忍原来夏とはただの幼馴染みです………それだけですが? 作:グラビトン
「はっはは!やべーな黒景流!あそこから帝国全員ぶった切って同点だぞヒロト!」
「名前出てるよ緑川、思ってた以上の実力だね………ヒカリとの勝負はまだ互いにイーブンってとこかな」
「それにしても南雲原も強いな、ホントに出来たばかりのチームかよ」
「うん、後半も楽しみだ…………でも」
「うん?どうした?」
「………いや、なんでもないよ」
「(………黒景流、どうやらヒカリの心を掴みすぎたようだね?)」
◾︎◾︎◾︎◾︎
「黒景流のプレースタイルからして、まだ何か隠し玉はあると予想してたが………前半最後で、とんでもないものを見せられたな」
『ヒカリもアイツらも最後のゴールを妨害出来なかったし、オマケにゴッドウィンドが進化してやがるぞ!手がつけらんねぇなマジで!』
「…………はぁ」
タオルで汗を拭いながら水分補給をする、胡座をかいて先程まで走り回ってたグラウンドを静かに見つめていた。
前半、ボクは2点をもぎ取ったが………南雲原も2点ゴールを決めて同点のまま終わってしまった、最後の流先輩を一切触れられずにシュートさせてしまった……あんなのを隠し持ってたなんて、まだ底が見えない……。
ボクだってあんなことしておいてこのまま終わるとは思ってなかったけど、後半はどう来るのだろうか。
「それとだアリス、全体的な南雲原の選手達の動きのデータが一致しない、ボールの弾道や選手間の動きに微妙なズレが生じてる、データ不足とはいえここまで違ってくるものなのか?」
『あぁ!?てめぇ気づいてねぇのかよアイツらのスパイクに!』
「スパイクだぁ………そういえば、あいつらの履いてるスパイクが以前の奴とは違うな?」
霊道先輩の言葉でみんなが南雲原のベンチへ目を向けた、確かになんか変だと思ってたけど………南雲原のみんなは黄色いスパイクを履いていた、それで事前に聞かされてた動きとは何か違うと感じてたけど、まさか何時の使ってるスパイクを変えてまで更なるデータのズレを作ってたなんて………。
「デメリットを考慮してでも俺達のデータを狂わせる為に、敢えて全員のスパイクを履き替えさせてたのか、南雲原に戻ってまでの練習と言い、スパイの排除といい………ここまでされたのは初めてじゃないか、アリス?」
「あぁ………しかも最初の先制点といい、南雲原は黒景流に頼りきることなく俺達と戦っている、タクティクスも対応策を練っている………ここまで読めない展開は初めてだ………フフフ………!」
「………楽しそうですね、アリスさん」
ボクを含めて楽しげなアリスの様子を初めて見るであろう仲間達は少し戸惑いながら見つめていた。
アリスも多分、以前のボクと同じようにサッカーで、厳密に戦術対決で負けたことがないんだ。
だからこうして互角の戦いを繰り広げられてることに楽しんでる、もしかしたら負けるかもしれないと考えてるんだろうな。
確かに負けることで自分の弱さを思い知って、そこから立ち上がることで新しい強さを得られる事をボクは知った。
………でも、負けるってのはとても苦しくて、折れそうで、壊れそうなくらい苦しいんだ、最初に負けた事に関しては良かったとは思えるけど…………ボクはもう、負けたくないんだ。
「(流先輩とボクはまだ互角、でも勝ち越さなきゃ意味がない……次こそは、勝たなきゃ………!)」
負けたくない、その気持ちがボクを更に熱くさせてる。
そして………あの女から流先輩を引き剥がしてやる、目の前で壊してやる。
