いや1話の分量を減らしたらぜんぜんいくんですけどね。
「阪神ジュベナイルフィリーズ」
俺がその名前を書くと、モエは手にしていたボトルを膝へ下ろした。
8月の朝だった。ブラインドを下げても陽射しが入り、ホワイトボードの端を白く照らしている。昨日一緒に見た日程表は、机の上に広げてあった。
「年末の目標を、ここに置きたい」
「……GⅠだよね」
「ああ。1600m。来年の桜花賞へ向かう前に、同じ距離で強い相手と走ることになる」
モエはレース名を見つめた。俺はその横へ1600mと書き、ペンの蓋を閉めた。
「ティアラへ行くなら、まずマイルで勝てるようになりたい。2000への課題は残っているが、その前にこの距離を走り切る。秋のレースを使いながら、阪神JFへ進みたいんだ」
「ウオッカたちも、狙ってくるかな」
「来るなら、ここでぶつかることになるな」
彼女は少しだけ口元を上げた。
「いいね。あそこに立つなら、私だって出たい」
ボトルを机へ置き、日程表を引き寄せる。昨日は距離のところばかり見ていたが、今日は12月の欄まで指を動かした。
「出るだけじゃなくて、勝ちたい」
「ああ。そのつもりで考えている」
「……でも、1600でしょ」
指が止まった。
「あと400。新潟のゴールから、まだ400も走らなきゃいけないんだよね」
「そうだ」
「走った時は、まだ行ける気がしたよ。でも、本当に行けたかなんて分かんない。ゴールだと思ったから、そこまで走れたのかもしれないし」
モエは自分の脚へ目を落とした。
「もう1回、福島みたいに後ろへ入れって言われても、できないと思う。前に出ないようには走れたけど、それで楽になったわけじゃないから」
俺は椅子へ戻り、記録を綴じたファイルを出した。東京と福島、新潟のレース。その間に試した練習の記録が、順に挟んである。
「君が楽に走れる方法を、俺だけでは見つけられなかった」
モエが顔を上げた。
「速さを落とせれば脚が残ると思っていた。君が苦しいと言うたびに、走る位置や区間を変えたが、根本の動きは変わらなかった。これ以上、同じところで足踏みしたくない」
「……誰かに聞くの?」
「アグネスタキオンに、身体の動きを調べてもらえないかと思っている」
名前を聞いた途端、モエの耳がこちらを向いた。
「タキオンさんって、白衣で歩いてる?」
「そうだ。ウマ娘の身体能力について研究している。君の走り方を、違うところから見てもらえるかもしれない」
「話し始めると、なかなか帰してもらえないって聞いたけど」
「研究の話には熱心らしいな」
「そこは否定してほしかったな……」
モエは俺とファイルを交互に見た。
「それでも、タキオンさんがいいの?」
「今の俺たちにない知識を持っている相手だ。話を聞いて、何をするのか確かめたい。君にも一緒に来てほしい」
しばらくして、モエがファイルの端へ手を置いた。
「私の身体、調べるんだよね」
「ああ」
「それで分かるなら、行く。……どうせ聞くなら、ちゃんと走って見せた方がいいでしょ」
俺は頷いた。
「連絡してみる。見てもらいたい記録はこれなんだが、先に君にも確かめてほしい」
ファイルを開くと、モエも椅子を近づけた。練習の日付を辿り、この時は腿が張っていた、ここは息が先に苦しくなったと、書き切れていなかったことを話した。
その日のうちに連絡を取り、相談したい内容とレース映像を送った。返事は短かった。
『明朝なら空いている。記録と、走れる格好の本人を連れてきたまえ』
続けて、理科準備室の場所が送られてきた。
~~
翌朝、校舎へ向かう道で、モエは紙袋を提げて歩いていた。
ジャージの上着は前を開け、下には走るためのシャツを着ている。紙袋の中にはタオルと着替え、それから飲み慣れたスポーツドリンクを入れてきたらしい。
