと、離れて寝たくないかも」

 

「……お、おう」

 

この流れで断れるわけねぇ…………まぁ、ヒカリなら大丈夫だろ……なんか妹みたいな感じに思えてるし。

 

「……明日、どんなチョコ作る?」

 

「……考えてなかったけど、先輩とならなんでもいいよ」

 

「そうかい、じゃあ今から考えて」

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

するといきなり、インターホンが鳴った。

え、こんな時間に誰…………あれ、すげー嫌な予感がしてきた。

 

「誰?配達?」

 

「なわけ」

 

とりあえず玄関へ近づく、なるべく足音を立てぬようにゆっくりドアへ向かい…………覗き穴で誰が居るのかを確認する。

 

 

 

 

 

 

 

「(…………え?来夏と鞘さん……!?)」

 

 

 

 

なんで?なんでいきなりこの2人が我が家へ?理由は知らないけど猛烈に嫌な予感が止まらない、ていうかやべーぞ、今ヒカリ居るんだけど?会わせたらまた面倒な事になるぞ!?

 

「どうしたのせんぱ」

 

「しーっ、静かにしろ、お前とりあえずどっかに隠れて」

 

「え、なんで?」

 

 

 

「…………出ないわね、電気は灯ってたから居るはずだけど」

 

「…………」ガチャガチャ

 

「……ちょっと来夏さん?貴女何してるの?」

 

「鍵開け…………」

 

 

「え、ちょ、え?」

 

すると玄関のドアが動き始める、まさかあいつやりやがった?ここで鍵開け実行してきやがった!?

こんな所で忍者の家系を見せるなよ!やばい時間足りない、ヒカリの事どう誤魔化すんだよ、絶対また暴走するだろ来夏!?

 

 

「ねー何ー?誰なのー?」

 

「ちょっとこっち来んなヒカリ!」

 

「なんなの先輩、誰な………っうぁっ!」

 

「ちょっ、ヒカリ!?」

 

するとヒカリはいきなり滑って前倒しに転び、俺は慌ててそれを受け止めようとするが…………俺もそのまま転んでしまい、外から見ればヒカリが俺を押し倒しているような感じになり…………。

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

ドアが、開かれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………」

 

「…………………………………………」

 

 

 

そして、死んだ目の来夏と鞘さんが……俺達を見下ろしていた。

 

 

「あ、おじゃま虫」

 

「…………こ、こんばん、わ」

 

「…………なにしてるの」

 

「………………流君、ひとつ屋根の下で、大胆ね」

 

「いや待ってください、違うんです、これは語弊が」

 

「(……ニヤリ)語弊?ひっどーい……ボクと寝てくれるって言ったじゃん、温めてくれるんでしょー?」

 

「「は?」」

 

「ヒカリさん!?」

 

「もーボク先輩無しじゃ生きていけないよー、あんな言葉掛けて置いてさー」スリスリ

 

「………………流……………………やっぱり年下が良いんだね……………」

 

「…………不埒ね……………ウチはもうすぐ別れるというのに…………」

 

「あの…………聞いてください、違うんです、誤解が」

 

「…………何?」

 

「バレンタインのチョコ作りで色々と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから、俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、生チョコはこのまま冷蔵庫で冷やせば完成」

 

「天河さんはトリュフチョコ丸めて……いや食べるの早いわよ、我慢しなさい」

 

「えーもうほぼ出来てるじゃん、ボクのチョコクッキーまだ焼けてないしー」

 

「…………………仲良いじゃねぇか、御三方」

 

「「「仲良くない」」」

 

ボコボコにされた翌日、エプロンをつけた髪色がトリコロールみたいに連なってる女子陣を仲良しと呼び、みんな一斉にそれを否定した。

 

その流れ、ヒカリも加わるのかよ…………。




まぁ、これもいつか来る未来のひとつと思ってください。



そして次回。
南雲原VS帝国、開幕。
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