機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
ゼダンの門を失い、ティターンズの権威が失墜する中、歴史の転換点は小惑星基地アクシズの旗艦グワダンへと移る。
ハマーン、ジャミトフ、そしてパプテマス・シロッコ。
三つの野心が、冷徹な計算と共鳴の中で激突しようとしていた。
宿命の会談:グワダンに集う怪物たち
グワダンの会見場には、ザビ家再興の是認を盾に優位に立とうとするハマーン、拠点を失い焦燥を隠せないジャミトフ、そして不敵な笑みを浮かべるシロッコが揃った。
この一触即発の事態を、トリアイナ(シュテルン・アズール)の旗艦グワランは全方位モニターで監視していた。
ヌーベル・アッメール「……一隻の戦艦にこれほどの怪物が集うとはな。シェリンカ、シュペーア・シルト隊をグワダンの射程外に展開させよ。何が起きてもおかしくはない」
乱入と暗殺:シロッコの謀略
会談は、サラを奪還せんとするカツの暴走、そしてクワトロの乱入によって混沌へと突き落とされる。
その混乱の極致、シロッコの意を受けたサラがボリノーク・サマーンで艦内にビームを放ち、大パニックが巻き起こった。
逃走するハマーンとクワトロ。静まり返った会見場に残されたのは、ジャミトフとシロッコのみだった。
パプティマス・シロッコ「……ここには我々しかいませんよ、ジャミトフ閣下。すまないな」
乾いた銃声。
シロッコは自らの手でジャミトフを暗殺し、即座に全軍へ「ハマーンが閣下を殺した」と虚偽の情報を流布。
弔い合戦を口実に、ティターンズの実権を強引に掌中に収めた。
究極の激突:ジ・O 対キュベレイ
グワダンを脱出したシロッコは、自らの手足となるべく造り上げた究極の MS ジ・O を駆り、ハマーンのキュベレイと交戦を開始する。
簡易サイコミュ「バイオセンサー」を搭載したジ・O と、ファンネルを操るキュベレイ。ニュータイプ同士の戦いは、常人には不可侵の領域へと達していた。
その熾烈なプレッシャーの渦中、ヴァーダリア・ゼニス隊のリック・ドム II が介入を試みる。
ゲネフェア・ガンガン「ランス、ヴォルフ! プレッシャーに呑まれるな。ハマーン様を孤立させるな! ……エレン、援護射撃だ! 奴を足止めしろ!」
エレンのリック・ドム II が放つ長距離ビーム攪乱の中、異変が起きた。
シロッコの放つ強烈な威圧感に当てられたか、キュベレイの一瞬の隙をシロッコは見逃さなかった。
パプテマス・シロッコ「墜ちろ、ハマーン・カーン! 貴女の時代はここで終わる!」
ジ・O の巨大なビーム・ソードが、キュベレイのコックピットを貫かんと振り下ろされる。
回避不能――ハマーンが死を覚悟したその瞬間、漆黒の巨躯が強引にその間隙へと割り込んだ。
ヴァーダリア・ゼニス隊の散華
ゲネフェア・ガンガン「させるかぁぁっ!!」
ゲネフェアのリック・ドム II が、ハマーンの盾となるべくジ・O の渾身の一撃を正面から受け止める。重装甲を誇るドムの機体が、ジ・O の出力に抗いきれずひしゃげ、火花を散らす。
ハマーン・カーン「ゲ、ゲネフェア……!? 貴様、何を……!」
ハマーンが驚愕に目を見開く中、ゲネフェアの機体は限界を迎え、爆炎の中に消えた。
ゲネフェア・ガンガン「お嬢(ハマーン)……。間に合った(微笑み)」
悲鳴と逆流する怒りその光景を、通信回線越しに見ていた側近たちの絶叫が、ノイズ混じりの宇宙に響き渡る。
ネイブル・ローゼ(デーモン・ローズ隊)「……あ、ああっ……ゲネ兄が……! なんてことを……!」
パプル・ローゼ(デーモン・ローズ隊)「ァ゙ァァ!ゲネフェアを……よくもッ!」
クリソス・ローゼ(デーモン・ローズ隊)「ゲネフェア……!? 嘘でしょ……そんなっ!」
デーモン・ローズの三人が悲鳴を上げる中、それをかき消すほどの咆哮と共に、理性を焼き切った三機のリック・ドム II がジ・O へと肉薄した。
爆発。
その光を合図に、残された隊員たちの理性が弾けた。
ランス・ギリアム「隊長を……ゲネフェア隊長をよくもぉぉ!!」
ヴォルフ・リヒター「シロッコ! 貴様だけは許さん!」
エレン・モルゲン「ああぁぁぁっ!!」
怒りに狂ったランス、ヴォルフ、エレンの 3 機は、編隊を無視してシロッコのジ・O へと肉薄する。だが、覚醒したシロッコの冷徹な反射速度の前に、旧式のリック・ドム II の突撃はあまりにも無謀だった。
ハマーン・カーン「はっ……! ランス、ヴォルフ、エレン、止まれ……! 行くな!!」
エレン「……もう遅いです、隊長は……!」
パプテマス・シロッコ「聞こえなかったのか? 指揮官の命令が。……情動に流される者など、私の敵ではない」
無慈悲なる断罪と、友の視線
シロッコは冷笑を浮かべ、ジ・O を駒のように滑らせる。
パプテマス・シロッコ「……感情に支配された戦士など、ただの肉塊に等しい。消えろ、俗物ども」
ジ・O の隠し腕が、そしてライフルが、次々とリック・ドム II を沈めていく。
ランス機が両断され、ヴォルフ機が蜂の巣にされ、最後に叫びを上げたエレン機もまた、宇宙の塵へと変えられた。ヴァーダリア・ゼニス隊――かつてジオンの誇りを守り抜いた精鋭たちは、ここに全滅したのである。
ネイブル、パプル、そしてクリソス。デーモン・ローズの三人は、そのすべてをモニター越しに「見て」いた。時に競い合い、時に酒場で語り合ったヴァーダリアの三人が、文字通り塵のように消えていく光景を。
死地からの奪還
三人が命を賭して稼いだ、わずか数十秒。
ネイブルは涙を拭い、叫んだ。
ネイブル・ローゼ「……クリ姉! パプル姉!ゲネ兄たちのところへ行くよ!!」
デーモン・ローズ隊の三機は、シロッコの追撃を掻い潜りながら、微かな望みを持ちながらヴァーダリア・ゼニス隊の救出に向かう。
沈黙の後に:ハマーンの衝撃
目の前で、自分を慕い、身を挺して守ってくれた部下たちが次々と屠られていく。
冷徹な統治者であったハマーン・カーンの心に、かつてないほどの激震が走った。
ハマーン・カーン「……ヴァーダリア・ゼニス隊が、全滅だと……? 私を守るために……。ゲネフェア、何故だ!!」
その隙を突き、シロッコはジャミトフ暗殺の罪をハマーンに着せ、ティターンズの全指揮権を掌握する通信を全軍へ発信した。
混乱する戦場に、サラを誤爆し慟哭するカツの叫びが重なる。
ヌーベル・アッメール(グワラン艦橋にて)「……ゲネフェア。馬鹿なことを・・・・・。貴公ら、そこまでして……。シェリンカ、全軍に弔砲を。我らが同胞の魂が、今、宇宙(そら)に還ったのだ」
アッメールは震える手で軍帽を握りしめた。
ヴァーダリア・ゼニス隊の自己犠牲によって辛うじて生き長らえたハマーン。
しかし、その代償はあまりにも大きく、歴史は血に濡れた最終決戦へと加速していく。