「こんなに朝早くから、研究してるんだね」
「走るなら、暑くなる前がいいそうだ」
「……測るために何本も走れって言われたら、嫌だな」
「何を調べるために走るのかは、俺も聞く。今日は記録も全部持ってきた」
ファイルの入った鞄を持ち直したところで、後ろからよく通る声がした。
「カレンモエさん! トレーナーさん!」
振り向くと、サクラバクシンオーが駆けてきた。朝練を終えたところなのか、額に汗を光らせている。俺たちの前で足を止めると、まずモエへ顔を向けた。
「新潟、見事な走りでしたね! あのスタートには、私も胸が躍りました!」
「……どうも」
モエの返事が短くなった。だが、バクシンオーは続けて手を上げた。
「特にコーナーです! 速度を落とさず、あれだけ大きく脚を使えるとは! 次は私も一緒に走りたくなりました!」
「私は、次はマイルに行くつもりだけど」
「マイルですか!」
少しも声が小さくならなかった。
「ならば、なおさらです! 私もその距離には、まだまだ挑戦したいことがありますので!」
モエは、わずかに意外そうな顔をした。
バクシンオーがコースを指す。
「今朝も、最後のひと伸びについて考えていたところなのです。1200mを走った後、さらに400mを――」
「その400が走れないんだってば」
「だからこそ、共に練習するのです!」
胸を張って言い切られ、モエが俺を見た。助けを求めるような視線に、俺は時計を示した。
「すみません。今日は測定の約束があるんです。これから理科準備室へ」
「おお、それは大切ですね! では、私はお二人を送り届けましょう!」
バクシンオーが校舎へ向き直った。今にも駆け出しそうな姿勢になったので、モエが先に声を上げた。
「走らなくていいからね!」
「時間が迫っているのでしょう?」
「歩けば間に合うの! 測る前に疲れたくないの!」
「なるほど! 万全の状態で臨むための徒歩ですね!」
元気よく頷き、今度は歩き始めた。歩くだけでも背筋が伸び、腕がよく振れている。モエは俺の横で、小さく息を吐いた。
「朝から、すごいね……」
校舎の入口まで来ると、バクシンオーは足を止めた。
「では、お二人とも。よい測定を!」
「ありがとう。……また今度ね」
モエが答えると、バクシンオーは満面の笑みを見せ、グラウンドへ駆けていった。白い靴が朝の道を蹴り、あっという間に遠くなる。
俺たちはその背中を見送ってから、校舎へ入った。
~~
理科準備室の扉には、手書きの紙が貼ってあった。
『実験中。用件がある者はノックを』
その下に、別の筆跡で『返事がなくても、勝手に入らないでください』と書き足されている。
ノックすると、少し間を置いて声が返った。
「入りたまえ」
扉を開けると、コーヒーの香りがした。窓が細く開き、積み上がった本の脇へ風が入っている。実験台の上にはケーブルや測定器が並び、片側だけに空いた場所があった。
その向こうで、白衣のウマ娘がノートパソコンから顔を上げた。
アグネスタキオン。
跳ねた栗色の髪に、眠そうにも見える目。だが、その視線は俺の持ったファイルへ動き、すぐに後ろのモエへ移った。立ち上がると、長い袖の中から指先が覗いた。
「君が絢原君だね。そちらが、カレンモエ君」
「今日は、ありがとうございます」
俺が名乗って頭を下げる間に、モエも少し会釈した。
タキオンは椅子を2つ示し、パソコンをこちらへ回した。止めてあったのは、福島の向こう正面の映像だった。
「送ってくれたものは見たよ。新潟も、もちろんね。実に派手な勝ち方だった」
モエが椅子へ座る動きを止めた。
「……今日は、その話を聞きに来たんじゃないんだけど」
「分かっている。1600mを走りたいんだろう?」
