「まずはこちらの受けた被害状況について今一度確認を。」
「特級呪物『呪胎九相図』1番から3番、同じく特級呪物『両面宿儺の指』合計4本。」
「つづいて人的被害の方ですね。」
「準一級術師1名、二級術師2名、補助監督5名、忌庫番2名、五条さん達や夜蛾学長と別行動で高専で待機していた方たちですね。」
「交戦した栗沢二級術師からの報告によれば術式と見た目からして以前七海さんが遭遇した特級呪霊によるものと見てで間違いないとのことです。」
呪術高専内部の部屋の一角そこでは先の襲撃騒ぎでの被害状況を確認が行われていた。
「この件は生徒たちや他の術師と共有したほうがいいですかね?」
「いや、上で留めてもらったほうがいいだろう、呪詛師界隈に特級呪物流出の確信を与えたくない。」
歌姫の言うとおり、多くの術師たちに共有してもいい、そのほうが捜索の手は増えるだろうしかし夜蛾学長の懸念も捨てがたい。
「信用できる術師にだけ開示するのが一番いいでしょうね。」
まあここは少数精鋭で相手を探ってく感じになるな。
そのためにも捕まえた呪詛師たちから有益な情報を得たかったのだが...
「それより捉えた呪詛師達は何か吐いたか?」
「それが、口が硬いというわけではないのですが、まともじゃない要領を得ない発言が多いです、ただ襲撃に関して自分は取引の上命令されてやったに過ぎないと。」
尋問は俺がやったのだが、相手さんの発言の内容と言葉の前後が意味不明だったため自白は難航を極めたのだ
「一応その取引相手の容姿は聞き出せたんだが正直信用できる情報とは言えなかった」
「性別不明の白髪おかっぱの坊主...覚えのある人はいますか?」
伊地知がみんなに聞くが
「私は聞いたことがないね。」
「適当こいてるだけじゃないの、誰か自白に強い術師知らない?」
冥さんと悟は知らないとのことだ、
冥さんは呪詛師の界隈にも詳しいので冥さんがわからないならこの場にいる人間にはお手上げだろう。
「そもそもなんで部外者と呪霊が天元様の結界を抜けれたのよ」
「それは俺も気になってたことだ、どうなんだ悟なんかわかんないのか?」
「それは生徒たちとやり合ってた呪霊のせいだと思うよ、呪霊は呪霊だけど精霊的なもんなんだと思う。」
「なるほど要はそいつが先行してあとの奴らはそいつの呪力を辿って侵入してきたってことか、天元様の結界は隠す方に全振りしてるから一回抜けられると案外脆弱だよな。」
「まあとりあえず今は生徒達の無事を喜びましょう。」
「フム」
楽厳寺学長も生徒たちに大事がなかったことについては良かったと思っているらしい、まあなんだかんだでおじいちゃんだからな、自分の孫くらいの年齢の子どもたちには優しくなるものなのだろう。
「しかし交流会は言わずもがな中止になるな。」
「んー、そうですねまた何か起こるかもしれないですし...」
生徒たちには悪いがこれも安全のためである、仕方なく同意しようとしたのだが
「ちょっと、それは生徒たちが決めることでしょ。」
自分の右隣に座っていた五条悟のその一言によって交流会を続けるかは生徒たちに委ねられることになった。
● ● ●
「おやおや君はもしかして今回いいとこを自分の従兄弟に取られちゃった一くんじゃないかい?w」
「おやおやそういう君は特級呪霊に尾行していたのがバレて交戦することになってその末に盗まれそうになった宿儺の指を2本奪い返した栗沢くんじゃないか。」
なぜこいつは出会い頭に失礼なことを言ってくるのだ、
親友だからか?気安い仲だからってか?
...ならいいか。
「言っとくけど、一応最低限の活躍はあったからな呪詛師はちゃんと捕まえた。」
確かに特級とやり合っていた生徒たちにかっこよく助太刀しに行きたかったのを従兄弟に取られてしまったが。
「でもでも、捉えた呪詛師からは有益な情報が得られなかったって補助監督から聞きましたよ。」
こいつッ自分が裏で活躍したからとここぞとばかりに!
どうせ今回の件を後輩に自慢してドヤりたいんだろうがそうはいかんぞ
「言っとくけど今回の襲撃事件は伏せられることに決定したからお前の活躍は言いふらすなよ。」
「ゑ?」
ほらなやっぱり
「まあじゃれ合いはここまでにしといて、調子はどうなんだ一発触られたってんだろ、家入がいってたぜ。」
久しぶりにできた武勇伝を口外するなと言われあからさまに残念がる栗沢に声を掛ける。
「...まあちょっと違和感感じるぐらいかな、俺はある程度、距離取って戦えるからその分の相性が出たかな、いつもの履きづらいスニーカーだったら負けていたかもしれん。」
栗沢は呪力特性の炎と生得術式を用いて実質的に2つの術式を使った戦いができる。
マーキングした範囲を爆発させられる術式は確かに距離を取りやすく防衛戦には適していると言える、あと本人のゴリラ力も結構あるし、
「お前なんでまだ二級なんだよ、冥さんと一緒に一級推薦してやろうか?冥さんはまあいくらか請求されるだろうけども同級生のよしみでちょっとはまけくれると思うぜ。」
「やだよダチとか後輩に出世させてほしいって頼むのダサいじゃん。」
栗沢は「まだ二級でいいか〜」って思ってたら年上の一級がいなくなって推薦受けるタイミングなくなっちゃったやつです。