「君が虎杖くんかい?」
招集を受けた虎杖が青山霊園に到着したときその場にはすでに三人が集合してきていた。
そのうちの一人から声をかけられる。
「君の話は聞いてるよ、特級呪物の受肉体と戦って勝ったらしいじゃん。」
受肉体...おそらく八十八橋の件のことだろう
「あれは釘崎...仲間と一緒だったから勝てたっていうか。」
「そうか謙虚なのはいいことだ、俺は栗沢、こっちは冥冥、冥の隣のちっこいのは冥の弟の憂憂だ、ちなめに俺は二級で冥は一級だ今回の任務は大事になりそうだからな、心して掛かれよ。」
「そんで任務についてなんだが。」
そうして顔合わせを行いつつ今回自分たちがすることを確認する
「上は今回の渋谷の事件を五条悟単独で平定させることを決定した。」
帷に侵入し内部を確認した術師たちの報告によれば、駅の内部その地下には特級呪霊が複数体いる可能性が高い、ならば集まっている特級を五条悟が一掃し残りを他術師たちで叩くのが最善であると判断されたのだ。
「五条先生一人で!俺達もなんかしないといけないんじゃないのバックアップとかさ!」
「そうだよ、だから今から渋谷に向かって五条悟のこぼれ球をひろう。」
「姉様にバックアップをさせるなんて五条悟...贅沢な男ですね。」
敬愛する自らの姉があくまでも裏方であるということに憂憂はため息を漏らした
「彼をそこら辺の男と同レベルで考えるのは行けないよ」
「姉様だってそのへんの女とは違いますっ」
冥冥と憂憂がそんな会話を繰り広げている間に栗沢には任務変更の連絡が届いた
「すまん、行き先は変更だ、どうやら明治神宮前駅に渋谷とおんなじタイプの帳が降りた俺達はそっちを解決してから来いってさ。」
「明治神宮前駅か、虎杖くん私達は走るけれどちゃんとついてこれるかい?」
「押忍。」
そうしてその場にいた者たちは駆け出していった。
● ● ●
カタカタカタ
呪術高専京都校の教員室にはパソコンのキーボードを叩く音が響き渡っていた。
「先生。」
そんな中でぽつんと機械的な声が響いた
京都校では馴染みのあるその声の持ち主は
「メカ丸君か!助かった呪骸をたくさん出してこの書類の山を片付けてくれないか!...?」
声のした方に振り返りながらそう言うがしかし肝心の彼の姿が見えない。
はて、確かに後ろから声がしたのだが、そう不思議に思いながらあたりを見回す。
「...すみません先生。」
もう一度声のした方向をよく見る、教員室の扉その端の方には手のひらサイズほどの小さなメカ丸がくっついていた。
「ん?いったいどうしたんだいメカ丸君その格好は。」
いったいどうしたのだろうか、いつもの姿のほうが動きやすいだろうに
「簡潔に言いまス、俺はすでに死んでいてこれは生前残した保険に過ぎないんでス。」
彼の口から告げられたのは衝撃の真実、彼はすでに10月19日に真人という特級呪霊と戦った末に敗北し死んでしまっているのだという。
「ッなんだって!?」
驚きのあまりかなりの大声を出してしまうおそらく学長室のほうにいる楽厳寺学長にも聞こえただろう。
「俺が死んだことはどうでもいいんでス、それより俺が今から言うことを信じて今すぐ渋谷に向かってくださイ、先生のスピードなら十分に間に合ウ。」
京都から東京までは直線距離で約200kmほど
確かに自分なら空間の位相を蹴り抜き空を走れるため1時間と数十分ほどでたどり着けるだろう。
「そうは言ってもね、先生が渋谷に行ってもできることなんざ無いと思うよメカ丸君。」
なんせ渋谷には五条悟が向かったという話だ自分が行ったところで戦況の程は変わらないはずである。
「五条悟は封印されましタ。」
「...ん?えーと、ん?」
五条悟封印にわかには信じがたいことを言われてその言葉をうまく飲み込めない、
「だが相手は封印した五条悟をその場から動かせない、今の状態がどれだけ続くか不明です、なので急いで渋谷の方に─」
メカ丸君から現状の説明を受けつつ思考を巡らせる、五条悟封印...殺害ではなく封印つまり相手は何らかの特殊な呪具ないしは呪物を用いて五条悟を行動不能にしたということ、ならば相手の戦力はあくまでもそれに頼らざる終えない程度であるということになる。
しかし現在までの情報から相手側は階級換算で特級呪霊複数と準一級〜三級相当の呪詛師集まりということがわかっている。問題は特級呪霊と首謀者の方、特級呪霊は言わずもがな一級複数人で対応せざる終えない、首謀者についてはこれだけの策を労せるのだ、只者ではあるまい。
それに渋谷には栗沢と冥さんが向かっているという話だ、
あの二人はちゃんと強いそうそう死にはしないだろうがだが相手が特級となると話は変わる。
「わかった、君は寮の方にいる東堂君と新田くんにもこの件を伝えてほしい、先生は先に渋谷の方に向かう。」
そう言いつつ教員室の扉を開け廊下に出る