なんでこんなあの人に対してイライラしてるのか分かんないけど、とにかく嫌な気持ちだ、絶対にこの試合勝って……流先輩と交わした貰った約束を守ってもらうから。
「後半の作戦を伝える、ヒカリは後半も変わらず黒景流を徹底マークさせてプレーをさせるな、そしてそれ以外の選手は木曽路兵太を消耗させろ、黒景流は予測通りチームプレーが不得意………そこを木曽路兵太の選手間を繋げるプレーで成立させている、まずは化身でも使わせチャージをぶつけろ、あのリュカオンは厄介だが攻撃向きの化身ではない、王家の盾で十分防げる」
『まずは黒景流を南雲原から孤立させろ!そうするだけでもチームは追いつけなくなるからな、ヒカリとの完全な一対一に持ち込む状況になれば勝機は一気に見えてくるぞ!』
「南雲原はいいチームだ、それぞれの選手のプレーが完璧な連携を実現させている………しかし1箇所でもその回路を崩せば崩壊する、そこから俺達が逆襲するぞ」
座っていたメンバー全員が立ち上がり、ボクもその後に続く。
………アリスのいつもの容赦ない戦術が始まろうとしている、まぁそれで流先輩がボクに集中してくれるなら言うことはないかな。
『さぁ間もなく後半開始の時刻となります、両校の選手は再びポジションに着いてください!』
実況の宣言でボクらと南雲原はグラウンドへ歩き、観客から待ち遠しかったと言わんばかりの声援が溢れ出る。
開始は南雲原ボール、先輩が必ずボールを保持するだろうけど………おそらくあのドリブル技は直ぐに使わないはずだ。
最初からあったのなら直ぐに使えば状況は良くなったハズだ、それでも前半終了間際まで使わなかったのは恐らく……体力の消耗が激しい技だからだ。
敵の妨害を防ぎつつ一気にゴール前までぶっちぎる技なんて連発出来るわけない、また使うにしても開始直後じゃない………先ずはボールを奪って攻めて、他の仲間達が木曽路君を潰す………!
帝国と南雲原は再びの配置につき、再び先輩を見据える。
少しだけ疲れが顔に出ている、やっぱりあの技はかなり体力を使うんだ………もう発動させる隙も与えない、思い通りのプレーなんか絶対させない………絶対に勝って、ボクのものに………!!
『後半開始までもうすぐですが、ここからの展開はどうなると思いますか角馬さん?』
『実力は両校共に拮抗してると言いますが、帝国はやはり手強いですし戦術もまだ残されてるはず、それに南雲原がどう対応するか見ものですね………選手も前半から1人交代していますしね』
「………交代?」
よく見たらディフェンスにいた柳生というデカイ人が妖士乃っていう人に変わっていた。
まぁ………誰でも関係ないや、ボクのシュートでこじ開けてやる。
『さぁそれでは開始時刻になりました!同点から開始されるこの試合は果たしてどちらが均衡を破るのか!?それでは後半、開始です!!』
ピーーーーッ!!
後半開始のホイッスルが鳴り響き、ボールはやはり流先輩に渡され、ボクはそれを確認して再び距離を詰める。
流先輩も流石に分かってたのか、ボクを冷静に見据えて……………そのボールを、後方へパスした。
「えっ?」
そのボールを受け取ったのは木曽路君だけど、自分で抜こうせずにわざわざ木曽路君に?自分で持ち込んだ方が有利になるのは変わらない筈なのに………そう思っていると、ボクの周りに誰か2人がやってくる。
「ブロック・ザ・キーマン………!」
「ここで潰す………!」
流先輩と一緒にボクを囲んでいるのは、忍原来夏と小太刀 鞘………え、なにこれ?流先輩と一緒にボクを抑える気?
ていうか………
「………潰す?ボクに言ってんのそれ」
さっきまで見てて、何も分かってないのかな?