俺が送った相談内容を確認するように、タキオンは言った。モエが座ると、映像を少し戻して再生した。
「新潟を見る前に、こちらについて聞きたい。君はこの間、休めていたかい?」
前の走者に近づいたモエが、上体を起こして離れる。画面の中でそれが繰り返されていた。
「休めてない。ずっと脚を突っ張ってるみたいだった」
「トレーナー君の記録にも、そうあるね」
タキオンが俺へ手を差し出し、ファイルを受け取った。頁をめくり、練習の記録に目を通していく。
「区間の時計が合っても、疲れ方は変わらなかった、と」
「はい。前との距離を保てるように見える時もありましたが、その間にも、何度も速度を変えています」
「なるほど。速く走って苦しくなるのは、まあ分かる。君の場合、遅く走らせても同じように苦しんでいる。それを、単に持久力が足りないで済ませるのは惜しいね」
「……惜しい?」
モエが顔をしかめた。
「興味を惹かれると言っているのさ。見えているものが、本当に理由になっているかどうか」
タキオンはファイルを閉じ、モエを見た。
「身体を動かしてもらいたい。その前に、今朝の具合を聞こう。痛むところはあるかい?」
「今はない。新潟の後の張りも、もう取れた」
「結構。では、こちらへ。実際の動きと照らし合わせようじゃないか」
棚から小さな機器を取ると、タキオンはそれを俺へ渡した。続けてケーブルの入った袋と、薄い端末が重ねられる。
「これは、俺が?」
「記録を取りに来たんだろう? ちょうど手が2本空いているようだからね」
モエが隣で、少しだけ笑った。
~~
コースへ出る前に、タキオンはモエの立ち方や、片脚へ体重を移した時の動きを見た。
膝を曲げてもらい、横へ回り、同じ動きをもう1度頼む。何かに気づいた様子で記録するが、俺が顔を覗き込んでも、まだ説明はしなかった。
胸のあたりに細いベルトをつけ、心拍を記録する機器の反応を確かめる。モエは窮屈そうにシャツを引き、タキオンへ目を向けた。
「これで走るの?」
「今日はね。気になるなら、位置を直そう」
ベルトを調整し、邪魔にならないか歩いて確かめてから、芝の短い直線へ向かった。
タキオンはモエの前に立ち、走る区間を指した。
「まずは、速さを抑えなくていい。あそこまで走って、その先でゆっくり止まる。私が合図するから、君は前を見ていたまえ」
モエが頷き、開始位置へ戻った。
合図とともに飛び出す。
白い髪が後ろへ流れ、あっという間に距離が開いた。タキオンは端末を向けたまま、モエの脚を追っていた。区間を走り終えた彼女が先で速度を落とすと、ようやく録画を止めた。
「次は、狙った速さで走ってもらおう」
戻ってきたモエへ言い、休む場所を示した。呼吸が落ち着くのを待ちながら、俺にこれまでの練習のさせ方を尋ねる。
休憩を挟んで、モエはもう一度、同じ場所へ立った。
今度は飛び出さずに走り始めたが、間もなく歩幅が大きくなった。抑えようとして腕の振りを小さくすると、身体の運びが詰まる。脚を突っ張らせた数歩の後、踏み直した勢いで前へ出た。
「そこで止めよう」
タキオンが声をかけた。
モエは足を緩め、振り返った。予定の区間の、まだ半分ほどしか走っていない。
「もう終わり?」
「今のところを見たい。戻ってきてくれるかい」
彼女が戻る間に、タキオンは映像を呼び出した。最初の走りと並べて、俺にも画面を示す。
「ここから、どうしようとしていた?」
モエへ端末を向けた。彼女は汗を拭い、身体が起きかけているところを指した。
「速くなってたから、抑えたの。でも、脚がついてこなくなって」
「それで踏み直した」
「うん。いつもそうなる」
タキオンは頷き、映像を戻した。踏み込む直前と、その後を何度か行き来し、俺の持つ記録へ目を向ける。
