忍原来夏とはただの幼馴染みです………それだけですが?   作:グラビトン

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久々にヴィクロアプデが入るということで、こちらも久々の投稿になります。
今回は短めですが普通に来夏ちゃんとの絡みになります、今回の話がいつか来るであろう続編の続き……になるかもしれないです、ルート分岐とENDルートはあくまでもIFということで。

(今回は帰る時に何も無かった世界線と思ってください)


《トゥルーエンド》まだ幼馴染みルート

南雲原中サッカー部がフットボールフロンティアにて全国優勝を果たし、早数日…………あれだけサッカー部に関して騒がれてた校舎内も一通りの落ち着きを見せて、近いうちに訪れる夏休みの予定に思いを馳せている時期となった。

 

俺達サッカー部は全国優勝という大きな目標を達成し、暫くは充電期間ということで何か大きなイベントは無いだろう………まぁ夏休み期間中は笹波が多分合宿とか実施するんだろうなぁ……優勝したからって気を抜くことは許さんとか何とか言って。

 

 

…………………にしても。

 

 

「…………いい天気だ、風も気持ちぃ」

 

「確かにそうだけどだらけすぎだよ流、南雲原のサッカーモンスターがだらしなさ過ぎだぞー」

 

「今はかいぶつじゃないんすよ、ただの怠け者っすよ」

 

「自分で怠け者とか言うなっての」

 

時刻は昼休み時、ゴットツリーと呼ばれる南雲原に昔から生えているという大木の下で俺と来夏は昼飯を食べ終えて、特に何もせずゆっくりしていた。

 

結構昼飯時は集まるスポットなのだが、今日は俺たち以外に誰も居なかった、折角の天気だというのにもったいない。

そう思いながらも俺は大木に背中を預けて、身体の力が抜けきっており今でも眠れそうなくらいに心地いい状態になっている。

その隣で来夏は近くに座っている、風が優しく吹き抜けて彼女の髪が揺れていた。

 

そんな最中、俺達はグラウンドを見つめていた。

緑の芝生の上では休み時間の生徒たちがサッカーボールを蹴って追いかけていた、顔からしても楽しげだという事が伺える。

 

「……サッカー禁止令が敷かれてた当初から、こうなるなんて想像だにしなかったよね」

 

「だな、笹波が来たことで南雲原のサッカーは蘇って、俺達はてっぺんまで取れたからな………あいつがいなきゃ俺達今頃どうしてたかな」

 

「私は目標を見つけられずに燻ってたかもね、今の流と同じくらいダラダラしてたかも」

 

「そうか………俺は……どうしてたかな、変わらずボール蹴ってたかね」

 

「違いないっ、流はボールさえあれば一人でサッカーして満足するからさ」

 

「………まぁ、今思うと随分寂しい奴だったと思うよ、俺は」

 

「……流?」

 

「サッカーのやる気はあったくせに、色々面倒くさがってたからなー………ただなんかきっかけがありゃ、どっかに転校とかしてたかもな」

 

「………色んな意味で雲明君に感謝だね、ほんっと」

 

「だな」

 

笹波と桜咲が出会って、そして今のサッカー部のチームが集まり、ライバルだった北陽ともひとつとなり………色んな道が交わって今の結果になったんだ。

全ては笹波が居たからだ、あいつが始めたサッカーが俺達に道標をくれた………そしてこれからも笹波が作りあげようとする勝利への道を歩いて行けたらなと、俺はそう思っている。

 

次の舞台は世界………それまで俺ももっと強くならなきゃな。

 

「それにしてもさー、流は優勝する前は全然目立ってなかったのに、南雲原のサッカーモンスターとして名を馳せたらたちまち有名人になっちゃったよねー」

 

「まぁ正直、どうでもいいんだけどなそういうのは………なんかダンスやってた時のお前の気持ちを味わったわ」

 

「…………良かったですねー、女の子にも話しかけられるようになってさ〜」

 

「それ初めの時だけで後日全然無かったんですけど」

 

「あっそ」

 

………南雲原中に帰ってきて暫くの間、俺はやたらと南雲原中の中で話題に挙げられていた。

南雲原のサッカーモンスターという肩書きと試合中の活躍のせいだろう、今まで関わりすら持たなかった奴らが俺に近づいてきたんだ。

 

ぶっちゃけ面倒だと思いつつ対応はしてた、その中には女子もいた。

話を聞きたいとか言って放課後予定空いてるかなんて聞かれた、その時はどうしようかと思ってたけど………いつの間にか背後にいた来夏は圧のすごい笑みを浮かべながら俺を引っ張って連れていった。

 

それからというものの女子から話しかけられることは少なくなった、なんか来夏がしたかもしれないが俺は何も見なかった事にした。

 