「(なんか空気が一気に重いんすけど)」
◾︎◾︎◾︎◾︎
『おっと!黒景選手と天河選手のマッチアップに、南雲原の忍原選手と小太刀選手がやってきました!これはもしや、ブロック・ザ・キーマンでしょうか!?』
『これで互いにサッカーモンスターが封じられる状況になったわけですか、しかしこれは南雲原側はやや不利では………!?』
後半開始直後、南雲原の黒景流、忍原来夏、小太刀鞘は天河ヒカリに対してブロック・ザ・キーマンを仕掛けていた。
南雲原の監督、笹波雲明はこのまま封じられたままでは拉致があかないと判断し、天河ヒカリと互いに敵意を向けあっている忍原来夏と、恐らくこの後争い合うであろう小太刀 鞘を向かわせた。
「よーしこっから!頼むぜ黒景先輩と仲良し先輩達!」
「「仲良くない!!」」
「……息あってんじゃん」
「いつもこうなんだよ、この2人……」
呆れるヒカリに対して流はフォローを促す、見慣れない人からすればそう思うのも仕方の無いことだからだ。
「ていうかなんで流先輩とその他2人がこっちに来るわけ?ザコ2人居たところであまり変わんないし」
「変わるわよ、だって貴女と流君はほぼ互角………そこにウチ達が加わってフォローすれば、貴女も自由に動けないでしょ?」
「前半でも流と貴女は互いに互いを放っておけないと言ったしね!なら完全にかいぶつ2人を動かせない状況を作る魂胆ってわけ!」
「ふーん………でもさわかってんの?そうなると………南雲原は普通に人手不足だよ?」
南雲原は流、来夏、小太刀を抜いてフィールドで自由に動ける人員は7人、対して帝国はヒカリのみ動けなければフィールド上で9人、そして選手の練度も考慮するならば……南雲原側は不利な状況と言えるだろう。
「確かにボクは先輩から簡単に離れることは出来ないけど、そっちが2人削ってまでボクをブロックしたところでさー、他のお仲間さん達がボクらの仲間に簡単に勝てんの?決して互角じゃ無いんだよ?」
「勝てるっての、南雲原は弱くねぇよ」
「流先輩に着いてこれる人全然居ないのに?」
「俺が周りに合わせられないのが問題なんだよ、寧ろ俺はノイズだからな」
「かわいそー、帝国に来たらそんなこと無くなるんだよー?」
「行かせるわけないでしょ、流は何処にも行かせないし!」
「ザコが入り込むなよ、さっきボクに触れることすら出来てないくせに」
「そういう貴女はなんであんな事言ってきた訳?私と流が話してるとこ見たんだよね?」
「……それがなんだよ」
来夏の言葉で、ヒカリが明らかに不機嫌になっているのが目に見えて、流を除いた2人は微笑む。
その時、来夏達の脳裏には雲明の指示の記憶を思い出していた。
『彼女もまた黒景先輩に狂わされてる……故にこの試合に勝ったら帝国に来てなんて約束を取り付けようとしたんです』
『そして前半の終盤、黒景先輩と親しげにした忍原先輩に敵意を向けてました、更に彼女はかなり無邪気な性格…………言い換えれば子供っぽい、そして先輩に敗北を経験されたことで負けず嫌いなのも考えられます』
『故に…………同じく狂わされた2人をぶつけて、拘束させます!』
『(みんなの前で狂わされたとか言わないでよ!!?)』
『(ウチはまだ健全でしょ!?)』
思い返して顔を赤くしながら、来夏はヒカリに対して………挑発的なセリフを放つ。
「妬いたんでしょ、流と私が距離近くて………だって私たち幼馴染みだしね、昔からいるから距離近いのは当然だもん」
「…………え」
「それにキスもした仲だしねっ、貴女が割り込む余地なんて………最初っから無いの」
「は??」
「…………」イラッ
「な、何してんすか来夏さん……!?」
「てゆーか、流が貴女に負けるわけないじゃん?勝つのは私達だからさっ、潔く身を引いてね?」
来夏がその挑発を言い切ると、その空間だけ時間が止まったかのような感覚に陥る。
流は冷や汗を流しながらヒカリに目線を移す………俯いたまま彼女は拳を握りしめていた………手の甲に、青筋が浮かび上がる程に。
「あーーー………………こんなにイラつくの、あのチームメイト以来だよ…………お望み通り…………」
「ぶっ潰してやる」
そして天河ヒカリはその激情のまま、輪を抜けだし前線へ上がる木曽路の元へ走るのであった。
「やっべ!木曽路化身使え!!!」
「マジでこっち来るのかよ!?こい、迅狼リュカオンッ!!」