「これは、やりにくいだろうねえ」
モエが黙った。タキオンは指を画面に置いたまま、彼女を見た。
「速度を落としている間も、ずいぶん力が入っている。落とし終えて楽に走るところまで、なかなか行かせてもらえないらしい」
「……そう。遅くなったら、そのまま止まりそうになるから、また踏まなきゃいけないの」
「君の『抑えた』という言葉を、普通の走り方で考えてはいけなかったわけだ」
俺は画面の中の脚を見た。何度も見て、記録していた。それでも、これを長く続けられるようになればと、考えてしまっていた。
タキオンは別の角度で、もう1度だけ動きを確かめた。今度も歩幅が詰まったところで止め、最後まで走り切らせなかった。
「もういいよ。戻って、今の記録を見よう」
モエが近づいてきた時、タキオンは彼女の足元へ視線を落としていた。それから端末の映像を拡大し、首を傾けた。
「どうしました」
俺が尋ねると、画面を閉じずにこちらを見た。
「少し、気になるところがあってね。今日のこれだけでは、何とも言えない。後で、ダートで走らせた時の記録も見せてもらえるかな」
「ファイルの前の方に入っています。映像もあります」
「それは助かる」
タキオンはそう言って端末を抱え直し、校舎へ歩き出した。
~~
準備室へ戻ると、タキオンは実験台の本を押しやり、空いた場所へ俺のファイルを広げた。モエは上着を椅子の背に掛け、持参したボトルを開けている。
俺がダートの映像を探している間も、タキオンは記録から目を離さなかった。走った距離より、途中で俺が書き込んだ短い言葉に指を止めている。
『脚が流れる』『肩に力』『本人は抑えているつもり』。
「……1600mまで、延ばせそうですか」
尋ねると、タキオンは顔を上げた。
「今日の測定だけで請け合うわけにはいかないね。ただ、試したいことはある」
彼女は新潟の映像を呼び出し、直線へ入ったところで止めた。モエの上体が大きく前へ出て、後ろへ伸びた脚が次の1歩へ移ろうとしている。
「福島で繰り返していたような加減速では、消耗するのも当然だ。まず、速く走っている時に余計な力を使っていないか調べたい。脚の力を受け止める姿勢も、呼吸の仕方もね。今の全力を、少しでも長く保てるようにする」
「全力のままで?」
モエがボトルを置いた。
「そこから始める。君がうまく動けている時の走りを、もっと詳しく見せてもらおうじゃないか」
「……遅く走る練習は?」
「同じことを繰り返しても、今すぐ楽に走れるようになるとは思えないねえ。それで脚を疲れさせて、他を試せなくなるのは困る」
タキオンは俺に向き直り、白紙を1枚求めた。ファイルの後ろから抜いて渡すと、走っている時に確かめたい箇所を、順に書きつけていく。
「絢原君。普段の練習に私がずっとついているわけにはいかない。撮影と記録は、君に頼みたいんだが」
「それは俺がやります。練習の組み方も、相談させてください」
「もちろん。ただし、時計が良かった日だけ持ってこられても困るよ。何を変えて、どう失敗したか。その時、本人はどう感じたか。そちらの方が欲しいくらいだ」
開かれたファイルには、うまくいかなかった日の記録が詰まっていた。
俺はそれを自分の方へ少し引き寄せた。
「分かりました。今日の分から、記録の取り方を合わせます」
「助かるよ」
タキオンはペンを止め、今度はモエを見た。
「君にも、細かく聞くことになる。苦しかった、と一言で済ませられるより、いつ、どこが、どう苦しくなったかを教えてもらえるとありがたい」
「そんなの、毎回ちゃんと言えるか分かんないよ」
「だから尋ねるのさ。私が見つけたものと、君にしか分からないものを照らし合わせたい。先ほどのようにね」
モエは黙って、画面へ目を戻した。