隣にいる来夏さんはその時の光景を思い浮かべてるのか、頬を膨らませて大分不機嫌だ………構ってちゃんも相変わらずだ、そして俺達の関係を相変わらず変わってない、幼馴染みのままだ。

 

今はこれでいい………ていうか、これから先も俺はこの関係が良いんだけどな……まぁ俺が言えた口ではないか、色々やっちまったし。

 

鞘さんとヒカリの事もあるしなぁ……あーどうしよ、また笹波に頼ろうかな。

 

「今私以外の女の子のこと考えてたでしょ」

 

「……………なんで分かるんすか」

 

「女の勘」

 

「怖えよ忍原さ「は?」……来夏」

 

何故か俺があの二人の事を脳裏に浮かべていると来夏はそれを察知した、そして冗談で苗字で呼んだら瞳孔が狭めて俺を睨むし、怖いよこの子、なんでこうなった?

 

………彼女の方は俺とは幼馴染みを越えた関係を求めていることはようやっとわかったけど………どうしたものか、俺が言えた口じゃないのは分かってるけど。

 

「あー拗ねました、離れようとするから拗ねましたー」

 

「なんでや、ちょっと冗談で呼んだだけっすよ」

 

「うっさい、私で一生困ればいいんだよ、流は」

 

「何言ってんすか来夏さん」

 

「ふんっ」

 

「………どうすれば機嫌直してくれますか」

 

こういう時は変に抗議したらより面倒になる、下手に出てご機嫌取りをしなければならない。

フットボールフロンティアが終わってから彼女の構ってちゃんがより拍車を掛けている気がするのは気のせいじゃ無いだろう………どんだけ甘えたがりなんだお前は、もしかしてこれも俺のせいっすか。

 

「………」

 

すると来夏は俺の方へ向き直ると、自分の膝へ手をポンポンと叩いた。

俺はそれが何を意味しているのか分からず、首を傾げた。

 

「……えっと?」

 

「…………流の頭を載せて、ここに」

 

「え?あー………なんで?」

 

「眠たいんでしょ?そのままの体勢じゃ少しキツいと思うから、貸してあげる、ほーら」

 

「あー、はぁ………」

 

俺は別にこのままもたれかかっても良いんすけど………まぁ、いいや……変に断ったらまた拗ねるし、大人しくその膝を借りるとしよう。

 

俺はそれ以上何も言わず、来夏の膝へ自分の頭をゆっくり載せた。

必然的に見上げる形となり、俺の視界には青空と太陽の光が差し込む大木の木漏れ日と、俺を優しく見つめる来夏の笑みが入る。

 

なんつーか………初めてしてもらったが、安心感を覚える。

 

「……どーですか、幼馴染みの膝枕は」

 

「…………意外と悪くないっす」

 

「そっかそっか、私位だよー?流に膝枕してあげるのは」

 

さっきまでご機嫌斜めだったのに俺を見下ろす来夏は笑顔を浮かべ始めた、やっぱ分からん………サッカー部が出来てから俺と来夏との関係は結構様変わりした気がする。

 

幼馴染みという関係性は変わって無いけど、色々こいつのことを知った………その答えは未だに出せてないけど、いつかは明確な答えを出さなきゃいけない………はぁ、どうしたものか。

 

こーいう関係はいつまでも続かない………と思う、まぁ今は難しいことを考えなくてもいいか………色々思考してたら眠くなってきた。

 

 

 

 

 

 

「眠っていいよ、流………私がずっと見てあげるから」

 

 

 

 

 

 

 

……………とりあえず…………。

 

 

今は、ただの幼馴染みだな………。

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「…………来夏さん、流君………」

 

「全く、外で何してるんだか………膝枕って、幼馴染みでやることかしら」

 

「………ウチもやれない事は、ない、かな、どうしよう、流石に………うぅ」

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

 

「…………むむむ」

 

『なんだヒカリ?珍しく難しいツラ浮かべてよ』

 

「食べ足りなかった、なんて事は言うなよ?」

 

「なんか、ムカってする」

 

「胸焼けじゃないのかい?」

 

「……よし、やっぱりこうしよっ」

 

「………なんだ、何をいきなり決意したんだ」

 

「アリス!ボク夏休みの間長崎行ってくる!流先輩の所でお泊まりするっ!!なんか来夏先輩にムカってきた!!」

 

「…………????」

 

 

 

 

 

◾︎◾︎◾︎◾︎

 

 

 

 

 

「………」バキッ

 

「えっ、どうした雲明っ?いきなり箸折って……」

 

「…………木曽路」

 

「な、なに?」

 

「僕今から黒景先輩をシバいてくる」

 

「は!?」




黒景流/忍原来夏
傍から見れば恋仲に見えなくもないが、まだ付き合ってない。
とりあえず先が分からない以上、この関係は誰にも揺らぐことはない。

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