流の指示により、ボールを維持していた木曽路が天に指を掲げ、雷がその背後に落ちる。
その中から翡翠の巨躯に雷を守った狼のような化身、リュカオンが雄叫びを上げながら顕現した。
「ボール寄越せッ!!」
「天河ッ!?お前マークから外れるな!!何をしている!?」
「怖っ!?シップウジンライッ!!」
高速で追い掛けてくるヒカリから逃げるように、木曽路はボールを加えたリュカオンに乗り込み稲妻となりて駆け走る、戸惑う帝国陣営を抜き去り一気に抜きさって行くが……………。
「逃げるなお前ッ!!」
「うぇぇっ!?」
なんとヒカリはその前に回り込んでいた、リュカオンの速さに匹敵する事実に戸惑いつつも木曽路はリュカオンが手放したボールを…………。
「黒景先輩ッ!」
フリーとなった複雑な顔の………南雲原のかいぶつにパスをした。
「………やるっきゃないか!」
『なんと!天河選手の突然の暴走によりフリーとなった黒景選手にボールが行き渡りました!そしてゴールまですぐ近く、南雲原ゴールチャンスです!!』
『天河選手にあの二人がついて何があったかは知りませんが、帝国側は大ピンチですよ!?』
『はぁ!?何してんだヒカリ!?勝手に黒景流からマークを外れやがって!?何を吹き込まれた!?』
「………まさか笹波雲明、ヒカリの逆鱗に敢えて触れたのか!?」
「………帝国学園サッカー部監督、不破アリスは深く相手チームのデータを集める、それは部員をスパイにしてまで探る徹底ぶり、そこから出た弱みを利用して勝利する狡猾さも備えている………」
「だからこそ今回は、逆にそちらの弱みを使わせてもらいますよ」
笹波雲明は悪い顔になりながら不破アリスの常套手段を行使した、かつて不破アリスの率いるチームの試合を出来るだけ観戦し、途中で明らかにパフォーマンスが崩れる選手が数試合の内何人か見受けられたが故に、今回は南雲原に対してそれを行われる危険性を察知した。
そして相手の最重要選手である天河ヒカリの黒景流に対する気持ちを逆手に取り、忍原来夏を向かわせて刺激し、彼女を潰す為に指示を無視して自らボールを取らせに向かい………結果、黒景流のマークは自然消滅したのだ。
「完璧な連携にはチーム全体の意思統一が不可欠、何処か一つでも回路を壊せば機能不全になる………きっとそれが不破アリスの戦術の一つ」
「でもそれは………君のチームにも言えることでしたね」
「そちらの仲間がスパイをしてきたんです、だからこれでチャラです」
「………雲明、すげー悪い顔になってるぞ」
「確かに向こうのやろうとしたことを返してるだけだが、恐ろしいな……」
ベンチに座っていた柳生と品乃は、自分らのキャプテンの姿に若干ドン引きになっていた。
そんな最中でも黒景流はボールを持って、持ち前のドリブルで一気に近づく………そして事前にゴール前へ待機していたキーコ、江流崎、安座は黒景流対抗策の技を既に発動しようとしていた。
「「「グラビティケージッ!!」」」
再び流は黒の檻に囚われ、そこから発せられる何倍もの重力が襲い掛かり、彼はまた地面に伏せられそうになる。
「キーコ!そのまま抑えててッ!!」
そしてヒカリも流に追いつき、弱っている所からボールを奪う為に駆け走っていた。
「…………へへっ」
そんな中…………サッカーモンスターは檻で笑いながら踏み止まり、外に出ようとしたボールを足で抑えた。
「…………えっ!?」
「なに!?」
「グラビティケージを、耐えている!?」
発動させている3人はその姿に驚く、そして流は身体全体に力を入れ始める。
「…………すぅぅぅっ………………」
「ハァァァァァァアッ!!!」
ボールにありったけの力が込められ、そこから発せられた荒々しい風がグラビティケージを3人ごと吹き飛ばした。
「なっ…………!?」
そんな中ヒカリはそれに耐えるが立ち止まってしまい、ゴールへボールごと駆ける流の後ろ姿をただ眺める形になってしまった。
「《真》ッ!!」
「ゴッドウィンドォォッ!!!」
この上なく重いシュートを放ち、更に進化した神風を纏うシュートが帝国のゴールへと向かった。
「ッ!?王家の……!」
構えようとした真凜だが、そのシュートのスピードは更に上がっており……王家の盾を発動出来る時間は、既に無かった。
「うぁぁぁああっ!!」
ピーーーーッ!!!