「これをやれば、阪神JFに間に合う?」
「目標は12月だったね。秋にどこまで変わるかを見たい。間に合うと言ってほしいだけなら、他を当たってくれたまえ」
声は穏やかなままだった。
モエの指が、ボトルの胴をゆっくりと撫でた。隣に座っていても、表情はよく見えない。俺が口を開こうとした時、彼女が先に言った。
「勝てるって言うだけなら、もう、いっぱい聞いたよ」
タキオンが椅子へ背を預けた。
「新潟で勝った時も、これからいくらでも勝てるって。みんな、そういう顔をしてた。……私がどこを走りたかったかなんて、聞きもしないで」
モエはボトルから手を離した。画面の中では、白い髪を靡かせた彼女が、後続を大きく引き離している。
「あの速さは、私のだよ。あれがなかったら勝てなかった。それは分かってる」
膝の上で、指がジャージを握った。
「でも、勝ったのに、帰りたくてしょうがなかった。またあんな顔で帰ってくるために、練習するのは嫌」
新潟で、駅へ向かう途中に休んだ時のことを思い出した。人目を避けるようにベンチへ座り、何も言わずに俯いていた姿が、まだ目に残っている。
モエは顔を上げた。
「私は、ティアラを獲りたい。そのために阪神JFを勝つ。あそこにウオッカが来ても、スカーレットが来ても、私が先にゴールする」
タキオンが、僅かに目を細めた。
「ずいぶん欲張るねえ。まだ、走り切れるかどうかという話をしていたはずだが」
「走り切って、負けていいわけないでしょ」
即座に返した声には、苛立ちさえ混じっていた。
「分からないところがあるなら、調べてよ。私も、言われたことは試すから。何をどうすればいいのか、ちゃんと教えて」
タキオンはしばらく彼女を見つめ、それから喉の奥で笑った。椅子から身を起こすと、止めていた映像をもう1度、スタートへ戻す。
「いいとも。君のその脚は、私としても放っておくには惜しい」
モエが僅かに身構えたが、タキオンの視線は既に画面へ注がれていた。スタート直後の数歩を拡大し、先ほどとは別の角度から撮られた映像を隣へ並べる。その手つきが、急に忙しくなった。
「さっきの測定でも、気になることが増えたばかりだ。どこまで走れるのか、確かめさせてもらおう。……その代わり、聞きたいことも相当増えるよ?」
「分かったってば」
「では、早速。今朝、最初に走ってもらった時だが――」
「あの、その前に」
俺が声を挟むと、タキオンが振り向いた。
「手伝っていただける、ということでいいんですね」
一瞬、妙な間があった。
タキオンは俺と、実験台いっぱいに広げた記録を見比べた。
「そのつもりで、君を助手にしたんだが」
「助手……」
隣でモエが俯いた。肩が少し震えている。
「トレーナー、気づいてなかったの?」
「まだ、返事はもらっていなかったからな」
「それは失礼。では改めて、よろしく頼むよ、絢原君。まず、そのケーブルをこちらへ」
差し出された手にケーブルを渡してから、俺は頭を下げた。
「こちらこそ、お願いします」
タキオンは短く頷き、モエへ質問を戻した。今度は彼女も身を乗り出し、画面を指しながら答えている。分からないと言い、走る時の姿勢をその場で真似てみせ、タキオンがまた映像を戻す。俺は脇でノートを開き、聞き漏らすまいとペンを走らせた。
翌週の測定日を決める頃には、窓から入る風も、すっかり温くなっていた。
「……帰してもらえないって、こういうことか」
モエが小声で言った。
タキオンは聞こえていたのか、長い袖から指を出して、予定表を俺の方へ押した。
「12月に間に合わせたいんだろう? 撮影する位置を決めておこう。明日から、君に頼むのだからね」
俺は鞄へ戻しかけたノートを、もう1度開いた。
誤字報告、評価や、感想、ここすきなど、よろしくお願いいたします。