そんな状態で止められる訳もなく、シュートに吹き飛ばされてゴールへと突き刺さり………3点目のゴールがそのまま決まってしまった。
『ゴーーーール!!南雲原中開始7分で同点からのリードを決めました!!』
大きな歓声が観客席から揺れるほど湧き上がった。
そして黒景流は…………少し複雑な顔でゴールを見ていた。
「…………決めちった」
実を言うと、笹波雲明から不破アリスのやり方に関しては後半が始まる前に不破アリスの敵選手の弱みに漬け込むやり方は説明を受けていた。
今回ヒカリにブロック・ザ・キーマンを仕掛けるとは言ったが最初だけの形式で、来夏でヒカリを挑発して暴走させる………その結果がこのゴールだ。
途中流は自分を封じたグラビティケージを破れると思うと思わずテンションが上がり、そのままゴッドウィンドを進化させていた。
しかし………………だ、勝つ上で相手の心理をつく戦術は間違っては無いのかもしれないが…………。
「…………ぅ、っうぐっ…………うぅっ…………」
こうも後ろで泣かれたら、罪悪感は避けられないだろう。
「天河!!お前ッ!!…………お前、なんでそんなに泣いてる?」
「ちょ、ちょっとヒカリどうしたの?何言われたのよホント?」
「えっとどうした?泣かされたのか!?」
「あ、えっと、えっと…………」
黒景流はどうしようか迷っていた。
声を掛けるにしてもなんて言えば良いのか、ていうか来夏の発言がこの結果を招いたし、根源を辿れば笹波の魔王のような作戦が発端で、まさか泣くまで悔しがるとは思わなかった。
というかそもそも狂わせたってなんの事か、確かに来夏に関してはそう思うしヒカリも自分のエゴのせいで色々やばい事を言われる風にはなったが…………鞘さんに関しては何も無い気がするんだが。
しかし先程まで鬼の形相をしていたキャプテンも心配してるし、ていうか帝国の仲間も彼女の泣いてる様を目の当たりにして戸惑いながら理由を聞いてるし、あれ?多分あの来夏の発言はあの時の自分を含めた4人しか聞かれてないはずだが拾われてないよね?
「お、おい黒景流……お前何した?場合によっては退場もありうるぞ……?」
「いや待って違うんすよ、俺じゃなくて来夏が……!」
「…………せ、先輩…………せん、ぱいが…………」
「どうしたの?やっぱアイツに何かされたの!?」
「してないって!来夏来てくれ!説明をしてくれ!!」
「せ、せ…………りゅ、う先輩、が……」
「あの日ボクの事(サッカーで)めちゃくちゃにした癖にほかの女とキスしてたって!!!!」
「…………………………」
「…………………………………………」
「…………………………………………………………」
「…………えっと、あの、語弊が色々と………」
「……………………………お前ら」
「黒景流を〇せ」
帝国は溢れんばかりの殺気が流に向ける。
違うと否定したかったが、何故か自分に向けられたその圧力に、何も言えずにいた。
そして彼は…………ベンチの笹波雲明に目を向ける。
他の仲間が唖然としている中、南雲原中キャプテン兼監督は…………。
「…………(グッ)」
目の端を輝かせてサムズアップをしていた。
「(笹波ィィィイイイイッ!!!?)」
『……アイツら、どうした?』
「…………さぁ」
一方、不破アリスは何が起きていたか理解出来てないままだった。
黒景流
好き勝手やって気持ちよく終われる訳がないわけで、ツケの領収書がやってきた。
帝国学園
許さんぞ、殺してやる黒景流。
不破アリス
…………何が起きたんだ?
天河ヒカリ
酷い!ボクとは遊びだったのね!(曲解した表現)
忍原来夏
…………なんか不味いことになった?←真犯人